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GARMIN eTrex Vista HCx

自転車と装備

2009年に自転車旅用としてGPSを購入した。購入したのはGARMIN eTrex Vista HCxの英語版だ。

購入理由は、GPSを自転車のハンドルに取り付けて、

・走行中の位置データ(ジオタグ)を記録し、走行ルートを残す。

GPS機能のないデジカメで撮った写真にジオタグを付加して、写真を撮った場所を記録する。

・走行中、交通量の多い道や路肩の狭い道、トンネルがある道を避けたり、ショートカットできそうな道を探すため、ツーリングマップルではわからないカントリーロードや細い道をすぐに調べる。

といったところ。

GARMINeTrexシリーズには “Vista HCx” の他にVenture HC”, “Legend HCxがあるが、電子コンパスと気圧高度計、SDカードスロットがある “Vista HCx” を選択した。

というより、機能が一番あるヤツを選んだと言ったほうがいい。

“Vista HCx” は、eTrexシリーズの最上位機種なので値段も高い。特に日本語版は地図を含めると8万円近くもして、とんでもない値段。とてもじゃないが手が出ない。

ネットで ”eTrex Vista HCx” の事を調べていると、日本語版は高すぎると感じている人が多いらしく、英語版を購入して使っている人が多いことを知る。国内で使用しても表記が英語になるだけで特に問題ないらしい。

それで英語版を購入することにした。なんせ、日本語版より3万円以上も安い。そもそも日本語に変換するだけでなんで3万円も高くなるのか理解できない。

で、20092月に以下のものを「ベルクTKA PLANET(ホームページは閉鎖されている)」から購入した。

・「GARMIN eTrex Vista HCx 英語版」:¥34,800

・「UUD 日本詳細1:25000道路ナビ+トポ v2.0(CD-ROM+2GBmicroSD)」:¥12,000

・「大口径ハンドルバーマウントアダプター(25-32mm)」:¥1,800

合計で48,600円也。”eTrex Vista HCx” の画面はカラーで、地図データと位置データはmicroSDカードに保存する。

GARMIN eTrex Vista HCxのパッケージ
GARMIN eTrex Vista HCxのパッケージ

GARMIN eTrex Vista HCx 英語版」の使用感

GPSに使用する電池は単3電池2本で、自分は充電式のエネループを使っている。これまでの経験から、フル充電後、朝出発して夕方到着するまで使うと、電池はだいたい2日持つか持たないかぐらいだ。

なので必ず充電器とエネループ4本を別に持参している(他にもフロントライトに2本入っている)。走行中に電池切れになる(”Battery Low” の表示が出る)ので、2本はウェストバッグに入れてすぐに交換できるようにしている。

旅に出発して最初にする事は、カメラの時刻をGPSの時刻に同期させることだ。これは写真を撮る前に必ずやっている。

GPSの電源を入れてGPS衛星の電波を受信すると、現在位置が地図上に表示され、時刻も正確に補正される。衛星の電波は屋外では問題なく受信でき、屋内にいる時や飛行機、電車、フェリーに乗っている時でも窓の近くならほぼ受信できる。窓から離れていても受信できる時がある。

その後、カメラの時刻をGPSの時刻に同期させる。あとは旅から帰った後にアプリを使ってGPSで取得した位置データを写真に付加する。

次に毎朝出発前にすることは、GPSの電源を入れて日没時刻を調べておくこと。”eTrex Vista HCx” には日の出・日の入・月の出・月の入を表示する機能があるのでそれを使っている。最近はスマホのアプリでも調べられるようになったので、それを使うこともある。

自転車で走行中は、GPSの画面が光の反射具合で見づらい時もあるが、全く見えなくなることはない。光の反射や辺りが薄暗くなって画面が見づらくなった時はバックライトを点灯させればよく見える。

バックライトを点灯させても15秒で自動で消える設定にしているので、付けっぱなしになることはない。どこかのボタンを押せば、再度ライトが点灯する。ライトの点灯時間は最低15秒から最高2分まで設定でき、常時ONにすることもできる。

GARMIN eTrex Vista HCx 本体
GARMIN eTrex Vista HCx 本体

ツーリング中に行う操作は、地図の拡大・縮小、東西南北のスクロールがほとんどだ。あとは山登りの時に標高(高度)、上り坂の時に勾配を確認する程度。

地図は上側を常に北にして、周囲23kmぐらいの比較的狭い範囲をGPSの画面に表示していることが多い。道路が多い市街地ではもっと拡大するし、民家が全くなく道路も全然ないようなところだともっと縮小して見ている。

基本的に広い範囲はツーリングマップルで確認している。

地図には地名や店なども表示されるが、英語版のためローマ字表記なので読みづらい。市街地などで地図を拡大、縮尺したりすると、情報量が多いためかイライラするほど再表示に時間がかかる(10秒以上かかることもある)。なので、観光地や店、宿などを探すのはスマホのGoogleMapなどに任せて、GPSに表示させる情報量は多くしないように設定している。情報量は5段階に設定可能だ。

地図には10m間隔の等高線も表示されるのだが、小さい画面上に表示される等高線から標高や上り下りを読み取るのはなかなか難しい。

また、GPSの電源を入れても地図が表示されないことがある。その場合は一旦電源を落とし、SDカードを挿入し直して再起動すると表示される。

地図はGPSと合わせて2009年に購入したが、新しい道路がドンドンできているので、地図はドンドン古くなっていく。購入した地図も数年置きにバージョンアップしているのだが、これもなかなか高価だ。

一度だけ、バージョンアップするため2010年にVer.3版を購入したが、価格が10,500円もした。今はスマホで無料で地図が見れる時代。そんな高い地図を買おうとはそれっきり思わなくなり、その時購入した古い地図をずっと使っていた。

持っていたツーリングマップルはもっと古かったので、自転車旅をしていると新しい道に出くわしたり、いつの間にか旧道を走っていたりすることもしばしばあった。

それからしばらく経った2019年にOpenStreetMapを元にした無料の地図があることを知り、それをダウンロードして使っている。前のUUD製の地図より容量が半減したので情報量としてはかなり少ないと思うが、2年ほど使って特に不便を感じたことはない。道路が間違っていなければそれでいいと思っている。

GPSの位置精度は製品仕様で10m以下となっているが、実際にどの程度なのかはよくわからない。というのも、いつも現在地を至近道路上に表示する設定にしているためだ。

それでも、旭岳温泉に向かっている途中の山間の道道1160号線で大きく山中へ外れたことがある。屋外でいわゆる ”LOST” 状態になったのはこの時だけ。その時は山岳地帯なので電波が入りづらいのかと思ったが、電源を入れ直すと道路上に戻った。山岳地帯だと多少、入りづらさはあるように思う。

現在地を至近道路上に表示する設定にしていても、至近に道路がない登山道やトレッキングコースなどを歩いているときは、現在地をそのまま表示する。

GARMIN eTrex Vista HCx の地図
GARMIN eTrex Vista HCx の地図

高度は気圧から測っているようなので「正確じゃないんじゃないか?」と思っていたが、標高のわかる峠や山頂で何度か確かめてみると、そこそこあっているようだった。仕様の精度は3mとのこと。ただし、飛行機の中は気圧を調整しているので全くあっていないはず。

雨の日の走行でも防水レベルがIPX7(一時的に水没しても浸水しないレベル)なので特に問題ない。が、何年も使っていくとそうでもなくなってくる。この点は後の「使用劣化」で書くとする。

ナビゲーション機能もあるが、これは使ったことがないし、他にもいくつか機能があるらしいが、それらもほとんど使ったことはない。

自転車を止めて展望台などに歩いて行く時やトレッキングをする時も位置データを取るため、GPSを自転車から外して持ち歩いている。盗難防止という意味合いもある。GPSはアダプタからワンタッチで外せるので簡単だ。

まだガラケーが全盛だった2009年に、西表島でトレッキングツアーにGPSを持って参加したことがある。休憩中、ガイドの方にGPSの画面をみせながら「川沿いに登ってきてるんですね」と尋ねたところ、参加している方含めてGPSに痛く感動され、GPSの写真まで撮られたことがある。スマホ全盛の今は誰でも普通にできることだが

GPSを持って船や飛行機に乗ると、乗り物のスピードがわかる。フェリーの速度はだいたい30km/hぐらいで、高速船だと40km/h、飛行機は900km/hぐらいだろうか。

位置データは20秒間隔で取得する設定にしていて、microSDカードに保存されるのと同時にGPSの画面上にも軌跡が記録されていく。最初の頃はデフォルトの15秒間隔にしていて途中で20秒に変更したが、どちらでも大差はない。

時間間隔ではなく、一定の距離間隔で位置データを取得することもできる。どちらがいいかはいまだによくわからない。

時間間隔にすると、急な上り坂や歩いているところのデータが多くなり、急な下り坂や乗り物に乗っているところは逆に少なくなる。

距離にすると一定の距離間隔でデータが取れるのでいいように思ったこともあったが、展望台など狭い範囲内を移動した時は、実際に移動したところまでのデータが取れていないことがあった。位置データを取得する間隔を数mぐらい(設定では最低1mまで)に短く設定すればいいのだが、そうすると長い距離を移動する自転車旅ではデータ量が多くなり過ぎる。

ということで、これまでは時間間隔に設定していて、写真を撮った場所が大きくズレたりすることもないので、そのままにしている。

間隔の設定には他にも自動という選択肢もあり、データの取得間隔が5段階に分かれている。まだこの設定をしたことないので今度試してみようと思う。

20秒間隔で取得した位置データの容量は、1日あたり100kB300kBぐらいになる。2GBmicroSDカードのうち、地図データが1.92GBを占めているので、残り80MBぐらいに位置データが保存できる。換算すると200日分以上も記録できることになるので、10日間ぐらいの旅では全然余裕だ。

位置データは、microSDカード以外にGPS本体のメモリ内にも記録されていく。メモリは大した容量がない(調べると1万ポイントまで保存できる)ので、ずっとデータを取っていくと3, 4日後ぐらいにはいっぱいになる。

本体のメモリがいっぱいになると、画面上に記録されていた軌跡がそこで止まり、軌跡のラインが最後に記録した地点から現在地まで飛んでいるような感じになる。この軌跡のライン表示がおかしくなった時が本体のメモリがいっぱいになった時だ。画面上に ”Memory Full” みたいなエラーの表示は出ないので、これで判断するしかない。

本体のメモリがいっぱいになっても、SDカードの容量がいっぱいになっていなければ、SDカードにはデータが記録されていく。本体のメモリ内に溜まったデータはGPSの操作で削除する。

とりあえず、これまでの使用感としてはこんな感じ。

“eTrex Vista HCx” を購入して最初に使った自転車旅が、この後に書いていく「’09 んみゃーち美ぎ島 宮古島」だ。この旅からブログの最後に掲載する走行ルートは、実際に “eTrex Vista HCx” で取得したデータから作成している。

旅から帰った後、地図上に走行ルートや写真を載せて、振り返ってみるのもなかなか楽しいものだ。

使用劣化

“eTrex Vista HCx” はもう何年も直射日光や風雨、潮風、汗に当たっているので、随分といろいろなところにガタがきている。

ハンドルにマウントしたGARMIN eTrex Vista HCx
ハンドルにマウントしたGARMIN eTrex Vista HCx

最初におかしくなったのは、電子コンパス。

GPSの電源を入れて衛星電波を捕捉するとGPS画面上に、GPSの頭が向いている方向に矢印が出る。自転車で走っていると、進行方向に矢印が向くことになる。

使い始めて2年ぐらいたった頃、矢印が進行方向に対し、左に1020度ほど傾くようになった。

症状が出始めた頃、GPSを校正すると直ったが、しばらくするとまた傾き始めた。電子コンパスは地磁気を利用しているので、近くに取り付けているライトの電池やサイコン(サイクルコンピュータ)の無線電波が影響しているかもしれないと思い、それらをGPSから離したり、外したりしたが改善しなかった。今はもう諦めてそのままにして使っている。

次におかしくなったというか壊れたのが、GPSをハンドルに取り付けるプラスチック製のマウントアダプタだ。

前にも書いたが、自転車を置いて展望台などに歩いて行ったり、トレッキングをする場合は、GPSを自転車から外して持ち歩いている。GPSはアダプタからワンタッチで外せるので簡単なのだが、何十回も外したり、付けたりしているうちに、ハンドルマウントアダプターに亀裂が入り、ついには折れた。

2011年、2013年と短い期間に2度も壊れて、その度に新しいモノを購入した。アダプタも価格が1,000円もして決して安い物ではない。その後、GPSを外す時はプラスティック部にストレスがかからないように気をつけているので壊れることは無くなっている。

防水機能もかなり怪しくなっている。元々の防水レベルはIPX7なのだが、長く使っているうちに本体のプラスティック部とラバーの境目に隙間ができてきて、見た目には水密性がかなり怪しそうに見えた。ラバーが温度や雨などで伸びたのかもしれない。

一応、その境目部分に接着剤を塗って使っているが、雨の日はハンドルにマウントせず、レインウェアのポケットに入れるようにしている。

さらにクリックスティックのゴムカバーがどっかに消えて無くなってしまった。無くなる前から外れやすくなっていたが、いつの間にか取れてしまったようだ。

ゴムカバーの下にはプラスティック製のスティックがあるのだが、これだけだと短くて爪を使わないと操作できない。クリックスティックは地図を東西南北にスクロールしたり、メニューの選択によく使うのだ。

とりあえず、大きさが同じくらいのありあわせゴムがあったので、それに穴を開けてスティックカバーにしている。が、ありあわせなのでスムースに操作することはできなくなった。

あと、ここ最近頻繁に起こるのが走行中にGPSの電源が落ちることだ。注意してみると、どうも大きめの段差があると振動で電源が落ちているようだった。

長い下り坂の途中で電源が落ちたりすると、それに気がつかず長い距離を走ってしまい位置データを取り損ねることもあった。その後は更に悪化して、自転車を止めて普通に操作しているだけでも電源が落ちることがあり、いよいよ寿命かと思ったりした。

原因として最初の頃は、隙間から雨が入り接触不良になっているのではないかと思ったが、いろいろ観察していくとどうも電池によって落ちやすさに違いがあるように見えた。ただ、落ちやすい電池のバッテリー残量を確認してみるが、十分残っている。おかしい。

電池ボックスの電極金具もかなり緩くなっていたので、クッションを挟んで電池と電極金具の接触圧を高めてみた。これでかなり改善したので、電池の接触に問題があるように思えた。で、今度は電池をよくみると電極部分に少し錆がついているものがあるので、ヤスリで擦り落とすこともした。

これで当初の頃のように走行中にしょっちゅう電源が落ちるということは無くなったが、それでもまだ突然落ちることがある。GPS内部にやはり何かしら問題が出てきているかもしれない。

とまー、10年以上使っているので、いろいろなところでかなりガタがきている。やはりそろそろ買い換え時だろうと思っている。

最新の機種だと、”eTrex 32x” あたりがいいのだろうか。


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