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'16 強風の隠岐と出雲国⑤ 島後

2016年 自転車旅 中国

5日目 2016年5月4日(水)       -

今日は昨日と打って変わり天気もいいので、予定通り島後を時計回りに1周するつもり。

出発前に、5月6日に泊まる出雲の宿を予約しておく。

部屋はオーシャンビュー
部屋はオーシャンビュー

宿を出る前、フロントの方が、他のお客さんに、

「今日のフェリーと高速船は全便欠航で、飛行機はまだどうなるかわからない」

と話している。それを聞いたお客さんは連泊をお願いしている。

確か、高速船は3m以上、フェリーは5m以上の波で欠航すると聞いていたが、今日は天気がいいので、海がそんなに荒れているとはちょっと想像つかない。

まっ、自分は今日一日、島後から出ないので、船のことは全然気にする必要もなく、天気が良ければ、それでいい。

「天気が良くても、波がかなり高い日もあるのだろう」ぐらいにしか思わず、宿を出る。

8:09 宿を出発。まずは県道44号線で都万の舟小屋群に向かう。

西郷の街を抜けて県道44号線を海沿いから内陸に入ると、鳥越峠まで上り坂が続く。峠を越えて一旦くだると、唐尾トンネルまで再び上る。

どちらも勾配は5%程度とさほどでもない。唐尾トンネルは歩道が狭いので、交通量の少ない車道を走る。背後から車が迫って来たら、路肩に止まり車をやり過ごす。

唐尾トンネルを出て海岸線まで一気に下っていくと、風が強くなってくる。そして緩いのぼり右カーブのところで、左前方の海から突風を受ける。

なんとか風をやり過ごして、あいらんどパークの入口を通過する。その後、左手に海を見ながら綺麗な海岸線沿いの道を進むが、波が非常に高い。

ようやく、風が強くて海が荒れていることを感じ始めるが、これ以上の強風を沖縄や奥尻で経験しているので、まだ大丈夫。

荒れる日本海
荒れる日本海

突風〜、進路変更

9:12 そう思って走っていると、県道316号線との分岐の少し手前にある海水浴場のようなところで、海からの猛烈な突風に襲われる。

走っていられないので、風をやり過ごそうと自転車を止めて風よけを探すが、近くに建物や車はない。少し戻ったところにトイレのような建物があるので、そこまで引き返そうと自転車を反転させる。

すると、正面から更に強い突風が吹いてきて、自転車ごと吹っ飛ばされそうになる。少し恐怖を感じるほどの風だ。

その場に少しとどまってみるも突風は続き、止みそうにない。

一旦、自転車を押して内陸側の県道316号線に入り、風が弱くなるところまで避難する。100mぐらい入ったところで風が弱くなる。

この突風と高波なら、船は欠航するだろうと、この時初めて実感する。

そんな事を思いながら、県道44号線がこの先、海沿いを走る場所を地図で確認する。海沿いを走るのは、ここから都万までと那久岬の手前、油井、福浦、五箇と結構ある。

船は今日1日全便欠航なので、この強風は今日1日続くのだろう。

予定では、県道44号線を通って「壇鏡の滝」や「ローソク島」に行くつもりだが、この突風はかなりヤバそうだ。

無理して県道44号線を進み、さっきみたく風で立ち往生することが一番怖い。今回はたまたま県道316号線という逃げ道があるところで良かった。

結局、「壇鏡の滝」は諦めるとして、ローソク島には行きたいので、まず県道316号線と国道485号線を経由して島の内陸から北部に移動し、郡から県道44号線に入り五箇まで行ってみる。そこで風の状況を見てローソク島に行く判断をすることにする。

9:17 県道316号線の分岐を出発し、国道485号線を目指す。県道316号線に入ると、多少風はあるものの穏やかになる。さっきとはまるで別世界だ。

県道316号線は国道485号線までほぼ平坦で、交通量は皆無。

9:49 国道485号線に到着、ここから北上する。しばらく進むと日の津トンネルまでの上り坂になるが、勾配は大したことはない(5%以下?)。五箇トンネルを過ぎると下り坂になる。

日の津トンネルは距離が短く、十分な幅の歩道もあり問題ないが、五箇トンネルは自転車がなんとか通れるくらの歩道しかない。交通量が少ないので、車道の路肩を進む。

10:25 郡の県道44号線との分岐に到着。左折して県道44号線に入り、五箇に向かう。

ローソク島…断念

10:38 隠岐温泉の前まで来ると、前方は海まで田圃が続くため、やはりここで一気に風が強くなる。風よけのため集落のほうに進むと、都万の手前で受けたような突風を受ける。

10:40 家陰に隠れてしばらく風の様子を伺うが、一向に止む気配はない。やはり風は少しも治まっていない。止まっている車が飛ばされないか心配になるほどだ。

この突風では、海岸にあるローソク島に行くのは無理と判断して、島の東半分をまわることにする。

10:44 五箇を出発。国道485号線まで戻り、左折してまずは中村を目指す。途中、山光久見トンネルは狭い歩道しかないが、交通量もほとんどないので路肩走行で問題なし。

11:32 白島崎の分岐に到着。白島崎にも行く予定にしていたが、ここも突風に曝されることが目に見えているので断念して通過する。ここから島の東側に入る。

遠くに白島崎と灯台(真ん中に微かに見える?)
遠くに白島崎と灯台(真ん中に微かに見える?)

島後・東海岸

11:40 中村に到着。ここには内陸を通って西郷まで続く県道316号線の分岐がある。もしここでも西側のような突風が吹いていればこの道で西郷まで戻ることも考えていたが、全然強くないので、このまま国道485号線で布施に向かう。

布施に向かってしばらく走ったところで、急に風が強くなる。少し心配したが、しばらく走ると治まったのでそのまま進む。

布施までいくつかトンネルを抜ける。どこも交通量が皆無なので問題なし。布施の手前でトカゲ岩岩倉の乳房杉への分岐道があり、行くことも考えていたが、上り坂で距離もあり、この先の風の状況も読めないのでパスする。

東側の海は穏やか
東側の海は穏やか

12:15 布施に到着。ここには浄土ヶ浦という景勝地があるらしいが、港周辺を見まわすと、沖に岩があるぐらいで場所がよくわからない。それよりこの先の風が気なるのでここもパスする。

ここで国道485号線は終了、ここから県道47号線に入り、公園でトイレ休憩する。

海岸線沿いに南下していくと、アップダウンの道が続くが、風もかなり弱くなり、海岸線の綺麗な景色を見ながら走る。

浄土ヶ浦方向、右に三峰島と大鼻島
浄土ヶ浦方向、右に三峰島と大鼻島

13:02 新龍ヶ滝トンネルは通らず、海側の迂回路を走る。迂回路にもトンネルがあるが、そのトンネルを出ると、対岸や黒島の眺めがいい。

黒島と穏やかな入江
黒島と穏やかな入江

13:14 黒島展望台に到着。写真撮影してすぐに出発。

13:47 佐々木家住宅に到着。休憩がてら見学する。

佐々木家住宅
佐々木家住宅

西郷湾に出る手前の下りで再び、風が強くなる。下り坂だが、漕がないとなかなか進まない。

西郷

14:37 西郷のフェリーターミナルに到着。島の西側と北側をカットし、東側も意外と問題なく走れたので、時間が随分余ってしまった。

さて、この後どうするか。こういう時は昼飯でも食べようと、近くを探索してみるが、魚の直売所兼ちょっと高そうな海鮮処ぐらいしかなかったのでネットで探してみる。

西郷の街中に「味乃蔵」と「鍋国」という良さそうな店を見つける。早速行ってみるが、どちらも昼時を過ぎているので準備中、残念…

ターミナルに戻り、持っていたパンで腹を満たすことにする。食べながら、この後の予定を考える。風がまだ強いので、西郷周辺の玉若酢命神社、隠岐国分寺、隠岐モーモードームをまわることにする。

15:13 フェリーターミナルを出発。まず玉若酢命神社に向かうため、朝通った国道485号線を進む。

15:21 空港に向かう道との分岐に到着、前から強風が吹いてくる。朝通った時は風のことを意識しないほど弱かったのに、その時よりはるかに強くなっている。

ここから玉若酢命神社はあと1km程だが、ここは交通量が比較的多く、歩道もないので、風で煽られると危険だ。

そのため、玉若酢命神社は後回しにして、先に県道323号線で隠岐モーモードームと隠岐国分寺をまわることにする。

15:44 隠岐モーモードームに到着。モーモードームとは闘牛場のこと。今は開催していないが、中に入れるので見学する。

闘牛場は、宇和島や徳之島でみたことあるが、屋根があるので宇和島に似たような感じ。

隠岐モーモードーム
隠岐モーモードーム

そのあと、隣にある隠岐国分寺を一通り見学する。国分寺だけに立派な神社だ。

隠岐国分寺
隠岐国分寺

15:59 隠岐国分寺を出発。県道323号線から国道485号線に入って玉若酢命神社に向かう。

玉若酢命神社

16:10 玉若酢命神社に到着。ここには樹齢2000年の八百杉があり、実際に見てもさすがにデカい。かなり離れたところから写真を撮らないと1枚に収まり切れない。

ただ、5本の丸太で支えられていて、木の周囲も立ち入らないよう規制されているので、倒木の危険があるようだ。

樹齢2000年の八百杉
樹齢2000年の八百杉

境内の建物もかなり古そう。本堂には太いしめ縄が下がっている。

玉若酢命神社
玉若酢命神社

隣りの億岐住宅を見学して、今日のツーリングは終了。

16:32 玉若酢命神社を出発。宿に向かう前に昨日も行ったスーパーへ買い物に行く。

16:48 スーパーサンテラスに到着。まだ時間があるので、買い物の前にスーパー近くの田園地帯を散歩する。

17:37 スーパーを出発、宿へ向かう。

17:48 宿に到着。今日のお宿は「旅館金峰荘」。昨日泊まった「ホテルMIYABI」のすぐ近くにある。

建物は新しく、部屋は6畳の和室できれい。お風呂とトイレは共同で素泊まり6,480円也。予約すると食事付きにもできる。自転車は1階にある車庫の中に止めさせてもらえた。

受付で手続きしていると、

宿の女将さん:「今日は船も飛行機も止まってるから、来ないんじゃないか?と思ってたけど」

自分    :「昨日から来ていました」

宿の女将さん:「(キャンセルの)連絡がないから来るんだろうなぁと思ってたけどねぇ」

自分    :「すみません」

そこまで気が回っていなかった。ちょっとキツそうな感じの女将さんだったので謝っておく。

自分    :「こんな風の強い日は、結構あるんですか?」

宿の女将さん:「こんな風は記憶にない。異常気象だ」

今日の天気は、かなり特異だったようだ。これまで日本各地での自転車ツーリングで、いろいろ強風を経験してきたが、風の強さは今日が一番だ。

あと、島後の交通量は、西郷近辺は多めだが、国道でもかなり少なく、それ以外はほぼ皆無だった。

さて、今日は全然予定通りに周れなかったので、明日どうしようか思案する。

予定なら、朝一のフェリーで本土に戻り、日本海側を通って松江に行く。

だが、そもそも今回の旅先を島根にしたのは、隠岐に行きたかったからで、その一番行きたかった隠岐の島後を全然周れずに帰るのはもったいなさ過ぎる。

ということで、予定を変更して、明日は15:10の最終のフェリーで本土に戻ることにして、それまで昨日行けなかった島の西側を周ることにする。

問題は、日没までに松江まで辿り着けるかだ。フェリーの七類着が17:35、日没時間が18:45、七類から松江まで約25kmなので、平均21km/h以上のスピードで走らないといけない。

松江の宿はすでに予約しているし、宿泊地を変更するとなると、それ以降の予定も変更しないといけないので面倒だ。全速で松江に行くしかない。

走行時間:6h19m13s 走行距離:91.82km 平均速度:14.5km/h 最高速度:48.7km/h