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'07 やまなみハイウェイから阿蘇、耶馬渓・国東半島へ④ 内牧温泉〜阿蘇山

2007年 九州 自転車旅

4日目 2007年10月1日(月)

朝起きると、4日目にしてはじめての青空。窓からは阿蘇山が見えるが、中腹辺りがもやっている。出発前、宿の屋根にペンキを塗って早くも仕事をしている人がいる。

9:45 かなり遅めの出発。阿蘇山に上るので、荷物を身軽にするため、JR阿蘇駅に向かう。駅のコインロッカーに必要のない荷物を置いておく。

駅前の県道111号線 阿蘇パノラマラインに突入し、阿蘇中岳に向かう。出発前のもやも取れてほぼ快晴で、阿蘇山、外輪山もクッキリ見える。パノラマラインは交通量少ない。

路上に大きなヘビの死体発見。自転車旅ではたびたび見かけるが、猫の死体は早く回収されても、ヘビは放置されるように思う。

パノラマラインの始めは勾配はキツくないが、徐々にあがり5%ぐらいになる。

森林地帯を抜けると眺望が開け、眼下に阿蘇の街や田園地帯が見えてくる。草原地帯では牛や馬が放牧されていて、のどかで静かないい風景。遠く大観峰の辺りもよく見える。

駐車スペースでは車やバイクを止めて写真を撮ったり、風景を眺めている人をよく見かける。何度も自転車を止めて、写真を撮ったり、周りの風景を楽しみながら上る。

阿蘇で草を食む牛たち
阿蘇で草を食む牛たち

草千里ヶ浜

てっぺんが凹んだ緑色の特徴的な山「米塚」を過ぎると、県道298号線との分岐に到着。ここから勾配がキツくなり、8%ぐらいになる。

路肩に車を止めてアイスやジュースを売っているオッチャンに笑われながら「まだまだ(坂は)これからだぞ」と冷やかされる。10月でもこの坂道で暑くなり、木陰で休憩しながら上る。

13:05 草千里展望所に到着。坂道が少しキツかったのでしばらく休憩する。ここの標高はよくわからないが、米塚が眼下に見えるので1000mは超えていると思う。ここから見る草原の杵島岳や眼下の風景もなかなかの絶景。

草千里展望所
草千里展望所

展望所を出発して、下り坂に入り左に大きくカーブするとすぐに阿蘇火山博物館と草千里ヶ浜に到着。展望所からこんなに近いとは思っていなかった。

草千里ヶ浜は文字通りの草原の丘陵地帯でいい風景、遠くから見ると寝転びたくなるようなところ。草千里ヶ浜の向かいに阿蘇火山博物館やレストハウスがある。まず阿蘇火山博物館を一通り見学(入場料¥840)、まずまず楽しめた。

レストハウス前の草千里ヶ浜には乗馬用の馬たちが並んで繋がれている。馬の鞍には名前が書いてあって「みき」、「みなみ」、「ゆみ」と女の子の名前が多い。牝馬なんだろう。

鞍を外した馬の胴体にはマジックのようなもので直接「草」と書かれている。「阿蘇草千里乗馬クラブ」の馬なので、放牧されている馬たちと区別できるよう書いているのかもしれない。

草千里ヶ浜の馬たち
草千里ヶ浜の馬たち

乗馬はせずに、草千里ヶ浜の少し小高くなっているところまで散策してみることにする。

実際に草千里ヶ浜の中を歩くと馬糞だらけで、寝転ぶようなところではなかった。草千里ヶ浜は乗馬のコースになっているので、こうなっているようだ。

というか、草原ばかりでなく、道路の真ん中にも落ちている。よそ見して自転車で走るのは危険だ。自転車ばかりでなく、車もバイクも危険。

草千里ヶ浜
草千里ヶ浜

草千里ヶ浜を散策し終えレストハウスに戻る。

アイスを食べながら、のどかな草千里ヶ浜の風景を眺めていると、突然大きな音が聞こえてきた。目を馬のいるほうに向けると、馬が滝というか豪雨のようなお小水をしている。

始めてみたがバケツ5,6杯分ぐらいはあるような量だ。馬は大も小もスゴすぎる。

草千里ヶ浜からみた杵島岳
草千里ヶ浜からみた杵島岳

中岳火口

中岳手前のロープウェイ乗場に向けて出発。緩い下り基調の道を進む。

ロープウェイ乗場に到着する。ここから道は有料の阿蘇山公園道路となる。ただし、自転車は無料で通れる。料金所で係りの人に歩道を走るように言われたので歩道を進むことにする。

ところが、これが後に酷いことになる。しばらく歩道を上っていくと歩道は車道から大きく外れ、道路脇には「遊歩道」との看板、そして勾配が急激に大きくなり、気がつけば車道よりかなり高いところを走っている。

勾配は優に10%を超え、20%ぐらいありそうだ。さすがにキツくて途中で休憩する。

呼吸を整えて出発しようした時、思いっきり1歩目を踏みこまないと次の踏み込み前に自転車が止まってしまうと思った。ビンディングペダルはつけてない。

で、思いっきり1歩目を踏み込むと、その途端、前輪が浮いてウィリーしてしまう。何度かチャレンジしたが、どうしてもウィリーしてしまう。

残念だが、阿蘇中岳火口まで自転車で上ることは断念し、ここから勾配が緩くなるところまで押すことにする。

ところが、しばらく自転車を押していくと、なんと階段が見えてくる。階段は数カ所あり、遊歩道を通れば、自転車を漕いで上れないことがここでわかる。

火口までなんとしてでも漕いで上るというこだわりはなかったので特にがっかりはなかった。というか、バスで行こうかとも考えていた。

15:15 中岳火口に到着。ここも結構な人出で、ライダーも多い。自転車で来る物好きは自分だけ。

駐車場に自転車を止めて、火口が見えるところに向かう。火口の周辺は火山ガスのため、立ち入れる場所が制限されている。風の向きや強さ、火山ガスの強さによって入れる場所も変わるようだ。

この日は火口が見える場所まで入れた。火口はエメラルドグリーンの水(熱湯)からモウモウと噴気が立ち上っていて、綺麗というよりも不気味な色に見えた。

火口周辺には、桜島でも見かけた噴石から逃れるための頑丈そうなシェルターがいくつかある。今ここで噴火したら、ここにいる全員はシェルターに入れそうにない。

阿蘇山中岳火口
阿蘇山中岳火口

噴気を上げる火口
噴気を上げる火口

砂千里ヶ浜

15:40 中岳を出発し、阿蘇山を下る。阿蘇山公園道路の途中にある砂千里ヶ浜に寄ってみる。

ここは中岳火口や草千里と打って変わってほとんど人がいない。草千里と正反対に火山灰と噴石だらけの荒涼とした世界が広がっている。

砂千里ヶ浜を横断するように木道があり、先にある小高い山まで続いているので、そこまで行ってみることにする。

途中、向こうから外国人カップルが来たが、ここで出会ったのこの方々だけだった。火口に行った人のほとんどはここに寄らず下りてしまうようだ。

小高い山のところまできた。荒涼とした風景を眺める。見たこともない風景なのでなかなか楽しめたし、オススメ。砂千里ヶ浜の入口に戻る。

砂千里ヶ浜
砂千里ヶ浜

砂千里ヶ浜を出発。下り坂なので後ろからの車と馬糞に気をつけながら走る。草千里を過ぎ、上って来るときに冷やかされたアイス売りの車は既にない。

上りは県道111号線で来たが、帰りは途中で県道298号線で赤水に出ることにする。西日を浴びながら「米塚」の横を通る。「米塚」てっぺんは県道からすぐ上れそうな感じだ。

ちなみに「米塚」は、米を積み上げて山になったという伝説からその名がつき、てっぺんの凹みは食べ物に困っている人に米を恵んだためとも言われているそうだ。

米塚
米塚

県道298号線も交通量は少ない。

ゆっくり下り民家が現れ、勾配が緩くなったところで大きな施設に遭遇する。阿蘇ファームランドだ。猿まわしをやっていて、宿泊することもできる。

阿蘇ファームランド
阿蘇ファームランド

ここで宿のある内牧温泉までのルートを考える。国道57号線は避けるとして地図を調べると、この先の交差点で右折し、県道149号線を進めば、ちょうど内牧温泉に着けることがわかった。

交通量が少なそうなカントリーロードっぽいのでこのルートでのんびり行くことにする。

ところが、右折して県道149号線に入ったところで、あることを思い出した。そう、阿蘇山に上る前、自転車を身軽にするため、阿蘇駅のコインロッカーに荷物を預けていたことを…

しょうがない、国道57号線で行くしかない。赤水で国道57号線に入る。交通量多く、路肩狭く、全く面白みのない道で阿蘇駅に向かう。まぁ仕方ない。

阿蘇駅に到着し、荷物を回収。昨日と同じ国道212号線で内牧温泉に向かう。

内牧温泉

内牧温泉に到着。今日のお宿は「蘇山郷」。1泊朝食付きで¥7,500也。作家「与謝野晶子」が泊まったことで有名な老舗の宿らしい。

若女将が出迎えてくれて、自転車の止めるところを聞いたところ、「高そうな自転車ですね?」と聞かれたので、「高いです」と答えたところ、旅館の庭に入れさせてもらった。

ロビーの椅子で宿帳を書いているとお茶が出て来た。今日は夕食なしなので、その時にこの周辺のお薦めの店とコインランドリーの場所を聞くと、内牧温泉の手描きの地図をもらい、場所を教えていただいた。こういうところはさすがにサービスが行き届いている。

部屋は8畳の和室+広縁で、温泉に入ってから夕食に出かける。温泉には露天風呂はなかった。

同じ内牧温泉でも昨日と今日では雰囲気がまるで違う宿で、今日は落ち着いた歴史を感じさせる宿だ。

薦めていただいた和食のお店に行ったが、最初に頼んだビールと付き出し以外は30分以上経っても出てこないので、店を出た。

すると、店の大将が外でタバコを吸っていた。仕事してるの??。気を取り直し、別の店で夕食を取り、コインランドリーで洗濯して宿に戻る。

今日は自転車旅の目的の一つ、阿蘇山に行けて満足。明日は大分に戻る。

走行時間:4h36m01s 走行距離:62.67km
平均速度:13.6km/h 最高速度:36.1km/h

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