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'07 幻の橋・タウシュベツ川橋梁と富良野・美瑛の丘④ 帯広〜中富良野

2007年 自転車旅 北海道

4日目 2007年8月1日(水) -

今日はまず帯広から富良野の布部までJRで輪行する。

6:15 重い輪行バックとリュックを担いで宿を早めに出発。荷物の重さは20kg近いはず。朝早いため涼しいはずだが、帯広駅まで10分ほど歩いただけで汗だくとなってしまった。

乗る汽車(北海道では電車といわない)は始発なので早めにホームに入線するだろうし、輪行バックの置き場所も確保する必要があったため早めに駅に来た。

ホームに上がると、間もなく乗車する汽車が入ってきた。1両編成だ。

初めての電車(汽車)輪行なので、輪行バックを車輛のどこに置くべきか事前に調べておいた。ネットで調べると、先頭車輌の一番前か最後尾車輌の一番後ろに置くと、通路がないため、他のお客さんには一番邪魔にならないらしい。

入ってきた汽車は古い車輌で、前と後の2箇所にしかドアはない。

ドアが開いたので輪行バックを乗り込んだすぐの壁際に置く。発車まで時間があるのでホームに出る。

ローカル線を走る1両編成のワンマン車

そこでちょっと考えた。今輪行バックをおいたあたりは、ドアから出入りするお客さんの邪魔になるのではないか?

今日、輪行するのはローカル線を走る1両編成のワンマン車だ。運転手ひとりだけで車掌はいない。

ここ北海道のローカル線は無人駅が多く、今日乗る根室線もほとんど無人駅だろう。

無人駅に到着すると、降りる乗客は車輛の先頭に進み、運転手に切符を渡したり、バスと同じように運賃箱にお金を入れてドアから出る。

このため、車輌の先頭付近は人の移動が多いため、このあたりに輪行バックを置くと邪魔になるのは必至。

では、今輪行バックをおいたのは車輌の前側なのかそれとも後側なのか。車輌のどちら側にも運転席があるので判断がつかない。

そこでホームの駅名標識を探す。駅名標識の隣の駅名を見て進行方向を判断する。

JR帯広駅
JR帯広駅

すると、どうやら輪行バックをおいたのは車輌の前側だった。すぐに車輌の後側デッキに輪行バックを移動させておく。これでたくさんの乗客が乗り込んでこない限り、邪魔にはならないだろう。

ただし、無人駅で降りる場合、切符を渡しに車輛の先頭に行く必要があるので、移動の際に他のお客さんに輪行バックをぶつけないよう気をつけないといけない。

今日降りる布部駅も間違いなく無人駅だろう。

6:51 帯広を出発。途中で輪行バックが倒れたりしないか見ておくためデッキに立っていく。今のところ天気はいい。

7:44 十勝清水駅、7:55 新得駅に到着。

後ろのドアからはほとんど乗客は乗ってこない。

新得からは狩勝越えだ。汽車はゆっくりとした速度でカーブをのぼっていく。途中、いくつもシェルターのような待避場と長い狩勝トンネルを通り抜ける。

狩勝越え
狩勝越え

十勝から上川へ

8:40 落合駅に到着。近くの席に座ることにする。

8:49 幾寅駅に到着。ここは映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台になった「幌舞駅」だ。今日は通り過ぎるが、いずれ訪れたいところだ。

9:33 ようやく布部駅に到着。やはり無人駅だ。駅前には「北の国 此処に始る 倉本聰」という看板。

「北の国から」はここからスタートしたようだが、ドラマを一度も見た事がないのでピンと来ない。

布部駅「北の国 此処に始る」
布部駅「北の国 此処に始る」

駅前で、また手こずりながら自転車を組み立てていると、観光している家族連れの車がやってくる。

いつものように「どこから来たのか?」「これからどこに行くのか?」「自転車でまわるの?」など声をかけられ、言葉を交わす。自転車旅でないと声をかけられることはほとんどないので、これも自転車旅のいいところだろう。

ところが、会話をしながらの組み立てになったので、やはり時間を要してしまった。

10:21 布部駅を出発。天気はよい。道道544号線を通って、一度も見た事のない「北の国から」シリーズのロケ地「麓郷」に向かう。

道道544号線を走っていると、最近熊が出没した注意書きの看板を発見。北海道の郊外ではよく見かけるのであまり気にせず進む。布部から麓郷までは布部川沿いの平坦な道が続く。

11:15 麓郷に到着。「拾ってきた家」、「麓郷の森」、「五朗の石の家」など「北の国から」シリーズのロケ地を周る。

「北の国から」は最後の放送からずいぶん時間が経って(20年以上?)いるようだが、観光客は多く、皆さん写真やビデオを撮りまくっている。

自分はいかんせん一度も見た事がないので特に思う事はないが、記念に数枚だけ写真を撮っておく。

そんな中、「麓郷の森」で布部駅で声をかけてきた家族に再会した。「また出会いましたね」と挨拶を交わし、「またどこかで会いましょう」と別れる。

麓郷
麓郷

麓郷を後にして、道道253号線をまわって富良野中心部方向に向かう。この253号線は布礼別の集落から八幡丘までのぼりになるが、勾配はキツくない(2,3%ぐらい)し、交通量も少ない。

西布礼別の丘
西布礼別の丘

八幡丘

このあたりは畑や牧草地の丘の風景が続き、背後の十勝岳連峰も近く、いい景色だ。八幡丘周辺はCMやドラマに登場したこともあるようだ。

253号線から更に脇道に入ったところにもいい風景があるらしい。

八幡丘を過ぎて下り坂、一気に下っていく。

13:38 ハートヒルパーク展望台に到着。休憩しながら富良野盆地やスキー場のある富良野西岳を眺める。バイクが一台止まっていて、ライダーがベンチで気持ちよさそうに寝ている。

ハートヒルパークから見た富良野盆地
ハートヒルパークから見た富良野盆地

 ハートヒルパーク展望台からも道道253号線を一気に下り、田園地帯を通って富良野の市街地に入る。

富良野からはJR富良野線に並走した1本西側の道路を通って、中富良野周辺のラベンダー見学ツアーに向かう。

ラベンダーの見頃は早咲きが7月上旬で、遅咲きは7月下旬だという。今日は8月1日なので、遅咲きはまだ見れるだろう。

訪れるのは「彩花の里」、「中富良野町営ラベンダー園」、「ファーム富田」で、どこも見て楽しむだけなら無料だ。

この時期、「ファーム富田」へ向かう道は車で大渋滞するそうで、果たして今日はどうだろうか。

中富良野に入り、道道851号線を越えた後、左折して坂を上り、まずは「彩花の里」へ。

15:01「彩花の里」に到着。 8月に入ったとはいえ、斜面一面にラベンダーが咲いていて、いやいや全然綺麗だ。紫色のラベンダーだけでなく、赤や白、黄色の他の花(ローズマリー?しか知らない)も咲いていて一層綺麗。

さらに、富良野盆地の田園風景と十勝岳連峰をバックにラベンダー畑を眺められる。ここは期待以上のすばらしい風景を楽しめた。

一通り見終わった後、売店でお約束のラベンダーソフト(300円也)を買って休憩する。

彩香の里①
彩香の里①

彩香の里②
彩香の里②

次は「中富良野町営ラベンダー園」へ向かう。

「中富良野町営ラベンダー園」、「ファーム富田」

15:39「中富良野町営ラベンダー園」に到着。ここもスキー場の斜面?に紫色のラベンダーだけでなく、オレンジ、黄色、赤の順番に花が咲いていて綺麗だ。

一番上のラベンダーは枯れ始めているように見える。

ラベンダー畑の横にはリフトがあって、上まで上がってラベンダー畑を見下ろすこともできるらしい。下から見るだけで十分だったので、リフトで上るのはパスする。

中富良野町営ラベンダー園
中富良野町営ラベンダー園

次は、いよいよ「ファーム富田」に向かう。ここまで渋滞はなかったが、「ファーム富田」への道は渋滞していた。

この道路は路肩が広くないため、助手席のドアが開いたり、車間から右折車が出てこないか注意しながらすり抜けていく。

15:49「ファーム富田」に到着。ラベンダー畑は人で溢れ、駐車場は車や観光バスで溢れている。さすがに「ファーム富田」はすごい人出で、前の2箇所とは大違いだ。

ところが、ここもラベンダーは枯れ始めているようにみえ、なんとなくイマイチ。あまりに人が多いため、一通り見学して退散する。

ファーム富田
ファーム富田

これでラベンダー見学ツアーは終了。最初に見た「彩花の里」がダントツに綺麗でよかった。ただ、これは見に行く時期によるので一概にどこがいいとはいえないだろう。

ラベンダー見学ツアーの後は、まだ時間があるので「かみふらの八景」の一つ「パノラマロード江花」に向かう。

ここもツーリングマップル北海道の表紙を飾ったことがあるらしいので、いい景色が期待できる。

「ファーム富田」前の道を更に上富良野方向に進み、基線北21号というバス停手前で左折し、北21号道路をのぼっていく。

途中に橋があって平坦なところもあり、全部で3段程ののぼり坂になっている。最後ののぼりが一番長く、勾配も7,8%ぐらいと一番キツい。交通量は皆無だ。

途中、休憩しながら進むが、決して振り向かないようにのぼる。

3段目ののぼりの途中、そろそろゴールかなと思っていたところで、右側の路肩に細長い木の看板を見つける。対向車線側にある看板なので、上ってくるこちら側には何も書いていない。

かみふらの八景「パノラマロード江花」

看板を通り過ぎ、横目でちらっとみると「かみふらの八景」と書いてある。ここがゴールと確信する。

16:30 かみふらの八景「パノラマロード江花」に到着。自転車を止めて、ゆっくり振り返ってみる。

おぉ〜〜。今のぼってきた道が、はるか先の十勝岳連峰へ真っすぐ続いている。これが、かみふらの八景「パノラマロード江花」だ。

今日は天気がいいので十勝岳連峰の山々もクッキリ見え、なかなかの絶景ロード。

かみふらの八景「パノラマロード江花」①
かみふらの八景「パノラマロード江花」①

かみふらの八景「パノラマロード江花」②
かみふらの八景「パノラマロード江花」②

絶景を堪能した後、「パノラマロード江花」近くを歩いて探索していると1台のタクシーが「かみふらの八景」の看板のところにやってきた。

年配のご夫婦(多分)とタクシーの運転手が降りてきた。どうやら、そのご夫婦はタクシーで観光地をまわっているようで、運転手から説明を受けているようだ。タクシーは5分ほどで帰って行った。

17:00 かみふらの八景「パノラマロード江花」を出発。「パノラマロード」をくだり、宿のある中富良野に向かう。

まだまだ日没までには時間があるので、夕暮れの富良野盆地と十勝岳連峰を眺めながら、来た道をゆっくり戻る。

途中で中富良野駅に寄ったり、買い物をしながら宿に向かう。

中富良野駅
中富良野駅

18:25 宿に到着。今日のお宿は「ふるさと旅館」。中富良野駅から徒歩3分ほどと近く、Aコープ、コンビニも近くにあって便利。

ただ、中富良野はペンションが多く、民宿や旅館はここ以外に選択肢がほとんどない。ペンションも事前に何軒か予約を入れてみたが、一人を理由にすべて断られた。

一人旅の場合、日程的に問題なければ富良野や上富良野の宿も考えたほうがいいかもしれない。

宿

宿の部屋は6畳ほどの和室で、風呂付きだがトイレは共同。仕事で泊まる人が多いようで、食事はごく一般的な家庭料理。

自転車は宿の前に止めるしかなく、少し心配だ。

宿の玄関に入ると、子供の頃に友達や親戚の家に行ったときに経験したあの特有の匂いを久しぶりに味わった。

食事はかなり美味しかったが、食べている際に宿の女将さんから最近増えてきたペンションの愚痴をいろいろ聞かせてもらう。

個人的には民宿や旅館のほうが好きなので、残ってほしいとは思う。

夜に飛び込みで外国人のお客さんがやってきた。

翌日、宿の人に聞いてみると、その人は世界中を自転車で旅しているドイツ人で、泊まるところを探していたそうだ。

空いている部屋があったので泊めることはできたが、食事がなかったので近くのラーメン屋を紹介したそうだ。

今朝は早々に出発していったそうだ。

明日は美瑛に行くが、天気予報は雨。初めての本格的な雨走行となりそうで心配だ。

走行時間:4h25m01s 走行距離:76.6km

平均速度:17.3km/h 最高速度:52.2km/h

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