'23 日本から一番遠い日本 小笠原⑦ 母島

2023年10月23日月曜日

2023年 関東 自転車旅

青い鳥

6日目 2023418日(火)🔅23

母島4日目。今日も雨の心配なし。

ハートロックのツアーを予約したマルベリーからメールが届いている。420日と21日は受け付けておらず419日なら受付okとのこと。

またしても「予定していない」との回答。ツアーの予定も島の店の営業日のように船の発着日によって変わる(参加する観光客がいるかいないか)らしいことがだんだんわかってくる。「ハートロックは諦めるか?」

7:20頃、宿代を精算しに「民宿つき」の食堂へ行く。中では宿泊客が朝食を食べている。調理場の方に窓口みたいなところがあるのでそこに向かう。と、その途中で食堂に見覚えのある女性がいる。昨日、小富士であった二人連れ(ご夫婦のような)の女性だった。

窓口の前にいく。

自分  :「すみませ~ん。宿代を精算に来たんですけど」

宿の女性:「部屋番号、何番ですか?」

「あれっ、何番だったっけ?」と一瞬思うが、そういうこともあろうかと部屋においてあった ‘Welcome Paper’ みたいな紙をもってきていた。これに部屋番号が書いてあったはず。

自分  :「204号室です」

窓口には各種クレジットカードや電子マネーが使えるマークが貼り出されている。「おっ現金以外も使えるのか?」

自分  :「カード使えますか?」
宿の女性:「使えます」
自分  :「じゃあカードでお願いします」

すると横から「おはようございます」と声をかけられる。見ると昨日小富士であってさっき見かけた女性だった。向こうも気づいていたようだ。

客の女性:「焼けましたね~、昨日ですか?」

脱皮しまくり始めた顔をみられた。別にいいけど。

自分  :「いや~昨日じゃないんですよ。フェリーにのっているときなんです。ずっとデッキに出ていたので」
客の女性:「フェリーだとあんまり暑さは感じないでしょうね。油断しちゃいますよね」
自分  :「そうなんです」

とその時、精算が終わり、カード明細の控えをもらう。

自分  :「鍵は玄関に置いておけばいいですか?」(玄関にそう書いてあるメモがあったので)
宿の女性:「部屋においたままでいいですよ」
自分  :「わかりました」

宿の人と話している間に先ほどの女性との会話が途切れ、席に戻ってしまった。

部屋に戻る。

今日の予定は母島最高峰というか小笠原最高峰の乳房山に登山する。標高462.6m。山頂への遊歩道は周回できるルートになっているのだが、今は東側のルートに通行止めの箇所があるので西側ルートを往復する。

「登山している間、自転車はどこに置いておくかな?」

登山口は街の近くなので今日と明日泊まる宿に止めさせてもらおうと思う。チェックイン前だけど多分、大丈夫だろう。

あと、母島のガイドマップを見ると「山の中にはトイレがないため携帯トイレをご使用ください」と書いてある。「念の為、持ってた方がいいかな」

観光協会で販売されているとのことなので、まず買いに行こう。登山のあとは特に予定はない。ブラブラするだけ。

8:42 宿を出発。

ペンションドルフィン

ペンションドルフィン

山の方をみると今日も雲がかかっている。海や海岸沿いは大体晴れているのだが。そういえば、山の方は雲がかかっていることが多いと何かで読んだな。

観光協会に行く途中で今日と明日泊まる宿を確認する。確か2軒ぐらい隣りだったはず。すぐに宿を発見。よーし。

8:45 観光協会に到着。

窓口で「こちらに携帯トイレありませんか?」と聞くと、一昨日も対応してくれた男性の職員さんが携帯トイレを持ってきてくれる。

「デカい」

A4サイズ。携帯というからもっと小さいと思っていた。「大きいですね~」と言ってみたが、職員さんは無反応。まぁ、そんなこと言われても何て返していいか分からないだろう。500円也。

今日泊まる宿へ向かう。「宿の人いるかな?」それが一番心配。

8:50 宿に到着。

今日と明日の宿は「しまてらす」。外のウッドデッキから中に向かって「すみませーん」と声をかけると、中から「はーい」と返事が聞こえる。よかった。いるみたいだ。すぐに宿のご主人が出てくる。

自分  :「今日と明日予約している〇〇なんですが、今からでも自転車を止めさせてもらっていいですか?
宿の主人:「はい。いいですよ。駐車場のところに置いてください。今からチェックインしてもらってもかまわないですよ」
自分  :「あー、じゃあそうします」

ベランダ?みたいなところから中のダイニングみたいなところに入る。「ここが玄関なのか?」

まず精算から。

宿の主人:「全国旅行支援なので2泊で19,200円になります。クーポンもすぐに発行しますね」

ここもクレジットカードが使えるのでカード払いにする。全国旅行支援(ただいま東京プラス)を利用する誓約書みたいなもの2枚(2泊分)にサインする。

宿の主人:「クーポンを印刷するのに少し時間がかかるので、その間自転車の移動など準備をしていてください」

自転車を宿の壁際に止める。荷物をおろして中に戻ると鍵を渡され、部屋まで案内される。部屋に荷物を置き、トイレにいっておく。

ダイニングに戻るとクーポンを渡される。そして宿の中を案内される。お風呂、トイレ、洗面所。今日明日は自分しかお客さんはいないとのこと。

自分  :「母島でクーポンが使えるところってどこですか?」
宿の主人:「’LeCiel’ がいいんじゃないでしょうかね。ご飯食べれてお弁当もできるし。今日はやっているんじゃないかな。明日はお休みかな」

その店はガイドマップに載っていたので知っている。

自分  :「あそこは昼だけですよね?」
宿の主人:「そうだったかな」
自分  :「昼はどこかに行っているので夜使いたいですね。クーポンっていつまで使えるのですか?」
宿の主人:「チェックアウト当日の24時までです」

これは去年の東北や北海道とかわらない。

自分  :「18日の分は19日までですよね?」
宿の主人:「いえ、チェックアウトの20日までです」
自分  :「それなら20日は父島に行くので父島でも使えるんですね。できれば母島で使いたいんですけどね
宿の主人:「父島でも使えます。地域振興券なのでここで使っていただきたいですね」
自分  :「そうですよね。でも店がお休みでなかなか使えないんですよね」
宿の主人:「父島へは20日の14時の船ですよね?」
自分  :「いえ朝の7時半で行くつもりです」
宿の主人:「そんな時間あったかな?」

といいネットで調べ始める。確かあったはず。

宿の主人:「朝7時半は父島から母島に向かう船ですね。折り返し14時に母島から父島に向かいます」
自分  :「そうでしたか。勘違いしてました」

そうだったかな?島の人がいうのだから間違いないか。

宿の主人:「今日はどちらに行かれるのですか?」
自分  :「山登りにいってきます」
宿の主人:「お仕事ですか?」
自分  :「いえ、遊びです」

「お仕事ですか?」と聞かれ、一瞬「えっ?」と思ったが、そういう人もいるのだろう。

クーポン1枚は部屋に置いておき、1枚だけ持っていく。それにレインウェアと携帯トイレ、あと食料と水を小さいバッグに入れて持っていく。

乳房山

9:07 宿を歩いて出発。

ガイドマップによると、乳房山の登山口は街の一番奥、ガソリンスタンドの先にあるらしい。

しばらく歩くとガソリンスタンドの手前で「乳房山➡︎」の案内板。ここは一部通行止めになっている東側ルートの入口だろう。西側ルートの入口はもう少し先にあるはず。

そしてそこからすぐのところに「⬅︎乳房山」の案内板。ここが西側ルートの入口だ。山頂まで2.3km。外来種を持ち込まないよう靴裏と服を掃除する。

乳房山登山口

9:17 いざ出発。

まず石段を上る。あとはひたすら森の中を登っていく。

20分ぐらい登ると小さな東屋がある休憩ポイントに到着。眺望が少し開けるが、山が見えるだけ。ちょっと休憩してさらに登る。

10分ぐらいでまたベンチのある休憩ポイント。「爆弾の跡」の案内板。爆弾で凹地になっているみたいだが、草木で全然わからない。山頂まで残り1.5km

さらに10分ほど登るとガジュマルの木が生い茂るところに入る。沖縄っぽい。「なんでここだけ?」ガジュマルの木の間をすり抜けていく。

ガジュマルの木
ガジュマルの木

そこからしばらく歩くと鉄ハシゴが出てくる。

ハシゴを登ってしばらく登ると東屋のある休憩ポイント。ここでようやく海が少しだけ見える。案内板によると小富士や鰹鳥島の方向らしい。確かに小富士っぽい山が見える。山頂まで残り0.5km

さらに登っていくと、山頂が見えてくる。もう一つ鉄ハシゴを登る。

10:42 乳房山山頂に到着。

ウッドデッキがある。登山口から1時間半弱。予想より30分ぐらい早く着いた。誰もいない。山頂までは結局、一人としかすれ違わなかった。

霞んでいるが、沖港の街や海の向こうの島々が見える。方向的に平島、向島、姉島あたりか。

乳房山山頂から見た沖港の街と島々
乳房山山頂から見た沖港の街と島々

山頂の少し先にいくと「一部通行止め」の掲示板。ここから東側ルートは斜面が崩落しているところがあり、やっぱり通れないみたいだ。

ガイドマップの山頂の写真には木の柵がある細い展望台みたいなところが載っている。「これはどこだ?」と思い探すと、ウッドデッキから沖港方向とは反対側にあった。

そこからは島の東側の海と左に石門のある半島、右に鳥の足のような形をした半島が突き出ている。こちら側は西側より天気が良くなく霞んでいる。しかも風が当たるのでけっこう寒い。Tシャツ1枚だし。天気が良ければもっといい眺めなんだろうけど

乳房山山頂から見た東側の眺め①
乳房山山頂から見た東側の眺め①

乳房山山頂から見た東側の眺め②
乳房山山頂から見た東側の眺め②

寒いのでウッドデッキに戻る。ここは寒くない。景色を眺めながらパンを食べて休憩する。

「さあ~て山を降りたらどうするかな?」とガイドマップを見て考える。もういくところがない。桑の木山しか思いつかない。とりあえず、ゆっくり山を降りよう。

11:25 乳房山山頂を出発。

12:31 乳房山登山口に到着。

とりあえず宿に向かう。

沖港

その途中で ’LeCiel’ の前にくる。営業しているみたいで店の前の看板にメニューが出ている。「日替わりランチ1,100円、カレー、タコライス1,000円」など。

2,000円分のクーポンを持っているので2つ買えばちょうどいい。最近まともな物を食べてないので買うことにする。

中に入ろうとするが網戸もベランダも開かない。「あれっ?」

中の厨房には人の姿が見える。「営業時間外かなー」と思ってもう一度メニューが書いてある看板の営業時間を確認しようとしたら、網戸が空いて中から女性が出てくる。

店の女性:「どうぞ」
自分  :「営業してますか?」
店の女性:「はい。してますよ。中で食べられますか?」
自分  :「いえ、弁当で持って帰ります」
店の女性:「何にしますか?」
自分  :「日替わりランチとタコライスを」
店の女性:「ありがとうございます。締めて2,100円になります」
自分  :「クーポン使えますか?」
店の女性:「はい。使えます」

クーポンと残り100円を払う。

店の女性:「どうぞ掛けてお待ちください。あっ、お土産もありますのでそちらも見ていってください」

注文を受けてから作り始めるようだ。とりえあず店の奥にあるお土産コーナーを見に行く。タオルとか食べ物とかいろいろ。特にすぐにほしいものはない。

店の女性:「すみません。あと袋代が10円かかるんですが」

大きい袋を持ってないのでもらうことにする。

出来上がった弁当をもらい、店を出る。

宿に帰ろうと左に曲がったところで青っぽい鳥2羽が少し離れたガードレールに止まったのに気づく。「あれも見ない鳥だなぁ」と思っていたら、1羽がこっち向かって飛んできて目の前の木の幹にとまる。

「ん?なんだ?あなたはだれ?」

多分弁当のニオイで飛んできたのだろう。あまり足場の良くない幹の小さい出っ張りに止めっている。初めてみる鳥だ。「これは写真撮っておこー」

ゆっくりウェストバッグからスマホを出す。「逃げるなよ~」

「パシャリ」2枚。

飛んでいきそうだったので弁当をちょっと近づけてみる。が、少しして飛んでいった。

青い鳥
青い鳥

12:49 宿に到着。

ダイニングに宿のご主人がいる。

自分  :「弁当買ってきました」
宿の主人:「お帰りなさい。’LeCiel’ でですか?」
自分  :「はい。そうです」
宿の主人:「都道の通行止めが解除されたようですよ」
自分  :「本当ですか?」
宿の主人:「一番北までいけますよ。でも自転車はちょっとキツいか」
自分  :「実はおととい二十丁峠までいって引き返してきたんですよ。観光案内所で通行止めと聞いて知ってはいたんですが、いけるところまでと思って
宿の主人:「あそこまで行けたんなら北港までいけますね。二十丁峠からはずっと下りなので。行かれるといいですよ」
自分  :「そうですね。明日予定がないので行ってみようと思います。いい情報ありがとうございます」

部屋に戻り、昼飯を食う。調理パンなどが残っているのでそれを食べる。買ってきた弁当は晩飯と明日の朝飯にしよう。

さて、これからどこに行くか考える。やっぱり桑の木山しかない。とりあえず、なぎさ公園や鮫ヶ崎展望台のほうに行こう。その前に観光協会に通行止めが解除されたか確認しにいこう。

窓の外からウグイスの声が聞こえる。島のどこででも聞こえる。ほとんど「ホーホケ」止まりなんだが

13:37 宿を出発。

13:39 観光協会に到着。

掲示板には通行止めの案内がまだ貼ってある。窓口で職員の女性に聞いてみる。

自分   :「都道の通行止めが解除されたって聞いたんですが?」
窓口の女性:「はい。解除されました」
自分   :「北港までいけるんですよね?」
窓口の女性:「はい。いけます」
自分   :「ありがとうございます」

窓口の横に ’The Birds of HAHAJIMA’ というポスターが掲示されている。「さっき見た青い鳥は何ていうのかな?」と思い見てみる。その中に青い似たような鳥が書いてある。’Isohiyodori’ 、イソヒヨドリらしい。

13:47 脇浜なぎさ公園の入口に到着。

自転車止めてウミガメがいる生簀を見に行く。一昨日とは違い、生簀には明らかにウミガメではない大きな魚影がたくさん見える。「あれはなんだ~?、サメかぁ~?」よくわからない。

なぎさ公園内の生簀
なぎさ公園内の生簀

そのあと鮫ヶ崎展望台に向かう。歩いていると工事のガードマンさんに「自転車入れますよ」と声をかけられる。「あっ、いやいいんです」と答える。一昨日にも声をかけてきた人だろう。時間があるので自転車を置いてのんびり歩いていこうと思っただけなんだが

14:04 鮫ヶ崎展望台に到着。

一昨日より天気は全然良くて眺めがいい。防波堤のすぐ外の海中に大きな岩があるのが透けて見える。かなり浅瀬になっていてあそこだと立てそうな感じもする。時間があるのでしばらく海を眺めて過ごす。

鮫ヶ崎展望台からの眺め
鮫ヶ崎展望台からの眺め

鮫ヶ崎展望台はなぎさ公園から階段を上がって左へ曲がったところにあるのだが、右にも道があった。次はそっちに行ってみよう思う。

14:19 鮫ヶ崎展望台を出発。

なぎさ公園へ降りる階段には進まず、まっすぐ進む。「これはどこに行くのかな?」

森の中の遊歩道を進む。その道は結局、静沢へ続く急勾配の坂道に続いていた。

なぎさ公園まで戻る。防波堤に座ってちょっと休憩。海を眺めたり、父島の南島とハートロックのツアーをいつにするか考えたり、明日以降の天気を調べたりする。それでも時間はまだ15時になっていない。さて、どうする?

明日は北港まで行くので、今日は南の方に行くしかないかな。海をボーッと眺められるところにしよう。そんなに遠くないところだと御幸之浜かな。一昨日も行ったけど、まぁいい。

14:57 脇浜なぎさ公園を出発。

御幸之浜へ行く前に、観光協会の横にあるクジラのモニュメントの写真を撮る。最初のうちは気づかなかったが、クジラの頭と尻尾があって胴体部分は土の中に隠れているようなモニュメントだ。

モニュメント横の道路に自転車を停めて写真を撮る。ちょうど坂道なので柵に自転車を立てかける。

クジラのモニュメント
クジラのモニュメント

御幸之浜へ。一昨日とは違い、都道241号線で南京浜の入口まで行く。

15:12 南京浜の入口に到着。

自転車を止めて遊歩道を歩く。

15:25 御幸之浜展望台に到着。

天気が良くていい眺め。一昨日来た時も思ったが、展望台の真ん前に生えている細長~い木のような植物はなんなんだろう?とりあえず写真を撮っておく。

御幸之浜展望台からの眺め
御幸之浜展望台からの眺め

誰もいないし風も強くないし暑くもないし寒くもない。あとはもう海をボーッと眺めて過ごす。ここから見える島々などが書いてあるテーブル状の案内板がある。座るところがないので、その上に腰掛けたりする。

だんだん海をボーッと眺めて過ごす感覚が養われていくように思えてきた。

16:49 御幸之浜展望台を出発。

結局1時間半も海をボーッと眺めていた。我ながら暇人時間がまだあるので南京浜にもちょっと寄ってみる。

17:08 南京浜の入口を出発。

宿に戻る途中、都道241号線に「マニラ坂」という案内標識。「フィリピンのマニラに関係あるのか?」よくわからん。

漁協売店と前田商店で買い物。

17:35 宿に到着。

いつものように風呂に入って洗濯。昼間に買ってきた日替わりランチを晩飯とする。

日替わりランチ
日替わりランチ

「竹ネイチャーアカデミー」へ父島の南島ツアーに422日午後に参加したいことをメールで返信する。

明日は北港まで行って大沢海岸までトレッキング、あと東港、六本指地蔵、探照灯基地跡や砲台も見にいこうと思う。

寝る。

=== 旅の費用 ============
宿泊代   :¥9,600(都民割¥2,400引き)
携帯トイレ代:¥500
飲食代   :¥1,211(クーポン¥2,000使用)
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合計    :¥10,811
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走行時間:0h31m05s 走行距離:5.85km
平均速度:11.3km/h 最高速度:35.5km/h

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