7日目 2023年4月19日(水)🔅25℃
母島5日目。昨日買ったタコライスを朝飯とする。
「竹ネイチャーアカデミー」から連絡はない。もう少し待つ。
今日は通行止めが解除された島の北部へ行く。
宿を出発するとき、外に出ていた宿のご主人に「今日も日差し強いですよ」と声をかけられる。
確かに。今日も日差しキツイぞ母島!けど母島に来てからずっとこんな感じだ。
自転車にリュックを積んでいると、
ご主人:「この前も自転車の男性がきて、楽しまれていかれたようですよ。鹿児島の方でした」
自分 :「そうですか。自分とは反対方向の人ですね。札幌は2,3日前に雪降ったみたいです」
ご主人:「えーっ、こことはエラい違いですね」
自分 :「4月に雪降ることは、ままあります」
8:55 宿を出発。
港に寄る。今日も青空でいい眺め。
都道241号線の10%超えキョーレツ坂道のアップダウンをゆく。
静沢の遊歩道へ続く道との合流点の手前で干からびたネズミの死体。
「ハスベイ」、「新夕日ヶ丘」、「ビッグベイ」と3日前にも来た絶景ポイント。3日前より雲少なく、もっといい眺め。
ハスベイ |
新夕日ヶ丘からの眺め |
ビッグベイ |
「ビッグベイ」を過ぎ、「お静かに」の標識を過ぎたところで前方の道路をチョロチョロ動く黒い影。「なんだあれ?ネコ?」
ゆっくり近づいていくと3匹が道路を横断して右の森の中へすっ飛んでいく。「やっぱりネコだ。あれがウワサの野ネコか?子ネコっぽいのもいたな」
そのうち1匹の黒ネコがコンクリートブロックの上に座ってこちらを伺っている。これが島の人が一生懸命捕獲している野ネコか。黒ネコだとは思わなかった。
野ネコ? |
10:13 二十丁峠に到着。
3日前に来た時はこの先で通行止めだったが、今日はもうゲートがなくなっていて普通に通れる。ここから一気に下っていく。
「⬅︎探照灯基地跡入口」、「六本指地蔵」、「砲台跡値入口➡︎」の案内板が出てくるが帰りに寄ることにする。まずは北港へ。
勾配のキツい九十九折りの下り坂に入りていくと海が見えてくる。そして防波堤も見える。「あれが東港か?」
その少し先で「母島漁港(東港)➡︎」の案内板。ここも帰りに寄ろう。
北港
さらに降りていくと両側とも森に覆われたところで「北村小学校跡」の案内板。「こんなところにあるのか?ここは寄って行こう」
北村小学校の入口は勾配のキツい下り坂にある。手書きの案内板に自転車を立てかけておく。
北村小学校の入口跡 |
7,8段の石段を上がり中へ入る。と言っても森、というかジャングル。学校の痕跡はほとんどなく、石段のようなものが少しあるだけ。もう自然に帰っている。何もないし薄暗くてあまり気持ちいいものじゃないので退散する。
北村小学校跡 |
北村小学校跡から一気に直線の下り坂を降りていくと今日の目的地が見えてくる。
10:33 北港に到着。
「道路終点」の案内板。
中年の女性、そして左の大きな東屋に若い女性の姿がある。二人とも身なりはトレッキングスタイル。
近くまで行くと中年の女性に話しかけられる。
女性:「ずっと自転車ですか?」
自分:「ええ、そうですけど」
女性:「すばらしい」
そんなに大したことないんだが…
二人は北村小学校跡の方向に歩いていった。「ずっと沖港から歩いてきたのか?」
「昔の北村の様子」という案内板に写真が貼ってある。民家が立ち並んでいて、小学校以外にも役場や郵便局、旅館、クサヤとカツオ節の工場もあったようだ。今は民家は1軒もなく街はない。
海岸まで出てみる。ほぼ快晴で眺めがよく海もキレイ。昔の船着場のようなものが1本あるだけ。北港周辺にはそれ以外、昔からあるようなものは見当たらない。
北港 |
戻って東屋に行くと、食べ物か飲み物が入った袋が置いてある。「忘れ物?」
「よし、大沢海岸に行こう」
案内板によれば、30分ほどらしい。
10:48 北港を出発。
遊歩道を歩き始めるとすぐに前からどこかで見たことのある男性が一人歩いてくる。道を開けて待っていると、
男性:「すいません。お仕事ですか?」
自分:「観光です」
「あっ、この人は茂木永楽園のホームページに出ていた人でテレビの母島のトレッキング番組にも出ていた人だ」
自分:「ツアー会社の方ですか?」
男性:「いえ、今日は別の仕事です」
自分:「そうですか。テレビで見た方のようでしたので…」
男性:「あー、それは随分昔の話しですね」
余計なことを聞いてしまった。反省…。
遊歩道の地面に金属の網がかかっているところがある。「なんだこれ?罠にもみえるけど…」
踏むと足を持っていかれて木の上に宙吊りにされたりしないよな…。そんなことはない。
ここの遊歩道も南崎と同じようにジャングルっぽい葉っぱが生い茂っている。
11:26 大沢海岸に到着。
石ころと岩の海岸でここも天気が良くて眺めがいい。
海岸に着く前に人のような声が聞こえたので誰かいるのかと思ったが誰もいない。聞き違いか?
岩の上に登り、昼飯のパンを食い、そしてしばらく海を眺めて過ごす。
大沢海岸 |
海に石投げてたら肩痛めた。50肩か?
結局、誰も来なかった。
12:01 大沢海岸を出発。
12:36 北港に戻る。
止まっている車が増え、スクーターもあるが、人の姿は見えない。「釣りか?」
スクーターの横には「大五郎」のような焼酎4Lのペットボトルが置いてある。「なんでここに?」
そう思ってみているとスクーターに「水曜どうでしょう」のステッカーが貼ってある。「おー、母島でもどうでしょうマニアがいるのか~」と思ってよくみると「水曜どうでしょう」ではなく「水温どうでしょう」と書いてある。「おー、こういうバージョンもあるのか?」と笑ってしまう。
水温どうでしょう |
北港周辺を探索。バイオっぽいトイレ、金属ケースに入った公衆電話(衛星電話らしい)、太陽光パネル…。
ガイドマップによると他に「北港忠魂碑」があるらしいが、周辺を探しても見当たらない。
東屋に忘れ物がまだ置いてある。
12:56 北港を出発。
上り坂を登って東港への分岐に到着。左折して東港へ向かう。
13:02 東港に到着。
こちらは北港と違って今でも使われているようなキレイで新しい港。と思ったが、漁船が一隻だけ陸揚げされているだけで他に船はなし。小さい灯台があるぐらいで建物や設備のようなものは何もない。今は使ってないみたいだ。ただ海の色はエメラルドグリーンでキレイ。
東港 |
13:13 東港を出発。
都道に戻る上り坂で対向車線をスクーターに乗った若い女性が港へ降りていく。観光客のようにみえる。
都道に復帰し、さらに上る。
13:28 砲台跡地入口に到着。
砲台跡はここから徒歩5分のところにあるらしい。自転車を置いて歩く。
13:34 砲台跡地に到着。
パッと見、静沢の砲台と同じように原型をとどめているように見えたが、よくみると先っぽが折れているか欠けているように見える。
砲台跡 |
13:44 六本指地蔵に到着。
砲台跡地入口からすぐだった。ここは都道から少し入ったところにある。けど、あまり凝視せずにパッと見て退散する。良からぬものが見えたらイヤなので…。
六本指地蔵 |
13:47 探照灯基地跡に到着。
ここも六本指地蔵からすぐで、都道から少し入ったところにコンクリートの壕のようなものがある。「これが基地跡か?」
奥に何かモノが置いてあるみたいだが、ここもあまりじっくり見ないで写真だけ撮って退散する。変なものが写ってなければいいのだが…。
探照灯基地跡 |
これで北部の見学は終了。沖港へ戻る。
13:57 二十丁峠を通過。
桑ノ木山
桑ノ木山入口の直前に車が2台止まっている。車の横に年配の男性が立っていて「がんばってるなー」と言われる。首を横に振りながら「全然、大したことないですよー」と答える。
14:34 桑ノ木山の入口に到着。
時間があるのでちょっと寄っていこう。自転車を降りて入口にいると、さっきの年配の男性が近づいてくる。その人は後ろ髪が長く白髪なので仙人みたいにみえる。
仙人さんによると、今の道は山を削って作った新しい道で、昔は桑ノ木山の入口から先の遊歩道が生活道路だったとのこと。車9台が落ちているという。「???」
桑ノ木山は「迷うかもしれないしガイドなしだと問題になるかも」と言うのでやっぱり入るのはやめておく。
すると「そこを少し1周するぐらいなら一緒に回ろうか」というので、一緒に回ることにする。
仙人さんが言うには、島の植物を守るため、いろんなところから植物をこの辺にもってきているとのこと。よくみると金属柵のようなもので囲っている植物が一杯ある。仙人さんは気にいらないらしい。
仙人さんとしては、
もう少しお金かけて植物に詳しい人がやる。最初は狭くていいのでどこか場所を決めて外来種を駆除して固有種を守るモデルをしっかり作り上げたほうがいい。そしてそのモデルを少しづつ広げていけばいい。今はあっちでもこっちでもチョコチョコやったりやらなかったり…。
案内板まで戻り、それを見ながらアカギという外来種の木がどんどん増えていて、その駆除活動も全然続かないということも聞く。
ふと「仙人さんはここで車を止めて何してたんだろう?双眼鏡も持っているし…」と思い聞くとクジラを探しているそうだ。
自分:「今日はどこに行くんですか?」
仙人:「鮫ヶ崎」
自分:「えっ、そんなところから見えるんですか?」
仙人:「よくみえるよ。あとハスベイやサンセットシアターのあたりからも」
自分:「えー、そうですか。それじゃこれからまた行ってみます」
仙人:「じゃあ、また会うな」
と言って笑う。お礼をいって別れる。仙人おじさんは軽ワゴンで鮫ヶ崎とは逆の北へ行ってしまった。
桑ノ木山入口 |
15:11 桑ノ木山の入口を出発。
ハスベイの橋でスクーターの女性に抜かれる。「あれっ、東港でみた人では?」
サンセットシアターのある道に入る。静沢の遊歩道の入口にさっきのスクーターの女性がいる。
サンセットシアターからクジラは全然見えない。「こんな海から遠くてもみれるのかな?」
沖港
15:33 脇浜なぎさ公園に到着。
ウミガメのいる生簀のゲートの上に女性が上っている。「何してんだ?」
生簀の近くまでいくと、海面まで体を浮かせているウミガメがいるので写真を撮る。イマイチ…。
鮫ヶ崎へ行こうと自転車まで戻ると漁港の方から紫色の服をきた30代ぐらいの女性が一人歩いてくる。お互い「こんにちは」と挨拶を交わす。「一眼レフカメラを持っているので観光客かな?」
その人も公園の中に入っていく。自転車で追い抜く。
15:51 鮫ヶ崎展望台にのぼる。
クジラは全然みえない。大分経ってからさっきの女性も上がってきたが、東屋でスマホをみている。しばらく経ってから展望台に来たので、自分が東屋に行き場所を譲る。
女性が先に展望台を降りていく。
結構な時間、展望台にいるがクジラは見えない。そろそろ宿に戻ろう。
16:50 鮫ヶ崎展望台を出発。
港の駐車場前から都道に入る直前、道路に人がたくさんいて何かやっている。「通れるのか?」と思ったが、「自転車はどうぞ」というので通る。
左の壁に子供達が絵を描いているみたいだ。「あと何分」と先生みたいな人の声が聞こえる。周りで大人たちがそれを見ている。
そして、いつものように買い物して帰ろうと思ったが、漁協売店、農協売店、そして前田商店とことごとくシャッターが降りている。島にある商店は全部休み。ヤバい…。
このままだと今日の晩飯と明日の朝飯は今持っているチーズケーキとビスケットになりそうだ。
商店以外に店がやっていないか探す。すると ”BOOTERS” が営業している。テイクアウトの店のようだが、外に出ているメニュー表をみるとご飯物がなさそう。
”BOOTERS” に入る。店のおばさんは元気で明るい。
ご飯ものがないと思っていたが、いなり寿司がある。3個入りいなり寿司、デカい肉まん、勧められた焼き鳥2本、あとビール350ml缶などを買う。ビールは見たことのない海外の銘柄が多い。
自分:「どれがお勧めですか?」
店の人:「濃いめとあっさりめ、どっちがいいですか?」
自分:「濃いめ」
店の人:「ならIPAというビールがお勧めです」
おばさんも飲んでいるらしい。それにする。
店の人:「一杯買ってくれてありがとうございます」
本当はもっと食べ物がほしかったが、ご飯ものがあまりないのでこれぐらいにする。
BOOTERS |
“LaCiel” の前に来ると営業中の看板が出ている。「あれっ、営業しているのは昼間だけだと思ったけど…」
店の外にあるカレンダーをみると今日は休みになっている。何か買いたいところだが、やっているのか?
ちょうど道の向かいに車が止まって島の人っぽい男性が降りてきた。その人に聞いてみるが、やっているのかわからないという。そして「向こうの店(多分BOOTERSのこと)やってるし、大漁寿司なら確実だよ」と教えてくれる。
「大漁寿司はやっぱりやっているんだ…」
大漁寿司のほうにいってみるが、相変わらず営業している雰囲気はまるでなし。
17:10 宿に戻る。
外のベランダにご主人が座っている。
「うちで作ったバナナ食べませんか?」と言われ、ありがたくいただく。
ところが、先に食べたご主人が「あー、これは渋い。食べない方がいいです」と言われてすぐにバナナを回収されてしまう。
宿に入ると、今度は「自家製のレモンスカッシュ飲みませんか?」と言われる。バナナがうまくいかなかったのでそのお詫びだろうか。
「ありがとうございます」と言って部屋に入る。
ダイニングのほうから自分を呼ぶ声が聞こえるのでダイニングにいく。
するとレモンを半分にカットしたもの2個が用意されていて、ご主人がグラスの中にレモンを絞っている。そこに炭酸水を入れて完成。
自分も作る。飲むと酸っぱいがうまい。市販のものにくらべて全然甘くないのがいい。
レモンは季節ハズレだそうだが、自分の畑になった自家製とのこと。耕作放棄地を買いレモンだけ残っていたそうだ。レモン以外にもバナナを作っている。畑はここから南の山にあるとのこと。畑作業をずっとしているそうだ。
コーヒー豆も作り始めているが、できるのは今年の冬あたりなのでまだ飲めないそうだ。カウンターに ”hahajima coffee” のロゴ看板がある。ロゴを先に作ったらしい。
自分 :「コーヒーできてレモンスカッシュできてあとバナナも。カフェができそうですね」
ご主人:「朝食とかに出せるかな」
自分 :「お酒はさすがにできないかな。麦とか必要だしな…」
ご主人:「さとうきび。ラム酒があります」
ラム酒を作っているところがあるらしく、海に沈めて熟成させるとか。
自分 :「大漁寿司は営業しているんですか?」
ご主人:「してますよ。だいたいやっていて年に2, 3回ぐらいしか休まないんじゃないのかな。でも親父さんは愛想悪いですよ。モノはたしかなんだけど…」
そのあともレモンスカッシュを飲みながら、旅行の話などしばらく談笑する。
17:45頃、宿を出て大漁寿司をみてくる。
店にあかちょうちんが出ている。「あれっ、これは初めてみた」
外に年配の男性がタバコを吸っている。入口をみると中に明かりがついている。「おっ、これはやってるな」
母島最後の夜なので入ることにする。
ドアを開け「いいですかー?」と聞くと「いいですよー」と年配の女性。店の中はカウンター席と奥に座敷があって全然普通。カウンターには皿や箸がキレイに並べられている。客はまだいない。
一番奥のカウンター席に座る。メニューをみると寿司屋だけど丼ものとか居酒屋メニューとかいろいろある。むしろ寿司は少ない。
突き出しが出てきてビールを頼むと「缶ビールですがいいですか?」と聞かれる。「えっ」と思うが別にいいかと思い「いいですよ」と答える。
アサヒスーパードライの350ml缶が出てきた。これで750円はなかなか…。外から親父さんらしい人が中に入ってくる。さっき外でタバコ吸っていた人で、宿のご主人が愛想悪いと言っていた人だろう。
親父さんに「島寿司をお願いします」と頼むと「はい」と小さな声。「これが愛想悪いということかな?これぐらいの人ならいっぱいいるけど…」
しばらくして「島寿司」出てくる。ネタが1種類で8貫、これに煮物の小鉢1つ。これで1,200円也。
いろいろなネタがセットで出てくると思っていたので予想外。「このネタなんだろう?」
親父さんはまた外に出て行く。おばさんにネタを聞くと「かんぱち」とのこと。「うまい」
島寿司(かんぱち) |
腹が減っていたのでパッパと食べ勘定してもらう。2,400円也。
宿に戻る。
自分 :「大漁寿司に行ってきましたー」
ご主人:「愛想悪かったですか?」
自分 :「いえ、そんなことなかったですよ」
ご主人:「そうですか」
と笑う。
「竹ネイチャーアカデミー」から連絡が来ていないので電話するが繋がらない。明日の朝また電話しよう。
いつものように風呂、洗濯。
そして、焼き鳥やいなり寿司を食いながらIPAビールを飲む。IPAを調べるとインドビールのようだ。独特な後味がしていかにも外国のビールっていう感じがする。
寝る。
=== 旅の費用 ========
宿泊代:¥9,600(都民割¥2,400引き)
飲食代:¥4,380
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合計 :¥13,980
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走行時間:2h40m07s 走行距離:25.64km
平均速度:9.6km/h 最高速度:36.7km/h
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