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'07 幻の橋・タウシュベツ川橋梁と富良野・美瑛の丘③ 糠平〜帯広

2007年 自転車旅 北海道

3日目 2007年7月31日(火) -

今日の予定は、まず上士幌の西側にあるナイタイ高原にのぼり、道東有数の展望があるナイタイ高原牧場から十勝平野を眺める。

その後、十勝平野を南下し、十勝牧場に寄って帯広まで戻る予定。

今日は朝からいい天気だ。

9:00 宿を出発。糠平温泉から上士幌に戻る前に糠平湖に寄ってみる。糠平温泉を出発すると、国道273号線はすぐにトンネル地帯に突入、3つ目と4つ目のトンネルの間のところで、右手の分岐道を上って行く。

9:14 糠平湖に到着。この糠平湖は人造湖で観光地ではないが、天気がいいこともあり、想像以上に景色がいい。しかし、自分以外は誰もいない。

糠平湖①
糠平湖①

糠平湖②
糠平湖②

糠平湖を発ち、昨日来た国道273号線で上士幌に向かう。

昨日とは正反対に、大雪山国立公園を出たあたりから、雲が多くなってくる。上士幌の街まで来ると、糠平の青空からは想像もつかない空一面の曇天。だが、雨が降りそうなほどではない。

ナイタイ高原牧場入口

上士幌の街からは道道806号線で、ナイタイ高原牧場の入口に向かう。

道道806号線に入ると、所々でナイタイ高原までの距離を示す標識が出るが、標識によって

9kmだったり、13kmだったりとバラバラだ。

多分、ナイタイ高原牧場の入口までが9km、ナイタイ高原牧場の頂上までが13kmであろうと勝手に解釈する。

道道806号線はナイタイ高原牧場入口までのぼりが続くが、キツいところは特にない(2,3%ぐらい)。

問題は牧場入口から牧場頂上のレストハウスまでの行程だ。

事前に調べたところ、牧場入口の標高が約435m、牧場頂上のレストハウスの標高が約785mだったので、標高差は約350mだ。

入口から頂上までの距離が約6kmなので、平均斜度は約6%。距離が長いので、キツい山登りになりそうだ。

高原牧場近くの乳牛
高原牧場近くの乳牛

11:05 ナイタイ高原牧場入口に到着。躊躇なく牧場道路に突入する。最初の左カーブがいきなり急坂で、これから先が思いやられる。

ナイタイ高原牧場入口
ナイタイ高原牧場入口

牧場入口でも少しガスっていたが、上り始めて一気に濃くなっていく。霧なのか雲なのかよくわからない。

ガスが濃くなって、視界が全然効かなくなってくる。酷い時は視界20,30mといったところ。

上り坂の序盤、ネスカフェのCM撮影のために作られたツリーハウスを霧の中に見つける。なんとか目視できたので写真を撮っておく。

霧の中のツリーハウス
霧の中のツリーハウス

「このまま頂上に辿り着いても、何も見えないぞ」と思いつつ、なぜか途中でやめようとは思わなかった。とりあえず、行ってみるだけ行ってみようとしか考えていなかった。

牧場道路

途中、少ないものの観光と思われる車やバイクも通る。霧の中から突然、自転車が出てくるので「こんな天気に、何で自転車で上るの?」と思ったことだろう。

自分もだんだんとそんな気持ちになってきたが、「標高が上がれば、ひょっとしたら糠平のように青空が広がっているかもしれない」という可能性ほぼゼロの期待を持って上り続ける。

けれど、上っているうちに「何も見えなくても話しのネタぐらいにはなるだろう」という思いのほうが強くなってくる。

視界が効かない牧場道路
視界が効かない牧場道路

さらに追い討ちをかけるように、途中でチェーンも外れたりする。チェーンなど簡単に直せるのだが、路肩で作業すると霧の中から車が突っ込んでくるかもしれないので、道路脇にスペースがあるところまで移動する。

急坂の途中で、リアキャリアに荷物を積んだまま自転車を倒さないようにチェーンをはめるのも苦労する。

そんなこんなで、息を切らせつつも休憩しながら頂上に向かう。

11:57 遂にナイタイ高原牧場の頂上にあるレストハウスに到着。牧場入口から約1時間かかった。

あいかわらず、霧というか雲のなかで、僅かな期待も裏切られる。視界は数十mで、雄大な十勝平野は全く見えない。話のネタ用に真っ白で何も見えない写真を数枚撮っておく。

旅を終えてから、晴れた日のナイタイ高原牧場をウェブサイトで見てみた。今日とは全くの別世界で想像もつかない。

ナイタイ高原牧場
ナイタイ高原牧場

ナイタイ高原牧場レストハウス
ナイタイ高原牧場レストハウス

レストハウスを覗いてみるも、特に見るべきものなく、飲食することなく外に出る。

12:08 約20分程の滞在で下りることにする。

今は真夏ではあるが、ここは標高が高く天気も良くないので気温は20℃に届いていないだろう。

半袖シャツだけでこの山道を駆け下りるのは、間違いなく寒いはずだ。上着だけ、レインウェアを着ることにする。手袋は持っていないが、なくても大丈夫だろう。

相変わらずガスっているので、スピードを抑えて慎重に降りる。

再び、ナイタイ高原牧場入口

12:23 牧場入口に戻る。スピードを抑え気味に降りてきたとはいえ、かかった時間は15分ほどであっと言う間だった。のぼりの1時間とはエライ違いだ。

下界に降りると霧は晴れたが、曇天のままだった。

ナイタイ高原牧場には、晴れた日にもう一度来ようと固く決意する。次に来た時は、とりあえず高原の入口まで行ってみて、そこから頂上の方が見えれば上り、今日のようにガスっていれば断念することにしよう。

道道806号線で上士幌の街まで戻る。

道道806号線で上士幌へ
道道806号線で上士幌へ

次は十勝牧場に向かうが、少し遠回りして道道337号線の豊岡見晴台駐車公園に寄って行くつもりだ。

というのも豊岡見晴台駐車公園近くの道道337号線は、2007年度版ツーリングマップル北海道の裏表紙をかざっていたので、ここにも行ってみたかった(表紙もナイタイ高原牧場だったが…)。

ところが、上士幌で道道806号線から道道337号線へ右折するところを、そのまま直進し、道を間違えてしまった。気づくと交通量のある国道241号線に出ていた。

引返すのも面倒なのでこのまま国道241号線を進み、士幌の街で道道337号線に入ることにする。ツーリングマップルの裏表紙は諦める。

道道337号線の直線道路で十勝平野を南に縦断する。

14:15 十勝牧場の入口に到着。入口には映画やドラマの撮影に使われてもいいほどのすばらしい白樺並木が約1km程続いている。そんないい風景なのに写真を撮るのを忘れる。

天気のほうも少し晴れ間が出てきた。

十勝牧場は、入口から一番奥の展望台まで、ずっとダート道が続く。ほとんどは締まったダート道だが、展望台の少し手前にある橋の付近から砂利が浮いたのぼりのダート道になる。

十勝牧場展望台

締まったダート道は自転車に乗る事もできたが、パンクが怖かったため、結局、入口から展望台まで、ずっと自転車を押して歩いた。そのため、片道1時間ぐらいかかってしまった。

また、牧場内では所々に侵入禁止のところがあるので、注意看板に気をつけながら進む。途中、牧場内で馬を見かけるところもある。

14:53 最後の急坂を上り、ようやく展望台に到着。駐車場のすぐ横には、いろいろな種類のたくさんの馬が放牧されていて、子馬もたくさん見ることができる。

十勝牧場展望台近くに放牧された馬たち
十勝牧場展望台近くに放牧された馬たち

展望台は高くはないものの、上ってみると牧場内やその周囲を360°見渡せる。

ここの展望台も、自分以外は車が数台とあまり観光客はいない。

十勝牧場展望台からの眺め
十勝牧場展望台からの眺め

十勝牧場を発ち、道道133号線、337号線を通って、今日の宿泊地・帯広に向かう。

畑や牧草地の広がる郊外から住宅地を通り、夕方には宿に到着。今日のお宿は「ビジネスホテルピア7」。その名の通り、普通のビジネスホテルだ。

ホテル到着後、すぐにチェックインせず、駐車場の空いているスペースで自転車を折畳む。

というのも明朝、富良野まで輪行するためだ。本来なら明朝に帯広駅前で折畳めばいいのだが、駅前で大風呂敷を広げ、手際の悪い作業を見られるのは恥ずかしいので今日のうちにやっておく。

明朝、輪行バックを担いで駅に行く予定だ。

また少し手こずりながらもなんとか折畳み、輪行バックに入れる。それを担いでホテルにチェックインする。

宿

チェックインが終わり、部屋に行こうとすると、フロントの方が「そんな重い荷物を持って上にあがるのは大変でしょうから、こちらで預かりましょうか?」と言ってくれた。

お言葉に甘えて、フロント脇の荷物置場に置かせてもらうことにする。親切にしていただき、ありがたく思う。

このビジネスホテルは帯広駅から歩いて10分程のところにあり、近くには繁華街もあって、食事や買い物に困ることはない。

シャワーを浴びて、今日は夕食を食べに外に出かける。アーケード街では夏祭りかビアガーデンをやっているらしく、たくさんの人で賑わっている。

適当に居酒屋風な店で食事をとり、ホテルに戻る。

明日からは旅の後半戦。富良野、美瑛にいく。

走行時間:6h10m12s 走行距離:112.59km

平均速度:18.2km/h 最高速度:46.8km/h

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