'07 幻の橋・タウシュベツ川橋梁と富良野・美瑛の丘② 上士幌〜糠平

2017年3月9日木曜日

2007年 自転車旅 北海道

2日目 2007年7月30日(月) -

今日は、旅のハイライトとなる幻の橋「タウシュベツ川橋梁」に行く。映画「雪に願うこと」のロケ地になったところで、映画を観てぜひ行ってみたいと思った。

9:30 宿を出発。上士幌の街から国道273号線を北上し、まずは糠平温泉に向かう。出発した時は曇っていたが、だんだんと晴れてきた。

国道は交通量少なく、周囲は畑からだんだんと牧場が増えてきた。景色を楽しみながら走る。

10:34 大雪山国立公園内に入る。糠平方向は雲ひとつない完全な青空だ。

国道273号線は、糠平温泉手前で自転車乗りにとって難敵なトンネルが連続している。だが、ここも交通量少なく、歩道があったりするので問題なく通過。

このトンネルが始まるあたりから、のぼり坂とわかる傾斜になるが、勾配は2,3%ぐらいとキツくない。

快晴の大雪山国立公園へ
快晴の大雪山国立公園へ

11:15頃、糠平温泉に到着。今日はここに泊まるので、宿に一旦荷物を置かせてもらい、身軽になってタウシュベツ川橋梁に向かう。

この後も、両脇に森が続く国道273号線を北上するが、意外にもほぼ平坦な道が続く。

糠平三股林道

糠平湖沿いを過ぎ、タウシュベツ川橋梁に続く糠平三股林道の入口を探しながら走る。しばらく進み、音更川にかかる丸山橋を通過すると、右手にそれらしい入口を発見する。

国道273号線の直線路
国道273号線の直線路

タウシュベツ川橋梁は、糠平三股林道の入口からダート道を4kmほど進んだところにある。林道に突入すると、新しい砂利を入れた直後らしく、石がゴロゴロしている。

こんな道だと自転車はまともに走れないし、パンクの危険もあるので、乗って行くことを諦めて、押していくことにする。

周囲に全く人家や田畑のない林道なので、熊除けは必須だ。鈴を鳴らしながら歩いていく。

林道を歩いていると、たまに観光客と思われる車が通ったが、全部あわせても10台もなかった。訪れる人はあまり多くないようだ。

45分程歩き、ようやく駐車場に到着。自転車を止め、そこから橋に向かってさらに林の中を3分程歩いて行くと、目の前が開けた。

13:05 タウシュベツ川橋梁にようやく到着。青い空と湖面、緑の山々、その風景に白いコンクリートのアーチ橋が溶け込んでいて、まさに絶景だ。橋梁は古代の遺跡のようにも見える。

タウシュベツ川橋梁①
タウシュベツ川橋梁①

こんな素晴らしい景色のところだが、観光客は数組いる程度。皆さん思う存分、写真やビデオを撮っている。

タウシュベツ川橋梁は糠平湖にかかる旧国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋で、糠平湖の水位が上がる6月頃から沈み始め、夏から秋にかけて完全に湖に沈んでしまうことから、幻の橋と呼ばれている。

今日は7月下旬だが、タウシュベツ川橋梁は橋脚部分まで湖面上に出ている。橋を見るにはいい時期に来た。

タウシュベツ川橋梁②
タウシュベツ川橋梁②

タウシュベツ川橋梁③
タウシュベツ川橋梁③

林道入口で

今日の目的は、ここタウシュベツ川橋梁だけで、あとは糠平温泉に戻るだけ。なので時間はたっぷりあり、天気もいいのでしばらく写真を撮ったり、座って景色を楽しみながらゆっくり過ごす。穴場のおすすめスポットだ。

30分ほど過ごし、タウシュベツ川橋梁を出発。再び、自転車を押しながら林道の入口へ戻る。

国道273号線に戻り、少し時間があったので三股あたりまで足をのばそうとそちらに自転車を向けると、ちょうど林道入口に止まっていた道路管理の黄色い車に乗った人から声をかけられる。

黄色い車:「どこまで行くんだ?」

チャリ :「三股ぐらいまで」

黄色い車:「その後はどうするんだ?」

チャリ :「三股から糠平に戻ります」

黄色い車:「なぁ〜んだ。てっきり三国峠に行くかと思ったぞ。あそこまで行くのは大変だー」

まずは、地図に載っているルピナス群生地へ行ってみることにする。

幌加温泉の分岐を過ぎ、ルピナス群生地のところまで来たが、既に開花の時期を過ぎているので、どこが群生地なのかよくわからない。

三股山荘の建物まで来たので、ここでUターンして糠平温泉に引き返す。三股までの国道273号線も若干のぼっているものの、ほとんど勾配はない。

帰りも天気がよく、暑くもなく、交通量の少ない道を快走する。

まだ時間は十分あったので、周りの景色を見ながら進んでいると、タウシュベツ川橋梁に向かっていた時には気づかなかった旧国鉄士幌線の第五音更川橋梁も林の中に見つける。

廃線跡の一部には「森のトロッコ鉄道 エコレール」という施設があってトロッコで遊べるところもある。

第五音更川橋梁
第五音更川橋梁

糠平温泉の手前で「ヒグマ出没多発地帯」の大きな看板を発見。やはり出るようだ。

糠平温泉

16:30頃、糠平温泉に到着。国道沿いにある「ショッピングストアふなと」で買い物をしてから宿に向かう。今日のお宿は「ぬかびら源泉郷 湯元館」。ここは糠平温泉で一番古い温泉との事。部屋は4畳半の和室だが、料金は1泊2食付きで5,000円と格安だ。

少し早めに到着したので、明るいうちに露天風呂を楽しむことする。露天風呂は大きな石風呂で周りは林に囲まれている。混浴のようだが、今入っているのは自分だけ。空や原生林を眺め、川の流れを聞きながら入れる開放的な雰囲気の露店風呂だ。のんびりゆっくり入ることにする。

入浴後の夕食では宿のご主人が打ったそばも振る舞われた。

宿にはライダーハウスも併設されているので、格安で温泉に入り、泊まることもできる。ちょうど宿の入口近くにいた時、一人のライダーがやってきて、「1泊1,500円で温泉付き」というご主人の声が聞こえてきた。

他にも1日1組限定の専用露天風呂付きのコテージもあるようだ。

温泉街には食事処が4,5軒ぐらい、買い物できるお店はお土産屋さん含めて数軒ほどしかない。

走行時間:5h03m16s 走行距離:73.48km

平均速度:14.5km/h 最高速度:46.7km/h

2016年現在のタウシュベツ川橋梁

2016年現在、タウシュベツ川橋梁に続く糠平三股林道は許可車両以外、通行禁止になっている。林道の入口にはゲートがあり、普段は施錠されていて入れないようだ。

一番簡単にタウシュベツ川橋梁を見れるのは、糠平温泉から国道273号線を三国峠方向に8kmほど進んだところにある展望台からになる。この展望台には2013年夏に訪れたが、タウシュベツ川橋梁はあまりに遠く、肉眼で確認できるものの、写真を撮るにも望遠レンズが必要なくらいだ。

近くまで行く方法

林道を通ってタウシュベツ川橋梁の近くまで行きたい時は、林道を管轄する十勝西部森林管理署東大雪支署に直接行き、許可が出れば林道入口のゲートの鍵を借りられるようだ。

詳しくは上士幌町のHPで確認を。徒歩や自転車で林道に入りたい場合も問い合わせたほうがいいだろうと思う。

他にもNPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターの有料ツアーに参加すれば、タウシュベツ川橋梁の近くまで行けるようだ。

現在は森林管理署の許可を取ったり、有料ツアーに参加するなどしないとタウシュベツ川橋梁の近くまで行けなくなったが、個人的にはそこまでしても行く価値は十分あると思う。ぜひ近くまで見に行っていただきたいと思う。

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