初日 2007年7月29日(日) -
初めての自転車旅はちょうど夏ということもあり、北海道にした。
北海道といっても広いので、いろいろ考えた末、映画「雪に願うこと」で見たタウシュベツ川橋梁と丘の景色を見に、十勝北部と富良野、美瑛をまわる事にした。
自転車は5月に買ったばかりの LOUIS GARNEAU LGS-TR LITE だ。
今日は旅の初日。帯広まで飛行機輪行して、空港から上士幌まで走る予定。
11:40 JAL便で、とかち帯広空港に到着。自転車の組み立ては、何度か自宅で練習してきたものの、かなり手こずり、1時間近くもかかってしまった。
なんとか組み上がったものの、キャリアに荷物をつけたり、手を洗ったりしているうちに、時間はもう13:15。あと5時間程で約70km離れた上士幌まで行かなくてはいけない。
その前にまずは幸福駅に向かう。天気は曇りで日は出ていないが、雨の心配はなさそうだ。
途中、リアキャリアの荷物が落ちそうになりながらも、自転車自体に輪行の影響はなく、空港から幸福駅まで交通量皆無の道を快適に走る。
13:45 幸福駅に到着。周りは広大な畑に囲まれていて人の気配がまるでないが、駅だけはたくさんの観光客で賑わっている。
駅舎は味のある木造だが、中は名刺だらけで外にも貼り付けてある。
幸福駅
駅舎の奥には、幸福の鐘?。北海道の観光地には意味不明な鐘を見かけるが、ここはそれなりに理由があるのかなと勝手に解釈する。
「幸福」というのはここの地名だが、入植当初は「幸震」と呼ばれていたらしい。その後、福井県からの入植者が多かったため、福の字を当てて「幸福」に変更されたそうだ。
幸福の鐘?
幸福から愛国へ
次は、「愛国」から「幸福」ゆきの切符で有名になったもう一つの駅、愛国駅に向かう。
切符は今でも現地のお土産屋さんで買えるようだが、幸福駅のホームページやAmazon、楽天市場などネットでも購入できるようで時代を感じる。記念日も入れてもらえるところもあるようだ。
さて、愛国駅に向かうとなると国道236号線を通れば迷う事なく行けるが、国道は面白みがないので、別の道を行く。
国道とほぼ並行して1本東側に道路(農道?)が走っている。幸福駅からだと、国道236号線よりのすぐ西側に1本の道があるのでわかりやすい。
この道は大正の街がある道道62号線まで繋がっているようだ。その間、交通量は皆無、広大な十勝の畑作地帯の景色をのんびり楽しみながら走る。
ただし、問題が一つある。道路のところどころに亀裂が入っていて、そこを通過する度に衝撃を受けることだ。
交通量が少ないのなら、国道236号線のほうがストレスなく走れるかもしれない。
14:40 愛国駅に到着。幸福駅とは違い、駅舎はかなり新しく見える。屋根や外壁がオレンジ色に塗装されているせいかもしれない。
愛国駅
駅前には、有名になった「愛国」から「幸福」までの220円切符の大きなモニュメントがある。どうやら撮影ポイントになっているようだ。
ホームにはSLが展示され、駅舎内の時刻表などは廃線当時のまま残っている。この愛国駅と幸福駅は、帯広と太平洋岸の広尾を結ぶ広尾線の駅だったが、汽車の本数は廃線当時で上下6本ずつしかなかったようだ。
時刻表の横にある運賃表を見てみると、一駅隣の北愛国までは70円。広尾線の他にも廃線となった士幌線や池北線の駅名も並んでいる。
ずいぶん前に廃線され、乗ったことのない路線とはいえ、こういうのをみるとなんだか寂しく感じる。
「愛国」から「幸福」ゆき切符
愛国駅からは国道236号線で一路帯広へ向かう。徐々に交通量が多くなるが、路肩が広いのとあまり時間がないので少し飛ばす。
信号の多い帯広市街を抜け、国道241号線に入り、十勝大橋を渡る。
16:10 道の駅「おとふけ」で休憩して今日のゴール上士幌に向かう。
上士幌
音更の街を抜けると交通量は一気に減るが、計画通り、帯広リゾートホテルのところで国道241号線から道道31号線へ右折する。しばらく東へ走り、国道241号線と道道316号線の中間にある「十勝平原広域農道」へ左折。
左折すると「十勝平原広域農道」の標識、上士幌まであと24kmだ。道道31号線から交通量はほぼ皆無、周りはその名の通り十勝の大平原地帯で広大な畑作地帯が続く。
十勝平原広域農道
ところが、5,6kmほど走ったところでダート道となり、17:00を過ぎていることもあり、ここは安全を期すため、左折して中士幌の国道241号線に戻ることにする。
国道241号線に復帰し、士幌を通過してしばらく走った後、国道273号線へ左折して上士幌の街に入る。
なんとか日没前に上士幌に着いた。街の中心部であっさり今日の宿をみつける。
今日のお宿は「さかた旅館」。街のほぼ中心部にあり、通りを挟んだ向かいにAコープ(スーパー)、歩いて10分もかからないところにセイコーマートがあり、買い物には問題ない。
宿は新しく、部屋も広く、料金は素泊まりで4,600円也。食事付きも可能でトイレとお風呂は共同。ただ、上士幌は観光地でないため、仕事のお客さんが多く、食事はカレーなどの家庭料理が中心のようだ。
自転車は裏庭に置かせてもらったが、その時、宿の女将さんに帯広空港から75km程走ってきたことを伝えるとかなり驚かれた。チャリダーはあまり泊まらない宿のようだ。
今日は帯広空港から上士幌までほぼ平坦な道が続き、最初の自転車旅としてはいいコースだったと思う。明日はいよいよ「タウシュベツ川橋梁」だ。
走行時間:3h55m23s 走行距離:72.49km
平均速度:18.4km/h 最高速度:34.2km/h
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