「早期退職後の健康保険を考える」の続き。
国民健康保険の保険料は前回のブログで書いたように前年の所得で決まるが、減額や減免措置がある。
自分が早期退職後の居住地と考えている某市のウェブサイトにもそれが記載されていたので調べてみた。
減額となる条件は以下のようなもの。
1. 低所得世帯に対する保険料の減額
2. 未就学児の方に対する保険料の減額
3. 後期高齢者医療制度の加入者がいる世帯の保険料の激変緩和措置
4. 被用者保険の扶養に入っていた方に対する保険料の減免
5. 解雇、倒産等により離職した方に対する保険料の減額
6. その他の保険料の減免
このうち自分に関係がありそうな項目は1, 5, 6。
1については早期退職した年の翌年は、前年に十分な所得があるので適用されることはない。翌々年以降になるだろう。
早期退職翌年に関係がありそうなのは5と6になる。まずは5について考える。
解雇、倒産等により離職した方に対する保険料の減額
·対象者の前年所得のうち、給与所得を30/100(給与所得以外は100/100)として、離職日翌日の月から翌年度末(最大2年)の保険料を計算する。
例えば、前年の給与所得が300万円なら、それを90万円として保険料を計算する。
対象者は以下を満たすことが条件。
·離職日の時点で64歳以下であり、雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者のいずれかが条件(離職理由コード 「11」「12」「21」「22」「23」「31」「32」「33」「34」)。
上の条件が、早期退職後の自分に当てはまるか考えてみる。
今の状況で会社を退職するとなると自己都合退職になる。そうなると、雇用保険の特定受給資格者 「11」「12」「21」「22」 と特定理由離職者 「23」 には当てはまらない(「11」「12」: 解雇、「21」「22」: 雇止め、「23」: 期間満了)。
次に自己都合退職の 「31」「32」「33」「34」 だが、「31」 は事業主からの働きかけによるもの、「32」は事業所の移設等によるものなので、これらも今のところ自分には当てはまらない。
最後の「33」「34」 は自己都合退職の「31」「32」以外に相当するもので、心身の障害や疾病、家族の看護や介護、通勤困難などの理由に適用される。これも自分には当てはまりそうにない。
結論として「解雇、倒産等により離職した方に対する保険料の減額」の適用を受けるのは無理だろう。
その他の保険料の減免
次に「その他の保険料の減免」を考える。
早期退職後に移住予定の某市の「その他の保険料の減免」は以下のようなもの。
·震災、風水害、火災、その他これらに類する災害のため、所有家屋等に一定以上の損害を受けたことにより、または事業の休廃止、失業等のため、前年と比較して一定以上所得が減少したことにより、生活が著しく生活が困窮し保険料を支払うことが困難なときは、保険料が減免される場合があります。
自分に当てはまりそうな条件は「前年と比較して一定以上所得が減少した」というところだろう。
詳しく調べるため「保険料減免取扱要綱」をみてみると、対象となる世帯として所得激減世帯がある。その条件は、
·被保険者全員のその年の見込総所得額が前年総所得額の8割以下でかつ、見込所得額が[595万円-被保険者数×19万円](限度基準額という)未満であること(平成28年)。単身世帯だと限度基準額は576万円になる。
*令和5年現在は以下。
·被保険者全員の見込総所得額が前年総所得額の8割以下でかつ、見込所得額が[703万円-被保険者数×19万円](限度基準額という)未満であること。単身世帯だと限度基準額は684万円になる。
ただ、減免が認められるのは上記に加えて「生活が著しく困窮し、かつ、資力が近い将来回復する見込みがないため、保険料を納付することが困難である世帯」とある。それに該当することを証明する書類の提出も必要のようだ。どんな書類か具体的には記述されていない。
そして減免額は「事情聴取等によって得られた申請世帯において納付困難と認められる金額(納付困難額)と下記の減免判定基準額とを比較し、低い方の額を減免額とする」とある。
「事情聴取??納付困難額??」これも具体的な記述はない。
減免判定基準額は以下になる。
·前年の総所得が限度基準額未満の場合
(見込総所得額/前年総所得額)×減免前の保険料と、減免前の保険料の差額
·前年の総所得が限度基準額以上の場合
(見込総所得額/限度基準額)×減免前の保険料と、減免前の保険料の差額
ここまで調べたが、「生活が著しく困窮し、かつ資力が近い将来回復する見込みがないため、保険料を納付することが困難である世帯」に該当することを証明する書類とか「納付困難額」など具体性に欠ける項目があって条件がよくわからない。
ネットで調べると、預貯金の残高明細などを提出させられる自治体もあるそうだ。平成28年の某市の減免取扱要綱にそのような記述は見当たらないが、「生活が著しく困窮し、かつ、資力が近い将来回復する見込みがないため、保険料を納付することが困難である世帯」を証明する書類ではないかと想像する。
これ以上調べてもわからないので、国保の窓口で聞いてみようと思う。ただ、要綱の文言から判断すると適用されるのは難しそうに思う。
そんな状況なので、今のところ早期退職翌年の健康保険は健康保険組合の任意継続にして、国民健康保険の減免が確実に受けられるとわかれば、すぐに国民健康保険に切替えよう思う。
最初から国民健康保険に切替えると、減免措置の適用が不可となっても健康保険組合の任意継続に戻ることはできないし、保険料が健康保険組合の約2倍もなってしまう。それだけは避けたい。
公開日:2017年3月25日17時28分、3月26日12時00分
更新日:2023年12月25日12時00分
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