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‘19 夏の根室・釧路・十勝 キャンプ旅⑫ 上士幌〜帯広

2019年 自転車旅 北海道

最終日 2019年8月7日(水)       -

遠くから聞こえる「ぼーっ、ぼーっ」という音で目が覚める。時計を見ると、まだ5時前だ。自転車旅最終日の朝を迎える。

上士幌・航空公園キャンプ場

今日は時間にかなり余裕があるので、ゆっくり寝ていようかと思ったが、トイレに行くため起き出す。外に出ると、今日も薄いガスがかかっていて、芝生はかなり濡れている。

隣の林の向こうの空に気球が上がっている。確か隣は気球の打ち上げ場所だったはず。「ぼーっ、ぼーっ」という音は、風船にガスを送り込む音だった。

早朝の空に気球
早朝の空に気球

朝飯を食いながら、今日の予定を考える。上士幌から帯広までは40km程の下り基調で、帯広からの帰りのバスは15:30発なので、かなり余裕だ。

ただ、今日も帯広の最高気温は33℃と暑いので、帯広に着く頃には汗だくだろう。

そうなると、バスに乗る前にやはり温泉か銭湯に入りたいところだ。ついでに今日で自転車旅も最後なので、昼飯に豚丼も食おうと思う。

そのあたりの時間を考えると、帯広に12時頃に着けば、ゆっくり入浴と昼飯を済ませてバスに乗れるだろう。

次に、バスターミナル近くにある日帰りの入浴施設をネットで探す。

すると「アサヒ湯」、「天然温泉たぬきの里」、「プレミアホテル-CABIN」、「ホテル光南」が出てきた。営業時間や料金を調べてみる。

プレミアホテル CABIN:時間14:00〜、料金850円、バスターミナル直近

・アサヒ湯:時間13:00〜、料金440円

天然温泉たぬきの里:時間12:00〜、料金450円

ホテル光南:時間〜11:00か14:00〜、料金450円、4軒中一番遠い

時間を気にしたくないので、13時頃には入りたい。「プレミアホテル CABIN」は開店時間が遅いし、料金も高いのでパス。「ホテル光南」も時間が合わないし、距離も遠いのでパス。結果、開店時間が早い「天然温泉たぬきの里」を第1候補にする。

ということで、とりあえず12時頃に帯広に着いて温泉、そのあと昼時を避けて豚丼を食いに行こう。帯広までは3時間あれば余裕なので、9時まで出発すればいいだろう。

出発時間も決まったので、撤収準備にかかる。

日が照ってきたので、濡れたテントや洗濯物を乾かすことにする。ただ、芝生はかなり濡れているので、ここにテントを広げる訳にはいかない。

幸い、近くに木製のテーブルとベンチがあるので、ここにテントと洗濯物を広げておく。テーブルとベンチの周りは砂地なので、地面に落とさないよう気をつける。

乾かすものが多いので、ゆっくりテントをバラしながら、撤収していく。その間に帯広までのコースと、バスに乗るまでの行動を考える。

コースは、2007年夏に初めての自転車旅で、途中で断念した十勝平原広域農道を逆向きに走ることにしよう。

あの時は、ツーリングマップルの地図しか持っていなかったし、時間もGPSもなかったので断念したが、今回は2つともあるので問題ないだろう。

それから、帯広に着いて、入浴後に自転車の折り畳み作業をしたり、風呂の前に折り畳んでおいて風呂の後に輪行バッグを持って歩いたりすると、汗だくになってしまう。できれば輪行バッグをバスターミナルに置いて温泉に行きたいところだ。

そこで「バスターミナルか駅に輪行バッグが入る大きなコインロッカーはあるか?なければ、今の時代に手荷物預所はあるか?」をネットで調べてみる。

すると、どちらにもコインロッカーはあるが、大きさはわからず、手荷物預所はやはり見当たらない。とりあえず、行ってみて確認するしかない。

あとでJR北海道のサイトをよくみてみると、各駅にあるロッカーの大きさや料金は調べられることがわかった。

ゴミ捨て、トイレ、水補給、テントの撤収をしていき、8時前には出発準備が済む。

まだ出発予定の1時間前ではあるが、することもないので、乾かない洗濯物をリアキャリアに括り付けて、出発することにする。

8:00 キャンプ場を出発。カメラは今朝も誤動作するのでスマホで写真を撮る。

航空公園キャンプ場
航空公園キャンプ場

十勝平原第二広域農道の起点に向かうため、道道337号線を進む。農道の起点は国道273号線と国道241号線との分岐にある上士幌17区の交差点だ。

今日も予報通り天気が良く、暑くなりそうだ。でも晴天も今日までで、明日から道東は雨が続く。

十勝平原

8:22 十勝平原第二広域農道に入る。国道は朝の通勤時間帯でもあるので、それなりに交通量はあるが、農道は皆無だ。たまに抜け道として通る車がいる程度。

士幌に入り、ダートに変わるところで、農道は1本東隣りの道に移る。左折して小さな丘を上り、その道に入ると、長い直線道路と防風林が果てしなく続いている。

畑では土起こしをしているようで、土埃がすごく、風で道路まで飛んでくる。

十勝平原①
十勝平原①

8:55 道道134号線に突き当たる。十勝平原第二広域農道はここで終わり、続いて500m離れた1本西隣りの十勝平原広域農道に向かう。

十勝平原広域農道に入り200mほど進むと、再び、長い直線道路が続いている。ここも名前の通りの大平原地帯で、十勝らしい広大な畑が果てしなく続いている。

十勝平原②
十勝平原②

直線道路は少しだけ緩い下り坂で、時間も余っているので、あまり漕がずにゆっくり走る。

そんな直線道路が中士幌まで10kmほど続く中を走っていると、バックミラーに巨大なトラックが映る。

「何あれ?、自衛隊?」

こんな道に自衛隊は通らないだろう。路肩に止まって後ろを確認すると、農作業用のトラクターに見えるが、普通よりかなりデカい。センターラインをはみ出して、ゆっくりこちらに向かってくる。

そのデカいトラクターをやり過ごすため、そのまま路肩で待つ。すると、そのトラクターは、これまた巨大なタイヤの運搬車を引いていて、しかもそれは1台ではなく、3台も通り過ぎて行く。

こういうのが見られるのも十勝ならではだろう。

疾走するデカいトラクター
疾走するデカいトラクター

直線道路が終わり、もう少しで「く」の字にカーブするところまでやって来る。

この辺りが2007年夏に来た時、道がわからなくなったところだ。その時は、ツーリングマップルだけを頼りに十勝平原広域農道を逆向きに走って来たが、ダート道にぶつかってしまい、時間がなかったので、止む無く国道241号線へ戻ったのだ。

その国道へ向かった交差点の手前に右カーブと小さな橋があり、当時はGPSを持っていなかったので現在地がよくわからず、迷った末、カーブへ進まず、そのままま直進したと記憶している。

今思えば、そのカーブに沿って進んでいれば、ダート道にぶつかることなく、もっと十勝平原広域農道を走れただろう。

9:37 その「く」の字カーブに差し掛かる。

緑色の橋も見つけたが、「ここだ」と感じるようなところはない。そんなに確信が持てるところではないが、道が分岐しているのでここなんだろうと思う。

前回来たとき、カーブのところで写真を撮ったはずなので、今回も撮っておき、帰ってから確かめることにする。

懐かしの分岐点
懐かしの分岐点

さらに進むと、また似たような「く」の字カーブと小さな橋が出てきたが、分岐道はない。念のため、ここも写真を撮っておく。帰ってから確かめると、前回写真を撮っていたのは、さっきの分岐ではなく、この辺りだった。

前回来た時は、この2つのカーブで道でよくわからなくなったのだなぁと思う。道道31号線から1.2kmほど北にあるこの「く」の字カーブは小さいためか、縮尺の大きいツーリングマップルでは直線になっているのだ。

9:59 道道31号線に到着。2007年夏は、国道241号線から道道31号線に入り、ここから十勝平原広域農道に入った。

国道を走るのは面白くないので、今日はこのまま直進してカントリーロードを道なりに進む。

しばらく走ると、このカントリーロードも右へカーブするが、地図で確認すると十勝大橋方向に向かっているので、そのまま進む。

帯広駅に行くには、国道241号線に出て十勝大橋を渡る必要があり、その直前の音更の街までカントリーロードで進もう。

10:20 下士幌に入る。案内標識は直進すると十勝川温泉になっているので、どこかで右折する必要がありそうだ。

道東道の高架下をくぐり、道道73号線で右折する。道道73号線は、思っていたより路肩が狭く、走りづらいので次の交差点ですぐに左折する。

再び、道道73号線に出て右折すると、間もなく道道73号線は道道498号線に変わり、さらにアンダーパスを潜ると、音更の住宅街に入る。だんだん暑くなってきた。

音更川を渡る宝来大橋の直前で、河川敷の自転車道からジョギングしている地元の女性が出てくる。かなり暑そうだ。

帯広

国道241号線に出て、十勝大橋を渡る。ここを渡るのも何回目だろうか。相変わらず歩道の路面は凸凹で走りづらい。

10:59 帯広に入る。駅前通りの道道26号線は走りたくないので、1本西側の裏道を通ってバスターミナルへ向かう。

バスターミナルは、駅前のわかりやすいところにあるだろうと、正確な場所を確認してきていない。

駅前に出て、周辺を1周してみるが、なかなか見当たらない。豚丼の「ぱんちょう」の前は、やはり行列ができている。ここにくるといつもそうだ。

スマホで地図を確認し、ようやくバスターミナルを見つける。バスターミナルは、平屋建てでビルに囲まれているせいか、あまり目立たない。

11:17 バスターミナルに到着。中に入ると、クーラーが効いていて気持ちいい。とりあえずトイレに行く。目につくところにコインロッカーがあるが、やはり輪行バッグが入るサイズはない。

バスの切符を買いにカウンターへいく。予約したバスは15:30発だが、今の時間はまだ11:30前。その前のバスに空きが出ていないか聞いてみると、14:30発は満席で、12:30発に1席空きがあるという。

さすがに12:30発だと、風呂に入る時間もないので、そのまま予約していた15:30発のチケットを購入する。3,770円也。

その後、コインロッカーの近くにバス会社の職員さんらしき人がいるので、聞いてみる。

自分  :「バスターミナルにあるコインロッカーはあれだけですか?、あれ以上大きいサイズのコインロッカーはないですか?」

職員さん:「ここのコインロッカーはあれだけなので、あれ以上のものはありません」

自分  :「駅に行ったらありそうですか?」

職員さん:「わかりませんが、ここよりは大きいロッカーはあると思います」

自分  :「ありがとうございます」

駅に大きいコインロッカーか手荷物預所がないか探しに行く。

駅前は当然、駐輪禁止なので自転車を止めるところがない。少し離れた銀行の前に止めておく。

駅に入るとすぐに、コインロッカーの場所を見つける。輪行バッグが入りそうな大きなロッカーもあり、しかも空いている。

ところが、扉を開けてみると奥行きが全然足りなく、輪行バッグは入りそうにない。しかも料金が600円もするので、そもそも輪行バッグが入る大きさでも使わないだろう。

手荷物預所はあるはずもなく、輪行バッグをコインロッカーに預けるのは諦める。

輪行バッグをバスターミナルに置いておくことも考えたが、不審物と思われる(札幌のバスターミナルにはそういう注意書きがあちこちにあった)ので、それもできない。

とりあえず、温泉に向かいながら、どうするか考える。

入浴前に自転車を折り畳んで、輪行バッグをバスターミナルの近くに置いておかないと、多分バスに乗る前にまた汗だくになるだろう。それでは温泉に行く意味がない。

それなら、温泉に入らず、このまま帰っても同じなので、どうせなら空いている12:05発のバスで帰ってしまおう。

11:31 バスターミナルへ引き返す。

カウンターに行って聞いてみると、12:30発の便はまだ空いていたので、15:30発から変更してもらう。切符購入後だったが、手数料なしで変更できた。

出発まであと1時間弱、駅前広場のちょうど日陰になっているベンチで自転車を折り畳み、輪行バッグにいれる。これで自転車旅は終了。

当初、帯広では温泉以外に、昼飯に豚丼でも食べようと思っていたが、そこまでの時間はもうない。

ただ少し腹が減ったので、近くにあるセイコーマートでおにぎりで買って食べる。

出発10分ほど前に輪行バッグをバス乗り場近くにおき、バスターミナルの中で涼む。中は大きなバッグを持ったお客さんが多い。

バスは満席なので早めに行って輪行バッグをトランクに入れてもらおうと思う。多分、断られることはないと思うが、もしダメならJRの鈍行でのんびり帰ろう。

バス到着のアナウンスが始まると同時に乗り場へ行く。運転手さんが降りてきたので、荷物を見せる。

運転手さん:「大きいねぇ。どこまで?」

自分   :「終点まで」

運転手さん:「終点は札幌駅前ではなく、大通りのバスターミナルだけど?」

自分   :「では、駅前まで」

運転手さん:「こっちに入れておくか」

運転手さんは最後、独り言のようにそう言って、2つある大きなトランク(駅前降車用とバスターミナル降車用の荷物に区別していると思われる)ではなく、整備道具などが入っている3つ目のトランクを開けて、そこに輪行バッグを入れた。

輪行バッグを積んでもらい、ほっとしてバスに乗る。夏休みのせいなのか、バスは2台でともに満席だ。

高速バスはJRより格段に安く、所要時間も3時間半で本数も多い。普通に考えれば、JRを選ぶことはない。JRに乗るのはバスが満席で乗れなかった人か、会社がお金を払ってくれるビジネス客ぐらいだろう。

乗車した十勝バスは3列シートで、自分は一番前の真ん中席。最後の1席にもかからわらず、一番見晴らしのいい席になった。

札幌へ

12:30 定刻通り帯広を出発。てっきり帯広音更インターから道東道にのると思ったが、バスは国道38号線を西へ進んでいる。他にバス停があるのだろうか。

しばらく走ると国道を右折、十勝バスの本社前に着く。ここもバス乗り場で数人乗り込んでくる。そして芽室帯広インターから帯広広尾道を経由して道東道にのる。

まだまだ天気がいい。あっという間に日勝峠を超えて、右手にトマムのツインタワーが見えてくる。

占冠パーキングでトイレ休憩。その後、道東道は一瞬ではあるが、栗山や由仁も通る。栗山を通るとは知らなかった。

千歳で道央道に入り、途端に交通量が多くなる。だんだん曇り空になってきたので、やはり天気は下り坂のようだ。

札幌南インターで道央道を下りると思っていたが、通過する。どこで下りるのか?

結局、札樽道の札幌北インターで降りて札幌駅に向かう。初日の北都バスと違い、ギリギリまで高速を使った。

15:45 定刻より20分ほど早く、札幌駅南口のホクレン前に到着。

運転手さんがトランクから荷物を下ろすが、自分の荷物は出てこない。それもそのはずで、駅前降車用のトランクからしか荷物を下ろしていない。

結局、最後に自分が残り、運転手さんがバスターミナル降車用のトランクを開けようとする

自分   :「そこではなく、大きい荷物を入れた隣のトランクです」

運転手さん:「あー、そうだったねぇー」

そう言って輪行バッグを出してくれた。

ホクレンの入口に向かう階段を上がり、人が通らないところ隅で自転車を組み立てる。風が強い。

15:58 自宅へ出発。


走行時間:2h57m42s 走行距離:45.51km
平均速度:15.3km/h 最高速度:36.4km/h

== 旅の費用 ============
バス代(十勝バス、帯広ー札幌):¥3,770
飲食代            :¥100
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合計             :¥3,870
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