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'20 ぐるっと日高山脈一周キャンプ旅⑤ 芽室〜忠類

2020年 自転車旅 北海道

4日目 2020年8月23日(日)       -

6時頃起床。雨で眠れなかったので、今朝は1時間の寝坊。雨は降っていないが、外はガスり気味だ。

昨日できなかった洗濯を、まだ他の人が寝ている早朝のうちにやってしまおーと、7時頃に炊事場に行く。だれもいない。

炊事場の流し台は、入って左側に2列に並んでいるが、窓に面した流し台で洗うことにする。

ここだと、トイレに来た人から背を向けた格好になるので、何を洗っているか見えないと思う。洗濯禁止でもないし、そんなに悪い事をしているつもりはないが、なるべく目立たないようにする。

ついでに弁当のプラスチック容器も、キャンプ場の分別廃棄規則に従い、軽く洗う。

洗濯の途中に、3人の若い男がトイレに来たが、眠そうにすぐに帰っていく。

終わりかけの頃、「ケラケラ女」のいるグループの1人らしい女が、トイレのほうに向かってくる。

窓越しにチラッと顔をみると、目があう。失礼だが、如何にも飲んだ次の日という、ムゴい顔をしている。

テントに戻ると、日が出てきたので、日当たりのいい場所に自転車を移動させ、ブレーキレバーとリアキャリアの間に、リュック固定用のゴムロープを張り、洗濯物を干す。

テントの撤収にかかろうと思うが、濡れた芝生の上を歩いたせいで、靴の中は早くも濡れている。これ以上、濡れた芝生の上を歩きたくないが、そういう訳にもいかない。

雨や霧、結露で濡れたフライシート、インナーテント、グランドシートを順番に、洗濯物を干している日の当たりのいいところに広げて、乾かしながら作業を進める。

日焼け止めもなくなってきた。自宅に新品をおいていたが、持ってくるのを忘れたのでそろそろ買っておいたほうがいいだろう。あと、靴の消臭スプレーも。チェーンオイルは雨が降らない限り、もう必要ないだろう。

そう思い、週間天気予報をみてみると土曜日から雨になっている。週間天気なのでまだ信用できないが、土曜日は最終日と考えているので、一応頭に入れておく。

8:47 キャンプ場を出発。受付のある「新嵐山荘」までゴミと鉄の棒を持って自転車を押していく。

朝のキャンプ場は静か。昨日遅くまで叫び声をあげていた若い男ばかりのグループも、朝飯の準備をしているが、二日酔いのせいか静かだ。

「新嵐山荘」でゴミを捨て、鉄の棒を返却したあと、トイレで大を済ませる。三日ぶりにやっと出た。自宅を出発から初出なので、毎日食べたものはほとんど自転車漕ぎのエネルギーに使われているようだ。

「新嵐山荘」を出て写真を撮ろうとカメラの電源を入れるが、今日も勝手にシャッターがおりる。明日以降もずっと続きそうだ。完全に壊れなければいいのだが…

新嵐山荘
新嵐山荘

今日もすっかり晴れ渡り、天気がいい。新嵐山スカイパークの展望台に行ってみようかと思い、「新嵐山荘」の少し南にある入口へ向かう。

400mほど南下すると、右に「新嵐山スカイパーク」と「展望台2km→」の案内板があり、右奥に道が続いている。

その向かいの左側にも道があるが、フェンスで閉じられている。ここは少し前まで「コロポックルの里」というキャンプ場があったところだろう。

何台か車が右折していくので、意外と展望台に行く人が多いのかと思う。が、車の行った先を見ていると、車はみんな、少し先にある駐車場らしいところに止まる。そこには「新嵐山荘」やパークゴルフ場の駐車場があるようで、それで車の出入りがそれなりにあるようだ。

右折して林の中の道を進むと、ピウカ川な越えたところに林道の入口らしい案内板がある。その近くに親子らしい、男性と小学生くらいの子供がいる。何をしているのかと思ったが、子供が川で釣りをしているようだ。

林道入口には、遊歩道の地図と熊出没注意の注意書きが出ている。遊歩道の地図にみると、標高340mの展望台まで急坂の登山道で行くと約1.2kmらしい。車道で行くより距離は短い。

本来なら遊歩道を上るところだが、膝が完全に治っていないし、怪我してから長い急坂も歩いていないので、特に下りが危なそうだ。

酷くなるとコトなので、車道を自転車で上っていけないか、少し先まで歩いて道を確認してみる。

が、林道の最初のほうからして、かなりの急坂なので自転車でも膝にはかなりキツそうだ。

登山道よりは勾配が緩そうな車道を歩いて行くことも考えるが、往復すると1時間以上はかかるだろう。ヒグマもよく出没するらしいので、新嵐山スカイパーク展望台に行くのは断念する。

十勝大平原

9:08 林道の入口を出発。次は昨日時間切れで行けなかった「10線防風林」のある道道62号線に向かう。日本一の長さ9.2kmの防風林を端から端まで見るつもりはないので、とりあえず、ここから一番近そうなところに行こう。

道道62号線へは、道道55号線と道道317号線の分岐まで北上し、そこで右折して向かおうと思う。

道道55号線を北上し始める。左後ろを振り返ると、新嵐山の頂上に展望台のような建物がみえるので写真だけ撮っておく。天気がいいので、ホントに残念…。またいつか来ようと思う。

新嵐山
新嵐山

ここでもう一度GPSで道を確認すると、さっき行った展望台の入口と新嵐山荘の間に、美生川を渡って道道62号線に抜けられる道がある。

すぐに引き返し、その道に入り、美生川を渡る。

美生川は、護岸工事などしていない自然なままの綺麗な川だ。橋の近くに車が止まっていて、川で釣りをしている人がいる。

美生川
美生川

川を渡り少し上ると、一面に畑が広がる丘陵地と、その向こうに南北に長く続く防風林が見える。あれが「10線防風林」だろう。

ここの丘陵地の風景がいいので、しばらく眺めたり、写真を撮ったりしながら、ゆっくり走る。

十勝平野と10線防風林
十勝平野と10線防風林

次の交差点の左側(北側)は少し丘になっていて、丘の上に1軒の農家がある。あそこから見る景色がもっと良さそうなので行ってみる。

丘に上がると、一直線に延びる道路と、緑の畑と防風林しか見えない。如何にも十勝の大平原らしく、いい眺めだ。

一面、緑の十勝大平原
一面、緑の十勝大平原

そのまま北上して、「10線防風林」に向かうことにする。

北へ少し走ると、前から2台の自転車がやってくる。夫婦に見えるが、荷物が多くないので自転車旅をしている訳ではなさそうだし、それでいて地元の人でもなさそうだ。

日曜日で天気がいいので、大方、帯広あたりからサイクリングをしに来たのだろう。

突き当たりで右折する。畑仕事をしている人に少しジッと見られる。この道をよそ者が自転車で通る事はまずないのだろうし、直前にも二人組が通ったので、それで見ていたのだろう。

9:40 道道62号線の「10線防風林」に到着。長さが9.2kmもあるので端まで見えない。

10線防風林
10線防風林

さて、この後は八千代牧場に向かう。八千代牧場は2013年夏の自転車旅で行くつもりだったが、向かっている途中の道道216号線でゲリラ豪雨にあい、敢え無く断念したところだ。

今日は、その時と違い、雨の心配はない。

八千代牧場に行くには、まずこの道道62号線を南下すればいいのだが、防風林が長く続くという事は、風景も遮られることになる。

そこで、道道62号線の1本東側にあるカントリーロードを通って、道道55号線まで南下することにする。

延々と続く広大な畑の中を南にひたすら走っていくと、だんだん日高山脈の山々が近くなってくる。

10:14 道道55号線に出て左折する。

帯広川を渡ると、ここからは帯広市になる。北海道有数の都市だが、全然そんな感じはなく、相変わらず田園地帯が果てしなく続いている。

帯広はいろんな街と合併したせいか、市域が北東から南西方向に延びていて日高山脈までに至っている。それでいて街の中心は北東の音更町との境に近いところにあるので、ここから中心部までは相当遠い(20kmぐらい?)。

ここで「八千代牧場」まで行程を考える。2017年版ツーリングマップルを見ると、2013年夏に通った道道216号線まで行かなくても、その手前の「十勝中部広域農道」を経由すれば最短で八千代牧場に行けるので、その農道に入る事にする。

「十勝中部広域農道」へ右折する。ツーリングマップルによれば、「十勝中部広域農道」は2kmほど先で左へ曲がり、直進できる道はなくなるが、とりあえず行けるところまで南下する。

そして、左折ポイントの広野まで来るが、「↑八千代牧場4km」という案内標識が出ているので、このまま直進する。

十勝平野に迫る日高山脈
十勝平野に迫る日高山脈

「HOLLYDAY」の堀牧場を通過、まだまだ直進する。日高山脈の山々がどんどん近づいてくる。

そして「→八千代牧場」の案内標識がある丁字路に到着、右手には八千代牧場のものらしいのサイロが見える。右折する。

結局、「十勝中部広域農道」を外れたこの道は、八千代牧場の前を走る道路まで続いていた。

八千代公共育成牧場

10:52「八千代公共育成牧場」に到着。出入口には伝染病予防のため、石灰の白い粉が撒かれていて、敷地内にある3本の大きなサイロがよく目立つ。

八千代牧場のサイロ
八千代牧場のサイロ

「八千代牧場は、広大な牧場に展望台やソフトクリームが食べられるお店があるところ」と思ってきたのだが、ここではないらしい。

隣りにある事務所の敷地内に地図があるので確かめる。事務所の西側にある道路を南にいくと、それらしいところがあるようだ。

事務所前の道をさらに西へ少し進むと、舗装路は丁字路で行き止まり。ここにも大きな地図があるので、もう一度確かめると、ここを左折した先に広場や牧場の施設があるようだ。

その広場や施設のある方を見ると、ここから先はかなり急な下り坂になっていて、その坂の下に人影がみえる。多分、牧場の人だろう。

坂を下りていくと、下りきった先の左の道路端にライトバンが止まっていてそこに人がいる。外見では牧場の人に見えない。

「誰?ここで何してる?」

そう思い、通り過ぎる時にみてみると、ライトバンの後ろのドアを開いていて、そこで1人の若め?の女性が白い衣装のようなもの?を着てライトバンの中にある何か?を見ながら、楽器のようなものを弾いている。どうみても牧場の人でも観光客でもない。

「こんなところで何かの練習??」

女性もこちらに気づき、軽く会釈を交わす。その女性の隣りに男性が1人いるが、こちらは何をしているのかわからない。

ジロジロ様子を伺うのも、アレなので通過する。

放牧されている乳牛を左手に見ながら進むと、「→畜産物加工研修センター」の案内標識がある丁字路に差し掛かる。

八千代牧場の放牧風景
八千代牧場の放牧風景

さらに、その丁字路のすぐ先に今度は「→カウベルハウス(畜産研修センター)」の案内標識がある。

「カウベルハウス」を示す方は、細い上り坂になっていて、丘の上に建物がみえる。丘の上なので、

「あそこに展望台はあるのでは?」

と思い、「カウベルハウス」へ向かうことにする。

その坂を上っていくと、左手のずっと先に展望台のような東屋が見え、そこに向かって遊歩道が続いている。

「あれが展望台だ!」

ところが、展望台に向かう遊歩道の途中にはロープが張られていて、中に入れないようにしてある。

最初は「コロナの影響か?」と思ったが、注意看板には「口蹄疫予防対策」と書いてある。これは止むをえない。あそこの展望台に行くのは諦める。

11:04「カウベルハウス」に到着。観光客はだれもいない。施設の周りをぐるっと1周できる道がついているので、どの場所からも周囲を眺めることができる。

ただ、ここは完全に日高山脈の麓なので、周囲は丘陵地で南側には山が迫っている。そのため、「はるか先まで広大な牧草地が続いている」といった景色ではなく、山の斜面や山に囲まれたところに牧草地がある山裾の牧場といった風景だ。

カウベルハウスからの眺め
カウベルハウスからの眺め

いくつか特徴的な山も見えるが、日高山脈の山といえば、最高峰の「幌尻岳」と「カムイエクウチカウシ山」ぐらいしか知らないし、どれがそれなのかもわからない。近くに見える一番高い山が「幌尻岳」だろうか?

山側にほうに周ってみると、石碑のところに山の案内板がある。それによると、少し雲が出ていて、近くに見える一番高い山は「十勝幌尻岳」のようで、「幌尻岳」とは別の山だ。あと、一番綺麗に見える北西の山は「帯広岳」だろうか。

十勝幌尻岳
十勝幌尻岳

帯広岳?
帯広岳?

「カウベルハウス」の入口まで戻る。ここにはレストランもあるが、開店時間から間もないこともあり、お客さんがいるような気配はない。

11:17「カウベルハウス」を出発。車が1台やってくるが、ここで働いている人のようだ。

坂を下りて、次に「畜産物加工研修センター」へ行ってみるが、広い駐車場があるぐらいで、特にこれといって何もない。すぐに引き返す。

丁字路まで戻り、奥のポロシリ広場に行く道を見ると、道路の一部を塞ぐように工事用のフェンスが置いてある。

「あの先も立入り禁止か?、でも完全に封鎖されていないので、そんなこともなさそうだが…」

と思いつつ、先に行っても何もなさそうなので、戻ることにする。

元来た道を戻る時も、あのライトバンも2人の男女もまだ同じところにいる。女性は来た時と同じように、ライドバンの後部ドアを開けたところで何かを弾いている。

もう一度通り過ぎ際にチラッと見てみる。すると、持っている楽器は三線のように見えたが、定かではない。

結局、あの2人の男女は何者で、ここでなんで楽器を引いているのか、全然わからない。別にわからなくてもいい話しだが…

急坂をのぼると、1台の車とすれ違う。振り返ってその車の行く先をみていると、ポロシリ広場に行く道の工事用フェンスの横を越えて、どんどん南へ進んでいく。見えなくなりそうなところで右折して見えなくなる。

「あそこには何かあるのか?」

と思い、坂の上の地図をもう一度確認する。

やはりポロシリ広場と駐車場ぐらいしかないのだが、よく見るとポロシリ広場から展望台へ遊歩道がついている。カウベルハウスから展望台に行く遊歩道は封鎖されていたので、

「もしかすると、あそこからなら展望台に行けるかも」

と思う。

が、戻るのも面倒だし、その遊歩道も封鎖されている可能性が高いので、このまま中札内に向かうことにする。

中札内へは、十勝平野の南端を走るカントリーロードに沿って向かうことにする。

八千代牧場から中札内に向かって走り出すと、右手にパークゴルフ場がみえる。トイレ休憩と水補給のため寄ってみる。

11:34「ポロシリ高原パークゴルフ場」に到着。たくさんの年配者で賑わっている。

豚丼(500円也)を販売している人もいる。ちょうど昼時に近いこともあり、プレーし終わったのであろう人たちが広い休憩スペースや駐車場でご飯を食べている。天気が良いので、気持ちいいだろう。

トイレと水補給を済ませてパークゴルフ場を出発。

道道216号線を越えたところで、右手の牧草地に放牧されている黒い牛が見えるので、行ってみる。

何頭かこちらをじっと見ていて、そのうちの1頭がこちらに向かって少し歩き出す。しかし、牛たちのいるところから柵までの牧草地には、なぜだが知らないが、長い木の枝が散乱している。

そのため、その牛はすぐに立ち止まり、こちらを伺ったままだ。その牛に別れの挨拶をして出発する。

放牧中の黒毛牛
放牧中の黒毛牛

広大な畑が続く中を東へひた走る。

そんな中、案内標識に「ポロシリ自然公園」の文字を見つける。「ポロシリ自然公園」にはキャンプ場があり、新嵐山の次の候補地として考えていたところだ。ただ、旅前に調べたところ、そのキャンプ場は民間のスノーピークが経営していて、利用料が1,200円と少々お高い。

案内標識といえば、八千代牧場を出発して東へ走っていると、必ずと言っていいほど「岩内仙峡」という文字を出てくる。

岩内仙峡??」

聞いたことがないし、旅前に周辺を調べた限り、そういう地名は出てこなかった。

気になるので、ツーリングマップルで探してみると、道道240号線から岩内川に沿って山のほうにいくと「岩内仙峡」をいうところがある。名称からして「峡谷かなぁ」と思いつつ、方向が違うし、少し遠いので行くのはパスする。

十勝大平原
十勝大平原

中札内

戸蔦別川を渡り、中札内に入るが、延々と畑が続く景色は変わらない。

札内川を渡る。河川敷にある結構綺麗な球場で、草野球をやっているのが見える。

程なく、右手に「六花の森」の看板。一応「六花の森」には行く予定だが、その前に中札内の街で買い物と昼飯を済ませようと思う。

ようやく中札内の街が見えてくる。

12:43 国道236号線に到着。

右折すると、すぐにマックスバリュとサツドラがあるので寄る。マックスバリュにはルーキーファームという100円ショップも併設されている。

中札内は「村」ではあるが、マックスバリュやサツドラがあるので、この周辺では人が集まる街なのだろう。

マックスバリュの駐車場に入っていくと、店の出入口近くで、荷物を積んだ自転車の横に60代ぐらいのおじさんが座っている。多分、自転車旅をしている人だろう。この旅、初めて自分以外で自転車旅をしている人に出会う。

自転車で横を通る間際に見かけたので、挨拶はせずに通り過ぎる。まずはサツドラに行って、日焼け止めと消臭スプレーを探す。

いつも使っている一番お安い日焼け止めはすぐに見つかるが、靴の消臭スプレーは色々探したにもかかわらず、見つからない。 仕方ないので日焼け止めだけ買う。

あまり期待はしていないが、100円ショップにも行ってみる。すると、意外にも靴の消臭スプレーが売っている。ラッキー。ちょっとサイズが大きいがまぁこれでいいだろう。

消臭スプレーを買い、さらにマックスバリュでパンを買う。パンはすぐ先にある道の駅で食べることにしよう。

13:27「道の駅 なかさつない」に到着。昼すぎということもあり、駐車場は車とバイクでいっぱいだし、お店も観光客で大いに賑わっている。コロナとは思えない人出でちょっとびっくり。ただ、やはり道内ナンバーの車やバイクばかりだ。

人が多いので、あまり迷惑にならないところに自転車を止めようと思うが、なかなかいいところが見つからない。自転車を押しながらウロウロした挙句、トイレの前にあるお店の横に止めておくことにする。

次にゴミ箱が探すが、見当たらないのですぐに諦める。

昼飯は「花火山」という大きなお店の裏手の、小さな池のある公園で食べる。近くでライダー3人も何か食べている。

昼飯を食い終わり、「花火山」の中を覗いてみると、なぜか中札内の水が飲める蛇口がある。湧き水なのかよくわからないが、無料なので1杯いただき、ペットボトルの水を入れ替えておく。

次に、奥にある「豆資料館(ビーンズ邸)」に行く。平屋建ての綺麗な建物で、屋根以外は洋館っぽい。入場は無料。道の駅の喧騒とは違い、出入りする人はいない。

豆資料館(ビーンズ邸)
豆資料館(ビーンズ邸)

中に入ると、普通の家の居間やキッチンを展示室にしているような感じで、使われている家具や雑貨も現代的で、豆に関係しているものを使っている感じ。展示されているものは、当然、豆の種類や料理、道具など豆に関するものばかりだ。

一通り見学して、玄関に戻る途中で、ようやく1組の家族連れが入ってきた。

「豆資料館」を出て、隣りにある「開拓記念館」に行ってみるが、今は蕎麦屋になっている。中には入らず、引き返す。

自転車まで戻り、日焼け止めを塗り、トイレを済ませる。

14:05 道の駅を出発。次は「六花の森」に向かう。

中札内の街に入る前に見かけた「六花の森」の看板のところまで戻ろうかと思ったが、まずGoogleMapで「六花の森」の場所を調べる。

すると、道の駅の南にある国道236号線と道道55号線が分岐から、少し道道55号線に入って右折した先に「六花の森」があるので、そっちから行くことにする。

国道236号線からホーマックの裏手にある道に入ると、前方から松葉杖の男性が歩いてくる。自分も少し前までは膝を怪我して歩くのが辛かったので他人事ではない。

GoogleMapで確認した「六花の森」へ続く道に出るが、その道は途中からダートになっているので引き返す。

「六花の森」はやめて「花畑牧場」でも行こうかと思い、道道55号線を南に走るが、すぐに思い直して、戻って「六花の森」へ向かう。

「花畑牧場」に行っても取り立てて何かあるわけではないだろうし、それより「六花の森」には散策できる庭園があるようなのでそちらに行く。

「六花の森」の入口の手前にある小さな厩舎に、子馬が見える。近づいてよく見ると、子馬ではなくポニーのようだ。2頭いて、1頭はこちらを伺っている。ちっちゃくてかわいい。

「六花の森→」を書いてあるサイロの案内標識にしたがって進むと、前方の道路に行き交う人が見える。

14:24「六花の森」の駐車場に到着。駐車場にはバイクの絵が描いてある標識板が置いてある。バイク置き場を示すものだと思うが、意外と重そうなので、ここに自転車を立てかけて止めておく。倒れることはなさそうだ。

道を挟んだ駐車場の向かいに「六花亭」があるので、まずそっちへほうに行ってみる。到着前に行き交う人が見えたのは、ちょうど駐車場と「六花亭」の間を行き来する人がいたためだろう。

「六花亭」の前に来ると、おばさん2人が建物をバックに写真を撮っている。撮り終わっても映り具合を確認したり、お互いを撮りあったりして、なかなか動きそうにない。よくあるおばさんの行動だ。

先に店のほうに入ってみるが、オシャレな雰囲気のお土産屋さんやカフェがあったりして、汗や排気ガスでウス汚れた自転車旅のおっさんが入るところではない。

そうそうに退散する。外に出ると、さっきのおばさんたちはいなくなっているので、入口の写真を撮っておく。

店の前には、ゲートがあって、そこから人が出てくる。

「ここは何?」

と思い、ゲートの奥を見てみると、芝生が広がり、小さな池もあり、その奥に森が広がっている。

「これが六花の森で、ここは出口だろう」

すぐにそう思う。

六花の森
六花の森

「なら、入口はどこだ?」

最初は、さっき行った店の中かと思ったが、そんな案内板はなかった。

「そういえば駐車場に案内板のようなものがあった。あそこじゃないか?」

そう思い、駐車場に戻る。

戻る途中、サイクルジャージを着たロードバイカー軍団がやって来る。身軽なので地元の人だろう。

駐車場に戻るとすぐに、「六花の森」の入口を見つける。そして入口の看板をみると、入場料がなんと1,000円也!

観光客価格だろうが、あまりにバカ高い入場料でビックリする。ひょっとしたら無料かも?と思ってきた淡い期待は崩れる。当然、中には入らず。

14:34「六花の森」を後にする。

これにて、今日の主な立ち寄り場所は終了。キャンプ地の忠類に向かう。

道の駅のほうに戻り、国道236号線でまずは更別に向かう。本当は国道を避けたいところだったが、ツーリングマップルを見てもあまり良さそうな迂回路がない。

更別までは国道の南に並行するカントリーロードがあるが、忠類に近くなると国道236号線しか道がなくなる。途中までカントリーロードで行ったとしても国道236号線に戻るか、大樹の方までかなり遠回りすることになる。

中札内の市街地を離れて東へ走っていると、帯広広尾自動車道の高架の少し手前あたりで、前方に同じ方向に走っている自転車がみえる。

その自転車は大きく車道にはみ出すこともあり、

「大丈夫かなぁ、危なそうだなぁ」

と思いながら走る。

あの走りだと、買い物帰りの地元のおじいさんではないかと思う。そのうち、どこかで曲がっていなくなるだろう。

そう思って走っていたが、そのおじいさんはずっと前方の国道を走っている。しかも、徐々に近づいているものの、おじいさんにしてはスピードが速い。

さっき大きく車道にはみ出したところは、路面がガタガタだったのでこれを避けたのもしれない。

徐々に近づくと、おじいさんは帽子をかぶっていて、リアの荷台に大きな荷物を積んでいる。

そこで気づいた。

「あの人はさっきマックスバリュにいた自転車旅のおじさんでは?」

そして、ついに追いつく。

追い抜き際におじさんの自転車を見ると、フロント側にも荷物があって、ハンドルには手提げの袋も下げている。

「こんにちは」

と声をかけるが、無視される。

まっ、こういう人もいるだろうと特に気にせず、追い抜いていく。

しばらく走ると、今度は前方から地元の人と思われる自転車がやってくるので、すれ違う際に挨拶を交わす。

15:07 更別のセイコーマートに到着、休憩する。「ガラナバー」を食べたかったが、売っていないので、炭酸のガラナで我慢する。休憩している間に、あのおじさんに抜かれただろう。

それにしても走っていると股が痛い。昨日まではそうでもなかったが、特に右側が擦れて痛い。自宅を出発して以来、レーパンではなく普通のトランクスをずっと履いているせいだろう。

更別を出て、上更別に向かっていくと、前方の雲行きが怪しくなっている。

パーキングを過ぎたところの、右側にある大きな公園の前で、休憩しているあのおじさんを見つける。やはり抜かれていた。

公園のほうから子供たちの声が聞こえ、おじさんは公園の方をみている。
ここで、再び、おじさんを追い抜く。

あのおじさんさんも、自転車の荷台にマットのようなものを括り付けていたので、多分キャンプ場に泊まりながら旅をしているのだろう。

そうなると、この時間なら、忠類のナウマン公園か更別のカントリーパークのどちらかに行くだろう。自分と同じ無料のナウマン公園に向かっているように思う。

そんなことを思いながら走っていると、右側の歩道を今度は自転車の学生が走っている。しばらくして追い抜く。

15:44 上更別に到着。いよいよ雨が降りそうな雲行き。天気が良かった中札内とはエライ違いだ。

この先、雨に降られると忠類まで逃げ場がなさそうだ。ここならすぐ横にバスの待合所があるのでやり過ごせる。そう思い、雨雲レーダーを確認するが、周辺に雨雲は全くない。

そのまま忠類へ向けて走ることにする。雲がさらに多くなる。

忠類

幕別町に入ると、国道236号線は大きく右カーブしながら下っていく。対向車線側に登坂車線が出るほど、想像以上の長い下り坂が続く。

その途中、前方にガスで霞んだ山がみえる。

どうやら、上更別から天気が悪くなったように見えたのは、雨雲ではなく霧が出てきたためのようだ。その霧と下り坂で、一気に寒くもなってくる。

ガスで霞んでいる山は、丸山展望台がある辺りだろう。丸山展望台は立ち寄り先の候補として考えていたが、この天気では霧に覆われて、何も見えないのは確か。苦労して上っても展望が全く期待できないので、今日はパスしよう。

下り坂の終わりが見え始めたところで、「←丸山展望台」の案内標識があるが、通過する。
左から道道15号線が合流し、しばらくして忠類の街に入る。

忠類には、旧忠類駅が残っていることを旅前に知ったので寄ってみることにする。

道道319号線との交差点に来ると、郵便局があり、如何にも街の中心である「駅前」といった感じがする。駅はこの辺りではないかと思い、GoogleMapで確かめると、やはり、この交差点を右折したところにあるようだ。

16:14 旧忠類駅に到着。

駅舎に入ろうとすると、札幌ナンバーの車が現れる。運転手が降りてきて、適当に駅周辺の写真を撮って、車はすぐに去っていく。車で来るとは、あまり鉄ちゃんにはみえない。

駅舎の外壁はプレハブ小屋のパネルようなもので覆われているが、入口はなかなか懐かしい木製の引き戸だ。

駅舎正面には、紺色地に白い文字の駅名板。昔の小さな駅はどこもこんな駅名板だった。今では、昭和に作られた日本映画でしかお目にかかれない。

忠類駅
忠類駅

駅の待合室には、当時のものと思われる石油ストーブに木製のベンチ、壁には当時の運賃表や国鉄などのポスターがいろいろ貼ったままになっている。

石油ストーブは子供の頃、実家にあったものとそっくりだ。

ポスターの中で、特に「Mt.レースイスキー場」のポスターが目に止まる。そのポスターには、「ヒロインたちの接点。きっと出逢える、私の時間。」とのフレーズで、スキーウェアのモデルのお姉さんが写っている。

「あのモデルさんはだれだろう?ローカルのポスターなので、当時でもわからなかったかもしれないな…」

などと思いつつ、スキー場といい、モデルさんの外見といい、如何にも80年代後半といった感じが出ていて、ノスタルジーを感じる。

忠類駅の窓口
忠類駅の窓口

他にも、全道の時刻表が貼ってあり、この広尾線だけでなく、美幸線や池北線、深名線、天北線、士幌線、岩内線…などなど、もうとっくに廃線した線が載っている。子供の頃はたくさん路線があったことを思い出す。

ホームには、貨物列車の貨車が止まっている。

ホームの貨車と忠類駅舎
ホームの貨車と忠類駅舎

帰り際、切符の窓口に、駅に訪問した人が書き残す駅ノートがあったので少し見てみる。10年近く前の結構古い書き込みもあり、少々驚く。このままノートが残っていけば、そんな古い書き込みにも、駅舎のようにノスタルジーを感じる人が出てくるかもしれない。

16:29 駅を出発、ナウマン公園のキャンプ場に向かう。

セイコーマートを通過、ここで買い物する予定だが、とりあえずテントを張ってからにしよう。が、次の交差点を過ぎたところにある案内標識を見ると、キャンプ場の手前にある道の駅まで300mもある。

意外と距離があり、戻ってくるのが面倒臭くなったので、セイコーマートに引き返して晩飯を買う。朝飯は中札内で買ったパンがあるので大丈夫だろう。

ナウマン公園キャンプ場

16:41「道の駅 忠類」に到着。念のため、駐車場にある地図でキャンプ場の場所を確認する。この先、左折で間違いない。

国道236号線を左折して「ナウマン象記念館」の横を上がっていくと、左手にテントが見えてくる。

「あれ、キャンプ場はもっと上の方だったはず…」

と思い、ここもキャンプ場なのか確認するため、入口にある看板を見に行くと、「第2キャンプ場」と書いてある。

「そういうことか」

念のため、もう少し先にあると思っていた上のほうに行ってみると、高台にもテントが見える。

あれが地図に書いてあった本来?のキャンプ場だろう。言うなら、第1キャンプ場というべきか。

迷わず、第2キャンプ場に戻り、テントを張ることにする。というのも、第2キャンプ場は平坦な芝生であまり人がおらず、十二分に空きスペースもある。それに、第1キャンプ場より温泉や道の駅に全然近い。

16:45 ナウマン公園第2キャンプ場に到着。

自転車を押してサイトの中に入る。ソロのライダーらしい人も2,3人いるので、安心感が出る。家族連れやグループばかりだと、騒がしくなりそうで、あまり好きではない。

テントは奥のパークゴルフ寄りに張ることにする。自転車を置き、トイレと炊事場の場所を確認するため、キャンプ場の隣にあるナウマン象記念館のほうに行ってみる。

記念館の横を歩いている時、前の道路をキャンプ場に向かって上っていくあのおじさんを見かける。予想通り、ここに泊まるようだ。

ナウマン象記念館のほうに行ってみるもトイレと炊事場らしきところはない。

他のキャンパーはテントを張っているので、近くにトイレと炊事場ぐらいはあるはず。なくても道の駅に行けばトイレはある。

そう思い、第2キャンプ場に戻ってテントを張ることにする。

キャンプ場に戻るが、あのおじさんの姿は見えない。第1キャンプ場に行ったのかもしれない。

17:16 テントを張った後、ナウマン象記念館とは逆方向にあるパークゴルフ場の駐車場のほうに行ってみる。すると、トイレがある。が、炊事場はない。

さらに上の第1キャンプ場まで行ってみる。サイトは狭くてかなり混み合っている。サイトの真ん中あたりに炊事場があるが、1箇所しかないのでここで洗濯するのはかなり気がひける。

第1キャンプ場の中にもトイレはない。どちらのキャンプ場も駐車場にあるトイレを使うのだろう。

そして、あのおじさんの姿は第1キャンプ場にも見かけない。どこに行ったのだろう?

第1キャンプ場の駐車場に止まっている車のナンバーをみてみると、徳島や尾張小牧など、意外と結構、道外ナンバーの車がいる。

次に、ナウマン象記念館の道を挟んだところにナウマン公園があるので、洗濯できそうな水場がないか探しに行く。

公園内には、なぜかBBQハウスのような東屋があり、その近くに水飲み場がある。人がいないので洗濯するには、第1キャンプ場の炊事場よりいいが、第2キャンプ場からは結構遠いし、日が落ちると多分真っ暗闇だ。どうしたものか…

テントに戻ろうとするが、その前に温泉の場所も確認しておく。温泉は道の駅の先にある「十勝ナウマン温泉 ホテルアルコ」。ここら辺は、どこもかしこも「ナウマン」だらけだ。

ちなみに「ナウマン」とついている施設が多いのは、ここ忠類でナウマン象の化石が発見されたためだ。

温泉からテントまで、道の駅の裏手からパークゴルフ場とキャンプ場の間にある遊歩道を通って帰る。これが一番近道のようだ。

キャンプ場やその周辺を探索すると、やはりここ第2キャンプ場のほうが、第1キャンプ場より、トイレや温泉が近いぶんよさそうに思う。問題は洗濯をどこでするかだ。

ただ、なんといっても一番いいのが、どちらのキャンプ場も無料だということ。

17:38 テントに戻る。風呂の準備をして温泉に向かう。

ホテルの入口で入浴券を買う。500円也。受付で、温泉が混んでいるか聴いてみると、それなりで混んではいないとのこと。

お風呂場は、まずまず広く、露天風呂もあるので、普通。

温泉のあとは、晩飯をすでに買っているので、テントに戻るだけなのだが、なぜだか急にビールが飲みたくなる。

「久しぶりにちょっと飲むか」

と思い、キャンプ場から歩いて来たので、そのまま歩いてセイコーマートへ行く。

セイコーマートでしか売っていない第3のビールと、ストロング酎ハイ、つまみのコロッケを買って、キャンプ場に戻る。

テントに入ると、右の足首の外側が異常に焼けているのに気づく。靴下を履いていないためだが、左足はそうでもない。昨日、今日と東に向かって走ることが多かったせいだろうか?

2008年夏に留萌からオロロンラインを北上した時も、ずっと北に向かって走ったので、両足のふくらはぎだけが異常に焼けたこともあった。

晩酌と晩飯をしながら、今後の予定を考える。

天気予報をみると、金曜日まで雨マークはないが、最終日の土曜日はやはり雨。予定では明日もここに連泊するつもりだが、雨を避けて1日早く帰るため、明日中にえりもまで行くことを考えてみる。

えりもに行くなら、せっかくなので、旅前に調べていた「どうみん割」なら1泊2食で3,000円の民宿に泊まることを考える。が、やめておく。

やっぱり、大樹の宇宙関連施設やホロカヤントウ、晩成温泉の方に行ってみたい。なので、それを見た後に襟裳岬の手前にある百人浜キャンプ場まで行くことも考えてみるが、時間的にかなり厳しそうだ。

結局、明日は予定通り、大樹の宇宙関連施設とホロカヤントウ、晩成温泉の方に行って、ここに連泊することにする。

夜、トイレにいくと入口の横に、小さな流し台(蛇口3箇所)があることに気づく。人がいなければ洗濯はできそうだ。

今日はもう遅いので、明日の朝、洗濯することにしよう。

テントに戻り、寝袋に入る。久しぶりに飲んだせいか、すぐに眠くなり、あっという間に意識を失う。


走行時間:5h18m44s 走行距離:75.27km
平均速度:14.1km/h 最高速度:35.1km/h

== 旅の費用 ==========
温泉(ホテルアルコ)入浴代:¥500
日焼け止め代       :¥293
消臭スプレー代      :¥110
飲食代          :¥1,674
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合計           :¥2,577
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