4日目 2022年5月19日(木)
今日も天気は良さそう。
8:30 部屋を出て受付に行く。
今日も追加で泊まることにしたので代金を払う。宿泊料が県民割適用で2,500円、入湯税が150円なので合計2,650円也。
受付にいる人は昨日までとは違う人。
受付の方:「車ですよね?」
自分 :「いえ、車じゃないです」
受付の方:「なんで来てるんですか?」
自分 :「自転車です」
受付の方:「へぇー、自転車ですか!、北海道からですか?」
自分 :「いえいえ、飛行機で来てます。まぁよく聞かれるんですけどね」
受付の方:「仙台空港?山形?」
自分 :「いえ、福島空港です。仙台から来たかったんですけどバスがなかったので福島にしました」
受付の方:「そうですか」
これまで数え切れないぐらい聞かれた内容なので、もうこの手の質問にはとっくに慣れている。
宿を出て自転車を止めている車庫に行く。タイヤの空気圧をチェックすると、前輪が70PSIぐらいにまで下がっている。一昨日の朝にいつものように85PSIぐらいまで入れたので、減りが早い。スローパンク気味じゃないかと少し気になる。とりあえず空気を入れたら85PSIまで上がったので、出発することにする。
8:45 宿を出発。
あまり行くところがないので、とりあえず「会津武家屋敷」がどんなところなのか入口の方だけでも行ってみようと思う。入場料が高いので入るつもりはない。
県道325号線に出て下りていくと、「会津藩主松平家墓所→」との案内標識が目に入る。
「昨日もそういえば見たな」
と思い、時間があるので寄ってみることにする。
案内標識に従い右折する。住宅の中の細い道を進んでいくと、前方にそれらしいところが見えてくる。
前から小さな女の子とお母さんらしい人が手を繋いで歩いてくる。女の子がおもむろに自分の方向を指差して
「あれ!なんちゃらかんちゃら!」
と言ってくる。何を言っているのかは聞き取れなかったが、お母さんが女の子に何事か言って手を引いたまま通り過ぎていくので、なんでもないのだろうと思う。振り返ると二人は車に乗り込んで出ていく。
「松平家墓所」の入口に到着。墓はここから右手の階段の上ったところにあるらしいが、入口には「熊出没注意」と「熊鈴貸出中」の貼り紙が出ている。「熊鈴貸出中」と貼ってある木製の箱には取手があるのであそこに熊よけの鈴が入っているのだろう。
旅に出る直前のニュースで、会津若松市内に熊が出没しているニュースを聞いていたので、出ても不思議ではないだろうと思う。
このあたりに墓所があるのかと思って来てみたが、熊が出そうな山中にあるらしい。そこまでして行こうという気はないのでここで引き返す。
県道325号線に復帰し、右折する。
「会津武家屋敷」前に到着。バス停にバス待ちのお客さんが数人いる。
武家屋敷の入口にある案内板を眺めて、入場料を払わずに見れるとこがないか探してみる。どうもなさそうだ。
すぐに出発。飯盛山にある白虎隊関連の施設やさざえ堂に向かう。
昨日も通った飯盛山通りを北上する。
飯盛山の入口に近づいてくると、民間の有料駐車場や飲食店が出てくる。
「さて、どこに(自転車を)止めようかー?」
と思い、周囲を見回しながら走る。
飯盛山
飯盛山入口の交差点に到着。右側は民家などがあるので止められるところはなさそう。左の角に民間の有料駐車場があるが、ここも自転車を無料で止められそうな感じではない。
左折して少し行くと右手に「市営観光客専用駐車場」の案内板を発見する。
「ここは無料っぽいな。ここにしよう」
駐車場は砂利敷でバスが止まっていて、駐車場の入口近くにある建物の横で小学生の団体さんが整列している。多分、学校で飯盛山を見学しに来たのだろう。
その小学生の団体さんが出発してから駐車場に入ると、入口の横にサイクルラックあることに気づく。
「よし、ここでいいや」
サイクルラックの横に自転車を止めて、ここからは歩いていく。
9:20 飯盛山の入口に到着。
土産物店からかかる声を無視して進むと、目の前には長い階段が続いていて、その横には「動く坂道(スロープコンベア)」がある。最初はエスカレータかと思ったが、人間を運ぶベルトコンベアようなものだった。グラバー邸にもあったような気がする。
動く坂道の前にはお守りやお札を売ってそうな建物があるが、よくみるとそこはベルトコンベアの切符売場がだった。
ベルトコンベアの前ではしきりに「上るのはすごく大変です!」と繰り返し繰り返しアナウンスしている。料金はなんと250円也。ベルトコンベアに乗るだけで250円も取るとは…。
さっきの小学生の団体さんは当然ベルトコンベアなど使わず、白い建物のある左の方へ入っていく。
飯盛山の階段
階段に向かって歩いていくと、その白い建物の壁には「白虎隊記念館」と書いてあり、建物の横には大きな飯盛山の案内図がある。
案内図を見ると、ここから左にいく道は「らくな参拝順路」と書いてある。順路には「白虎隊記念館」、「白虎隊引上げ洞門」、「さざえ堂」などがあるので、この順路に沿って見ていくことにする。
まずは「白虎隊記念館」中に入る。入館料は400円也。
中に入ると先客が2人だけで小学生の団体さんはいない。どうやら先の方に行ったらしい。記念館には白虎隊や会津藩に関する史料や展示があり、大体どういう経緯で白虎隊が自刃にまで至ったか理解できた。
会津藩には白虎隊だけでなく、玄武隊、青龍隊、朱雀隊という年齢別に編成された部隊があったことを知る。白虎隊はその中で一番若く16,17歳ぐらいだったという。
2階にもいろいろ展示物はあったが、説明がほとんどなく、よくわからないものが多かった。あと、モニターでビデオも上映されていた。
モニターの前に並べてある椅子の後ろでビデオを見ていると、下から小学生の声が聞こえてくる。
「ここに上がってな」と思っていたら、すぐに2階に上がってきた。
上がってくるなり、小学生たちは椅子に座りビデオを見始めた。が、ほんの1,2分で一連のビデオは終わってしまった。
自分はビデオを見終わり、1階に下りて記念館を出る。
順路の通りに右折して坂を上り、鳥居をくぐっていくと厳島神社がある。境内には水路があって水が勢いよく流れている。
ここまで来ると小学生の団体さんが結構いて、階段を上っていく子たちもいるし、下りてくる子たちもいる。何班かに分かれて見学しているようだ。
水路の水は神社の奥にある戸ノ口堰洞穴から流れ出ていて、説明板によると江戸時代に猪苗代湖から引いてきたものとのこと。洞穴の隣には戸ノ口堰水神社もあるので、当時は如何に大切なものだったかわかる。戸ノ口堰洞穴の近くにはなぜか一羽だけカモが泳いでいる。
戸ノ口堰洞穴
厳島神社まで戻る。
神社の奥には坂道があって、ちょうどそこに石碑がある。石碑には、
「天高し ピサの斜塔と さざえ堂」
と書いてある。
「うぅ~ん、なんだこの石碑は?、ピサの斜塔?さざえ堂も見た目が斜めだから?」
とちょっと首を傾げる。
右手の階段まで戻り、上を見上げると「さざえ堂」が見える。ここから見た景色を見て「天高し…」と読んだのかもしれない。
10:12 階段を上り「さざえ堂」の前に到着。
外観が「サザエ」っぽく見えるので「さざえ堂」と呼ばれているのだろう。正式には「円通三匝堂」と言う。
内部は二重の螺旋状のスロープになっているため、上りと下りが別の通路になっていてすれ違うことはないそうだ。お堂の中に三十三観音像が安置されているのでスロープを昇り降りするだけでお参りができるという。
かなり変わった外観で、こんな発想のものを江戸時代によく建てたものだと感心する。
ちなみに、さざえ堂の存在もテレビ番組で知った。
ここに来ると観光客や学生がいて結構な人出。まずは「さざえ堂」の周辺探索と人の写り込みを避けながらの写真撮影。周辺には自刃した白虎隊の霊を祀る「宇賀神堂」と土産物屋があるぐらいだ。
さざえ堂
「さざえ堂」に入るため受付に行く。拝観料は400円也。しおりをもらう。
受付の横にペットボトルがあるのに気づき、受付のお姉さんに「ここにペットボトルが置いてありますけど」と言うと、お姉さんは「忘れ物でしょうかねー」と言う。まぁそうだろうと思うけど、お姉さんはあまり気にしてないみたいだ。
早速、「さざえ堂」の中に入る。かなりの急斜面で、お札のようなものがいっぱい貼ってある。所々に観音様が安置されている。よく見ると壁には落書きも多い。
1番上まで来ると、またしても下から小学生の声が聞こえてくる。そしてドンドンと上ってくる足音も聞こえる。
「これはゆっくり見てられないだろう」と思い、上りより早足で下りていく。
1階まで下りて、外には出ずに右回りで1階を周る。出入口まで戻るが、さらに左回りでもう1周して小学生が出てくるのを待つ。全員出てきたらもう一回上がってじっくり見て周ろうと思う。
小学生が何人か毎に出てくると、外にいる先生のような人が順番に写真を撮っている。
小学生がほぼ出てきたようなので、もう一度上がる。ゆっくり見ながら1番上まで来るとまたしても下から男の声がかなり聞こえてきて、ドンドンと上がってくる足音も聞こえる。声からして今度は中学生か高校生のようだ。
学生の1人が「上、スゲェ」と言いながら自分のすぐ後ろまで上がってくる。学生は自分の姿を見つけると一旦、下に戻っていく。
一旦戻って行ったので、1度目よりは少しゆっくり見ながら下りていく。
出入口まで下りてきて外に出る。
さざえ堂の螺旋状スロープ
「さざえ堂」出てさらに坂を上がる。
その途中、街を見下ろせる通路のところで、子供と大人たちの人だかりができていてしきりに街の方を指差している。
何をしているんだろうと、その人達の会話を聞いていると、どうやらそこにいるのは小学生とその先生、そして旅行代理店のような人達で、「鶴ヶ城」が見えないか一生懸命探しているようだった。
自分も「鶴ヶ城」を探してみるとあっさり見つけた。先生達はなかなかわからないようで、旅行代理店の人に教えてもらっている。
すぐ先で、下から続く長い階段とベルトコンベアの降り口に合流する。
そこからさらに階段を上がると広場のようなところに出る。左の方に自刃した白虎隊士のお墓があるが、見学中の小学生がたくさんいるのでそこを見るのは後回しにして、右手の方にある「白虎隊自刃の地」へ向かう。
右の方に進んでいくと、下り階段が出てくる。階段を下ったところが「白虎隊自刃の地」のようだ。ただ、この辺一帯はもう完全に墓地になっている。
10:41「白虎隊自刃の地」に到着。
鶴ヶ城を望むように白虎隊殉職士各霊塔と白虎隊士の石像が立っている。当時ここから鶴ヶ城が燃えているのを見て自刃したと言うが、実際は鶴ヶ城周辺の建物が燃えているだけで鶴ヶ城は燃えていなかったという。
白虎隊殉職士各霊塔と白虎隊士の石像
今でもここからは鶴ヶ城が見えるし、会津若松市街も一望できる。
来た道を引き返す。
広場まで戻ると、白虎隊のお墓の前には別の小学生の団体さんがいるので少し待つ。待っていると、先生のような人が「踊りが始まる」とかなんとか言いながら、子供達を広場の方へ移動させていく。
お墓の方にいくと線香の匂いが漂っている。
すると後ろの広場で何やら音楽のようなものがかかり、女の人が踊り始めている。さっき先生が「踊りが始まる」と言っていたのはこのことのようだ。
よく見ると女の人は紋服袴姿で白鉢巻をし、剣を持って舞っているように見える。多分、白虎隊に関連したものだと思うが、何かはよくわからない。
多分、子供達の小学校からの依頼でやっているのだろうと思う。それに便乗して一般のお客さんも何人か見ているが、ほとんどの大人達はちょっと見ただけですぐに立ち去っていく。申し訳ないが、自分も正直興味が湧かないので写真を撮って途中で広場を出る。
あとで調べると、これは白虎隊剣舞と言うものだった。
広場から階段を下りると土産物屋がある。入るつもりはなかったが、出口の方が小学生で塞がれていたので中に入ってみる。
売っているものをざっと見ながら店の奥に進むと、外に出られて展望台のようになっている。
今日はちょっと霞んでいるが、会津若松の街が一望できて景色がイイ。飯盛山のこの一帯の中で、周囲の景色が一番広く見えるように思う。
会津若松市街の眺め
右奥の方にいくと、さざえ堂も上から眺められ、遠くには雪を被る飯豊連峰も見える。
店の中に戻ると、店員さんが小学生に「どこから来た?」と聞いていて、小学生は「〇〇!」と答えている。〇〇は忘れたが、群馬か栃木の町だったと思う。
店を出て階段を下りる。このまま長い階段を下りて入口まで戻ろうかと思ったが、ただ下りるだけで面白くないし、時間もあるので来た道を戻ることにする。
もう一度、「さざえ堂」、「厳島神社」、「白虎隊記念館」の前を通り、階段の下のところにある案内図の前まで戻る。
他に見ていないところはないかと思い案内図を見ると、「滝沢本陣」という建物に行っていないことに気づく。
でもそれらしい建物は見なかったし、案内板もなかった。
観光マップやGoogleMapで「滝沢本陣」の場所を確かめてみる。すると、この一帯ではなく白河街道に入ったところに「旧滝沢本陣」というところがある。「旧」がついているが、多分これだろう。ここの案内図に書いてある「滝沢本陣」とはかなり違う場所にある。
飯盛山を後にし、そのまま歩いて「旧滝沢本陣」に向かう。
11:11「旧滝沢本陣」に到着。
見学者は誰もいない。外から建物の写真を撮る。中に入れそうだったので入口に向かうが、入場料が書かれた看板が見えたのですぐに引き返す。
旧滝沢本陣
自転車を止めて駐車場まで戻る。
サイクルコンピュータを見ると、昨日に続いてまたしてもリセットされている。昨日の夜に電池カバーをテープで止め直したので、接触不良が原因ではないようだ。となると後は電池切れしか考えられないので電池を交換する。
次は予定通り「鶴ヶ城」へ向かう。
住宅街を通って「鶴ヶ城」に向かっていると、スーパー(ヨークベニマル)の看板が目に入る。もう少しで昼なので、パンでも買って鶴ヶ城公園で食べようと思い、店に寄る。
パンを持ってセルフレジでクレジットカードで精算しようとするが、一昨日に続き何度やっても反応しない。
手こずっていると、店員さんがやってきて言われた通りにまたやってみるが、やはり反応しない。諦めて別のカードにしようと思ったその時、なぜだが反応して精算が終わる。他の店で無反応だったことは一度もないので、店側の端末に何か問題があるように思う。
店を出てしばらく走ると、今度は郵便局を見つける。明日は裏磐梯に向かう予定で、しばらく大きな街には行かないので、念のため現金を下ろしておく。
郵便局を出ると観光バスが通り過ぎていく。観光バスにはさっき飯盛山で見かけたような小学生の団体さんが乗っている。バスは鶴ヶ城方向に走っていったので、また出会うかもしれないなと思う。
「←福島県立博物館P」の案内板があるので左折して、駐車場の中に入っていく。右に曲がり、博物館の正面に向かう。この辺りは一昨日も来たところだ。
福島県立博物館の正面を抜けて「鶴ヶ城」との間にある道路に出る直前に、右側に駐輪場があるのを見つける。
「ここにあったか」
駐輪場はわかりやすい場所にあったが、一昨日は見つけられなかった。自転車を止めて、歩いて「鶴ヶ城」内に向かう。
鶴ヶ城
11:57「鶴ヶ城」の東口に到着。
廊下橋を渡って本丸の入口までいく。一昨日行っていなかった稲荷神社の方にまず行ってみる。
本丸の入口まで戻ると、小学生の団体さんにぶち当たる。さっきバスに乗っていた小学生だろうか。
団体さんは城の中に入るのかと思ったら、左の方の公園内に移動していく。自分も今日は城に入らないので、少し間を置いて後から同じ方向へ行く。
高所作業車が止まっているところで小学生が集合している。昼食でも食べるのかと思ったが、城をバックに集合写真を撮るみたいだ。
ちなみにこの高所作業車は城を高い所から観覧するためにあるらしいが、今は稼働していないようだ。
「茶室 麟閣」はパスして、「荒城の月碑」のところまで行く。
他の観光客が城壁の上に続く階段を上っていくので、自分も行ってみる。
城壁の上に出ると「月見櫓」がある。ここから真っ白い「鶴ヶ城」がよく見える。
月見櫓から見る鶴ヶ城
月見櫓から廊下橋の方向へ歩いて行く。
少し歩くと再び櫓。「茶壺櫓」というらしい。ここからも角度を変えた城が見えるし、朱色の廊下橋とお堀もよく見える。
前を歩く夫婦っぽい人が写真を撮りながらゆっくり散策しているので、こちらも景色を眺めたり写真を撮りながら、ゆっくり歩く。時間は十分あるので急ぐことはない。
そして廊下橋から入る門の上まで来る。クランク状の門を上から眺められる。上から見ると立派な石垣で、高さも結構ある。
城壁の上を歩けるのはここまでで階段を下りる。
公園をぐるっと一周しようと思い、また高所作業車と茶室の前を通り過ぎる。
表門の方に向かって歩いていると、
「何か写真を撮っている人がいるなぁ」
と思いカメラの向いている先を見ると、羽織袴姿の男性と白い着物姿の女性が歩いてくる。結婚写真を撮影しているようだ。カメラマンは地面に寝そべって写真を撮ったりもしている。
表門まで来て、そこを通り抜けようとした時、表門から南へ延びる建物の中を歩く人が見える。
「あれっ、一昨日、あそこには行っていない…、あんな所あったっけ?」
と思う。別のところから入れるのかと思い、入口を探したがそれらしいところは見当たらない。
表門を抜けて、観光案内所やお店がある所まで戻ってくる。そこの前にあるベンチでサイクルジャージ着た男性一人が昼飯を食べている。横にはロードバイクが置いてある。
それを見て、自分もここでパンを食べることにする。
パンを食べながらこの後の予定を考える。とりあえず、あの表門から南に続いている建物の中に入れるところがないか、城の入口のほうに行ってもう一度確かめようと思う。
それと、一昨日、場所がよくわからず行けなかった城の北側にある「武徳殿」の方に行ってみようと思う。
「鶴ヶ城」はそれで終わりにして、そのあとは「会津若松熱塩温泉自転車道」のほうに行って北上し、塩川辺りを通って恋人坂に行き、会津若松に戻ってこようと思う。
パンを食べて城の入口の方に行ってみるが、一昨日入ったところ以外に入口のようなところは見当たらない。もう諦める。
あとで調べると、表門から南に続いている建物は「南走長屋」と言うところで、天守閣の中の1階にある売店のあたりに入口があったらしい。売店のせいで見過ごしやすいという。
一昨日は天守閣の中を順番に見学して、最後に売店まで下りてきたので、もうこれでおしまいと思っていた。残念、行ってみたかった。
次は「武徳殿」に向かう。
城の北側にある太鼓門を出たところにあるらしいので、そっちのほうに歩いていく。
太鼓門を出ると、前から来た小学生に「こんにちは」と挨拶されたので、こちらも「こんにちは」と返す。
「武徳殿」は椿坂を下りたところですぐ見つかる。写真だけ撮って城内に戻る。
武徳殿
廊下橋から鶴ヶ城を出る。違う道を通ろうと右に曲がる。
少し歩くと左に石垣があるので上ってみるが、特に何もなく景色もこれといっていい訳でもない。木の上にカラスがいて巣がありそうなので、襲われる前にとっとと退散する。
左に曲がり公園を通って、福島県立博物館の駐輪場まで戻る。
すぐに出発しようと思ったが、駐輪場で日焼け止めを塗り直す。ついでにトイレにも行っておこうと思い福島県立博物館のほうに行ってみるが、中に入らないとないようなので諦める。
13:17 福島県立博物館を出発。
鶴ヶ城の北側の道を西へ走り、県道59号線に向かう。
県道59号線に入る手前から車がなんとかすれ違えるぐらいの狭い道幅になり、交通量もある。如何にも城下町らしい感じがするが、後ろから車が来ていて急かされる感じがして走りづらい。
住宅街を抜けてちょっと道幅が広くなると逆に交通量がぐっと減る。
国道118号線を横切ったところで、自転車道の場所をツーリングマップルで確認する。この先の県道152号線の分岐辺りだ。
そして県道152号線の分岐の手前で、「会津若松・熱塩温泉自転車道線 ↑200m」の案内標識が出てくる。
県道152号線の交差点を渡ると、歩道の路面に「↑→」の矢印が引いてある。どうやら、自転車道の道順を示しているようで歩道から横断歩道を渡るように指示しているようだ。多分、県道59号線を渡るために信号のあるここの交差点まで迂回させているのだろうと思う。
なので、自転車道を喜多方方向に向かうのならここで右折するのだろうと思うが、もう少し直進してみる。すると蟹川橋の手前で「会津若松・熱塩温泉自転車道線 ←」の標識が出てくる。
「やっぱりそうか」
と思いつつ、県道59号線を挟んで反対側の右の方を見ると車止めがある道が見える。
「多分、左の自転車道からあそこに続いているんだろう」
交通量が少ないので、信号まで戻らずに県道59号線を渡る。
ところが、その自転車道と思った道に入ると道は先に続いておらず、公園のような感じになっている。
ツーリングマップルを見ると、ここの辺りの自転車道は分かりにくくなっているが、湯川を渡ったところから北に向かって走っているように見える。自転車道が県道152号線との交差点を通っているのは、迂回している訳ではなく湯川を渡るためにそうなっているようだ。
ということなので、公園の中の遊歩道や橋を通り県道152号線に出て湯川を渡る。
湯川を渡ったところに「←大川喜多方サイクリングロード」の案内板がある。自転車道の名前が「会津若松・熱塩温泉自転車道線」から変わってしまっているが、この道で間違いないだろうと思い、左折する。
あとで調べると「大川喜多方サイクリングロード」というのは「会津若松・熱塩温泉自転車道線」の通称のようだ。
会津若松・熱塩温泉自転車道線
13:39「会津若松・熱塩温泉自転車道線」に入る。
会津若松・熱塩温泉自転車道線の入口
これで車を気にせずに阿賀川沿いの自転車道をのんびり走れる。正面に雪を被る飯豊連峰が見えてなかなか快適。
自転車を止めて飯豊山方向を見ていると、向こうから自転車が1台やってくるのが見える。自転車を走らせ、向こうから来る自転車と違う。マウンテンバイクのようだ。
さらにしばらく走ると向こうから2人歩いてくる。すれ違うと散歩している地元のおばさん達だった。
磐越自動車道の高架下の手前まで来ると、阿賀川の河川敷に「ここはC&R区間 エサ釣り禁止」と書いてある看板が目に入る。
「この看板、さっきもあったなー。“C&R” ってなんの略?、サイクリングロードじゃないよなー」
と思ったりする。サイクリングロードだと「エサ釣り禁止」に意味が全然繋がらないので、“C&R” が何のことだがよくわからない。この後も自転車道を走っていると、この看板を2,3回見ることになる。
さらに自転車道を北上していく。会津磐梯山も右に見える。
走っている途中、右にある果樹園のようなところの草むらで何か動いた。何かと思いよく見ると「キジ」だ。多分、野生だろう。野生のキジを見るのは隠岐以来ではないかと思う。
この自転車道はそんなに長くないはずなので、ツーリングマップルで今どの辺りまで来たか確認する。この少し先に道の駅があるようなので、そこでトイレ休憩することにする。
14:09「道の駅 あいづ湯川・会津坂下」に到着。
新しそうな建物。トイレに行く。
入口の引き戸のドアには、「ドアは閉めてください。ツバメが入ります」と書いてある。用を足して自転車に戻る。
ペットボトル1本が空になっているので、もう一度水を汲みにトイレまで戻ろうと思う。男子トイレの手前に車椅子が使えるトイレがあるのだが、そこに掃除のおばさんがドアを開けて入ろうとしている。
おばさんがドアを開けて入った途端、トイレの中に鳥が勢いよく飛び込んでいく。鳴き声からして多分ツバメだろう。するとその掃除のおばさんが、
「だからダメだって言ってるでしょう!」
とツバメに説教をしている。なんか微笑ましい。
水を汲んで自転車に戻る。道の駅のすぐ横には、両端に白いラインの入った自転車道が走っている。
14:16 道の駅を出発。
自転車道に復帰すると、川沿いの下の段の道に、自転車道を走り始めた時にすれ違ったマウンテンバイクの人が走っている。どこかで引き返してきたのだろう。
下の道も国道49号線の高架下を走り抜ける自転車道で、大回りして今走っている道に合流してくる。
道の駅を出発して間も無く、そのマウンテンバイクに追い抜かれ、あっという間に差をつけられる。
県道127号線を渡る。ツーリングマップルを見ると自転車道はこの先で消えている。多分引き返すことになると思うが、時間があるので行けるところまで行ってみようと思う。
県道127号線を越えると、路面の白線が消えて自転車道っぽさがなくなる。
大量に並んでいるコンクリートのU字溝を横目に、「そろそろ終わりのはず…」と思い自転車道の少し先を見ながら走る。
しばらく走るとツーリングマップルの通り、車止めがあって行き止まりになっている。
14:32「会津若松・熱塩温泉自転車道線」の終点に到着。
来た道を引き返す。
県道127号線まで戻る。ここからは県道337号線の恋人坂方向に向かう。行程としては県道127号線で塩川の街まで行き、そこから塩川広域農道辺りに出て県道337号線に入ろうと思う。
左折して県道127号線に入る。交通量は少ない。
喜多方
喜多方市に入り、しばらく走ると何やら物騒な立て札が目に入る。
「天罰下る」
何かの警告のような気がするが、よくわからん。
「天罰が下る」道
会津縦貫道を過ぎたところで、この後の道順をGPSで確認する。ここから塩川の街に通って塩川広域農道の方に出ようと思う。
左折して住宅街に入り、さらに右折。道路も住宅も新しく新興住宅地といった感じ。そこを抜けていくと前方に駅が見えてくる。駅舎は線路の向こう側にある。ここから線路は渡れないので左折するが、その先で道はさらに左に曲がっているので「戻るしかないか…」と思っていると、線路沿いに人が通れるほどの細い道があるのを見つける。
その細い道を抜けると道路に出れた。踏切があるので線路を渡る。
線路を渡ると、さっきの新しい住宅地と正反対に道路も建物も古そうで、如何にも昭和っぽい古い街並みになる。
塩川の街を抜けて国道121号線に出たところで道順を確認する。このまま直進でよさそうだ。
住宅街を抜け、見通しのいい田んぼの中の道を走っていくと塩川広域農道に出る。もう一度道順を確認する。ここを右折して塩川広域農道に入れるが、ここを直進してその先で右折しても塩川広域農道に入れる。
まぁどちらを通ってもさほど距離は変わらなさそうだし、ここから農道に入ってしまえば、もう道順を確認しなくてもいいので、ここで塩川広域農道に入る。
県道69号線を越えると、いよいよ上り坂が始まる。そろそろだと思っていたので「きたな」と言う感じ。すると前方の右側からロードバイクが1台現れて自分と同じ方向へ上っていく。自分もそれに続き上がっていく。ロードバイクはしばらくして見えなくなる。
森や畑の中をずんずん上がっていく。勾配は5%もない感じでさほどでもない。交通量は皆無。しばらく走ると左側に水を張った田んぼが出てくる。空は少し曇りだしてきて飯豊山も霞んでくる。
県道337号線が右から合流。帰りはここを右に行こうと思っていたので、そっちを見てみるとさらに上っている。「どんくらい山の方に入るんだろ?」
県道337号線に入り直進して少し行くと、左の眼下には田園風景が広がり始める。
そして恋人坂っぽいところが見えてくる。
15:34 恋人坂に到着。
眼下に広がる田んぼに向かって道が延びていて、かなり景色はイイ。ちょうど今は田植えの季節なので、眼下一面が水浸しのように見える。もうちょっと天気が良ければ言うことないんだが、こればっかりはしょうがない。
恋人坂からの眺め
写真を撮っていると意外と通る車が多い。地元の車が多いが、その中に春日部ナンバーの車が上がってくる。
その車はビニールハウスの先にある少し上ったところで右に入り、バックしてまたこちらに戻ってくる。どうやら車を止めるところを探しているようだ。結局、坂の手前にある県道337号線の路肩に止めている。
あとで気づいたが、そこはこの坂に来る観光客用のためなのか駐車帯になっている。
車からカップルでも降りてくるのかと思ったが、降りてきたのはおじさん1人だった。カメラを持って写真を撮っている。
自分はもう写真は撮ったし景色も堪能したので、そろそろ会津若松に戻ろうと思う。
15:44 恋人坂を出発。
ちょっと迷ったが、帰りはやっぱり県道337号線を通っていこうと思う。
来た道を少し戻り、左折すると上りが始まる。7,8%ぐらいはありそうな勾配。かなり山の中まで行くのかと思っていたが、棚田のある農村地帯が続いている。交通量は皆無。
右にカーブすると上りは終わり。ここからは多分、下りがほとんどだろう。磐梯町方向に向かう。
少し走ると右の路肩に何かいる。「ヤギ」だ。農村地帯を走っているとたまに見かける。繋がれていると思うが、道路に出てきたりしないかちょっと気になる。
森や畑の中を下っていくと右手からダンプが出てくるので、先に行かせる。
出てきたところを見るとダンプが数台止まっているので何かの工事現場のようだ。他のダンプも道に出ようとしている。
ここはタンプが結構通る道なのかもしれない。ちょっとあまりイイ道でないかもと思いながら、道幅があまり広くないので後ろから来るダンプに気をつけて走る。
その先で道路の路面が割れてかなりガタガタになっている。ここに来るまでの道路にはそんなところはなかったので、この路面の割れはダンプがよく通るせいかもしれないと思う。ブレーキをかけながら慎重に下りる。
しばらく走るとまた後からダンプが来ているのがわかる。少し先に右カーブがあり、このまま行くとカーブではダンプもあまり避けられないだろうと思い、対向車線側にある広い路肩に逃げて先に行かせる。
前からもダンプが上がってくることがあるので、やっぱりタンプがよく通る道のようだ。
その後もどんどん下りていく。
県道7号線の手前から道が新しくなり広くなっている。ルートも少し変わっているようだ。新しい道に入ると下り勾配が急になり、前も一気に開けてくる。
下り坂の途中で止まり、その先の道を確認する。とりあえず、東長原の駅を越えるところまでこのまま県道337号線を行こうと思う。
県道7号線を通過し、2本の川を横切るアップダウンの道を走る。2本目の日橋川の辺りはまた山ん中に入ったのかと思うほどの道になる。
日橋川
日橋川から坂を上り、踏切を渡る。
踏切を渡った先で右の脇道に入り、もう一度道を確認する。県道337号線を進むと国道49号線に出てしまうので、右に逸れて線路寄りの道へ行くことにする。
あと気づいたが、もうこの時は近くにある「会津藩校日新館」のことをすっかり忘れていた。
線路の方に向かって走っていると、まだ標高が高いせいか少し下に田園地帯や会津若松の街が広がっていて眺めがいい。
その後は南に行ける道をGPSで適当に探しながら、住宅街や田んぼの中の道を走る。
磐越道の高架下を抜け、会津大の横を通り、国道49号線に出る。
すぐに県道64号線に入り、しばらく走るとまたヨークベニマルを発見する。ちょっと腹が減っていたのでパンでも買って食べようと思う。
16:50 ヨークベニマルに到着。
パンを買ってセルフレジで会計をしていると、またしてもクレジットカードが反応しない。また店員さんがやってきてやり方を確認してもらうが、何度やっても反応しない。しようがないので別のカードで支払う。
店を出て駐輪場の前にあるベンチでパンを食う。
この後はコンビニに寄って今日の晩飯と明日の朝飯、補給用のパンを買おうと思う。
店を出発してまずファミリーマートに寄り、ここで弁当を買う。その後、一昨日も昨日も寄ったセブンイレブンでパンや酎ハイを買う。福島県はコンビニで県民割のクーポンが使えるので便利だ。
18:08 宿に戻る。
温泉に入り、洗濯をし、晩飯を食って明日の予定を考える。明日はいよいよ磐梯山を越えて裏磐梯に行く。走るコースは磐梯山ゴールドライン。最高地点は八方台で標高は1,194m。天気は晴れで全く問題ないだろう。
調べると八方台からは磐梯山への登山ルートがある。明日は裏磐梯に行くだけで時間があるので、一瞬、登ろうかと思ったが、膝が心配だし、昼頃からの単独登山は危険なのですぐに思いとどまる。山開きもまだらしく、今週末の5月22日らしい。
裏磐梯に着いた後は、明後日以降しばらく天気が悪い予報なので、桧原湖を1周しておこうと思う。
大体予定が決まったところで、サイクルコンピュータの今日の走行データをメモろうとしたら、間違ってリセットボタンを押してしまい、データが消えてしまう。
「やってしまった…」
リセットは2ヶ所のボタンを同時押ししないとかからない。だが、サイクルコンピュータを手に持った時に、そのうちの1ヶ所のボタンのところを指で支えていたため、もう一つのボタンを押している時に支えていた指の方にも力が入り意図せず同時押しになってしまったようだ。
寝る。
=== 旅の費用 =================
白虎隊記念館入館料:¥400
さざえ堂拝観料 :¥400
宿泊費(伏見荘) :¥2,500(県民割2,500円適用)
入湯税(伏見荘) :¥150
飲食代 :¥264(県民割クーポン1,500円使用)
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合計 :¥3,714
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走行時間:?h?m?s 走行距離:62.10km
平均速度:?km/h 最高速度:?km/h
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