'22 南東北 晴れ待ち標高1000m越えツーリング④ 会津若松〜猪苗代湖

2022年10月19日水曜日

2022年 自転車旅 東北

3日目 2022518日(水)

前日から、明日の宿をどうしようか考えている。

明日は会津若松市内の名所を見て周る予定。旅前の計画では会津若松市内見物を1日とっていたが、昨日、鶴ヶ城を見たので、1日もかからないだろう。

会津若松周辺の後は、磐梯山ゴールドラインを通って裏磐梯に行く計画だった。

が、明日、会津若松市内の名所を見てから磐梯山を登って裏磐梯まで行くのは、いろいろ考えたけど時間的にかなり厳しい。なので、明日も会津若松かその近郊に泊まるしかない。

そうなると明日は時間が余ってしまうので、会津若松市内かその近郊でどこか他に行くところを考えないといけない。今のところ予定しているのは飯盛山ぐらいしかない。会津武家屋敷も考えていたが、入場料が取られるのでやめようと思っている。

観光マップで他の名所もいろいろ調べたが、会津若松市内はどこも有料でこれといった場所がない。近くの喜多方やその近郊も調べたが、これといって良さそうな場所がない。

そんなことを考えていると、どんどん時間がなくなるだけなので、とりあえず明日も会津若松市内に宿を取ることにする。今泊まっている宿でもいいのだが、もっといいところがないか探してみる。

と、突然、部屋のドアが開く。鍵をかけていたにも関わらずだ。おじさんが入ってきて、福島弁で「布団を交換しますか?」とか聞いてくる。

それよりなんで鍵を開けて勝手に入ってくるのかよくわからない。部屋にもう人はいないと思って掃除に入ってきたのかもしれないが、そういうことは特に言わないし、「すみません」の一言もない。

まぁ、悪気はないんだろうけど、「ちょっとの一言が足りないこういう人はいるよな」と思いつつ、大きなホテルや旅館ではないので、そういうところの教育はなく、その人任せなんだろうと諦める。

一応、布団を畳んでゴミだけ出してもらう。おじさんは作業の途中「(スリッパが)片方しかない、片方しかない」と言っている。ドアを開けたときに片方のスリッパがドアと壁との間に挟まって見えないだけだと思うが

そしておじさんが出て行った後、なぜかスリッパはドアと壁との間に挟まった片方しか残っていない。どうやら「片方しかない」と言っていたそのスリッパをおじさんは持っていってしまったようだ。これで本当に片方だけになった。どうもあのおじさんの行動はよくわからない。

おじさんが出て行って宿探しを再開。直前にこんなことがあったので他の宿にしようと思う。で、YUKKURA INNという宿にしようかと思ったが、決済がクレジットカードでしかできないようになっている。県民割は現地支払いにしないと適用されないはずなので、ここは諦める。

もう8時半も過ぎているし、ここより特別良さそうなところもないので、今泊まっている「ホテル伏見荘」に3連泊することにする。とっとと楽天トラベルで予約し、”STAYNAVI” に登録する。

予約の時にちょっと変なことがあった。「ハピタス」アプリ経由で「楽天トラベル」アプリで宿を検索すると、「空室が見つかりません」とのメッセージが出るが、楽天トラベルアプリ単独で検索すると普通に何軒かの宿が出てくる。どちらかのアプリにバグがあるのかしれないが、原因はよくわからない。

着替えなど一部荷物を部屋に置き、少し身軽にして出発する。そして宿を出る前に受付で女将さんに明日も予約したことを話しておく。

自分  :「明日も予約しました」

女将さん:「ありがとうございます。自転車の置き場所を教えてなくてごめんなさいね」

自分  :「この先のマイクロバスが止まっている車庫ですよね」

女将さん:「そうです」

自分  :「じゃ、今日はそちらに止めさせてもらいます」

会津若松

8:58 宿を出発する。今日は猪苗代湖1周だ。天気も快晴に近く、楽しいツーリングになりそう。

国道325号線に出ると、いきなり前方に雪を被った飯豊山が見える。

奴郎ヶ前(やろうがまえ)の交差点で飯盛山方向へ右折する。路肩は狭いが、交通量も少ない。

白虎隊記念館」や「さざえ堂」がある飯盛山の入口を通過。明日ここに来るつもりなので場所はこれで確認できた。

飯盛山の入口を過ぎ、しばらく走ったところで、

「あっ、行きすぎた?」

と思い、道を確認する。飯盛山入口の少し先に右折する最初のポイント、白河街道があったが、やはり通り過ぎていた。ただ、右折するポイントはこの先にもう1箇所あるのでそこで右折しようと思う。

パトカーに抜かれる。別に悪いことはしていない。

9:24 2つ目の右折ポイントである居合通りへ右折する。

予想通り上り坂が始まる。住宅街を抜けると勾配がキツくなる(5%超ぐらい)。

坂のピーク付近で細い道へ右折。この先で飯盛山から猪苗代湖へ続く旧道っぽい山道に出られるはず。

田んぼの中の細い急坂を上っていく。

途中で後ろから軽トラが来たので止まって脇へ避ける。

「運転手さんは『こんなところをなんで自転車で走ってんだろう』と思ってるだろうな」

と昨日思ったことをまた思うが、運転しているおばあちゃんは気にも止めない顔で通り過ぎて行く。

振り返ると雪を被った飯豊連峰がここからもよく見える。

遠くに雪を被る飯豊連峰
遠くに雪を被る飯豊連峰

5%超のなかなかの坂が続き、最後の方は10%ぐらいなる。四叉路の分岐で右折し、少し道幅の広い旧道っぽい道に合流、左折する。

勾配は緩やかになったが上りは続く。車もちょこちょこ通るぐらいで交通量は少ない。しばらく山道を走っていくと民家が出てきて前が開けてくる。道も平坦になる。

石ケ森、金堀の集落を過ぎると、また上り坂が始まり山道に突入する。

10:08 国道294号線に到着。まだ直進できる道が続いているので国道を突っ切る。

国道から少し走ると右に店が出てくる。国道の近くではあるが、こんなところに店(蕎麦屋さん)があるとは思わなかった。

細い道を進んでいくと右手前方に磐梯山が現れる。今日は天気がいいのでキレイに見える。国道49号線を走る車も見える。さほど交通量は多くなさそうだ。

そして前方の道が森の中へ消えていくところで、ダートになっているように見えてくる。近づいていくとやはりダート道だった。

猪苗代湖岸まであと少しというところだったが、しょうがないので少し引き返して国道49号線に出ることにする。国道49号線がどんな道なのか心配しながら、田んぼの中の道を走っていく。

国道49号線に入ると路肩がほとんどなく走りづらい。国道49号線を走る距離は短いのでガマンして走ろうと思うが、ガマンするのはそれだけではなかった。

とにかく路面が凸凹で穴だらけでガタガタで酷い有り様なのだ。凸凹でガタガタなのは路肩付近だけではなく、車道ほぼ全面に渡っている。あまりに酷くてビックリした。

北海道民なので冬の間に寒さや車の振動で路面がこうなってしまうのはわかっているけれど、それにしても国道にもかかわらず、かなり酷い状況だ。北海道でもこういう酷い路面はあまりお目にかかったことがない。

さらに路肩は凸凹やガタガタに加えて、割れたアスファルトや石っころが散乱していてダート道以上の悪路になっている。そんな酷い道でもここは国道なのでトラックなど車が結構なスピードですぐ横を抜いていく。

とてつもなく走りづらくて、パンクしないか心配になる。散乱したアスファルトや石っころ、穴を避けつつ、そのすぐ横を高速で抜いていくトラックなどを気にしながら走るのでちょっと恐怖まで感じる。今まで走った中で最悪の酷道だろう。さすがにここまで酷い国道とは思わなかった。

ようやく右に逃げれる脇道が出てくる。民家の前の広い路肩に止まり、その道で猪苗代湖の方に行けるかGPSの地図で確認する。「行けそうだ」

何とか右の脇道に逃げ込む。やれやれだ。

開けた道を南へ進む。

しばらく走ると右の一画に薄紫色の花が一面に咲いているのが目に入る。近づいてみると黄色いタンポポや菜の花も咲いていてキレイだ。薄紫色の花はなんの花なのかわからない。

一面に咲く薄紫色の花
一面に咲く薄紫色の花

しばらく走ると青い標識が出てくる。

小石ヶ浜、中田浜」

さて、どっちへいくか?GPSの地図で調べる。ちょっと迷ったが、ここは直進して中田浜の方に向かうことにする。小石ヶ浜の方は猪苗代湖1周の最後にしようと思う。

猪苗代湖の西側を周回している県道376号線に入る。

しばらく走るとようやく下り坂に入る。国道49号線あたりから平坦な道にはなっていたが、結局、会津若松市街からここまでずっとほぼ上りだった。

会津若松と猪苗代湖の間に山があるので途中まで上りで後半はてっきり下るものと思っていたが、ちょっと想像と違っていた。それだけ猪苗代湖は標高の高いところにあるのだろう。

坂を下りていくと、いよいよ猪苗代湖が見えてくる。

猪苗代湖

10:35 猪苗代湖岸に到着。

いよいよここから猪苗代湖1周だ。湖は反時計回りが基本なので、まずは県道376号線を南へ進む。

しばらく走ると反対方向からロードバイクがやってくる。地元の人だろう。すれ違う時にお互い軽く挨拶をする。

ここにきて暖かくなってきたし、交通量皆無で走りやすい。あとは熊が出てこなければいいだけだ。

左には猪苗代湖やその向こうの磐梯山などの山々が見えてなかなかいい眺めだ。

猪苗代湖と会津磐梯山
猪苗代湖と会津磐梯山

森を抜けて中田浜の手前までいくと、左の陸の上にたくさんのボートが置いてある。

「なんでこんな陸の上にボードが置いてあるんだ?」

と思ったが、少し走るとその先に入江が見えた。

後で調べると、ここは「中田浜マリーナ」だった。

中田浜まで来ると、湖の入江にヨットやボードがたくさん係留されている。

中田浜を過ぎると前に山が立ちはだかる。

猪苗代湖の西岸にはちょっとした山が2つほどある。その1つ目が中田浜と崎川浜の間にあり、これからそこに差し掛かる。

最初は緩い勾配だったが、キャンプ場を過ぎると10%ぐらいはあるだろうキツい坂になり、ヘアピンカーブも出てくる。さらに上っていくと、なんと勾配が15%の標識も出てくる。

1つ目の山はそんなに大したことないだろうと思っていたが、ちょっと甘かった。とはいうもののキツイ坂は短く、すぐに下りに入る。

山を下りると右には田んぼが広がる。

県道376号線を離れて崎川浜の湖岸の方にちょっと行ってみる。空は雲がほとんどなく快晴で、ここからも湖越しに磐梯山がキレイに見える。

県道376号線に復帰する。そして前方には今日のルートで1番キツい道があるだろう山が見える。あれが2つ目の山、金山の方だろう。

金山方向へ続く道
金山方向へ続く道

その山の手前で車や軽トラが4,5台止まっている。水の張った田んぼが見えるので田植えの準備だろうか。

11:20 金山への上り坂に突入する。

入口から右に曲がると、道が急激に狭くなっている。そして次の三叉路でヘアピンカーブのように左の「林道赤崎小倉沢線」へ曲がると一気に上り勾配もキツくなる。10%はあるだろう。

そのあと勾配は徐々に緩くなり、5%前後ぐらいになる。

深い森の中をずんずん上っていく。途中で水分補給をしていると、前から逆方向に向かう自転車が1台やってくる。お互いに明るく挨拶を交わす。

森の中を走っているので眺望は全くない。ひたすら上るだけ。

と、そんな時に前から車がやって来る。おじさんが一人乗っている。

「こんなところを何で走ってんだ?」

と思うが、それはお互い様だろうと思いなおす。なんとなく向こうも観光客のような感じがした。

ツーリングマップルを見ると、ピークは金山の南側へ周ったところにある、道がウネウネしているあたりだろう。そう思いながら走っていくとしばらく下り坂になる。

再び上り始め、GPSを見ながら走っていくと、ウネウネと曲がっているところが画面に表示されてくる。もう少しだ。

ピークに近づくと勾配がキツくなってきて「12%」という標識も出て来る。よくあるパターンだ。

そして「郡山市」の案内板が出る。どうもここがピークのようだ。ウネウネと曲がっているところはまだ先なので、そこは下り坂のようだ。

その後、そのウネウネの下り坂をブレーキをかけながら慎重に駆け下りる。

右側が開けてきて田んぼが見えてくる。風も出てくる。

県道376号線に復帰して、再び湖岸に出る。金山を越える前よりだいぶ風が強くなっている。北風のようだ。

昼を過ぎたので、そろそろ持ってきてパンを食おうと思う。あと、トイレにも行っておきたいところだ。食べる場所とトイレを探す。

秋山浜で昼飯にしようと思ったが、浜に出る道がなく、そのまま通過。ツーリングマップルを見るとこの先に青松浜があり、眺めがいいらしいのでそこへ行くことにする。

中浜の集落に入り、「青松浜」の案内標識があるので左折して県道236号線へ進む。

12:16 青松浜に到着。

駐車場には車が3台ぐらい、バイクも2台ぐらい止まっている。みんな休憩しているようだ。砂浜の前にある石段に腰を下ろし、景色を眺めながらパンを食う。

天気がいいので磐梯山は見えるし、周囲の山々の緑が映えて眺めがいい。ただ、やっぱりちょっと風が強い。

青松浜からの眺め
青松浜からの眺め

振り返ると、浜の前の道はさらに奥に伸びていて橋があり、そこを歩いてさらに奥にある森の方へ歩いて行く人が見える。多分、遊歩道になっているのだろうと思う。

トイレを済まして青松浜を出発。

この後は入江のある湖岸沿いの道を走っていく。小さなアップダウンが続く。

県道234号線に入ると、それまで湖畔の山や木々で陰で見えなかった雪を被る飯豊連峰が見えてくる。

猪苗代湖と飯豊連峰
猪苗代湖と飯豊連峰

船津の集落で、県道9号線には入らずに湖岸沿いの道へ向かう。

湖岸沿いの道に出るが、道路の左側には船津浜からずっと木々が生えていて全く眺望がない。湖岸沿いにもかかわらず全然面白くない道だ。

大山祇神社あたりまで来てようやく湖が見えるようになる。大山祇神社といえば、しまなみ海道の大三島にある大山祇神社を思い出すが、同じ名前の神社なのでそこと関係があるのだろうと思う。

相変わらず、天気はいい。走っていると、昼飯の時に日焼け止めを塗り忘れたことに気づく。

県道9号線と合流する手前の路肩が広くなっているところで日焼け止めを塗る。

13:17 県道9号線に合流する。

湖の西岸を北上し始めたせいか、北風をかなり強く感じる。

ただ、交通量は少ないので走りやすいし、なんといっても猪苗代湖や磐梯山などの山並みが格段にキレイに見える。

眺めがいいので湖岸で写真を撮る。走り始めようとすると対向車線を自転車が通り過ぎていく。地元の人だろう。

そんな景色のいい道を走って行くと、突然道路の右側に巨大なマンションが現れる。県道9号線に入ってからはほとんど民家がなかったので意表をつかれた。風光明媚なところにあるのでリゾートマンションかと思ったが、見た目は普通のマンションで公営住宅っぽい感じもする。

さらにそこから少し走ると、今度は変わった標識が目に入る。円盤とその横に右下矢印が描いてある。

「んっ??」

と思い、矢印を指す方向を見るとマンホールの蓋がある。

どうやらマンホールの蓋があることを示す標識のようだ。でもマンホールの蓋なんて道路上にいくらでもある。冬になると道路に雪が積もるが、マンホールの蓋の部分だけは雪が溶けて凹んでいることがよくあるので、その注意標識かと思ったりもする。が、「なんでここだけ?」と疑問に思う。よくわからない。

マンホールの蓋を示す標識
マンホールの蓋を示す標識

長い覆道を通過。交通量が少なく、中は明るいので問題なし。

覆道を抜けると、磐梯山がだいぶ近くになってきたように見える。

国道49号線との合流点が近づき、案内標識も出てくる。猪苗代湖西側を走る湖岸道路は快適だった。

それに引き換え、ここからの国道49号線はどんな道なのかかなり不安だ。というのも猪苗代湖に出るまでに通った国道49号線はどんでもなく酷い路面状態だったからだ。あとは交通量も気になる。

前方に交差点が見えてくる。やっぱり交通量は多そうだ。

13:40 国道49号線へ左折する。

途端に交通量が多くなる。まずは安全のため歩道を行く。しばらくするとトンネルが現れる。遊歩道の案内板があるので、それに従い左に曲がってトンネルを迂回する。

その後は、路肩も広くなったので車道も走ったりする。磐梯山が正面に見えてくる。

国道49号線を迂回できる道がないかGPSを見ながら行くと、左に志田浜への分岐道があるのでそっちに入る。

志田浜を過ぎると、すぐに国道49号線に戻される。この先に迂回路はなさそうだ。でも路面状態は普通だし路肩も広めなので、あの酷かった国道49号線よりははるかにいい。

そして、磐梯山が真正面に見えてくるところで、本物とそっくりな磐梯山のイラストが描かれた案内標識が本物の磐梯山と重なるように見えてくる。標識に書いてある英語名は “Mt. Bandaisan” 。直訳すれば「磐梯山山」となるが、まぁ、よくありがちな表記だ。

道路の左側は湖の方までずっと平坦な田んぼが広がっていて、ちょうど田植え機で田植え真っ最中の農家さんもいる。

しばらくして長瀬川の手前の右側に大きなパーキングがあり、磐梯山に一番近いところには展望台のようなものがある。最初は、観光地でよく見かける、団体さんが磐梯山をバックに記念撮影ができるように椅子なんかが置いてある場所かと思ったが、そうではなかった。でも撮影スポットであることは間違いないようだ。

さらに進むと、磐梯山が間近に迫ってきて一層ハッキリ見えてくる。

間近に迫る磐梯山
間近に迫る磐梯山

国道115号線の交差点を過ぎると、左に側道のような道が出てきたのでそっちを走る。「野口英世記念館」にだいぶ近づいたと思うので場所を確認する。あともう少しだ。

側道はすぐになくなり、国道49号線に復帰し、その後は直線道路を走る。

田園風景が続いていたが、急に飲食店や大きな建物が出てきだす。

14:32野口英世記念館」に到着。

デカくてメチャクチャ立派な建物だ。自転車を止める場所が見つからないので、入口の前から建物の裏にまわって止めておく。

ここに来ようと思ったのは、小学校中学年ぐらいに最初に買った伝記の本が「野口英世」だったことを思い出し、またちょっと興味が湧いたからだ。

当時、伝記の本を買ったのは、確か学校の課題で読むことになったからで、誰の伝記を読むかは自由だったが「野口英世」にした。「ベーブ・ルース」もちょっと気になったが、少しだけ大筋を読んで「野口英世」が全然いいと思い、選んだと記憶している。

記念館に入り受付に行く。入館料は800円也。500円分はクーポン、残りを電子マネーで払おうとしたが、今までそういう組み合わせで処理した事は無いらしくちょっと手こずっている。なので、

「すみません。面倒でしたら、残り現金で払いますが

と言ったが、程なくして処理できた。

周囲を見回しても、入館している人をほとんど見かけない。

受付を抜けると、最初の見学場所は屋外にある野口英世の生家。最初は移築したものと思ったが、場所も建物も当時のままで、野口英世が子供の頃に火傷を負った囲炉裏もそのまま残されているとのこと。そういえば、火傷を負ったことは本で読んだなぁと思い出す。

茅葺屋根など多少は手直ししていると思うが、見た目にもかなりキレイな状態。生家の上には大きな屋根があって雨を凌ぐようにして大事に保存しているのがわかる。

あと、母親のシカが洗い物をしていた小川なんてものも残されている。

野口英世の生家
野口英世の生家

記念館の中に戻り、2階の展示室をゆっくり見学していく。

1歳の時、火傷で手指がくっついてしまったが、小学生になって手術して治してもらい、それがきっかけで医師を目指すようになったとのこと。

黄熱病を研究している時に、それに感染して若くして亡くなったことは覚えていたが、51歳だったとのこと。自分がその年齢を越していることにちょっとショックを受ける。

黄熱病だけではなく梅毒についてノーベル賞候補になるほどの成果を上げたことも知る。

本で読んでいたはずだが忘れていたこと、初めて知ったことなどもかなりあった。すべて見て周り、展示物はそう多くはなかったが、野口英世という偉人を改めて知ることができ、見学しにきて良かったと思う。

記念館が出て自転車に戻ると、サイクルコンピュータがリセットされている。旅前にもあったのでまたかと思う。多分、電池カバーの一部が欠けているので、電池が外れかかってリセットされたのだろうと思う。しょうがない。

もうサイクルコンピュータで今日の走行距離を測定することはできなくなった。あとは時計とスピードメーターとして使おうと思い、時刻とタイヤ径を再設定する。

ところがその作業中にまたリセットしたいので、今日はもう使わないことにする。宿に戻ってから電池カバーをテープで止め直そうと思う。

15:25「野口英世記念館」を出発。あとはもう宿に帰るだけだ。

周囲はまた田園風景になる。どうも記念館周辺だけ飲食店や建物が集中しているようだ。

国道49号線は記念館に入る前より交通量が減ったように思う。

扇島の手前で、右に桟橋があって遊覧船のような船が停泊しているのが見える。どこかで見たことのある船だ。

通り過ぎるところだったが、慌てて止まり少し引き返して、桟橋の方へ行く。

そこは翁島港。船をよく見ると、亀と白鳥をかたどった「かめ丸」と「はくちょう丸」が停泊している。咄嗟に、

「これは◯◯タモリで見たものだ。そうか。ここだったのか」

と思う。もう今日の運行は終わったのか、人はいない。

「かめ丸」と「はくちょう丸」
「かめ丸」と「はくちょう丸」

翁島港を出発。国道49号線は湖と山に挟まれた少し狭い道になり、覆道もあったりするが、交通量がぐっと減っているので走行には問題ない。

とはいうものの、大型トラックが来たらイヤなので早く県道376号線に逃げたいと思う。

しばらく走り、ようやく前方に青い案内標識が見えてくる。文字は見えないが、あれが県道376号線との分岐を示す標識だろう。

県道376号線へ左折すると交通量は皆無状態になる。この辺りは大きな公園のようだが、人気は全然ない。

そのまま道なりに走り、今朝通った猪苗代湖1周の出発地点である中田浜と小石ヶ浜の分岐点に向かう。

15:57 猪苗代湖1周の出発地点に到着。これで一筆書きになり、猪苗代湖1周を達成した。

ここから会津若松に向かう。

会津若松

午前中に通ってきた道はここを右折するのだが、そうするとあの酷い路面状態の国道49号線に戻ってしまうので、このまま直進して国道294号線へ出ようと思う。そして国道49号線の手前で、午前中に通った道に入ることにする。

そのまま直進し、国道294号線に向かう。このまま進むとちょっと遠回りになるので田んぼの中を通る道へ入る。ここでもちょうど田植えをしている。

国道294号線に到着。振り返るとここからも磐梯山がよく見えるし、田んぼの畦道には菜の花が咲いていて、田舎らしいイイ風景だ。

右折して北へ向かう。交通量は少ない。

小さな丘を越えて下っていくと、国道49号線の案内標識が出てくる。

そして、国道49号線と合流する少し手前で、午前中に通ってきた道へ左折する。

あとはウネウネと続く旧道っぽい道をずーっと下りていく。道は狭く、見通しも悪いうえ、ちょこちょこ車が通るので気をつけて走る。

午前中に上ってきた道が右に出てくるが、帰りはこのまま直進する。

すると前が開けて、遠くに水が張った田んぼや家々が見える。会津若松市街の北側のあたりだろう。まだ、結構高いところを走っているのがわかる。あの高さまで下りるとなるとまだ当分、下り坂が続きそうだ。

さらに一段とウネウネしてくるので慎重に下りる。完全に山ん中で会津若松市街の近くとは思えない。

しばらく走ると、会津若松市街が見え始める。

住宅街に入り、白河街道に出て右折する。

16:42 飯盛山通りに出る。

この後どうするか考えるが、ちょっと腹が減ったのでまずはどこかでパンでも買おうと思う。GoogleMapで調べると近くにスーパーがあるのでそこに行く。

飯盛山の入口で右折して坂を下る。リオンドールという店でパンを買い、自転車置き場で食べる。

パンを食べながら、近くにある白虎隊記念館やさざえ堂が何時までやっているか調べみるが、両方とも16時まで。今日はもう見れないので、買い物をして宿に向かうことにする。

住宅街を抜けていく。途中で路地裏にはまり込みながらも県道325号線に出る。

県道325号線もまた随分なぐらい狭くて走りづらい。

昨日も寄ったセブンイレブンで買い物をする。

18:04 宿に到着。自転車は車庫に入れさせてもらう。

晩飯を食った後、明日の予定を考える。

明日は会津若松市内を見物する予定だが、飯盛山周辺ぐらいしかなかなか考えつかない。とりあえず、鶴ヶ城にもう一度行ってみようと思う。昨日も行ったが、城の中を見たぐらいなので周辺を見て周ろうと思う。

あと市内でいうと、七日町通りには行きたいと思うところはないし、まぁ会津藩校日新館ぐらいかなと思うが、そこは市街地からは少し離れているのでどうかなと思う。

市外だと、阿賀川に沿って「会津若松熱塩温泉自転車道」があることは知っている。あとネットで調べると、雄国沼に向かう県道337号線に眺めのイイ場所があることがわかった。

そこは「恋人坂」というらしく、名前からして自転車に乗ったおっさん一人が訪れるような場所ではない気がするが、どうせ観光客を少しでも呼ぼうとしてそんな名前をつけただけだろうとも思う。そこからの写真をネットでチラッと見たが、眺めのイイ田舎の風景だった。

ここなら帰りに会津藩校日新館や会津村の方にも寄れる。まぁ、こんなところだろう。飯盛山周辺、鶴ヶ城のあとは時間次第でどこに行くか決めようと思う。

それから明後日以降は裏磐梯に3日ほど滞在する予定なので宿も予約しておく。

寝る。


=== 旅の費用 ===================

野口英世記念館入館料:¥300(県民割クーポン500円使用)
宿泊代(伏見荘)  :¥2,500(県民割で2,500円引き)
入湯税(伏見荘)  :¥150
飲食代       :¥389(県民割クーポン1,000円使用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計        :¥3,339
============================


走行時間:?h?m?s 走行距離:88.62km
平均速度:?km/h 最高速度:?km/h

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