'22 南東北 晴れ待ち標高1000m越えツーリング③ 会津若松〜大内宿

2022年7月7日木曜日

2022年 自転車旅 東北

2日目 2022517日(火)

今日は大内宿に行く予定。大内宿は旅前に会津若松周辺の観光地を調べていた時に見つけたのだが、何度かテレビ番組でも見たことがあり行ってみたいと思っていたところだった。

朝起きてからテレビで福島県内の天気予報を見ていると、南会津は午後から雨の降るところがあると言っている。大内宿はここ会津若松より南にあるが、南会津なのかそれとも会津なのかわからない。

その後、天気予報ではアメダスで時間ごとの雨の降るエリアが表示され、それを見る限り大内宿のあたりではないらしい。

雨ならば会津若松市内の観光に切り替えようと思っていたが、天気は大丈夫そうなので予定通り大内宿に行くことにする。

大内宿へは、行きは県道131号線、帰りは芦ノ牧温泉を通るルートを考えている。逆向きに走ることも少し考えていたが、一応午後から雨の可能性がないわけではないので、雨の逃げ場がないであろう峠越えの県道131号線は、雨の可能性がない午前中に通った方がいいだろうと思う。

ということで、県道131号線で大内宿に向かい、帰りは芦ノ牧温泉経由でなるべく国道118号線を通らずにカントリーロードを使うことにする。

8:45 宿を出る。外はどんよりしている。

どこでEclipseを組み立てようかちょっと宿の周辺を探索する。宿の駐車場ではできそうにない。宿から少し離れた駐車場の隣に円形のベンチがあるので、そこで組み立てることにする。

9:05 Eclipseを組み立てて出発。一旦戻って宿の写真を撮る。

出発して街中の国道118号線を抜けていくが、会津若松市内は城下町だったせいか道が狭く走りづらい。さらに歩道もタイル張りなので凸凹だらけ。

9:17 鶴ヶ城に差し掛かるが、堀と石垣しか見えない。

国道401号線へ右折し、阿賀川を渡ると住宅街を抜ける。

9:47 県道72号線へ左折する。交通量がぐっと減る。

県道130号線との交差を過ぎると、ちょっと変わった三角形のコンモリしたちっちゃい山が見える。

その山を過ぎると、いよいよ道の前方には山々が立ちはだかっているのが見えてくる。道路工事の横をすり抜ける。

そして案内標識が見えてくる。

大内宿こぶしライン」

この後は山間に入って行きそうなので、念のため熊よけの鈴をハンドルにつけておく。

大内宿こぶしライン

10:10 県道131号線へ右折する。

大内宿14.6km」の標識。まだまだ距離があり、大内宿に着くのは11:30ぐらいになるだろう。

徐々に上り始め、関山の集落を抜けると勾配もキツくなってくる。栃沢ダムで緩くなり、ちょっと一服する。

この後はいよいよ九十九折りの上りが待っている。その九十九折りが始まる少し前のところから、5%超の上りが始まる。

九十九折りが始まると道路に滑り止め防止の縦溝が入り始める。縦溝は上り坂だと全然問題ないのだが、下り坂だと溝にタイヤが取られそうになるので自転車にとってはかなり危ないものだ。なのでこの縦溝を見るとちょっとイヤな気分になる。

そして勾配が7%, 8%の道路標識が出てくる。左カーブのところはもっとキツく10%はあるだろう。ただ今日はちょっと寒いぐらいの気温だし交通量も少ないので、全然問題なく上っていける。

そんな坂を上りながらたまに通る車のナンバーを見ていると、地元の会津以外では富山、新潟、とちぎ、横浜、袖ヶ浦と県外ナンバーが多く、さらには神戸、福岡、そして札幌ナンバーも通り、しまいには室蘭ナンバーも通ったりしてちょっとビックリする。札幌や室蘭ナンバーは自分と同じ県民割目当てだろうかと思ったりする。

九十九折りが終わっても上りは続き、勾配もさほど変わらない。ただ道路の右側が崖になっているようで所々で眺望が開けてくる。

ちょうど木々が切れたところで、右手のはるか先に雪を被った高い山が見える。あまりこの辺の地理が詳しくないのだが、方向的に「朝日連峰か飯豊連峰かなぁ?」と思う。

大内宿こぶしラインから見る山々
大内宿こぶしラインから見る山々

11:28 氷玉(ひだま)峠に到着。大内宿まであと6km

「大内宿6km」の案内標識のところに「P 歴史の道 下野街道」と書いてある。右には確かに駐車場があるが、その周りは木々が生い茂る森があるだけで街道らしきものは見えない。「どっかから入れるんだろう」と思いつつ、通過する。

「気温10」との表示。ずっと上ってきたので、今んところ全然寒くない。ここは標高が800mぐらいなので寒いとは思っていたが、10まで下がっているとは思わなかった。

左カーブを少し下り、また少し上るとトンネルが見えてくる。交通量は少ないが、念の為リアのフラッシュライトを点灯させてトンネルに突入する。

トンネルを通過中に後続車がきてちょっとビビったが、車がかわして抜いてくれたので問題なかった。久しぶりのトンネル走行だったが、交通量が少なくてもリアのフラッシュライトの点灯は必須だと改めて思う。

そしてトンネルを抜けると本格的に下りに入り、途端に寒くなる。腕まくりを元に戻し、シャツのファスナーを首まで目一杯にあげて走り下りる。

そして大内ダムまでやって来る。止まって写真を撮っていると、対岸にも道路が走っていて東屋も見える。

大内ダム
大内ダム

そういえば、大内ダムの両岸に道が走っているのをツーリングマップルで見たことを思い出す。ただ「おすすめルート」は今走っている東側ではなかったはず。

で、もう一度ツーリングマップルを見ると「おすすめルート」は、やはり大内ダムの西側を走る道になっている。その道への分岐はトンネルを抜けたところにあったらしいが、もうここまで来たら引き返すのも面倒なので、あっちの道は熊も出そうだと思うことにして、そのまま県道131号線を下ることにする。

しばらく走ると道路に黒い少し多めの糞が落ちている。

「あの量だとひょっとして熊の糞ではないか?」

と思ったりするが、定かではない。何せ、ここに来る数日前から会津若松市内で熊の出没が相次いでいて、鶴ヶ城公園にも出たというニュースを見たので、一応警戒しながら走っている。

大内宿

しばらく走ると、右の道からこちらに向かって数人のグループが歩いてくるのが見え、左には駐車場も見えてくる。

「このあたりが大内宿で、左がその駐車場だろう」

そう思い、左の駐車場に自転車を停めようと脇道から自転車を押して中に入る。自転車を止める場所を探すが、いいところが見当たらない。駐車場には県道131号線の交通量が少なかった割に車が多く止まっている。

道路に戻り、もう少し先に行ってみる。すると、駐車場の正面入口が見えてくる。

その途中、ライダー風のいでたちの人たちが駐車場とは違う方向に歩いていく。そっちに二輪置き場があるのか思い、歩いていく方向を見るとバイクが数台止まっているのが見える。あそこも駐車場のようだが、ここからは結構離れているので、正面の駐車場に入る。

11:58 大内宿の駐車場に到着。

駐車場の入口には普通車の駐車料金が500円との表示があり、そして入ってくる車の交通整理をしている人が二人立っている。

自転車は無料だろうと交通整理している人には構わずに中に入ると、奥の建物の前にサイクルラックがあるのを見つける。

サイクルラックの横に自転車を止めて、大内宿へ向かう。

県道131号線を渡り大内宿の方に歩いていくと、茅葺き屋根の家々が見えてくる。茅葺きではなくトタン屋根になっている家もあったりするが、緩い上り坂の1本道の両側に家々が整然と並んでいて、昔の宿場町を感じさせる。

ほとんど土産物屋になっていて、宿もあったりする。旅前にパンフレットを見て知っていたので、そんなにガッカリ感はない。茅葺き屋根の宿に泊まるのもいいかもしれないと少し思ったりしていた。

茅葺き屋根の家が並ぶ大内宿
茅葺き屋根の家が並ぶ大内宿

平日の午前中の割にはまあまあの人出だ。1本道の両側には水路があり、キレイな雪解けっぽい水が流れている。

宿場町の中程に鳥居がある。高倉神社と言う神社が左手の奥にあるらしい。

その先にある大きな家の入口でおばさん達がたむろしている。そこは「大内宿街並み展示館」というものになっているらしい。とりあえず、外観の写真だけ撮っておく。

さらにその先には、ねぎ1本で蕎麦を食べる「ねぎそば」のお店があり、テレビで見たことがある。特に食べてみたいと思わないのでパス。

1本道の先にある山肌に人が見える。あれが見晴台だろう。大内宿を一望できそうなので、見晴台は大内宿の中で一番行きたかったところではある。

1本道の最後まで来て左に少し行くと「子安観音堂」への階段が出てくる。見晴台もその先にあるはずなので階段を上る。

子安観音堂」をちょっとみてから見晴台へ。

12:14 見晴台に到着。景色はまずまずで、1本道の両側にある茅葺き屋根の家々が連なっているのがよく見える。ただ欲をいえば、もう少し上からの角度の方がいいように思う。

ここに来た人もそう思ってなのか、少し上の斜面が人が上って地面が剥き出しになっている。

自分もそこから写真を撮ってみる。滑りやすいのでコケないように気をつける。

見晴台から見る大内宿
見晴台から見る大内宿

見晴台の先に行ってみると神社があり、そこからは下への階段があるだけなので、来た道を戻る。

来た時に通った階段ではなく、その先にある寺の方からぐるっと周って下りる。

茅葺き屋根の浅沼食堂の写真を撮っていると、その前に「湯殿山」と書いてある石碑があることに気づく。目の前にあるこの山は「湯殿山」というのだろうか。

「湯殿山」といえば、「湯殿山麓呪い村」という子供の頃に聞いた映画のタイトルを思い出す。語呂がよく、いかにも怖そうな感じがして今でも記憶に残っている。

その山がここかと思ったが、あとで調べると違った。「湯殿山」は山形県にある「出羽三山」の一つで信仰対象になっている山。大内宿の住民が手を合わせ、そして信仰を広めるために石碑を建立したのではないかと言われているらしい。

元来た道を戻る。

時間があるので「大内宿街並み展示館」に寄ってみようと思う。が、入場料が取られるのでやめておく。

高倉神社の鳥居まで戻る。街並みを離れて神社の本殿や拝殿があるほうに行ってみる。

ちょっと道を間違えつつ、小さな学校のグランド横の道を通って田んぼの先にある2つ目の鳥居を目指して歩く。人影は全然ない。こっちに来る人はいないようだ。

茅葺き屋根の家々もいいが、普通にこういう田畑や山間の風景も福島の田舎らしくてイイ。

二の鳥居をくぐる。神社のすぐ隣には民家があったりする。

石段を上っていくと、勢いよく水が流れる水路がここにもある。杉林の中に拝殿がひっそりと建っている。当然、誰もいない。

拝殿の左奥に進むと、

高倉の大スギ 樹齢八百年 樹高56M

と書いてあるポールがある。

どれが樹齢800年の杉かと思い周囲を見廻すと、拝殿の後ろ側に他より太くて、一際背の高い杉の木が4本ぐらいある。真ん中2本が特に背が高さそうだ。これで間違いないだろう。

見上げると首が痛くなる。写真にも収まりきらない。

高倉神社と樹齢八百年の大スギ(神社の真後ろ)
高倉神社と樹齢八百年の大スギ(神社の真後ろ)

高倉神社を後にして、来た道を戻る。

大内宿の中の道も下り、自転車のところまで戻る。トイレに行き、ついでに観光案内所に置いてあった会津若松の観光パンフレットをもらってくる。

13:04 大内宿を出発。

ここからは予定通り、県道329号線で国道121号線に向かう。この先はずっと下り坂だろう。

県道131号線から県道329号線に入る。前から来る車が意外と多い。観光バスも通る。氷玉峠より国道経由で大内宿に来る人の方が多いのだろうと思う。

「またこらんしょ 大内宿」の看板を通過。

下り始めると滅茶苦茶寒くなる。標高が高いせいもあるだろう。標高が下がれば多少暖かくなるだろうと少し我慢する。

両側から山が迫り、落石防止用のフェンスが続き、道路もウネウネしだす。覆道も出てきて一段と寒くなる。もう我慢するのは止めることにし、覆道を出て少し路肩の広いところで自転車を止め、リュックからレインウェアの上だけを引っ張り出して着込む。

国道121号線との合流点が見えてくるが、車だけでなくトラックも通っている。

「あの道はちょっとヤバいかも」

とイヤな予感。

ただ、国道121号線に入った少し先で県道214号線に入るつもりなので、国道は大した距離は走らないはず。ツーリングマップルで確認すると、下郷トンネルの手前で県道214号線へ入れる。

13:23 国道121号線へ左折。

路肩がかなり狭く、所々ガタガタ。交通量は特別多いわけではなく、それなりといった感じだが、トラックが結構通るのでミラーで後ろを確認しながら走る。

右から国道118号線が合流。この先は国道118号と国道121号の重複国道となる。

そして更に覆道が現れる。

「マジか、最悪」

ツーリングマップルにはトンネルは書いてあるが覆道は書いていないので、ちょっと予想していなかった。

リアのフラッシュライトを点けて突入する。覆道の途中で後ろからトラックが来たので左に寄ろうと思うが、路肩をよくみるとどうも泥が積もっているように見える。

「なんだこれ」

と思いつつ、スピードを落とし路肩に寄って前輪を泥に突っ込ませて止まる。路肩は完全に泥で覆われている状態。一応、泥があるのを直前に認識したので事なきを得たが、ちょっと危なかった。後続車が来なくなってから再スタートする。

覆道を抜けてしばらく下ると、県道214号線との案内標識が出てくる。何とか県道に逃げ込んで一息つく。

阿賀川右岸

ここから旅前にツーリングマップルで見つけた大川ダムの東側を通る道で芦ノ牧温泉へ向かう。その道の近くには会津鉄道も走っていて駅もある。そうなると民家もあるし、生活道路になっているはず。もう一度GPSでも道を確認する。

あと、ちょっと腹が減ったので近くに店がないか探すと、芦ノ牧温泉近くにセブンイレブンがあるので寄っていこうと思う。

集落を抜けて大川湖面橋に差し掛かると前方の山に道路橋が見える。最初は一瞬、高速道路かと思ったが、多分あれは県道214号線の先にある道だろう。自分はあの道の方ではなく、ダム湖沿いの道へ進む。気がかりなのはその道がダートだったりしないかどうかだ。

大川湖面橋を渡りきり坂を上っていると、前方の右手から軽トラが出てきて自分が進む道へ走り去っていくのが見える。車が行ったので舗装されているだろうと確信する。

坂を上り切ると、思った通り舗装路が続いている。民家のない山間の道を走っていく。

下り坂を下りていくと、案内標識が出てくる。

芦ノ牧温泉 大川ダム管理支所、舟子」

左折するかそのまま直進するか調べる。

左折してダムの管理支所方面に下りた方が無難だが、その先の芦ノ牧温泉で国道118号線に合流してしまうだろう。できれば走りづらい国道は避けたい。

直進は舟子となっているが、ツーリングマップルを見ても舟子という地名は出ておらず、どこのことか全然わからない(後で見ると会津鉄道の舟子トンネルがあった)。ただ道は少し山奥に入っていく感じがする。

直進したらもっと山道になりそうだし、どこに出るのかよくわからないので、左折して管理支所方向へ下りることにする。

左折して坂を下り、丁字路で芦ノ牧温泉方面へ右折する。

後ろからトラックがやってくる。

「トラックに乗っている人は『なんでこんなところ、自転車で走ってんだろう』って思っているかもしれない」

と思いながら走る。

阿賀川
阿賀川

しばらく走ると覆道が出てきて、片側交互通行との標識と信号機がある。信号が赤なので止まる。しばらくすると後ろから車がやってきて自転車の後ろに止まる。

信号が青に変わり、手招きして後ろの車を先に行かせる。

片側交互通行のところにはよく出くわすので珍しくはないのだが、後ろから来る車と青信号がどれくらい続くのかが心配になる。

後ろから来る車は、対向車線にはみ出して自分を抜くということができないので、かなり気にしないといけない。

信号については、入口に信号が変わるまでの時間(2分ぐらいが多いような気がする)が表示されているところは特に問題ない。問題は、時間表示がないところと表示があっても長い上り坂だったりするところ。

信号が変わるまでの時間は自転車のことなど考えて設定されていないと思うので、途中で赤に変わり、対向車がくるのではないかとちょっと心配になる。なので、そういうところはいつも急ぎ気味に走ってしまい、上り坂だとちょっと焦るし体力も消耗する。

ここの覆道には時間表示はなく片側交互通行の長さもよくわからないが、下り坂で交通量もかなり少ないのであまり心配なさそう。それでも後続車と路面状況に注意して進む。

覆道を出たところで対向車は待っていなかった。というか、こちら側には信号が見当たらない。

「どうなってるんだ?センサでもあるか?」

よくわからない。

後で調べると、覆道を出てしばらく下ったところに信号があったようだ。

左に国道118号線の高架が現れる。高架下で工事車両と思われるトラックが止まっている。さっき抜かれたトラックかもしれない。

高架下をくぐり左に阿賀川を見ながら、国道118号線に合流する。

「こっからは我慢して国道を走るしかないか」

と思いつつ、GPSで迂回ルートがないか探してみる。

すると、左にある集落からぐるっと逆S字のように周りこめば、国道を通らずに芦ノ牧温泉街に出られる。

「よし、この道で行こう」

すぐに左折して、GPSを確認しながら集落内の細い道を進む。国道118号線の下をくぐり左折して狭いトンネルを抜け、更に山間の道をしばらく進む。

14:13 芦ノ牧温泉に到着。

温泉街を走っていると、左の道を少し入ったところに店があるのが一瞬見えた。パンでも売ってないかと思いその店の方に行ってみるが、酒屋さんだったので断念。

国道118号線との交差点に到着。阿賀川の右岸沿いに国道と並走する道が続いているので、国道には入らずこのまま直進する。

崖沿いの細い道を進む。北海道にはなかなかない道なので、こういう道を走るのは久しぶりだ。

途中、切り通しのようなところを走り抜けたりして、しばらく走ると田畑や集落のある少し開けたところに出る。右側の山に近い方には会津鉄道も走っていて、なんかいい感じの田舎道になってくる。

田園風景や闇川に架かる会津鉄道の鉄橋、阿賀川の段差(落差工というらしい)を眺めたりしながら、のんびり走る。闇川を渡ったところにはかなり古そうな年代物の木造家屋があったりする。

14:33 何度目かの国道118号線に合流する。

ツーリングマップルを見る限りでは、ここからは国道を走って少し先にある会津若松熱塩温泉自転車道に入ろうと思うのだが、実際にはツーリングマップル(2017年版)に載っていない比較的新しい道が左に続いている。

GPSの地図で確認すると、その道は国道118号線に並行して会津若松市内まで続いているので、この道を進むことにする。

それからここの歩道に自転車道の案内板があるので、自転車道はここまで延びたようだ。

しばらく田んぼの中の道を走っていく。路面がキレイで緩い下り坂が続き、快適だ。その途中で自転車道が左にある阿賀川の方に外れていく。今の道が快適なので自転車道には行かずにこのまま走る。

すると前方の山の向こうに雪を被った高い山々が見えてくる。多分2,000m級の山だろう。午前中に県道131号線から見えた山と同じかもしれない。朝日連峰の方かそれとも飯豊連峰の方か。飯豊山といえば福島県が盲腸のように伸びているところだ。

遠くの雪山と近くの田んぼを眺めながら、交通量皆無のカントリーロードを走る。

踏切を渡り、門田駅方向へ左折すると道が狭くなる。

さらに下り集落を過ぎると、右前方に磐梯山も顔を出し始める。

県道212号線を越えた先で、直進の道はダートになっている。GPSで道を探す。右折した場合、国道118号線の手前にもう1本南北に走る道はあるのだが、北に進むとすぐになくなり国道118号線に合流することになる。

左折した場合、こちらにももう1本南北に走る道があり、ずっと会津若松市街まで続いている。左折してそっちの道へ行くことにする。

1本西にある道を走り始めると、踏切の警報器の音が聞こえてくる。会津鉄道の電車が来るようだ。芦ノ牧温泉を過ぎたところからずっと会津鉄道にほぼ並走してきたが、走っている電車を見たのは少し遠目から1度だけ。

ちょうど会津鉄道の線路の向こうには雪を被る山々も見えるので、その前を通り過ぎる時に写真を撮ろうと思う。

どちらから来るかと待っていたら、北から1両編成がやって来た。そして、いいタイミングで写真が撮れた。曇っているのでキレイな写真とは言えないが、マズマズだろう。

会津鉄道
会津鉄道

そこから少し走った住宅街に「会津娘」という日本酒の看板が出てきて、白壁の蔵のような趣のある建物がある。

「あっ、ここは酒蔵だ」

そう思い、写真だけでも撮ろうかと思ったが、だいぶ通り過ぎてしまったのでそのまま先へ進むことにする。

会津若松市街に入り、見覚えのある国道401号線の交差点を渡る。

左にスーパー(ヨークベニマル)を発見。腹が減ったのでパンでも買って食べようと思う。

15:28 スーパーに到着。早速パンを買う。カードでの支払いがうまくいかなくて手こずる。

駐輪場でパンを食いながら次の行き先を考える。もうこの時間なら鶴ヶ城ぐらいしかない。問題は何時まで見学できるかだが、17:00までは見れるだろうと思う。

15:41 スーパーを出発、鶴ヶ城に向かう。

県道211号線を東へ進む。国道118号線を越え、そろそろ左側に鶴ヶ城への入口を示す案内板が出てくるはずと思いながら走る。

鶴ヶ城

すると、

鶴ヶ城南口 観光駐車場」

の案内標識が出てくる。左を見ると道路横に確かに駐車場がある。

「えっ、ここ?、なんか城からだいぶ遠い気がする」

そう思い、ここは一旦パスしてもう少し先に行ってみる。

少し走ると、今度は大きな案内標識に

鶴ヶ城」

と書いてある。ここで左折する。

案内標識に従って体育館の横を通り過ぎる。

すると右側に大きな駐車場が見えてきて、更に左側に「鶴ヶ城入り口」と書いてある立て看板を見つける。

「ここだな」

そう思い、右の駐車場に入る。自転車を止めるところを探すが、駐輪場もないし止めても良さそうなところがない。

で、左の「鶴ヶ城入り口」の立て看板の方に行ってみるが、ここにも止めても良さそうなところがない。しょうがないので自転車のまま城内に入ってみることにする。

15:56 鶴ヶ城に入る。

城内に入る手前のポールに「自転車は押してください」と書いてあるので、ここから自転車を押していく。

二の丸の前を通る。そこには四角い箱を先に付けた棒がいっぱい立っている。

「なにこれ?」

一体何なのか全然想像もつかない。のでパスするのみ。

朱色の欄干の廊下橋を渡り、本丸に入る。石垣伝いに入っていくが、自転車を止めて良さそうな場所は全然ない。鶴ヶ城の天守閣が見えてくるが中には入らず、西出門方向へ進み自転車を止めるところを探す。が、見つかりそうにない。

観光案内所などがある建物の奥の方に自転車が止まっているので、その近くの邪魔にならないところに止めておく。早速、鶴ヶ城を見に行く。

見学できるところは鶴ヶ城の天守閣の他に茶室麟閣もあるが、時間的にちょっと厳しいし、茶室はお金を払ってまで見たいとは思わないので、天守閣だけにする。

入場券売り場で「何時まで見れますか?」と聞くと、「17時までで、最終入場が16:30です」と言われる。

今は16:07なのであと50分位。50分あれば十分だろう。入場料410円を払い、天守閣に入る。

鶴ヶ城
鶴ヶ城

じっくり展示物を見ていくが、同じような内容の説明パネルが何度も出てくる。ちょっとくどいようなところもあったが、鶴ヶ城や会津の歴史がある程度理解できたと思う。もう忘れてしまったが

隣にいる人もじっくり展示物を見て説明を読んでいる。

三階か四階のところで、後ろに人の気配を感じたのでそっちを見ると、慌てて人が物陰に隠れる。

「なんだ?」

と最初はちょっと不審に思ったが、城の閉店時間が迫っているので、一番最後尾の客の居場所をチェックしている係りの人ではないかと思う。17:00にはさっさと帰りたいのかもしれない。

最上階の下の階まで展示は続いている。他の城では全国の城の写真を展示しているところが多いが、ここではそれはなかった。

最上階はやはり展望台になっている。周りの山々や街並みがよく見えて、会津若松が盆地であることがよくわかる。

北側にある風景の案内板を見て、午前中に県道131号線や午後に通ったカントリーロードから見えた雪を被った山々はやはり飯豊連峰であることがわかった。

飯豊連峰
飯豊連峰

あと、北東方向には磐梯山、その東の手前に白虎隊が自刃した飯盛山も見える。

磐梯山(中央)と飯盛山(右手前)
磐梯山(中央)と飯盛山(右手前)

周りにいた他の客もいなくなり、時間も16:50。そろそろこの辺でいいだろう。今日最後の客として鶴ヶ城を下りる。

天守閣を出て、本丸内を写真を撮りながら散歩する。出店みたいものが並んでいる一画があるが、これは何だろう。よくわからない。

17:00を過ぎると、本丸内にはほとんど人がいなくなる。一瞬、

「外も入れるのは17:00まで?」

と思ったりするが、犬を散歩している人がいるので流石にそれはないだろう。

入場券売り場でもらったパンフレットを見ると、天守閣の北のちょっと離れたところに武徳殿という建物があるのでそっちに行こうと思う。が、なぜだが道がよくわからない。

道を探すのも面倒くさくなったので、自転車まで戻り宿へ向かうことにする。

宿は鶴ヶ城から東方向の会津東山温泉にあり、来た道を戻ることになる。同じ道を通るのは面白くないので本丸内から廊下橋の方に抜けられないかと思い行ってみる。が、石垣に阻まれて出られそうにないので、結局来た道を戻る。

17:20 鶴ヶ城を後にする。

城の北側を走る道に出て東へ走る。そして予め調べておいた今日泊まる宿に一番近いクーポンが使える店(セブンイレブン)に寄る。弁当やパンなどを買い、昨日もらったクーポン1,000円分を使い切る。セブンイレブンの弁当もやはり高い(500円以上するのがほとんど)。

今回もできるだけキッチリ1,000円分を使い切ろうと、頭の中で計算しながら買い物したのでちょっと時間がかかった。

ただ、1,000円分では食べ物が少し足りないような気がするので、今日泊まる宿で貰えるクーポンを使って、宿の近くにある飯屋で晩飯を食おうかとも考える。

店を出て、県道325号線へ右折する。どこも狭かった道が突然ダダッ広くなりちょっとビックリする。しかも交通量がモノ凄く少ないにもかかわらずだ。

「会津若松の道はどうなっているんだ?」

と思いつつ、会津東山温泉に向かう。

左に「会津武家屋敷」が見えてくる。ここは明後日の市内観光の時に行ってみようと思っているところ。

県道325号線が徐々に上り始め、しばらく行くと三叉路が現れる。ここは右の道で温泉街へ向かう。左の県道325号線は結構な角度で道が上っている。今日泊まる宿は温泉街の一番南端にある。

会津東山温泉

会津東山温泉街に入る。だんだん狭くなっていく道をドンドン上って行くと、渓谷沿いっぽくなってくる。大きくて立派な温泉宿も出てくる。その隣に廃墟のような建物もあり、「なんだあれ?」と思うが、よくみると東山温泉のバスターミナルだった。かなり年季が入っている。

さらに上っていくと、今度は「射的」の看板が目に入る。ここもかなり年季の入った建物なので、昔は射的場だったのだろうと思う。

だんだん路面も悪くなり、ガタガタのところもある。下る時はちょっと気をつけた方がいい。

もう営業していない大きな温泉宿も出てくる。

さらに少し上るとまたも三叉路。宿まではあと少しのはずなので、

「もうどっちでもいい。左にいけー」

と地図を確認せずに左に進む。すると前方に宿の看板が見えてくる。

17:57 宿に到着。今日のお宿は「ホテル伏見荘」。ホテルというより旅館と言っていいだろう。自転車を宿の隣にある砂利の駐車場に止める。

宿に入る。アルコール消毒をして宿帳に記帳。この宿は旅前に素泊まりで2泊予約している。本来なら15,000円だが、県民割があるので2泊で5,000円。これに入湯税300円(2泊分)が加わり、合計5,300円也。クーポンも4,000円分(2泊分)貰う。

ワクチンの接種証明を見せるが、今日は昨日とは違ってシールの方にする。「北海道からですか」と少し驚かれる。

「自転車を隣の駐車場に止めたんですが、あそこでいいですか」と聞くと、「屋根のあるところがあるのでそこに案内します」と言われる。

が、その直後、後ろにいた宿のおじさんに「お部屋にご案内します」と言われたのでついていく。駐輪場は後から教えてもらうことにしよう。風呂の場所を教えてもらう。朝8時まで入れて夜中でも入れるとのこと。

部屋は6畳の和室に広縁。窓のすぐ外には湯川が流れていて、あとは森が見えるだけ。部屋の中まで川の音が聞こえて、少しだけ風流な感じがする。まずまず良い部屋だ。風呂とトイレは共同。

とりあえず飯を食いに行くことにする。受付で自転車の置き場所を聞こうと思ったが、宿の人はそこにはおらず、夕食の支度でかなり忙しく動いている。なので、そのまま鍵を持って外に出ることにする。自転車は今日のところは、まぁいいだろう。雨の心配もないし、夜になると真っ暗で何も見えないと思うのでいたずらや盗まれたりはしないだろう。

18:16 宿を出て歩いて「卯之家」という飯屋に向かう。

宿を出て坂を少し下りた右手の車庫に「伏見荘」と書いてあるマイクロバスが停まっている。ここが宿の人が言っていた自転車置き場ではないかと思う。

温泉街を下っていき「射的」の看板の前に通りかかると入口には「営業中」との札が出ている。

ちょっとビックリ。どうやら射的場は「現役」らしい。中が見えないので入るにはちょっと勇気がいそうだ。今のところ入る気はないのでパスする。

射的場
射的場

途中で後から人が歩いて来るのに気づく。「卯之家」に向かうため右の坂を上っていくとその人も坂を上ってくる。どうも目的地が同じような気がする。

18:25「卯之家」に到着。店に入ると5人ぐらいのお客さん。カウンターはちょっとやめてテーブル席が1つ空いていたのでそこに座る。するとさっき後ろを歩いていた人も店に入ってくる。予想通りだ。

ソースカツとラーメンのセット+チューハイレモンを頼む。ソースカツとラーメンのセットが1,650円で、チューハイレモンが350円なので2,000円。きっかりクーポンで払える。昨日あたりから気づいたのだが、会津若松は「ソースカツ」が名物らしい。

チューハイを頼んだせいか、店の人に「突き出し、出しましょうか」と言われ、一瞬「はい」と言いそうになったが、「いくら」と聞くと「200円」と言うので「いらないです」と答える。

外食するのはいつ以来だろうと考える。コロナ禍では一度もしていないので多分3年ぶりぐらいだろう。

しばらくしてまずチューハイがくる。その後だいぶ経ってからソースカツとラーメンのセットがくる。まずまずうまい。結構ボリュームがあったが、何せ今日は朝食べてから昼にパンしか食ってないので全然平気で食える。

食い終わってクーポンで精算し、店を出る。

19:15 宿へ戻る。

まずは風呂に行く。誰もいないのでゆっくり入ろうと思う。体を洗っていると誰かが脱衣所に入ってきた。が、その後湯船に入っていても一向に誰も入ってこない。

「おかしいなぁ、盗人か?」

と思い湯船から出て、脱衣所に行くが誰もいない。自分が入っていたので戻っていったのかも知れないが、念のため部屋の鍵があることを確かめておく。そしてもう一度風呂に入り直す。

「そういえばここはもちろん温泉だよなぁ」

とふと思ったので、風呂を出た後、脱衣所に泉質とか効能とか書いてある温泉表示があるか探す。

がない。「あれっ」とちょっと思ったが、脱衣所の外に温泉表示があった。

部屋に戻り、洗濯をして、菓子を食いながら今日のことを音声入力でメモる。音声で入力しても意外とちゃんと文字変換するので明日以降もこれでいこうと思う。

夜になるとちょっと寒いので暖房を入れる。

明日の予定は猪苗代湖1周で天気も大丈夫。さて、問題は明後日をどうするか。予定では会津若松市内を見学するつもりだが、今日すでに鶴ヶ城を見たので、1日かかるほどでもなく時間がかなり余りそう。

なので、明日時間があれば会津若松市内の見学を終わらせてしまおうかとも思ったが、そういえば明日は猪苗代町にある「野口英世記念館」にも行くつもりだった。そうなると、それはちょっと厳しいだろう。明後日の宿をどこにするか明日中には決めないとマズイのだが、ちょっと今日のところはまだ決められない。

寝る。

=== 旅の費用 ==================
鶴ヶ城天守閣入場料:¥410
宿泊代(伏見荘) ¥2,500(県民割で2,500円引き)
入湯税(伏見荘) ¥150
飲食代         ¥230(県民割クーポン3,000円使用)
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合計         ¥3,290
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走行時間:5h17m38s 走行距離:71.7km
平均速度:13.5km/h 最高速度:33.4km/h

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卯之家
カウンター席 座敷席
[住所]福島県会津若松市東山町湯本字寺屋敷40
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