マンションの購入が決まり、次に待っているのが決済。決済の前に、必ず決めておかないといけないのが、不動産の移転登記と火災保険だ。最初に「決済」という言葉を聞いたときは、何を意味しているのかイマイチピンとこなかったけれど、要は売主、買主、仲介業者、司法書士が集まり、残金の支払いや必要書類のやり取りを行う場だということ。登記や保険の契約もその一環で進められる。
不動産を購入した場合、買主には「所有権移転登記」をする義務がある。今日はその登記にかかる費用(登録免許税)について、固定資産税と都市計画税の試算と同様に、過去に内覧した北海道の3LDKの中古マンションを例に、具体的な数字で説明していこう。
不動産移転登記にかかる税率
まず、移転登記の登録免許税について。売買で取得した不動産の移転登記には、以下のような税率が適用される。
・建物の所有権移転登記
不動産価額の20/1000(2%)が課税される。ただし、住宅用家屋を取得し、自己の居住用に供する場合、平成32年3月31日までに登記を受けると税率が軽減され、3/1000(0.3%)に減額される。適用には「住宅用家屋証明書」の提出が必要で、その発行手数料が1,500円かかる。
・土地の所有権移転登記
土地についても基本的には不動産価額の20/1000(2%)が課税されるが、平成31年3月31日までに登記を受ける場合は税率が15/1000(1.5%)に軽減される。
登記費用の試算
実際に登記費用を計算してみよう。固定資産評価証明書の「価格」に基づいて、以下のように試算する。
・家屋(専有部、価額6,000,000円):6,000,000円 × 0.3% = 18,000円
・家屋(共用部、価額170,000円):170,000円 × 0.3% = 510円
・土地(持分1/30、価額50,000,000円):50,000,000円 × 1.5% × 1/30 = 25,000円
よって、合計で必要な登記費用は、43,510円となる。
さらに、住宅用家屋証明書の発行にも1,500円がかかる。これに加えて司法書士への依頼費用がかかる。
司法書士への依頼
不動産の所有権移転登記は、自分で行うこともできる。しかし、登記に必要な書類や手続きに不備があると、後々問題になることもあるため、専門家である司法書士に依頼するのが一般的だ。特に、所有権移転登記は慎重に行わないと、売主にも迷惑をかける可能性がある。
自分も、最初は費用を抑えるために自分で登記をしようと思ったが、結局、司法書士に依頼することに決めた。理由は、リスクを避け、確実に手続きを進めるためだ。余計な手数料がかかるのは避けたいところだったので、できるだけ安い司法書士事務所を探すことにした。
司法書士の選定と見積もり
不動産業者が専属の司法書士を紹介してくれることが多いが、依頼するとその分手数料が上乗せされる可能性が高い。そこで、自分で複数の司法書士事務所に見積もりを依頼した。
見積もりに必要な情報は、固定資産評価証明書や全部事項証明書に記載されている不動産の詳細だ。自分も、N司法書士、I司法書士、M司法書士、D司法書士、E司法書士、T司法書士など、6つの事務所に見積もりをお願いした。
結果、最終的にはT司法書士事務所に依頼を決めた。手数料を含めた総額が他の事務所よりも安かったからだ。どの司法書士も実費(登記情報事前閲覧、登記簿謄本取得、住宅用家屋証明書取得)の部分はほぼ同額だったが、報酬を含めた金額は実費の2倍強。事務所間の比較では15%ほどの差があった。
まとめ
不動産移転登記の費用は、基本的には不動産価額の0.3%(建物)または0.15%(土地)に相当する。しかし、住宅用家屋証明書の取得や司法書士への依頼費用がかかるため、トータルでのコストは予想以上にかかることがある。
司法書士への依頼は、確実に登記を行いたい場合の選択肢として有力だが、費用面では事前にしっかりと見積もりを取ることが大切。自分のケースでも、最も安い見積もりを選ぶことで、費用を抑えることができた。
今後、マンション購入を控えている人も、登記費用や司法書士の選定について早めに確認しておくと、余裕を持って手続きを進めることができるだろう。
公開日:2017年9月11日12時00分、9月14日12時00分
更新日:2024年11月11日12時00分
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