'08 早春の天草と通潤橋③ 河浦〜本渡

2018年7月20日金曜日

2008年 九州 自転車旅

3日目 2008年3月13日(木)

自転車旅実質2日目。今日も快晴に近い天気で、暖かくなりそうだ。よし。

今日は、天草下島の海岸線沿いを時計回りに走る予定。午前中に柄にもないのに教会を2つ見学する。その後は、柄にぴったりの山登り、西平椿公園と荒尾岳展望所に行く。

ツーリングマップルには「西平椿公園」ではなく「西原椿公園」と書いてある。間違いだろう。ツーリングマップルは間違いが多く、特に場所が微妙に違うところがあるので自転車旅では気をつけないといけない。

荒尾岳のあとは、妙見浦、下田温泉、富岡をまわり、国道324号線ロザリオラインに入り、鬼池港を経て宿のある本渡まで走る。

行程のほとんどは国道を走ることになるが、平日のこの時期なので交通量は少ないだろうと高をくくる。

8:50 宿を出発。

サンセットライン

まずは最初の目的地、崎津天主堂に向かう。入江沿いの国道389号線サンセットラインを西へ進む。入江ということもあり、海は波もなく凪のように静か。

羊角湾沿いのサンセットライン
羊角湾沿いのサンセットライン

しばらく走ると、ツーリングマップルに書いてあるチャンポンのお店 “EAT730” を発見。周りには民家が全然なく、フラっと食べにくるお店ではなさそう。観光客相手か。

ところで「なぜ “730” なんだ?」

ちゃんぽんの値段が730円なのか?それとも7:30から開店しているのか?。まあ、別にいい。考え出すと周りの景色が頭に入ってこなくなる。

短いトンネルを抜けると、羊角湾上に建物が見える。あれは「愛夢里」の海上コテージだろう。宿の候補として少し考えたが、船でしか行けないらしく面倒なのでやめた。

続いて長さ862mの崎津トンネル。山側に歩道があるので歩道走行、問題なし。トンネルを抜け、橋を渡り左折する。

9:45 崎津天主堂に到着。

集落の狭い道の先に教会はある。教会の背後はすぐ海。周りのごく普通の民家とは全く違う雰囲気を醸し出している。「異国の建物だ」

そう感じるのは自分含めた観光客だけなんだろう。地元の方にとっては昔からあるごく普通の風景なんだろうと想像する。

元々、教会に興味があった訳ではなく、とりあえず写真を撮るために寄ってみた。なので教会の中には入らなかった。が、あとで調べると中は畳敷きになっていたらしい。それは見たかった…後悔…。

崎津天主堂
崎津天主堂

サンセットラインを避けて海岸線の旧道を進む。唐崎トンネルの手前でサンセットラインに復帰。唐崎トンネル、横浜トンネルを通過。どちらも歩道があり問題なし。

横浜トンネルを抜け、右にカーブすると左手の少し高いところに白い建物が見えてくる。

「あれが大江天主堂だろう」

サンセットラインを左折し、天草ロザリオ館でトイレ休憩。

10:20 急坂をのぼり、大江天主堂に到着。

ここも中は覗いてみる程度だったが、綺麗で立派な教会。

大江天主堂
大江天主堂

次の目的地は荒雄岳展望所。MR 4Fでは初の本格的な山登りになる。果たしてどれくらいしんどいのか?、今後の自転車旅でMR 4Fでの山越えが可能なのか確かめてみようと思う。

ツーリングマップルを見ると、荒雄岳にはサンセットラインのヘアピンカーブと大江トンネルとの間にある道へ左折したら行けそう。

が、サンセットラインを走って行ってもヘアピンカーブはない。その先にトンネルは見えている。「おかしいなぁ」と思いながら、周辺を行ったり来たりして調べるも道がよくわからん。

持っているツーリングマップルは前年バージョンなので古くはないはず。が、携帯で地図を見るとヘアピンカーブは表示されているものの、サンセットラインではなく別の道になっている。

「あっ、これはひょっとしたら最近、道が新しくなったんじゃねぇ?」

大江トンネルの方へ進んでみる。道が新しくなっていると地図は役に立たないので、標識がないか周りをよくみながら進む。

緩やかな上り坂を進み、大江トンネルを抜けるとすぐに「⬅︎椿公園 荒雄岳展望所」の標識が出てくる。「あっ、ここだ」

あとで調べるとサンセットラインはやはり新しくなっていて、ツーリングマップルはもうお古だった。

標識を左折、すぐに山登りがはじまる。勾配は平均すると7,8%ぐらいで場所により10%ぐらいか。でも問題なく上れる。MR 4Fでも全然いけるぞー、よしよし。

すれ違う人はもちろん車も通らない。

11:45 荒雄岳展望所に到着。

駐車場には清掃なのか工事なのか軽トラ1台と作業員の方が2人いる。他にはだれもいない。

展望所に上がってきてはみたが、大江トンネルから上ってくるうちに曇ってしまい、霞んでいて眺望があまりよろしくない。東シナ海もかろうじて見えるけど、空と海の境目がよくわからん。残念。

霞む東シナ海
霞む東シナ海

まもなくお昼。というのに、未だ今日の予定の1/4か1/5しか進んでいない。ヤバいヤバい。行く予定にしていた椿公園はさらに南へ戻らないといけないので今回はパスする。残念。

一気に下ってサンセットラインに復帰、さらに高浜まで下る。

12:16 妙見浦に到着。

東シナ海を一望。空と海の境目がわかるぐらいにはなってきた。海岸に学生さんらしき人が7,8人いる。「何をしているんだー」、釣りをしているようにはみえない。よくわからん。別にいいけど…。

12:34 鬼海ヶ浦展望台に到着。

妙見浦より海に近いので景色はちょっとだけいい。天気が良ければもっといいのだろうけど、まぁしょうがない。晴れろー

鬼海ヶ浦展望台からの眺め
鬼海ヶ浦展望台からの眺め

12:40 下田温泉に到着。

小さな温泉街。いかにも温泉帰りという人が歩いている。「温泉入る?」、「いやいや、また汗まみれになるので入りません」と自問自答する。

妙見浦手前から下田温泉までトンネルがいくつかあったが、長さが短く、交通量も少なかったので全然問題なかった。よかったよかった。

玄武崎を越えると、高浜から続いたアップダウンの道も平坦な海岸線の道に変わる。

左前方に巨大な建物がうっすら見えてくる。「なんだあれ?」

発電所のように見える。ツーリングマップルをみるとこの先に「苓北火力発電所」がある。それらしい。

平坦な道になったので、スピードを上げて走る。快調、快調。

13:03 トトロではなく、都呂々(とろろ)の集落に到着。

薄い雲が取れ、青空が広がってきた。よしよし、いいぞー

夕焼け堤防でMR 4Fを記念撮影する。まだ昼過ぎだが…。

夕焼け堤防
夕焼け堤防

13:20 県道296号線との分岐に到着。

今日の宿泊地・本渡に行くには、県道296号線を経由して国道324号線ロザリオラインへ進むのだが、その前に四季咲岬に行こうと思う。そのままサンセットラインへ進む。

まもなくロザリオラインに合流し、左折する。

富岡海水浴場の手前で、標識に従いロザリオラインを離れ四季咲岬方向へ直進する。四季咲岬まであと2.4km。

右折すれば富岡城もある。城マニアなおっさんとしてはぜひ寄りたいところだが、果たして時間があるのか…。

住宅や畑の中のアップダウンのある1.5車線道を進む。

13:40 四季咲岬公園に到着。

平日ということもあり、自分の他には2組だけしかいない。駐車場に自転車を止め、遊歩道を歩いて灯台へ向かう。

案内板によると「四季咲」という名の通り、四季を通していろいろな花が遊歩道に咲くようだ。が、今の時期はさすがに少ししか咲いていない。

灯台に到着。その向こうに木造の展望台もあるのでそっちへ行く。ツーリングマップルには「透明度の高い海がいい」と書いてある。が、ここにきてまた少し曇ってきて、透明度の高い海は全然見えない。タイミングの悪いおっさんだった。

駐車場に戻り、トイレを済ませて出発。

四季咲岬灯台
四季咲岬灯台

来た道を戻る。その途中、四季咲岬への標識がある丁字路でどの道から来たのか分からなくなる。「あれ、どっちから来たっけ?」

行きは標識に従って進めばいいが、帰りの標識はない。ツーリングマップルで確認するも縮尺が大きすぎて細かな道は載っていない。

とその時、四季咲岬方向から車がやって来た。駐車場に停まっていた1台だろう。多分、ロザリオラインかサンセットラインに向かうはず。なので、車が行く方向へ行こうと思う。ところが車が行った方向に走り出すと、来た時とは明らかに風景が違うことに気づく。「あれっ」

「まぁでも、車が行った道なのでどこかに抜けれるだろう」と思い、そのまま道なりに進む。

しばらく進むと左手の山の上に白い城が見える。あれが富岡城だ。「行きたい!」

富岡城は山の上にあり、上るのに時間かかりそう。既に予定より時間は押している。ここは勇気ある撤退で、富岡城は断念して先に進むことにする。無念…

富岡城
富岡城

ロザリオライン

集落の中の狭い道に迷い込む。いかにも古い漁師街といった感じ。しばらく進むとロザリオラインに出た。よかったよかった。でも予想通り。あとは東へ進むだけ。交通量も多くない。快適、快適。

3km程走ると左手前方に平たい島が見えてくる。ツーリングマップルをみると「通詞島」と書いてある。もう本渡まで寄る予定のところはなく、少し余裕も出てきたし、島も小さいのでちょっとだけ寄ってみようと思う。富岡城に行けたか?

14:48 通詞大橋を渡り、通詞島に到着。

島に入り左折する。1周できそうな道だったが、工事しているようなので西側にある風車のところで引き返す。

通詞島
通詞島

島の東側に戻り、北側にまわってみる。特にこれといった見どころはないが、のんびり釣りはできそうだ。あと温泉もあるし。野生のイルカが約300頭もいるらしいので、ドルフィンウォッチングもできそう。

ロザリオラインに戻り、海岸線を東へ走る。それまで霞んでいた島原半島が海の向こうに少し見えてくる。おーっ。

相変わらず交通量は少なく、ヤシの木が生えたほぼ平坦なロザリオラインを走る。快調、快調。

ロザリオライン
ロザリオライン

15:50 鬼池港に到着。

港には「天草四郎」の像。写真を撮ったが、逆光で全然みえていない。写真を撮るセンス全くなし。

島原は近い。ここから島原半島の口之津港までフェリーで30分だ。いずれ行きたい。できれば船で。

鬼池港
鬼池港

ここからロザリオラインは本渡まで南下する。交通量が多くなってきた。道が広いのでまだ問題ない。

海から離れたので眺望もなくなり、印象に残るところもなく、本渡まで淡々と自転車を進める。佐伊津から丘を越えて本渡の街中に入る。スーパーで買い物を済ませてから宿に向かう。

18:30頃、宿に到着。

今日のお宿は「栄美屋旅館」。本渡の街中から住宅街に入った辺りにある。料金は1泊2食で8,400円也。部屋は10畳の和室で一人としてはかなり広い。平日で宿泊客が少ないので、この部屋があてがわれたのだろう。お風呂とトイレは共同。

自転車は玄関横に駐輪場所があるのでそこに止めるらしい。前輪を固定するタイプのヤツが置いてある。

「新品のGIANT MR 4Fをここに止めるのか?、◯万円したんだぞっ」

と心の中で叫ぶ。

「うぅ〜ん」、かなり不安。既に10台程のバイクやママチャリが止まっている。夜になれば暗くてどんな自転車かわからないので盗まれる心配は少ないだろうけど、それより隣に置いたボロなママチャリなんかにガチャガチャぶつけられる方がツラい。

でもここに止めるしかない。祈るような気持ちでMR 4Fを止める。

風呂に入り、飯を食う。部屋に戻り、飲みながら今日を振り返り、明日の予定を考える。

今日は100km近くまで走り、荒雄岳展望所までの10%近い勾配の山道も上れた。MR 4Fでも山越えは十分できそう。

明日は天草上島、大矢野島と渡り、九州本土の宇土半島に上陸する。「天草五橋」、「天草松島」、「高舞登山展望台」などこの旅で一番見どころが多く、絶景ポイントも多そう。楽しみ。

が、天気が…あまりよろしくない。雨降るなー

寝る。

走行時間:5h50m46s 走行距離:97.7km
平均速度:16.7km/h 最高速度:38.4km/h

↩︎2日目    4日目↪︎