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'08 早春の天草と通潤橋② 出水〜河浦

2008年 九州 自転車旅

2日目 2008年3月12日(水)

自転車旅の実質初日。 朝起きて外を確かめる。いい天気だ。よし。

ホテルの部屋からは、古い小さな駅舎とその奥に新しくてガラス張りのどデカい駅舎が見える。新しいのは新幹線の出水駅だろう。九州新幹線に乗ることはしばらくないな。

今日はまず出水市内の「ツル観察センター」を見学して、そのあと黒之瀬戸大橋で長島に渡る。長島を北上して、蔵之元からフェリーで天草下島の牛深に入り、河浦まで行く予定。

9:00 ホテルをチェックアウト。

外でMR 4Fを15分ほどで組み上げる。これまで乗っていたクロスバイクのTR-LITEに比べ、圧倒的に早い。よしよし、いいぞー

MR 4Fでの初自転車旅
MR 4Fでの初自転車旅

出水

9:20 宿を出発。県道373号線と374号線を通り、国道3号線に出る。国道は思っていたほど交通量は多くない。県道367号線へ右折して菜の花が咲く田園地帯を走る。田植えや種まき前の農地にたくさんの鳥がいる。「ツル観察センター」に近いので「あれがツルか?」

が、近くで見ると黒くて「ツル」には見えん。

北海道出身のおっさんにとって「ツル」と言えば、特別天然記念物の真っ白で首と尻尾だけ黒い「タンチョウ」しか思いつかん。ここで見かける「ツル」は、胴体が黒く、首から上が白とまるで正反対。「あれが本当にツルなのか?」

10:15「ツル観察センター」に到着。

入館料210円也。2階の展望室から見ると、「なんぼいるんだ」っていうくらいの鳥がいる。どうやらこの鳥がみんな「ツル」のようだ。餌やりをしているから集まっているんだろうけど、ざっと千羽以上はいるんじゃねぇか。千羽鶴状態。

千羽鶴状態な「ツル」
千羽鶴状態な「ツル」

観察センターの展示やパンフレットをみると、ここにいるツルは真鶴やナベヅルのようで、今月下旬にはシベリアに旅立つそうだ。タンチョウとは見た目が全然違う。いや、足だけは同じか。こういう「ツル」も日本にいるということで勉強になります。

千羽鶴状態な「ツル」
真鶴?ナベツル?

10:30「ツル観察センター」を出発。

八代海沿いの県道378号線で黒之瀬戸大橋に向かう。交通量皆無で天気が良く、アップダウンはあるものの快適、快適。小さな漁港や畑、集落を進むと、八代海の向こうの山の上に風車が見えてくる。あれが長島か。それにしてもいい田舎道だ。

やがて阿久根に入り、国道389号線に合流する最後の1.5kmほどの下り坂を一気に走り降りる。最高速度更新。おーマジか。

国道389号線に入り、やがて水色の黒之瀬戸大橋が見えてくる。

11:48 黒之瀬戸大橋に到着。

長さは500mほどで交通量は少ない。が、車道の路肩はほとんどなく、しかも歩道と車道がコンクリ-ト壁で完全に仕切られているので、路肩に寄って走ることもできない。危ねぇな。歩道は橋の両側にあるが、人一人同士がすれ違える程度の幅しかない。ここを走るのは無理。

黒之瀬戸大橋
黒之瀬戸大橋

長島

ここは安全を期して自転車を押して歩道を歩くことにする。橋の中央で海を見下ろすと「黒之瀬戸」の名の通り、潮の流れがかなり速い。橋の向こう側から人が来ることはなく、無事渡り終える。やれやれ。

黒之瀬戸
黒之瀬戸

長島に入り、一旦南下して勾配が5%ほどの坂を上る。余裕。

12:14 坂を上りきると眼下に板場鼻や汐見海岸がきれいに見える。

初、東シナ海。海を見ながら走る。この辺りの路肩は自転車走行できるほどの幅はあり、交通量もそう多くはない。このまま続いてくれ。

板場鼻と東シナ海
板場鼻と東シナ海

島の西側の国道389号線を北上する。汐見川まで下り、再び上る。幅の狭い歩道が現れ、少し走りにくくなる。やっぱり…。周りは段々畑の丘陵地で所々で海が見える。唐隈の集落でほぼ平坦になり、歩道も広くなる。

長島の国道389号線はアップダウンの繰り返しだが、勾配はだいたい5%程度で特にキツいところはない。高い所から見える海や丘陵地帯は思っていた以上に景色がよく、なかなかいい道。

国道389号線
国道389号線

13:05 指江の街で「⬅︎指江古墳群0.4km」の標識を発見。

「古墳かー。ちょっと見てくるか」と389号線から左折する。が、すぐにめんどくさくなり389号線へ引き返す。「一体、俺は何をしたいんだか」

13:19 道の駅「長島」に到着。

トイレ休憩する。ここも海を見下ろす高台にある。南国らしくヤシの木もある。あんまり見たことないので記念に写真を撮っておく。

道の駅からの眺め
道の駅からの眺め

ここまで来れば蔵之元港まであと少しだ。フェリーはほぼ1時間おきに出ているので、あまり時間を気にせずに来たが、次の14:10に乗ることにしよう。牛深から河浦までの距離を考えると、時間には十分余裕がありそうだ。

13:40 蔵之元港に到着。

出港までまだ30分あるが、既に車が数台待っている。自転車はやはり自分だけ。自転車旅する物好きはここにもいなかった。時間があるので自転車を乗場口近くに置いて、周辺を探索する。

トイレには道の駅でも行ったが、ここには「南蛮船寄港跡手洗所」という大層なネーミングのトイレがあるので、とりあえずまた行っておく。

他には民宿と「たこやき大阪長島店」というお店がある。「たこやき大阪長島店」がこの辺りでは一番目立っている。さすが大阪。でも、わざわざ鹿児島に来て大阪のたこ焼きを食いたいとは思わない。

出港間近になり、自転車と共に「第二天長丸」に乗り込む。

蔵之元港と第二天長丸
蔵之元港と第二天長丸

14:10 蔵之元港出港。

牛深までは30分の船旅。寒くないのでデッキで過ごす。湾を出ると船はほぼ真西に向かって進む。天気が良くて暖かく、海面もキラキラ光っていて、3月半ばとは思えない陽気。さすが鹿児島。

やがて牛深の街並みとハイヤ大橋が見えてくる。

天草上陸

14:40 牛深港に到着。

牛深からは県道35号線を走り、早浦で国道266号線に合流して、今日の宿泊地・河浦に向かう。県道35号線だと思って走り出す。が、しばらくして国道266号線の標識がある。「あれっ、間違えた?」

いつも持っているツーリングマップルは14万分の1の地図なので細かい道はわからない。牛深の街を少し彷徨いながらも、標識を頼りになんとか県道35号線の入口を見つける。

牛深の海
牛深の海

街を抜け、短いトンネルを抜けると海岸線に出る。

15:30 黒石海岸に到着。

ここは「日本夕陽百選」の一つ。夕陽にはまだ時間は早いが、西に魚貫(おにき)湾が広がり、このままここで待っていると確かにいい夕陽が見れそうな感じはする。夕陽がみえる時間までここにいちゃうと、街灯もない暗闇の中を走らないといけなくなるので、写真だけ撮ってすぐに出発する。

黒石海岸
黒石海岸

しばらく海岸線沿いの交通量皆無の道を進む。魚貫の短いトンネルから山間に入るが、のどかな1.5車線の道が続く。快適、快適。こういう1.5車線ののどかな道もいいね。時間があるのでゆ~くりの~んびり走る。

16:00 山間を抜け、亀浦に到着。

この時間、亀浦の海は干潟状態。その後の早浦も陸に近いところは干潟状態で、宮が島も離島も今は陸続きになっている。日が傾き始める。いい雰囲気になってきたので、給水と写真撮影しながらちょっと休憩する。黄昏てみる。

早浦の干潟
早浦の干潟

16:23 路木で国道266号線に合流、左折する。

しばらく走ると河浦の街に入り、白木河内で国道389号線へ左折、1.5kmほど走ったところで県道35号線に右折する。するとすぐに宿を発見。さらにその少し先にAコープ河浦も発見。まずはAコープで買い物をする。

17:10 宿に到着。

今日のお宿は「愛夢里(あむり)」。公共の施設で、もっぱら日帰り温泉の利用客が多いようだが、宿泊施設も併設されている。

食事なし、入浴料込の素泊まりで6,680円也。部屋は貸別荘の一室っぽく、和室のある1LDKの広さで、部屋の名は「ひまわり」。家族でも十分泊まれる広さで、おっさん一人では広すぎる。6畳の和室だけで十分な感じだ。今までそういう宿にばかり泊まってきたせいもあり、そう感じる。

これがスタンダードの部屋で部屋数は5室。他にロッジやバンガローもあるようだが合わせても全部で9室しかなく、平日だから泊まれたのかもしれない。

部屋には冷蔵庫、電子レンジ、電気ポット、IHクッキングヒータがあり、自炊も可能。外には洗濯機もある。自転車は建物の入口付近に止めておいたが、外からは見えないのでまぁ変なことはされないだろう。

温泉は地元のおじいちゃんで盛況、露天風呂もありなかなかいい。入ってはいないがプールもある。

施設の中にあるレストランで乾杯して晩飯を済ませる。部屋へ戻る途中、観光パンフレットが置いてある掲示板に目が止まる。

今は合併して天草市になった河浦町だが、北海道の浦河町と姉妹都市で、その交流会の模様が掲示されている。「へぇーそうなんだ」

と、ここで咄嗟に気づく。「『河浦』と『浦河』って字が逆さまになってるだけじゃんけ〜」

ということは…「あっ、浦河はここ天草の河浦から来た人が入植して開拓したんだー。だから町の名前が浦河なんだー」

勝手に確信して一人興奮する。

が、後で調べると違ってた。河浦から入植した人はいたらしいが、町の名前は河浦とは全然関係なかった…。

部屋に戻り、スーパーや施設内の土産物屋で買った物をつまみながら、明日の予定を考える。

明日は天草下島の西側を走る国道389号線のサンセットライン、北側を走る国道324号線のロザリオラインを通って本渡まで行く。

前半はトンネルが多いので、可能なところは迂回しながら進もう。あと荒尾岳の展望所まで行くつもりだが、どれくらい時間がかかるかが問題だ。明日も天気は良さそう。

寝る。

走行時間:4h49m21s 走行距離:76.11km
平均速度:15.7km/h 最高速度:49.4km/h

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