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'07 やまなみハイウェイから阿蘇、耶馬渓・国東半島へ⑦  裏耶馬渓〜中津

2007年 九州 自転車旅

7日目 2007年10月4日(木)

今日も天気は良さそうだ。予定通り、県道43号線を経由して、まずは「メイプル耶馬サイクリングロード」の終点、「コアやまくに」に向かう。

朝飯の時に宿の方から、

「今日はどこまで?」

と聞かれ、

「え〜っと、『やまこく』?だったっけ?、のほうに行ってから中津まで」

と答えると、

「『やまくに』ね」

と言われてしまう。

山国の読み方を間違って、ちょっと恥ずかしい思いをする。

8:54 宿を出発、昨日通った県道703号線を南へ進み、県道43号線に出て右折し北上する。

県道43号線も交通量は皆無、黄金色に染まった稲穂の田園地帯を快調に進む。

黄金色の絨毯
黄金色の絨毯

県道43号線の最初は上りだったが、すぐに下りになる。昨日サイクリングターミナルで聞いていたように上りはなく、むしろずっと下り坂が続き、暑くも寒くもなく快適に走る。

サイクリングロードを一旦通り過ぎ、山国川に掛かる橋を渡る。

10:20「道の駅 やまくに」に到着。トイレ休憩してすぐに出発。

山国川右岸のサイクリングロードを西へ進む。

10:45 コアやまくにに到着。大きな施設で、かなり高い(50m)展望台もあるが、人気をほとんど感じない。

昨日もらったサイクリングロードの地図を見ながら、次のターゲット(目的地)を考える。

ところで、この「メイプル耶馬サイクリングロード」は「旧耶馬溪鉄道」の跡で、中津市街まで続いている。

全長は36kmで、うち山国から本耶馬溪までの22kmは自転車専用道だ。

地図を見ると、ここから昨日立寄った耶馬溪サイクリングターミナルまで11.5km、青の洞門までは更に10.5km程ある。

次のターゲットは1.5km程先の旧宇曽駅にする。

メイプル耶馬サイクリングロード

10:50 コアやまくにを出発し、サイクリングロードを一路中津方向に進む。

今回の旅は始めの計画段階で、まずこの「メイプル耶馬サイクリングロード」が新日本三景の一つ「耶馬溪」を通り、風光明媚で評判もよかったため、行って見たいと思い立った。

そこから、やまなみハイウェイや阿蘇、そしてこれから行く国東半島を加えて10日間の自転車旅を計画した。

旅前に調べていた通り、なかなかいいサイクリングロードだ。

コアやまくにを出発し、山と山国川に挟まれた林の中を走る。この辺は奥耶馬渓というらしい。

メイプル耶馬サイクリングロードを一路中津へ
メイプル耶馬サイクリングロードを一路中津へ

耶馬渓と言っても、本耶馬溪、深耶馬溪、裏耶馬溪、奥耶馬溪と4つもある。この先、本耶馬溪を通るので4つの耶馬溪全て制覇することになる。

山沿いを抜けると、田圃と田圃の間をサイクリングロードが通っていて、のどかな風景を楽しみながら走る。

田圃の中を進む
田圃の中を進む

11:04 旧白地駅に到着。旧宇曽駅はいつの間にか通過してしまった。旧白地駅の標識は野菜畑に埋もれている。

旧白地駅の標識板
旧白地駅の標識板

次のターゲットは500年の大杉がある諏訪神社にする。旧白地駅を出発した後も田圃中のサイクリングロードが続く。

11:14 諏訪神社に到着。500年の大杉を探す。すると、神社の背後に一際太い木がある。しめ縄が張ってあるので、これが500年の大杉だろう。

諏訪神社の500年の大杉
諏訪神社の500年の大杉

次の旧中摩駅も気づかずに通過後、トンネルが現れるも、短いトンネルでここもあっという間に通過する。

11:40 山国川を渡って、旧下郷駅に到着。ここは休憩所とトイレがある。

昨日、耶馬溪サイクリングターミナルからここまで来て、この辺でサイクリングロードを外れて下郷農協に行ったところだ。

まだまだサイクリングロード

下郷を出発して短いトンネルが続いた後、長めのトンネルに入るが、入る手前で今日初めてサイクリングロードですれ違う自転車に会う。地元の親子のようだ。

トンネルが続く
トンネルが続く

本当にいいサイクリングロードなのにほとんど自転車で走っている人がいない。平日の昼間なのでこんなものかもしれないが…

12:00 昨日も来た耶馬溪サイクリングターミナルに到着。

地図を見るとこの先すぐのところに、頼山陽が「あまりのすばらしさに画くことが出来ないほどの景色だ」と言った「擲筆峰」というところがある。

学がないので頼山陽という人も知らないし、擲筆峰も字が読めないが、景色のいいところらしいのでここを次のターゲットにする。

12:04 擲筆峰に到着。山国川を挟んで岩壁が続き、川の静かな流れとあわせてまずまずのいい風景だが、絶景というほどではない。

岩壁の上にあった三階の松が枯れてしまったり、河川の改修などもあって当時とは随分変わってしまったらしい。

擲筆峰
擲筆峰

ちなみに「擲筆峰」は「てきひっぽう」と読み、江戸時代の儒学者「頼山陽」がここの風景を見て、「あまりのすばらしさに・・・」と言って筆を投(擲)げたことからこの名が付いたと言う。

「頼山陽」の詩碑も近くに建っている。

次のターゲットは、このサイクリングロードのハイライトの一つ、山国川にかかる九州一のカーブした鉄橋「第二山国川橋梁」だ。

12:10 「第二山国川橋梁」に到着。言われてみれば、カーブした橋というのは珍しいかもしれない。

何枚か記念撮影して出発する。次のターゲットは酔仙岩にする。

第二山国川橋梁
第二山国川橋梁

酔仙岩を見逃さないよう右前方の山を気をつけながら走る。

12:18 それらしい岩を見つけた瞬間、笑ってしまった。

確かに酔っ払って目が座った仙人のように見える。細い目以外にも鼻や山の上の木が髪の毛のようにも見える。

酔仙岩(見づらい)
酔仙岩(見づらい)

12:32 旧耶馬溪平田駅に到着。ここにもトイレや休憩スペースがある。

近くに今では珍しい木造3階建ての平田邸があるらしいが、それらしい家が田圃の向こうに見える。古いが立派な家だ。

続いて「立留の景」を通過。岩肌が剥き出しになっているが、200年前に一夜にして轟音とともに山腹が崩落してこうなったという。

道行く人がここで立ち留まって眺めたのでこの名がついたそうだ。

青の洞門

再びのどかな田園風景の中のサイクリングロードを風景を楽しみながら走る。

そして国道500号線の分岐の手前でサイクリングロードはついに国道212号線の歩道となり、実質サイクリングロードはこれで終わる。

国道500号線に入り、青の洞門の手前にある駐車場に自転車を止め、青の洞門へ向かう。

13:11 青の洞門に到着。ここは江戸時代に禅海和尚が30年かけて手掘りで作ったトンネルとして有名だ。

行ってみると今は車が通れるようになっていて、江戸時代とはかなり違うようだ。後で調べると明治時代に大改修されて原型はとどめていないそうだ。

ただ、道路の横に完成当初のものと思われる人が通れるだけの小さいトンネルも残っていて、歩けるようになっている。

30年もノミで掘り続けたとは関心させられる。

青の洞門①
青の洞門①

青の洞門②
青の洞門②

トンネル入口前の駐車場に戻る途中、ノミでトンネルを掘る禅海和尚の像があった。

その偉業とは裏腹に、像は鳥のフンで真っ白になっていて、なんとも言えない気持ちなる。

ノミでトンネルを掘る禅海和尚
ノミでトンネルを掘る禅海和尚

13:35 青の洞門を出発。少し戻って、羅漢寺向かう。国道500号線を南へ進み、道の駅の先に羅漢寺入口の標識があり、左折する。

13:52 羅漢寺入口に到着。羅漢寺は山の中腹にあり、リフトで登る。往復840円也。

リフトは山頂の展望台まで続いているが、羅漢寺は中腹にあるので、中間辺りで一旦降りる。

石段を登っていくと、岩壁が迫ってくる。岩窟にしゃもじがたくさん貼り付けられた建物を発見、一体どういう意味なのかわからず、通過。

羅漢寺への道
羅漢寺への道

羅漢寺

すると岩肌にくっつくように建っている山門に到着。山門をくぐり、岩窟の中を更に進むと、再びたくさんのしゃもじで覆われた洞窟のようなところがある。

羅漢寺山門への石段
羅漢寺山門への石段

「無漏窟(むろくつ)」というらしい。中に入ると奥に五百羅漢という羅漢像がたくさん並んでいる。

中にいたお坊さんに「どちらからお越しになったのですか。」と声をかけられ、少し説明をしていただく。どうやら、訪れた人に近くの羅漢寺を紹介しているようだ。

無漏窟を出て更に奥へ進む。本堂に到着。ここも岩壁にへばりつくように建っているが、かなり立派な建物だ。

本堂の2階は見晴らしがよく、奥には太鼓橋が続いている。

太鼓橋を渡ると「極楽のなで犬」が迎えてくれる。撫でてしばらく進むと、指月庵跡の案内板があり、庭園に出た。

周りの木々に少し邪魔されるが、周囲の山々を見渡せる。ここで行き止まりなので引き返す。

山門をでて、来た時には通らなかった右手の「千体地蔵」へ行ってみる。

ここの建物にもしゃもじが張り付けられ、中にはたくさんの石仏が並んでいて、無漏窟の羅漢像のように数が半端ない。

しゃもじは「願い事を掬(すく)う」という意味で訪れた人が願い事を書いて張り付けていくようだ。

これで羅漢寺を後にするが、こんな岩壁にへばり付くようにあるとは想像もしていなかった。

五百羅漢や千体地蔵が見どころではあるが、ロケーションが一番強烈に印象が残った。また、いつか来てみたい。

リフトに乗り、山頂に向かう。

14:30 山頂の展望台に到着。ここからは周囲360度、山々が眺められ、まずまずの風景だ。

山を降り、出発する。国道212号線に復帰し、改めて離れたところから青の洞門方向を見ると、断崖絶壁が続く岩山に作られたことがわかる。

競秀峰と青の洞門
競秀峰と青の洞門

サイクリングロードの見どころはこれで終わり、中津市街に向かう。

耶馬メイプルサイクリングロードは、林の中、田圃の中、トンネル、カーブした橋、奇岩いろいろと異なるロケーションや風景があって、期待通りのいいサイクリングロードだった。

中津

中津市街に入り、まだ時間があるので福沢諭吉旧居に行って見る。

16:20 福沢諭吉旧居に到着。大きな茅葺き屋根が特徴だが、昔はどこの家もこうだったのだろう。

一通り、旧居周りや記念館を見学するが、旧居以外は特に印象に残らず、宿に向かう。

福沢諭吉旧居
福沢諭吉旧居

17:00 宿に到着。今日のお宿は「中津サンライズホテル」で、駅近の普通のビジネスホテルだ。料金はシングル1泊4,700円とリーズナブルだが、朝食が700円と高め。

中心街なので買物や食事処に問題なし。自転車は1階の駐車場にある駐輪場所に止めるしかない。

街中なのでいたずらされないか気になったので、夜に一度見に行った。すると駐輪場所は真っ暗で外からは全く見えないので大丈夫そうだった。

今日もいろいろと楽しめて満足な1日だった。道も県道43号線に出てからは、ずっと下り坂だったのでかなり楽チンだった。

明日は島に行く。

走行時間:4h35m00s 走行距離:63.63km
平均速度:13.8km/h 最高速度:36.5km/h

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