最終日 2008年3月16日(日)
今日は旅の最終日。早起きしたので、朝飯前に散歩に出てみる。天気は薄曇りだが、時間が経てば晴れてくるだろう。多分…
県道320号線を少し通潤橋方向に戻ったり、宿の先へ下ってみたりする。狭い山間の中に棚田が続き、満開の桜の木もあっていい風景が続いている。30分程で宿に引き返す。
帰りのフライトは熊本発19:20のJEX便。時間は十分あるが、今回初めて出発直前に空港で自転車を折り畳むので、まだ明るい17:30ぐらいには空港に着いておこうと思う。本当は風呂かシャワーに入りたいが…無理っぽい。
9:30 宿を出発。
まずは県道320号線を下り「鵜の子滝」に向かう。宿の前の県道320号線に「うのこ滝」への標識があるので、この先も標識に従って進めばいいだろう。
笹原川を渡り、さらに南下すると「うのこ滝」の入口を示す大きな看板を発見。すぐ横には「鵜の子滝入口」のバス停もある。よし、ここだ。
右折して細いコンクリート道を下り、自転車で行けるところまで行く。
9:51 入口から1km程で駐車スペースに到着。
ここに自転車を停めて笹原川沿いの遊歩道を歩いて行く。ほとんど人は来ないと思うのでここに自転車を置いておいてもまぁ大丈夫だろう。
5,6分ほど森の中を歩くと早くも滝を発見。「あれっ、もう鵜の子滝?」
が、近くの古い案内板にみるとこの滝は「つばめ滝」のようだ。やっぱり。ちょっと早すぎると思った。
更に3分ほど歩くと別の滝の真横に出た。流れ落ちる滝は岩や木々の陰で見えないが、音だけは聞こえる。「これはなんだ?鵜の子滝か?」
案内板がないのでよくわからない。しょうがない。先へ進む。
ふと見上げると木々の間からは大きな橋が見える。あれが「鮎の瀬大橋」のようだ。たっかぁー。面白そう。眺め良さそう。高いところ好きバカ。
更にまた3分ほど歩くと、真横からは全然見えなかった滝の全貌が見えてくる。滝は「鷹滝」というようだ。
10:08「鵜の子滝」に到着。
遊歩道の行き止まりにある展望所から2つの滝が見える。奥が「鷹滝」、手前が「鵜の子滝」のようだ。
2つの滝が2段になっているような感じもする。「鵜の子滝」の下の部分が草木でちょっと見えづらくなっているが、落差は「鷹滝」より大きいようだ。
「桃源郷」という開けた展望所に出る。正面に「鮎の瀬大橋」が見える。思っていたよりデカくて高い。このあと絶対いく。
展望所には手書きのような案内板があり、その中に「うなぎ滝」というのがある。でも肉眼ではそれらしい滝は見えない。別にもういいかぁ。「鵜の子滝」は見たことだし…
ここで来た道を引き返し、「鮎の瀬大橋」に向かうことにする。よし、いくぞー
10:38 県道320号線に戻る。
来た道を宿のほうに500mほど戻った丁字路で「⬅︎鮎の瀬大橋」への案内板を発見。左折して笹原川にかかる橋を渡る。
ここからは平均でも8%ぐらいあるキツめの上り坂が続く。全然問題なし。なんとか「鮎の瀬大橋」に続く農道みたいな道に出る。左折する。
「鮎の瀬大橋」に続く道は片側一車線で県道320号線よりはるかに広い。が、交通量は皆無。「なんなんだー、この立派な道はー」
新小の集落を抜けると「鮎の瀬大橋」まで下りが続く。いけー
11:03 「鮎の瀬大橋」に到着。きたー
橋の上から下を覗き込むとやはり相当高い。緑川とそれに沿った渓谷、周辺の山々が見下ろせて眺めがいい。
橋の左手の手前側に滝が見える。「白糸の滝」だろうか。
橋は真ん中が少し高くなっていて上り坂になっている。坂をのぼると橋の先にたくさんの人が向こう側に向かって歩いているのが見える。
「えっ、なんなんだあの団体さんは?民家もないし、観光地でもないのに…」
不思議だ。ここまで人はおろか車も全然通らなかったのに突然、人がいっぱい歩いている。橋の対岸側を見ると、大型バスが止まっているので、団体の観光客のようだ。
橋からゆっくり景色を眺めたい。団体さんに先に早く渡り終えてもらうためスローで走る。まさかこんなところでこんなことになるとは思ってもみなかった。
結局、途中で団体さんを追い抜いて橋を渡る。団体さんはどうやら中華系のお客さんのようだ。なんでこんなところまで来たんだろう?通潤橋に来たのでここまで足を伸ばしたのだろうか。よくわからない。
橋の対岸側には「鮎の瀬交流館」というお店があるが、特に買い物するつもりはなかったので寄らず。
鮎の瀬大橋はこれぐらいでいいだろう。山都の街へ戻ることにする。
新小まで5%ぐらいの坂を上り、その後はほぼ平坦な道で山都の街に戻る。
山都の街からは国道445号線を通って一路、阿蘇熊本空港に向かうのだが、ツーリングマップルには「交通量多いが流れはよい」との記述。
ツーリングマップルは基本的にライダー目線で書いてあるので、自転車にとって車の流れはどうでもよく、それより「交通量が多い」が気になる。
国道445号線へ抜ける道を携帯の地図で調べる。県道180号線を進み、国道218号線に出る一つ手前の交差点で千滝川沿いの道に右折して国道445号線に出ることにする。
そのルートの通り、国道218号線の高架下をくぐって国道445号線に入る。交通量は多くない。とりあえず、よかった。この先もこのままでいってくれー
国道445号線に入ると、始めの3,4kmは2,3%程の緩い上り坂だが、その後はずっと下り基調の道が続く。ただ、路肩が狭いので歩道が通れるところは歩道を行く。安全第一。
国道445号線沿線で特に寄ろうと考えているところはない。天気がよく、所々にある棚田の風景を見ながら山間のカントリーロードを走る。快調、快調。
13:25 すぐ横を御船川が流れ、覆道が見えるところまで来る。
あと3km程進めば国道443号線に合流し、そのまま空港に向かえば2時間もかからないだろう。早い、早い。
フライトまで十分すぎるほど時間があるので、少し戻ることにはなるが、昨晩考えていた「八勢目鑑橋」に行ってみることにする。
「八勢目鑑橋」へ行くため、1.5kmほど先で右折してツーリングマップルに書いてある「上益城平坦広域農道」に入ろうと思う。「平坦」と書いてあるが信用しないほうがいいだろう。いや、信用しない。
13:33「上益城平坦広域農道」に入る。
やはり平坦ではなく、いきなり5%程の坂でその後も5%かそれ以上の上り坂が続く。平坦なところはほとんどない。どこが「平坦広域農道」なんだ?
5kmほど上り県道221号線へ右折する。相変わらず上り坂だが、勾配は2,3%程とかなり緩くなる。
片側1車線から狭い1.5車線道路を上り、上野保育所の前で「八勢橋➡︎」の標識が出る。次の丁字路を右折のようだが、「八勢橋」とは「八勢目鑑橋」のことだろうか?よくわからない。
次の急坂の手前に「八勢目鑑橋➡︎」の案内標識があるので右折する。ここからは一転下り坂。道なりに進む。
14:12「八勢目鑑橋」に到着。
観光客はおらず、地元の方っぽい人が一人、桜の写真を撮っているだけでひっそりとしている。
霊台橋や通潤橋に比べれば小さいが、橋にはコケが生えていて橋の両脇には桜が咲き、古びた風情を醸し出している。いい感じ。
八勢目鑑橋①
八勢目鑑橋②
14:20「八勢目鑑橋」を出発。
あとは空港に向かうだけだが、フライトまでまだ5時間もある。のんびり走り、自転車をゆっくり折り畳んでも2時間半あれば十分だろう。まだまだ早いなぁー。
時間があるなら、風呂に入りたいところだが、熊本空港やその途中に日帰り温泉はない。残念。
なので、空港でお土産を買ってあとは一杯やって時間を潰すことにしよう。飲もうー
県道221号線に戻り、交通量皆無の道を国道443号線に向かって下りる。途中、見通しの悪い急な下りカーブもあり、慎重に下りる。
14:48 国道443号線に到着、右折する。
どこからか選挙カーの声が聞こえる中、のんびり田園地帯を走る。
15:30 県道23号線に到着。
右折して空港に向かう。交通量が一気に増え、3%ぐらいのダラダラ上りが続く。空港はだいたい高台にあるので上りは想定していた。やっぱり。
16:00 熊本空港に到着。
予定より1時間半早い到着。タクシーの運ちゃんや利用客の注目を浴びないよう、あまり目立たず邪魔にならないターミナルの入口付近で自転車を折りたたむ。15分ほどで完了。
トイレに行き、顔や腕を洗い、汗を拭き取る。搭乗手続きをして、輪行バッグとリュックを預ける。
お土産を買い、自宅に送る。その後、滑走路に面したレストランで馬刺しをつまみに一杯やりながらこの旅を振り返る。
MR 4Fでの初めての自転車旅だったが、上り坂、下り坂含めて走りに問題なし。メカニカルなトラブルもなかった。これからの自転車旅はMR 4Fの輪行旅でいこうと思う。
ただ折り畳み方については、もう少しうまくやりたいと思う。そうすれば折り畳み時間をもっと短縮できるだろう。家で練習するしかないな。
自転車旅全体を通しては、実質5日間で雨が降ることはなく、暖かくて天気に恵まれた。場所的にも鹿児島の長島、天草のサンセットロードとロザリオライン、高舞登山から見た天草松島、通潤橋を始めとする石橋、上益城の山々など、海から山までいろいろ堪能できた。よかったよかった。
唯一のマイナスは天草五橋。新しく架け替えるか、交通量が皆無にでもならない限り、もう通りたくない。今度来るときは船で来ることにしよう。