‘08 春の秋田 斜め縦断の旅⑤ 五城目〜男鹿

2020年4月7日火曜日

2008年 自転車旅 東北

4日目 200853日(土)

8:55 宿を出発、今日もいい天気だー。

今日の予定はまず五城目城に行き、そのあと八郎潟の干拓地周辺をブラブラして寒風山にのぼる。最後は宿のある男鹿市街へ向かう。

まずは最初の目的地である五城目城に向かうため、国道285号線を西へ進む。しばらく走ると、前方の山の上に城のような建物が見えてくる。「あれだな」

住宅街に入り五城目城への案内板が出てきたので、国道285号線を離れ案内板に従い右折する。その後も小さい案内板に従って住宅街と畑の中の緩い坂道を上っていくと、細い道は森の中に入っていく。

そして森の中に入ると、なんと「12%」の勾配標識。「きたなー」

城は山頂にあるため上り坂は想定していたが、12%とはやってくれるな五城目城。

とはいえ、朝イチで元気なのでかまわず突入。森の中のキョーレツな上り坂が続く。朝っぱらから汗だくになりながら、何とか上りきる。

9:22 五城目城に到着。天守に上らなくても十分眺めがイイ。城といっても今は「森林資料館」という施設らしい。

五城目城
五城目城

せっかくなので、天守の中にも入る。入館料210円也。「森林資料館」だけあって中の展示は森林に関係するものばかりだ。

小ぶりな城だが、最上階からは田園風景や五城目の街並みが一望できて、一段とイイ眺めだ。気持ちぃーな。

五城目城からの眺め
五城目城からの眺め

9:52 五城目城を出発。

10:02 国道285号線から県道15号線へ右折する。国道7号線、JR奥羽本線の踏切を渡り、県道219号線へ右折する。

10:21 八郎潟駅に到着。

駅舎には「ようこそ八郎太郎伝説の街へ」の看板が出ている。そういえば子供の頃、教科書だったか日本昔話だったかで「八朗太郎」の物語を読んだなぁーと思う。

「どんな話しだったっけ?大男の話し?」

そこまでの記憶はない。記念に駅舎の写真を撮ってすぐに出発。

八郎潟駅
八郎潟駅

八郎潟干拓地

県道298号線に入って大潟橋を渡る。いよいよ八郎潟干拓地だー。よーし。

この先は菜の花や桜が咲き乱れているはず?の直線道路だ。ただ、角館では桜が散っていたので、ここも桜は無理だろう。

ところが、干拓地に入ると菜の花だけではなく桜も咲き乱れている。「おーっ、なんと」

桜の色が濃いめなのでソメイヨシノではなく、ヤマザクラなのかもしれない。よくはわからんが

桜も菜の花も満開の県道298号線
桜も菜の花も満開の県道298号線

どちらにしても天気がイイし、のんびり風景を楽しみながら気持ちよく走れそうだ。「いいぞー」

と期待したが、交通量は多くないものの、路肩が狭く後ろから来る車や前方の道路状況に気を取られ、あまりのんびり風景を楽しみながら走っていられない。「うぅ~ん」

10:52大潟富士」に到着。埋立てられて造られた人工の山で、高さは3.776m。本家・富士山の1000分の1の高さで造ったらしい。ただ、山頂の標高は0mなので「日本一低い山」らしい。

周囲も海抜0m地帯なので、山頂からの見晴らしが多少いいだろうと期待したが、登ってみると防風林が多いため景色が見れるのは南西方向だけ。イマイチ。

日本一低い山・大潟富士
日本一低い山・大潟富士

次の目的地である「北緯40度線と東経140度線の公会点」に向かう。

11:05 県道298号線上にある東経140度線に到着。

そこにある案内板には、

「この先、約1kmが東経140°、北緯40°公会点があります。かすかに、三角点の表示塔が見えます。➡︎

と書いてある(日本語がちょっとヘン)。

表示塔っぽいものは確かに見えるので、そこに行きたいが右折できる道がない。ツーリングマップルをみると南北に走る道が何本もあるので、次の右折できるところで曲がろうと思う。

ところが、行けども行けども交差する道が出てこない。どうもツーリングマップルに書いてある南北に走る道は、ほとんどこの県道298号線に繋がっていないようだ。

3kmほど走ってようやく交差点に到着。大潟村方面へ右折する。

11:21 北緯40°線に到着。

ここの案内板には、

「経緯度公会点 直線2.6km 北緯40°東経140° この先 ➡︎

と書いてある。

矢印の方向をみると今度は道がずっと続いているが、残念ながらダート。自転車で2.6kmのダート道はパンクのリスクがあるので走る気ないし、かといって自転車をおいて歩いて行く気もサラサラない。

北緯40度線と東経140度線の公会点」に行くのは諦める。残念

という訳で、大潟村で行く予定のところはこれでなくなってしまった。「あれっ早いな」

時間が全然あるので、明日泊まる予定のホテルの場所を確認しに、村の中心部に行くことにする。村の中心街に近づくと、少し場違いな大きな建物が見えてくる。「あれかなぁー」

すぐ近くまで行くと、やはり明日泊まるホテルだった。

ホテルを確認しても、まだ昼前で時間に余裕がある。ありすぎる。ブラブラと村の中心街を走っていると、また別の大きな建物を発見する。「大潟村干拓博物館」というところらしい。「おっ、これは時間潰しにちょうどいい」

日本で2番目に大きかった湖「八郎潟」の干拓に興味があったので、早速入ってみる。入館料300円也。まずまず楽しめたし、勉強にもなった。よかったよかった。

ついでにその隣にある「特産品センター」にも寄ってみる。農産物の直売所のようなところで、しばらく休憩する。

で、いよいよ、することも行くところもなくなったので、寒風山へ向かうことにする。

12:48「大潟村干拓博物館」を出発。のんびり進むため、遠回りになるが県道54号線から干拓地の外周の水路沿いの道を通って行くことにする。

海抜0m地帯のほとんど田んぼだけのダダっ広い干拓地の中に、背の高い建物(明日泊まるホテル)がポツンと立っている。なんともミョーな景色。

干拓地の外周道路は、サイクリングロードにもなっている。田園風景を眺めながらゆっくり走っていると、ハルウララの陽気で眠たくなってくる。時間があるのでちょっと昼寝してもいいのだが、そんな場所はない。

しばらく走っていると、前方にこれから登る寒風山っぽい山が見えてくる。「おーっ、あれかー」

13:28 県道298号線で水路にかかる祝田橋を渡り、今度は水路の外側の道を走る。

寒風山

カントリーロードを通って脇本の集落を抜け、県道54号線から県道55号線に入る。寒風山に向けて高度が上がっていく。「よし、行くぞー」

14:44 妻恋峠に到着。ここまではそんなにキツくはなかったが、風が強くなってきている。峠付近は木が全然生えておらず、草原地帯が広がっている。年がら年中、風が強いところなんだろう。

連休中ということもあり、車やバイクはそこそこ多いが、今のところチャリは自分だけ。そりゃそうだ。

しばらく休憩して頂上を目指す。風が強くて多少ビビる。

14:52「寒風山回転展望台」の下の駐車場に到着。ここからでも十分イイ眺めだ。自転車はここに止めて、展望台へは遊歩道を歩いて行くことにする。

15:15寒風山回転展望台」に到着。

早速、回転展望台に入ってみる。入場料550円也。ジッと外を凝視していると、足元がゆっくり回転しているのがわかる。

回転展望台は高いところにあるので眺めはスバラシイが、光の反射で窓ガラスに室内の様子が写ってしまい、そこがイマイチ。写真は外で撮った方がいい。

そうそうに外の展望台に出て周囲の景色を楽しむ。男鹿半島の付け根から秋田市内へカーブする海岸線がよく見え、すげーいい眺めだ。この旅一番の景色かもしれない。絶景。

少し霞んでいるので秋田市街まではちょっと見えないが、その左手には今通ってきた広大な八郎潟干拓地がよく見える。天気がよければ鳥海山も見えるらしい。

寒風山からの眺望(秋田市方向)
寒風山からの眺望(秋田市方向)

少し目を右に移すと男鹿の街や港も見える。

寒風山からの眺望(男鹿市方向)
寒風山からの眺望(男鹿市方向)

来た道の反対側の山側も草原地帯が続き、九十九折の道がハッキリ見える。この道がこれから通る予定の男鹿市街へ続く道だろう。

寒風山からの眺望(西側方向)
寒風山からの眺望(西側方向)

外の展望台は回転展望台より低い位置にあるが、景色を眺めたり写真を撮るにはこっちの方が断然イイ。

15:30 回転展望台から下りる。下の駐車場まで戻ると、周辺の芝生では観光客がシートを広げて寝転んだり、談笑したり、遊んだりと、連休を満喫している様子がわかる。のどかで平和的で、何となくイイ雰囲気を感じる。

15:44 寒風山を下りる。妻恋峠から北に進路をとる。

九十九折を抜けると、左手に草が刈られたところがある。「なんだここは?」と思い、ちょっと寄ってみることにする。まだまだ時間があるので急いで山を下りる必要はない。

自転車を立てたまま止められるところはないし、風があるので自転車を地面に横倒しして、近くを散策する。が、吹き流しがあるだけでこれといって何があるわけでもない。

自転車に戻り、再び走り始める。しばらく下りが続くと思っていたが、上り坂が始まる。周りは草原地帯がずっと続く。

上り坂を上りきると、左の道路脇に木の棒が立っていて何かの標示板のように見える。その先には草が剥がれ、車が出入りしたような跡がある。「ここも何かあるなぁ」と思い、ここでも自転車を地面に横倒しして中に入ってみる。

木の棒が立っているところに行ってみると、そこには「大噴火口北高台」と書いてある。

確かにここは高台で、南側はヘコんでいる。このヘコミが噴火口のようで、さっきちょっと散策したところも噴火口のようだ。

風景を眺めたり写真を撮りながら、ここでもちょっと休憩する。

大噴火口と寒風山
大噴火口と寒風山

「大噴火口北高台」を出発、ゆっくり山を下りる。

16:19 県道55号線から「なまはげライン」へ左折する。すごいネーミングの道で笑う。インパクトありすぎ。さすが男鹿。いったい、どんな道なんだろう。なまはげが出るのか?

16:24 国道101号線に到着。残念ながら「なまはげライン」とはここでお別れ。下り坂を下りただけで何事もなく終わる。短い距離だったこともあり、何もなかった

男鹿

左折し男鹿市街へ向かう。羽立跨線橋を越え、県道59号線との交差で右折する。

16:51 男鹿駅に到着。昔ながらの小さな駅舎でいい感じ。

男鹿駅
男鹿駅

そして駅前には、ド~ンとデカいホテルが立っている。それが今日のお宿「ホテル諸井」。デカいといっても3階建てなのだが、横幅があるのでそう感じる。思っていたよりデカくて少々驚いたが、外観は古くて「如何にも」という昭和のホテル感を醸し出している。

この旅の最初のブログで書いたように、今日(53日)の宿がなかなか取れなかったので、このホテルに空きがあって非常に助かった。

ホテルに入ってもお客さんは合宿中らしい学生の団体さんを見かける程度で、連休の賑やかさはまるでない。

古さはあるものの部屋はいたって普通のビジネスホテルのシングルルーム。だけど2食付きにしているので、その辺は旅館みたいな感じだ。

ホテルの食堂も昔ながらと言った雰囲気で、受付のオヤジさんが料理の配膳もこなしている。いくつかのテーブルに料理が並べられているので、それなりにお客さんはいるようだ。

案内されたテーブルをみると、鍋が載っかっている。「あっ、今日も『きりたんぽ』か『だまっこ』だなぁ」

と思い、蓋を開けると「きりたんぽ」や「だまこ」は入っていない。鶏鍋みたいだ。

晩飯後、駅の反対側にあるコンビニへ買い物に出る。駅の連絡橋を渡ってみるが、街はほとんど真っ暗でなんにも見えない。

部屋に戻る。

寝る。


走行時間:4h34m01s、走行距離:67.20km
平均速度:14.7km/h、最高速度:41.5km/h

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