2日目 2008年11月2日(日)
7時頃、起床。外を見ると日は出ておらず、少し薄曇りだ。
8:55のバスに乗ればいいので、朝飯を食べていつもよりゆっくり準備する。チェックアウトする時に、宿の方に自転車と荷物を昼過ぎまで預かっていただけないかお願いすると、快く引き受けてくれる。
宿を出て、まず自転車のタイヤがスローパンクしていないか、フロントタイヤのゴム剥がれ部分が酷くなっていないか確認する。問題なさそうだ。
8:41 宿を出発。淡路島南ICのバス停に歩いて向かう。5分あれば着けるだろう。ちょっと早く出発し過ぎたので、周辺をちょっとウロウロする。
8:58 淡路島南ICのバス停を出発。
鳴門公園
9:03 鳴門公園口のバス停に到着。バスを降りると飛島が目に入る。
高速道路内にあるバス停から歩道を通って鳴門側へ進み、左の階段を上る。階段を上り切ると「大鳴門橋架橋記念館エディ」がある。
ここは後で来るとして、まずは「うず潮」を見るため観光船乗り場に向かう。
九十九折りの県道11号線を下りていく。途中のカーブから、船とたくさんの人が見える。
「あそこが観光船乗り場だろう。あんなに人がいるのか」
少し急足で坂を下りていくと「うずしおのりば→」の案内板があるので、ここを右折。
「うずしお汽船」に到着。チケット買う。1,500円也。なかなかいい値段だ。
正確な時間は覚えていないが、9:30頃の便に乗る。後側のデッキに乗ったが、満員で移動できないほどだ。
すぐに出発。大鳴門橋をくぐった先あたりで船の速度が緩まる。潮の流れがハッキリわかり、周囲の海面には何やら白い小さな波も立ち始める。
そして、その白い波は渦を巻き始めている。
「ウォー、せんたっきや!せんたっきや!」
と、どこからか関西兄ちゃんの大きな声が飛ぶ。ワザとらしく聞こえるので笑う。まぁー、確かにそんな感じもする。
そこかしこにうず潮が発生している。それほど大きな渦ではないが、それでも直径数mはあるだろう。
「せんたっきや!せんたっき!」
何度か、関西兄ちゃんの同じセリフが聞こえる。
ホントに驚いているのか、それともふざけてワザと言っているのかよくわからない。しかし、あの若い関西兄ちゃんの集団は何モノだろう。学生には見えないし、ちょっとヤンキー系な感じもする。
9:56 出港から30分ほどで港に戻る。間近でうず潮を見れたので、まずまず楽しめたと思う。
元来た県道11号線を戻る。県道11号線を上っている途中でさっき乗った観光船が見えるが、これまた超満員だ。連休中ということもあり、「うず潮」観光はなかなか人気があるようだ。
次はうず潮観光船と同じくらい行きたいと思っていた「渦の道」に向かう。そこは高さ45mの橋からうず潮が見れるらしい。
「大鳴門橋架橋記念館エディ」は素通りして、高速道路の下をくぐる。
10:10「渦の道」の入口に到着。入口は大鳴門橋の袂にある。
受付でチケットを買う。「大鳴門橋架橋記念館エディ」との共通チケットがあるのでそれにする。880円也。
早速、通路を進み、展望室へ向かう。通路は、高速道路の淡路島から鳴門に向かう車線側(南側)の間下にある。なので右側には海が広がっている。左側の反対側車線側にも保守用と思われる屋根のない柵だけの通路があり、それとの間からは海面が見える。
通路の両側は金網になっていて風も吹き込んでくる。
それにしても通路はかなり長く、先が見えない。パンフレットによると、通路は450mもあるらしい。
そんなことを思っていたら、椅子のあるちょっと広い休憩スペースに出る。ここの床は、一部がアクリル張りの窓になっていて、海面を覗けるようになっている。ここからうず潮が見れるようになっているようだ。
さらに通路を進み、ゴールの展望室に到着。展望室は南側だけでなく、北側にも行けるようになっていて、ぐるっと1周できるようになっている。
海面が見れる窓もいくつかあって、覗いてみると真上からうず潮がよく見える。岩礁も見えているので、水深も浅いようだ。そんなところに潮が流れているので、うずが発生しやすいのかもしれない。
うず潮だけでなく、周りの風景もよく見えるので眺めもイイ。
十分堪能したので、通路を引き返す。
「渦の道」を出て、2度素通りした「大鳴門橋架橋記念館エディ」に向かう。
10:40「大鳴門橋架橋記念館エディ」の入口に到着。
中を見学。展示やビデオ上映以外にも、シミュレータなどの体験コーナーもあっていろいろと遊べるようになっている。
そして屋上に上がると、そこは展望台。建物が円形なので、ぐるり360°の景色が眺められる。その中でも目の前にドカンと鎮座している大鳴門橋の眺めが一番イイ。薄曇りだった空も、いつもの間にか雲が取れて青空が広がってきている。
そして、高速道路上に陸橋が架かっていて、その先には山の上にある建物に向かってエスカレータか斜行エレベータがありそうな傾斜のある通路のようなものがある。
パンフレットを見ると、傾斜のある通路は「エスカヒル鳴門」というらしくエスカレータがあるようだ。それで上ったところに「鳴門山展望台」があるようだ。
「よし、次はあそこに行こう」
高速道路上の陸橋を渡り、階段を下りて県道11号線に出る。
「うずしお展望台」の看板のある店へ進むと、入口に「エスカレータのりば」と書いてあるので、ここが「エスカヒル鳴門」のようだ。エスカレータは東洋一らしい。何が東洋一なのかはわからない。
「エスカヒル」は「エスカレータ」と「ヒル(丘)」を組み合わせた造語だろうか。
受付で利用料金(300円也)を払って、早速エスカレータに乗る。エスカレータに乗るだけで料金を払うのはこれが初めてのような気がする。エスカレータは至って普通の、幅の狭いタイプだが、かなり長い。この長さが東洋一なのかもしれない。後で調べると、エスカレータの全長は68mもあるようだ。
エスカレータの周囲はガラス窓で覆われているので外を眺められるのだが、山肌の木々しか見えない。だいぶ上ったところで振り返ると海が見えるぐらいだ。
ようやく終点かと思ったが、そこは踊り場でエスカレータがもう一つ続いている。
ようやく終点の3階に到着。3分ぐらいエスカレータに乗っていたのではないかと思う。
3階から屋上展望台までは、階段かエレベータ。ここは階段で上る。
11:35 屋上360°パノラマ展望台に到着。
屋上に出た瞬間から、もうそこはゼッケー。まず何と言っても巨大な大鳴門橋が目に飛び込んでくる。
すっかり青空が広がり、大鳴門橋の他にも、鳴門海峡を行き交う貨物船やたくさんの漁船、灯台のある飛島、淡路島の山並み、遥か向こうに見える本州の高い山々が一望だ。淡路島の西側の山には、10台以上はある風車が見えたりもする。
そんな絶景なので、とりあえず写真を撮りまくる。
鳴門山から見た大鳴門橋
ふと見ると、隣の海側にも一段低い展望台があって、そこには望遠レンズを備えたカメラを三脚に取り付け、椅子に座ってシャッターチャンスを狙っている?数人のアマチュアカメラマンらしい人がいたりする。デカい「うず潮」でも狙っているのだろうか?あとで調べると、そこが「鳴門山展望台」と呼ばれているところだった。
一方、鳴門側も眺めがよく、手前には小さな港と海には無数の漁船、奥には四国の山並みがずっと広がっている。
どちら側も山ばかりで、日本は山ばかりだなぁと改めて思う。
さっきいた「大鳴門橋架橋記念館エディ」の展望台がかなり下に見える。ここは鳴門海峡を見渡せる一番高いところだろう。その名の通り360°絶景と言ってもいい。
10分ほど景色を堪能して、屋上360°パノラマ展望台を下りる。
次は「千畳敷展望台」の方に行ってみる。エスカレータは使わずに遊歩道を通って下りる。
12:03「千畳敷展望台」に到着。
「鳴門山展望台」よりかなり目線が下がったものの、大鳴門橋が近く迫力がある。
さて12時も過ぎて、いい時間になってきた。もう十分、大鳴門橋とうず潮を楽しめた。そろそろ戻ろうと思う。
タクシーを呼んで、乗り込む。運転手さんに「高速料金(1,150円也)も払っていただきますが」と聞かれ、もちろんOKする。
南あわじ
鳴門北インターまで行って、あっという間に大鳴門橋を渡り、昨日泊まった宿に戻る。これで「うず潮の旅」は終了。
宿で預かってもらった荷物を受取り、お礼を言って宿を出る。
12:50 淡路島一周の自転車旅を再開する。
12:57 県道477号線との分岐に到着。交差点にソロのロードバイカーが止まっている。携帯でもチェックしているのだろうか。
左折してこのまま県道25号線を進む。
小さな阿那賀の集落を抜け、丘を越えると海に出る。
13:06「緑の道しるべ 阿那賀公園」に到着。
湾の向こうに小さな島があり、そこに太鼓橋のようなアーチ橋が架かっている。島には鳥居があり、海岸には白い柵が見える。ツーリングマップルで確認すると、あの島は弁天島で海釣り公園があるようだ。
道幅の狭い丸山の集落を抜けると、海が一段と間近に迫る。波をかぶりそうなぐらい近い。後続車に気をつけて道幅の狭い1.5車線の県道25号線をのんびり走る。
少し内陸にある津井の集落に入ると、右の山の上に風車が見え始める。集落を抜けて振り返ると、山の上に見える風車は5,6台に増えている。あれは、鳴門山展望台が見えた風車の一部だろう。遠く見えた風車も、意外とあっさり超えてしまった。
西淡に入ると片側1車線の道路になるが、路肩が狭く交通量も多くなり、走りにくくなる。
県道31号線に入る。この後、「慶野松原」に行く予定だが、ツーリングマップルを見ても入口がどの辺なのかわからない。なので案内板に気をつけながら走る。
面白くない街中の道を走っていると、ローソンの手前で「←慶野松原」の案内標識を発見。そして、その案内標識が示す道の入口には「歓迎 慶野松原 中央入口」の大きなゲートがある。なんだか昭和時代の商店街や温泉街の入口みたいだ。
案内標識に従って左折する。突き当たりを右折してしばらく行くと、「慶野松原の名木 ↑万葉の甍(いらか)道 ←プロポーズ街道」の看板を見つける。
13:53「慶野松原」に到着。「万葉の甍道」の方に進む。
「プロポーズ街道」 というこんなところには似合わない名前もあるが、まぁ客寄せだろう。
中に入ると「名勝 慶野松原」の石碑があるが、真ん中に亀裂が入っていて折れたように見える。阪神淡路大震災で折れたのだろうか。
松林の中の遊歩道をゆっくり歩いて進む。人はほとんどいない。
10分かからずに遊歩道を抜ける。左折して海岸に出てみる。ここにも人はほとんどいない。天気が良ければ、海に沈む夕日が見れるだろう。今はまだ14時過ぎだし、西の空は薄雲で霞んでいる。
県道31号線に復帰する。
14:10 洲本に入る。
しばらく走ると、五色浜に出る。ここも道路の横はもう海で、道路から海に飛び込めるぐらいだ。眺めはイイのだが、相変わらず路肩が狭く、それなりに交通量があるので、のんびり海を見ながら走るという訳にはいかない。
海岸線から少し内陸に入ったところで「淡路サンセットライン」の標識を見つける。県道31号線は淡路島の西海岸線を走っているので、そう呼ばれているようだ。今日は宿までこの道を走るので、果たして夕日を拝めるだろうか。
高田屋嘉兵衛
五色の街に入り、しばらく行くと、左にある「高田屋嘉兵衛翁記念館」という看板が目に入る。「高田屋嘉兵衛翁」と言われても誰だがわからないので普通ならパスするところだが、宿まではもう10kmもなく、時間がかなり余っている。
ということで、ちょっと寄ってみる。
14:44「高田屋嘉兵衛翁記念館」に到着。住宅街の中にひっそりとあり、看板がなければ、誰も気づかないようなところにある。
中に入ろうという気まではならない。隣にあるトイレの男女標記が、江戸時代の町人のような絵になっているところが特徴的な感じ。
すぐに出発。
県道31号線に復帰し、少し北へ走ると「高田屋嘉兵衛翁生誕地」の石碑があり、そのすぐ先の交差点には「ウェルネスパーク五色 高田屋嘉兵衛公園→」という看板や案内標識が3つも出ている。
「『高田屋嘉兵衛』って誰?」
「高田屋嘉兵衛」推しが強い。公園があるようなので時間潰しにここにも寄ってみることにする。
右折してしばらく走ると上り坂が始まる。
「うぅ~ん。これはちょっと失敗だったかもしれない」と思いつつ、「もう少しだろう。もう少しだろう」と思いながら上る。結局なんだかんだと1km近くは上らされる。
14:56「ウェルネスパーク五色 高田屋嘉兵衛公園」に到着。
まず最初に「瀬戸内少年野球団」の像を見つける。「瀬戸内少年野球団」って、確か夏目雅子が出ていた映画だったと思うが、見た記憶はあんまりない。像の後ろにある広場ではちょうど親子がキャッチボールをしている。
「瀬戸内少年野球団」の像の近くには「日露友好の像」もある。 像には高田屋嘉兵衛翁とゴローニン提督と書いてあるので、高田屋嘉兵衛はロシアとの関係で何かしらの功績があったのだろうと想像する。
まだまだ時間があるので、「菜の花ホール」にある「高田屋顕彰館・歴史文化史料館」に入る。入館料500円也。
展示品など資料がたくさんあり、思いもよらぬほどじっくり見学することになる。というのも、高田屋嘉兵衛はここ五色生まれで、江戸時代後期に蝦夷地を行き交う北前船の廻船問屋をしていて、北海道の開拓と発展に大いに貢献した人ということを知ったからだ。
高田屋嘉兵衛は、蝦夷地にいるときに江戸幕府とロシアとのイザコザに巻き込まれたのだが、両者の仲介をして関係修復に尽力したとの事。それであの「日露友好の像」が建っているようだ。
北海道に関係している人とは思わなかった。無知で恥ずかしい、また一つ勉強になった。
「ウェルネスパーク五色 高田屋嘉兵衛公園」を出発、県道31号線に戻る。
江井
再び、海が間近の海岸線の道になる。前方の北の空は辛うじて青空が見えるが、西の空には薄い雲がかかっていて、ぼんやりと弱い光が差し込んでいる。果たして「淡路サンセットライン」の名にふさわしい夕日が観れるだろうか。
江井の街の出口にある今日の宿を発見する。事前に場所を調べていたし、県道31号線沿いにあるので全然迷うことはなかった。
まだ日没まで30分ぐらいあるので、港の方に行ってみる。が、相変わらず西の空は薄雲に覆われていて、ぼんやりと弱い光が差し込んでいるだけ。夕日には程遠い。
夕日を見るのは諦めて、集落にあるお店で買い物をして宿に向かう。
16:50 宿に到着。今日のお宿は「音羽旅館」。想像していたより立派な旅館で、広い入口には鯉が泳ぐ池と滝があり、ちょっとした日本庭園風になっている。
1泊2食で10,500円也。部屋は6畳の和室で、風呂とトイレは共同。自転車は広い入口の奥の方に置かせてもらう。
風呂に入って、晩飯にする。今日も海の幸が中心で十分満足。
部屋に戻り、2次会開始。明日は途中「北淡震災記念公園」に寄るが、あとは岩屋まで戻るだけ。時間もたっぷりあるし、もう明日の予定で特に考えることはない。
寝る。
走行時間:2h29m47s 走行距離:41.05km
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