6日目 2016年5月5日(木) -
今日は、昨日の強風で行けなかった島の西側を、フェリーの出港時間まで、できるだけ周る予定。
今日も天気はよく、ほぼ快晴。風も治まり、船は動いているようだ。
7:37 いつもより早めに宿を出発。まずは昨日と同じ県道44号線で都万を目指す。
昨日、突風で立ち往生しそうになった県道319号線との分岐では、風は少しあるものの、昨日とは比べものにならないほど海も風も穏やかだ。
都万
8:31 都万に到着。集落の入口には牛突きの像がある。西郷にも闘牛場があったので、あとで闘牛のことを調べてみると、隠岐の闘牛は日本最古の歴史があり、800年も続く風習とのこと。
少し先に舟小屋群が見えるので近くまで行ってみる。小さい船しか入らないようだが、今も使われているように見える。
それより、その奥に見えるH型の塔のようなものはなんだろう?テントで覆われているようにも見えるので工事中だろうか?よくわからない。
それと、これも後で調べてわかったことだが、吉田拓郎の歌に「都万の秋」という曲があるそうで、「都万」とは、ここ島後の「都万」のことだそうだ。
帰ってから「都万の秋」をYouTubeで聞いてみた。あの時代の世代ではないが、心にしみた…
8:35 都万を出発。都万を出ると、かたくりトンネルまでのぼるが、勾配は5%ぐらいとキツくない。かたくりトンネルには狭い歩道しかないが、距離が短く交通量もほぼ皆無なので、路肩走行で問題なし。トンネルを抜けると下る。
そろそろ壇鏡の滝への分岐だと思っていたところ、那久の集落の入口で、壇鏡の滝への案内標識が現れる。
9:04 標識通りに右折して壇鏡の滝へ向かう。ここから山登り、滝まではあと4.7kmだ。集落の中の川沿いの道は勾配が緩い(5%以下)が、集落を過ぎ田園地帯になるとだんだん急になってきて、森林地帯ではキツいところ(10%ぐらい?)も出てくる。
壇鏡の滝
9:34 壇鏡の滝の入口に到着。那久の集落の分岐から30分程かかった。入口の駐車場に車やバイクは止まっていないので、多分誰もいないだろう。壇鏡神社の鳥居を潜り、森の中の川沿いの道を5分程歩く。
9:38 壇鏡の滝に到着。正面に壇鏡神社があり、その両サイドの背後にある岩壁から滝が流れ落ちている。
滝が2本あるとは思っていなかった。あとで調べると、神社の左側が雌滝、右側が雄滝といい、雄滝は滝の裏側に入れるそうだ。その時は、そのことを知らなかったので、裏側には行っていない。
というか、その時は、時期的なせいか、雄滝の水量が少なく、落ちてくる間に水が飛ばされているようで、落ち際しか滝が見えない。裏側に行ったとしても、弱い雨のようにしか感じなかったかもしれない。
近くにある湧水のこともすっかり失念し、神社を一通り見学して自転車に戻る。
その途中、道の横に流れている川を覗いている男性(60代ぐらい)がいる。観光客には見えない。
挨拶を交わして通り過ぎようとした時、
「魚がいるんだけど…」
と話し掛けられる。
「そうなんですか」
と言って、自分も覗き込む。
その人は指を差して
「あそこ」
というが、よくわからない。
「あれはヤマメ」
という。
先を急いでいるので、どうやって会話を終わらせようかと考えてしまう。
が、話しているうちに、この人は地元の方っぽいことがわかり、こういう出会いも旅でしか味わえないことなので、しばらく話してみようと気が変わる。
その後も、
「やまめは肉食なので他の魚が川からいなくなってしまった」
ことや、
「昔、この辺の杉を切り倒して出雲大社に持っていったこと」
などを教えていただき、また一つ知識が増えた。
あと、自分から昨日の天気のことを聞いてみると、
「近代まれに見る天気で、空と海が全便欠航するのは、覚えがない」
と言う。やはり昨日は異常な天気だったようだ。
他にも、
「以前は隠岐でも(風が強いので)積もるほどではないが雪が降ったが、最近は全然降らない」
ことなども教えてもらう。
5分程、お話ししてお礼を言って別れる。いろいろ知っている方だったので、なんとなく元教師っぽい感じもした。聞いたわけではないので定かではない。
自転車まで戻ると、入口には車が2台止まっている。1台は会話した男性の車、もう1台は男性と話ししているときに滝の方へ歩いていった人の車だろう。
9:54 壇鏡の滝を出発。次は那久岬に向かう。一気に下って県道44号線まで戻る。しばらく走ると県道44号線は右に折れるが、そのまま直進する。10%越えの急坂を上って行くと、正面からの風が強くなってくる。
那久岬
10:17 那久岬に到着。といっても正確には岬ではなく、岬を見下ろせる高台だ。眼下に那久岬と灯台、海の向こうに島前の島並が見えて景色がいい。
ここは海を見下ろす高台のせいか、昨日の名残りもあるのか、風は強く、波も高い。
岬までは下り坂だが、戻りは上り、先を急ぐし、岬まで行かなくてもここからでも景色が十分いい(むしろここからのほうがいいかもしれない)。
ということで、岬まで行かずに出発することにする。次は油井の池を目指す。
県道44号線に戻るとすぐに横尾トンネルまでキツめ(7〜8%ぐらい)の上り坂が続く。上っている途中、見覚えのある車に抜かれる。多分、あれは壇鏡の滝に止まっていた車だろう。
横尾トンネルには自転車が1台通れる程の歩道があるが、交通量がほぼ皆無なので路肩走行で問題なし。
トンネルを抜け、左カーブの道を下っていくと、左手に駐車場が見える。駐車場には先ほど抜かれた車が止まっていて、その横で見覚えのある方がこちらに向かって手を振っている。
油井の池
10:40 油井の池に到着。手を振っていたのはやはり壇鏡の滝で話しをした方だった。せっかくなので一緒に油井の池の展望台に行く。
ここでも、
「この池は昭和40年代ぐらいまでは田圃だった」
ことや
「池ができた理由がよくわからず、火山の火口ではないか言われたきたこと」
などを教えてもらう。
池の周りに遊歩道があることも教えていただくが、
「今日は、15:30のフェリーに乗る予定で、その前にローソク島や白島展望台にもいきたいので時間がない」
ことを話し、遊歩道を周るのは丁重にお断りさせていただく。
それを聞いて、男性からは、
「ローソク島の展望台には県道44号線から立派な道が続いている」
ことや、
「白島展望台からの眺めは絶景なので、ぜひ行ってほしい」
と勧められる。
ただ、今の時間は11時少し前、フェリーの時間が15:10なので後4時間あるが、余裕を見て後3時間ぐらいと思っていたほうがいい。そうすると白島展望台は時間的に無理そうだ。
10:52 男性と別れて、油井の池を出発、ローソク島を目指す。油井の集落まで一旦下ると、大峰トンネルまでキツい(10%ぐらい)坂を上る。
その途中、後ろからクラクションとともに男性の車が追い抜いていくので、こちらも手を振って応える。
大峰トンネルは狭い歩道しかないが、交通量がほぼ皆無なので路肩走行で問題なし。
トンネルを抜けると長尾田まで一気にくだり、再び夢崎トンネルまで上る(7〜8%ぐらい)。夢崎トンネルも歩道は狭いが、交通量はほぼ皆無。ただ、トンネルが長いので後ろからの車には気をつける。
夢崎トンネルを抜けて次の新福浦トンネルの手前で、手掘りの福浦トンネルへの分岐がある。手掘りのトンネルを見てみたいが、ここも時間がないのでパスする。
新福浦トンネルも歩道狭く、交通量ほぼ皆無だが、トンネルが長めなので後ろからの車に気をつけながら走る。
11:30 五箇に到着。ローソク島に向かう道との分岐に、ローソク島展望台への案内標識がある。展望台はここから7km先だ。
左折して、しばらく進むと新代トンネルまでのちょっとした坂がある。トンネルを抜け、大きく右カーブしながらおりていくと代の集落に入り、東へ進む。
集落を抜け、少しのぼるとローソク島展望台の標識があり、左折する。ここから山登りコースとなり、展望台の手前まではほぼ上りで、キツいところは10%ぐらいある。
上っている途中、前から見覚えのある車が来た。壇鏡の滝と油井の池で話しをした方の車だ。車が止まる。男性が窓を開けて、
「展望台まで後5km程で、これからがキツい」
と言う。お礼を言って別れる。
自分も五箇の案内標識(ローソク島展望台7km)からここまで、サイコンで走行距離を確認しながら走ってきた。展望台までは残り3km程のはずだ。
その後、別の1台の車に抜かれる。
ローソク島
12:10 ローソク島展望台に到着。先ほど抜かれた車とバイク1台が止まっている。展望台に行くと、車の方と思われる男性が一人いる。
眼下の、木々の先にかろうじて、ギリギリ、ローソク島が見える。もう少し木々の葉が伸びたら見えなくなりそうだ。けれど、周りの海や海岸線はきれいで、さすがに眺めがいい。
観光パンフレットでは、もっと下から撮ったローソク島の写真が載っていて、撮影場所は間違いなくここではない。下にも展望台があるでは?と思い、探してみると、下っていく遊歩道がある。
案内板によると、ここから下の展望デッキまで850mもあるようだが、今日の一番の目的地なので、迷う事なく下りてみる。
遊歩道を下りはじめると、すぐにバイクスーツを着た男性とすれ違い挨拶を交わす。バイクの方はずっとのぼってきて疲れているようにみえる。
10分程で展望デッキに到着。ここからは間近にローソク島が見れる。「島」というより、「岩」といったほうがいいだろう。下の部分が波に削られていて、いずれ倒れてしまいそうだ。
夕陽があれば、ローソク状態になり、もっときれいだろうと想像がつく。ここまで自転車で来て、夕陽を見るには五箇か久見にあるキャンプ場に泊まるしかないだろう。
来た道を15分程のぼって、駐車場に戻る。フェリーの時間15:10まで、あと2時間少々、西郷までは1時間ちょっとかかると思うので、ほぼ予定通りだ。
12:52 ローソク島展望台を出発。西郷港に向かう。もと来た道を戻り、県道44号線から国道485号線に入る。少し時間に余裕があるし、腹も減ったので昼飯休憩をとる事にする。
13:30 郡にある「ストアーかみや」に到着。パンとジュースを買って、店の横にあるベンチに座って食べる。
13:35 店を出発。
13:37 水若酢神社前に到着。中には入らず、外から一の鳥居の写真を撮ってすぐに出発。順調に西郷に向かって国道485号線を南下する。
14:12 西郷まであと4kmの県道323号線との分岐で、後輪から異音とともにイヤな違和感を感じる。このイヤな感覚はパンクだ。下りて確認すると後輪がパンクしている。
「さて、どうするか?」
西郷のフェリーターミナルまではあと4kmほどで、出港まで1時間弱。パンクを直さなくても自転車を押しながら少し急ぎ足で歩けばギリギリ間に合う。
という手も一瞬考えたが、その考えはすぐに却下する。
というのも、フェリーに乗って、七類に着いたあとは、松江までの23kmを1時間10分で激走しなければならない。七類に着いてからチューブを交換している時間はないし、フェリー航行中も車両甲板は立入り禁止なのでチューブ交換は無理だ。やはり、ここでチューブを交換するしかないのだ。
14:14 水道局の施設の前ですぐにチューブ交換に取り掛かる。普通に作業すれば、十分時間はある。
交換しながら、この先をことを考える。
「フェリーターミナルに着くのが時間ギリギリなら、自転車を折り畳まずに船に載せよう」
「いや、待てよ。むしろそうしたほうが、七類で自転車を組み立てたり、荷物をキャリアに積んだりする時間が省けるので、いいのではないか?」
ということで、お金はかかるがフェリーには自転車を折り畳まずに、そのまま載せることにする。
14:34 チューブ交換完了、すぐに出発。残り30分なので間に合いそうだし、後輪も問題なさそうだ
西郷港
14:47 西郷のフェリーターミナルに到着。すぐに切符を買い、自転車を押して車両甲板からフェリーに乗る。運賃は2,920円だが、今回は自転車の手荷物代1,290円が加わり、あわせて4,210円也。やはり、時間に余裕があるなら折り畳んだほうがいい。
今回乗る船も「フェリーくにが」で、この旅3度目。というか、隠岐汽船のフェリーには3回乗ったが、すべて「フェリーくにが」となった。
15:10 西郷港を出港。今日は連休最終日なので、通路やデッキまでお客さんが溢れていて、船内の2等席など座れるはずもない。
デッキのベンチをなんとか確保する。とりあえず、座れてよかったと思っていたが、日が傾いていくにつれ、だんだん寒くなってくる。
そういうときはいつもレインウェアを着るのだが、いつもなら持っているレインウェアが入ったリュックは、七類に着いたらすぐに出発できるよう自転車につけたままだ。仕方がないので、風除けになるところに移動し、立ったまま寒さを我慢する。
時間があるので、5月7日に泊まる出雲の宿を探す。結局、5月6日と同じ宿に連泊することにする。
そして、七類港到着の少し前に、
「間もなく七類港に接岸します」
との船内アナウンスが流れ、すぐに出発できるよう、早めに車両デッキに下りて準備する。
松江
17:35 定刻通り、七類に到着。幸いにも、車より先に一番最初に自転車をフェリーから出してくれる。
フェリーから出ると、すぐに突っ走し始める。港を出ると国道485号線から県道37号線へ入るつもりだが、後続車はほぼ国道485号線へ左折して行くので、車間の隙間をついて気をつけながら県道37号線へ入る。
フェリーから出た車はほぼ国道485号線に行ったので、県道37号線の交通量は非常に少ない。アップダウンのある道だが、あとあと疲れが出ない程度に飛ばして行く。
17:58 県道152号線へ左折し、国道431号線に向かう。ここも交通量は少ない。
18:02 国道431号線に到着、右折する。交通量が増えるので、注意しながら進む。中海沿いは平坦なので快調に進むが、内陸のバイパス道に入るとアップダウンの連続でもどかしい。
18:43 朝酌川を渡り、なんとか日没時間の18:45前に松江市街に入る。ここまで来れば、街灯や店などの町あかりがあるので、急がなくても大丈夫だ。ゆっくり走る。
県道21号線、県道260号線を経由して街中に入り、「みしまやVerde中央店」で買い物をする。
19:22 宿に到着。今日のお宿は「ヤングイン松江」。なんといっても料金が格安で、1泊素泊まり2,600円也。部屋はシングルルームで若干狭い感じ。トイレは共同で、風呂はなく共用のシャワー室(無料)になるが、安いので何の不満もない。ただ、自転車は外の入口奥のスペースに置くしかない。
1階にあるスナックのようなところで受付する。チェックアウト時はカウンターに鍵をおいておけばいいとのこと。こういう安宿は貴重だ(しかし、2017年に閉館し、建物も取り壊されたらしい)。
走行時間:6h33m42s 走行距離:104.82km
平均速度:15.9km/h 最高速度:42.0km/h
広告
よしだたくろう / LIVE’73 [CD]
posted with カエレバ
楽天市場
Amazon
Yahooショッピング
7net
Wowma
価格.com
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメント欄