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早期退職に備え住民税を調べておく②

早期退職 退職&Uターン

早期退職に備え住民税を調べておく」の続き。

所得割額は、前回のブログで示した通り以下で計算する。

(前年中の所得所得控除)×税率税額控除

・所得控除

所得控除の種類は、寄付金控除を除き所得税と同じ。寄付金控除は税額控除の扱いになる。

控除額は雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除については所得税と同じだが、それ以外は異なるので注意が必要。

例えば、すべての人に認められている基礎控除額は所得税では38万円だが、住民税では33万円になる。

*令和2年度以降の基礎控除額(所得2,400万円以下の場合)は、所得税で48万円、住民税で43万円になる。

・税率

税率は以下となる。

(平成29年度)道民税:4%、市民税:6%

*(平成30年度以降)道民税:2%、市民税:8%

税額控除

・税額控除

税額控除には、調整控除、配当控除、住宅借入金等特別税額控除、寄付金税額控除、外国税額控除、配当割額・株式等譲渡所得割額の控除がある。

今後の自分に関係がありそうなのは、①調整控除、②配当控除、③寄付金税額控除、④配当割額・株式等譲渡所得割額の控除だろう。

①調整控除は以下のように計算する。

・課税所得金額の合計が200万円以下の場合

次の(1),(2)のいずれか少ない金額の5%(道民税3%、市民税2%)(*令和5 道民税4%、市民税1%

(1)人的控除額の差の合計額
(2)課税所得金額の合計

・課税所得金額の合計が200万円超の場合

{人的控除額の差の合計額−(課税所得金額の合計−200万円)}5%

ただし、{人的控除額の差の合計額−(課税所得金額の合計−200万円)}5万円未満の場合は5万円の5%(=2,500円)とする。

人的控除額は、配偶者控除や配偶者特別控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、扶養控除、障害者控除、基礎控除といった人的な控除のこと。

人的控除額の差とは所得税と住民税の控除額の差のことで、例えば基礎控除だけの場合は5万円(=38万円-33万円)になる。

②配当控除は、総合課税を選択すると適用される。控除額は以下の通り。

配当控除額=配当所得額ー下表の配当控除率

種類

課税総所得のうち配当所得が含まれる部分

控除率

市民税

道民税

利益の配当

1,000万円以下

2.24%

0.56%

1,000万円超

1.12%

0.28%

外貨建等証券投資信託外

1,000万円以下

1.12%

0.28%

1,000万円超

0.56%

0.14%

外貨建等証券投資信託

1,000万円以下

0.56%

0.14%

1,000万円超

0.28%

0.07%

③寄付金税額控除で、自分が関係しそうものはいわゆる「ふるさと納税」の控除ぐらいだろう。寄付金税額控除には基本控除額と特例控除額がある。

・基本控除額

(寄付金-2,000×10%

寄付金は総所得額の30%が上限

・特例控除額

(寄付金-2,000)ー基本控除額ー(寄付金-2,000×所得税率×1.021

所得税率は所得税のブログに書いた表の税率(b)の値、1.021は復興特別所得税分のこと。

基本控除額と特別控除額を合わせると、

(寄付金-2,000×1-所得税率×1.021

所得税の寄付金控除は「(寄付金−2,000×所得税率×1.021」と計算されるので、合計した控除額は「寄付金−2,000円」とよく知られた額になる。

④配当割額・株式等譲渡所得割額の控除

一定の上場株式の配当等については他の所得と区分して配当割として、特定口座内の株式等の譲渡については他の所得と区分して株式等譲渡所得割として、それぞれ税率5%で特別徴収される。この特別徴収された配当割や株式等譲渡所得割を申告した場合、所得割として課税され、所得割から配当割や株式等譲渡所得割が控除される。

以上、住民税を調べてきたが、会社を早期退職した翌年の住民税は、最後の2年間の給与に大幅な変動がなく給与以外に収入がなければ、最終年の給与明細や源泉徴収票に書いてある額と大きな違いはないだろう。

翌々年以降については、自分に関係する所得と控除の種類をきちんと把握して計算しようと思う。

公開日:201743108
更新日:202312271200

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