*以下の内容は2017年公開当時のiDeCoの制度で、2022年度に一部改正された。改正内容については次回のブログで記載する。
退職金のうち、まずは確定拠出年金(DC)分の受取方法について考える。
DCは基本的に途中解約はできず、60歳まで資金を引き出すことはできない。退職後は、企業型DCから個人型DCに移行するしか選択肢はなく、資金を引き出すことができるのは60~70歳未満になる。
問題はそれを一時金として全額受け取るか、それとも年金として受け取るかだ。
一時金として受け取る場合、DC分は退職所得に該当する。退職所得控除の勤続年数は、DCの掛金拠出年数になる。
ここで気をつけることは2つ。
1つ目は、勤続年数は掛金拠出年数であり、掛金を拠出せずに運用だけの期間は含まれない。
2つ目が重要で、掛金拠出年数のうち受け取る前年から遡って14年以内に別の退職金を受け取っていると、その退職金をDC分に含めて退職所得控除を計算することになる。
その別の退職金が退職所得控除の額を上回っている場合、すなわち退職所得控除を既に使い切っている場合、DC拠出期間とその別の退職金を受け取った会社の勤続期間が重複する年数(1年未満の端数は切り捨て)はDC拠出年数から差し引かれる。
自分の場合はこれに当たる。
例えば、企業型DCを35歳に加入、47歳で退職して退職金を受け取る。退職後、企業型DCから個人型DCに移行して60歳まで拠出を継続、そして60歳にDC分を受け取るとする。
DCの拠出年数はトータルで25年だが、前職の勤続期間と重複する47歳までの12年分(企業型DCでの拠出期間分)は差し引かれる。
退職所得控除は、
{800万円+70万円×(25-20)}-(40万円×12)=670万円
となる。計算式はこちら。
60歳でDCの残高がこれ以上であれば、税金がかかってしまう。それなら公的年金のない60歳から5年間の年金給付にしたほうがいいのではないかとも考えたが、もっといい方法があった。
それは、前職の退職金受け取りから15年以上経ってから、DC分を受け取るということ。
DCの退職所得控除の掛金拠出年数は前職の勤続期間に関係なくなり、拠出した全年数になる。再度、退職所得控除の恩恵を目一杯使えるようになるのだ。
例えば、企業型DCを35歳に加入、47歳で退職して退職金を受け取る。企業型DCから個人型DCに移行して60歳まで拠出を継続、そして62歳にDC分を受け取るとする。
退職所得控除は、
800万円+70万円×(25-20)=1,150万円
となる。
受け取りを2年遅らせれば、退職所得控除は480万円も増える。2年分の口座管理手数料(運用指示者なので、64円/月×24ヶ月=1,536円)がかかるが、控除額に比べれば微々たるもの。
一方、公的年金のない60歳から5年間の年金給付にすることも考えられるが、確定給付年金(DB)分も年金で受け取ることを考えているので、税金や社会保険料が高くなりそうだ。
とりあえず、DC分は早期退職して15年後の62歳以降に一時金として受け取ることにする。
公開日:2017年8月13日11時50分
更新日:2024年2月5日12時00分
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