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‘19 夏の根室・釧路・十勝 キャンプ旅⑧ 霧多布〜厚岸

2019年 自転車旅 北海道

7日目 2019年8月3日(土)       -

4時頃、目が覚めトイレにたつ。外は濃い霧が立ち込めていて、日の出の時間は過ぎているはずだが、まだ少し暗い。

トイレの後、炊事場に干していた洗濯物を見に行くと、やはりびしょ濡れになっている。また濡れるかもしれないが、絞って洗濯紐にかけておく。どこに置いても濡れるので、こうしておくしかない。

テントに戻り、二度寝して、5時過ぎに起き出す。まだ霧が出ているが、だんだん日も差しはじめる。炊事場の洗濯物を日が当たる位置にかけ直す。

テントの中を片付け始めるが、やはり昨日見当たらなかった地図や地図入れはなく、他にも帽子のクリップ、ポケットティッシュ、メガネ拭きがなくなっている。

クリップ以外はズボンのポケットに入れているものだ。昨日のことを思い出すと、ズボンは温泉の脱衣所で履き替えた。その時、ポケットに入っていたものは、外に出して脱衣所のかごに入れたことは記憶している。

が、脱衣所を出る時に持って出た記憶がない。そのままにして忘れてしまったようだ。あとで温泉に電話して忘れ物がなかったか聞いてみることにする。

もし、あれば取りに行こう。温泉は「アゼチの岬」に行く時に前を通るので、その時取りに行けばいい。

テントの中の荷物をまとめて、ゴミを捨てる。ここのキャンプ場は無料にもかかわらず、大きなゴミ箱があってありがたい。

霧多布

6時を過ぎると、霧はかなり晴れて、天気がよく、テントサイトから見える景色もいい。霧多布岬も昨日の夕方より眺望がいいはずなので、行ってみよう。

朝の霧多布岬キャンプ場
朝の霧多布岬キャンプ場

6:27 霧多布岬へ向け、歩いてキャンプ場を出発。キャンプ場の駐車場には車中泊の旅行者でいっぱい。道外ナンバーばかりだ。

霧多布岬への遊歩道に行くとやはり霧はなく、海上に少し霞んでいるところがある程度だ。昨日は周囲が全然見えなかったが、今朝は海や周りのいい景色を見ながら、遊歩道を岬に向かって下りていける。沖にはたくさんの船が出ている。昆布漁だろうか?

霧多布岬に続く遊歩道
霧多布岬に続く遊歩道

朝の散歩を楽しんでいる人も多い。

ただ、岬方向は逆光になるので、写真を撮るには条件がよくない。

霧多布岬
霧多布岬

7:02 キャンプ場に戻る。

テントを撤収していると、昨日、話した男性がやってきて話しかけられる。

男性:「今日はどちらまで?」

自分:「厚岸までです。ちょっと近いですけど、その先、ちょうどいい距離にキャンプ場がないので」

男性:「厚岸から先のキャンプ場というと…」

自分:「キトウシに有りますが、近くに店も温泉もなく、ワイルド過ぎると聞いたので、そこはやめておくつもりです」

男性:「ワイルドかぁ〜、確かにあそこはちょっとねぇ…」

自分:「厚岸だと40kmも離れていないので、今日は霧多布湿原など寄り道しながら、のんびり行くつもりです」

男性:「霧多布湿原には木道もあるので、行ってみるといいですよ」

自分:「ありがとうございます。そうしてみます」

テントは霧でかなり濡れているので、時間がかかるが、乾かしながら撤収していく。今日は、時間に余裕があるので出発は遅くてもいい。

8時半頃、温泉「ゆうゆ」に電話してみる。

自分    :「昨日、そちらの温泉を利用したものです。ケースに入った紙の地図を忘れたみたいなんですが、そういう忘れ物はなかったでしょうか?」

温泉の人  :「ちょっとお待ちください」

別の温泉の人:「ティッシュとかと一緒にあったものですか?」

自分    :「あっ、そうです。これから取りに行きたいのですが、開店前に伺っても大丈夫でしょうか?」

別の温泉の人:「大丈夫ですよ。入口で声をかけてください」

自分    :「ありがとうございます。それでは伺わせてもらいます」
地図があるかどうかはわからないが、やはり、温泉に忘れていたようだ。

8:47 キャンプ場を出発。今日はまず、昨日、霧でパスしたすぐ近くの霧多布岬展望台に向かう。

8:52「霧多布岬展望台」に到着。広い展望台にのぼると、眺めがよく、湯沸岬灯台や浜中湾、対岸の街並みや風車もよく見える。

展望台から見る霧多布岬
展望台から見る霧多布岬

浜中湾と対岸の景色
浜中湾と対岸の景色

9:00「霧多布岬展望台」を出発。忘れ物を取りに天然温泉「ゆうゆ」に向かう。

9:11 温泉に到着。入口は開いていて、ロビーで掃除機かけしている男性がいるので、声をかけてみる。

自分:「あのー、朝電話したもので、忘れ物を取りにきたのですが」
すると、その男性は掃除機をとめ、受付から買い物袋を持ってこちらに来る。

男性:「これですかね?」
袋の中を覗くと、ケースに入った地図やティッシュ、メガネ拭きが入っている。

自分:「あっ、これです。どうもありがとうございます」

男性:「いえいえ」

温泉を出て、袋の中を確認すると帽子のクリップは入っていなかった。地図やティッシュ、メガネ拭きは脱衣所のカゴに入れたが、クリップはリュックなどの荷物と一緒にコインロッカーに入れたような気がするので、見つかっていないのだろう。

それは仕方がない。地図やケースなどが戻ってきたことに感謝する。

9:13 温泉を出発。「アゼチの岬」に向かう。近くでクレーン車やダンプトラックが止まっていて何やら大掛かりな工事をしている(あとで考えると、これは津波対策として役場などを高台に移転するための工事ではないかと思う)。

9:20「アゼチの岬」の駐車場に到着。キャンプ場の駐車場から溢れたのか、ここにもキャンピングカーが3台止まっている。ここはトイレもあるので、十分車中泊できるし、しかも景色がいい。自転車を止め、歩いて展望台に向かう。

9:23「アゼチの岬展望台」に到着。琵琶瀬湾、そして湾に浮かぶ小島、その向こうに嶮暮帰(けんぼっき)島を望むこの眺めは、すばらしいの一言。この旅で一番の風景だ。そんな景色にもかかわらず、自分以外はだれもいない。

アゼチの岬と琵琶瀬湾
アゼチの岬と琵琶瀬湾

海に挟まれた霧多布の街
海に挟まれた霧多布の街

ちなみに嶮暮帰島は、その昔、ムツゴロウ動物王国があった島で、今は無人島になっている。

9:32「アゼチの岬」を出発。温泉への道には戻らず、最初の丁字路を左折して最短路で霧多布の街へ向かう。

急坂を下りるとそこは「小松牧場」。昨日、温泉で飲んだ「小松牛乳」はここで育った牛のもので、牛乳もここで製造しているらしい。

街へ出て、総合文化センターの横を通過。建物の中をみると、椅子があって休憩できそうなスペースがある。あそこで朝飯のおにぎりでも食べよう。

セイコーマートでおにぎりを買う。

9:47 総合文化センターに到着。この時間なので入口も開いている。中に入ると、1階は主にルパン三世の展示である「モンキーパンチコレクション」になっている。その奥のキッズルームの前に椅子があるので、そこで朝飯を手早く食う。

その後、1階や2階への階段にも続く展示を見て周り、トイレも済ませる。

モンキーパンチコレクション
モンキーパンチコレクション

10時頃になると、職員の方らしき人が集まり、センターの入口に受付みたいものができた。なにかイベントでもあるのだろうか。よくわからない。

霧多布湿原

10:07 総合文化センターを出発、「霧多布湿原」へ向かう。

道道1039号線から道道123号線に入り、道道808号線へ右折すると、道の両側は一面が見渡す限りの湿原。ここが「霧多布湿原」だ。

あたり一面湿原だけの直線道を走る。そのためか、このあたりの道道808号線は「MG(Marshy Grassland)ロード」いうらしい。

「MGロード」の先、湿原の端にある高台に大きな建物が見える。あれが「霧多布湿原センター」だろう。

MGロード
MGロード

10:33「霧多布湿原センター」に到着。中に入ると、夏休みということもあり、1階の図書スペースのようなところで、子供とそのお母さんらしき人が絵を描いているのか、何かを作っているのかしている。

2階は喫茶ルーム兼展望室になっていて、見頃の草花や生息している野鳥などの湿原情報も掲示されている。今朝は近くにある巣でタンチョウの親子の姿が見え、数日前には近くの林道でヒグマが目撃されたようだ。

窓から外をみると、湿原の向こうに板のような霧多布と嶮暮帰島、そして小島が見える。

霧多布湿原と遠くに嶮暮帰島
霧多布湿原と遠くに嶮暮帰島

そんな時、センターの前にある原っぱのようなところを夫婦らしい人がセンターに向かって歩いてくる。あれが散策道だろうか。

左手には木道の休憩スペースがあり、男性が一人見え、原っぱのほうに入って行く。さらにまた男性一人が同じ方向に入っていく。これは散策道に間違いないだろう。自分もそちらに行ってみる。

センターを出ると、遊歩道への案内板があり、階段を下りる。木道の休憩スペースまで来ると、先ほど窓から見えた一人の男性が遊歩道から引き返して来る。

その遊歩道に入ってみると、湿原ではなく、草木が生い茂る完全な原っぱで少し歩くと林道に出てしまう。林道を渡った先に遊歩道が続いていて、その先に湿原があるのだろう。あとで調べると「やちぼうず木道」という散策道があるようだ。

だが、林道に出たところで、これ以上先へ行っても特別、見晴らしが良さそうにも思えないので、林道を通ってセンターに引き返す。

トイレと水補給をしてセンターを出ると、ボディにルパン三世のイラストが書いてある車がやってくる。どうやらハイヤーのようだ。「ルパンハイヤー」まであるとは思わなかった。

ルパンハイヤー
ルパンハイヤー

琵琶瀬木道

10:59「霧多布湿原センター」を出発。「MGロード」を引き返す。

この先、店がなさそうなので、道道123号線の交差点にあるセイコーマートで昼飯のパンを買っておく。

道道123号線へ右折して、しばらく走ると、右手に建物と駐車場、そしてその奥に湿原に向かってまっすぐ続く木道を発見する。

木道の両側は開けていて、景色もよさそう。散策している人も結構いる。

「霧多布湿原センター」では散策しなかったので、行ってみることにする。

11:29「琵琶瀬木道」の入口に到着。木道前にある「やちぼうず」というカフェの横に自転車を止める。後で調べると、この建物は以前「霧多布湿原ナショナルトラスト」のインフォメーションセンターだったようで、現在は、ここより少し南に移動したようだ。

「琵琶瀬木道」は広い湿原を貫いているので、湿原の中を歩く感じ。名前はわからないが、白い花、紫の花も咲いている。

琵琶瀬木道
琵琶瀬木道

霧多布湿原に咲く花々
霧多布湿原に咲く花々

木道は、途中からウッドチップの道になる。ゴールは泥川の手前にあるちょっとした展望台で、入口から500mほどだ。川の向こう側にもまだまだ湿原が広がっている。

泥川と霧多布湿原
泥川と霧多布湿原

木道を引き返す。年配のご夫婦が、草花の写真を撮りながら散策している。特にご主人の方が、写真撮りに夢中で、時々奥さんに置いてけぼりされている。

「琵琶瀬木道」の入口に戻る。タンチョウなどの野鳥を見ることはできなかったが、広大な湿原の中を、景色を見ながら歩けて十分楽しめた。

11:56「琵琶瀬木道」を出発。次は「琵琶瀬展望台」へ向かう。

琵琶瀬展望台

琵琶瀬の街を抜け、上り坂を登りきると周囲は草原地帯になり、右手には「霧多布湿原」が見えてくる。

道路の右脇に少し先へ入っていけるところがあるので行ってみると、眼下に「霧多布湿原」が広がっている。時折、タンチョウの鳴き声も聞こえるが、姿は見えない。

霧多布湿原①
霧多布湿原①

12:18「琵琶瀬展望台」に到着。展望台は道道123号線の海側(南側)にある。駐車場はたくさんのライダーで賑わっている。

展望台に上ると、北側に霧多布湿原、南側に太平洋が広がり、2つのいい景色が眺められる。

特に、北側の緑の絨毯が広がる湿原と、そこを蛇行しながら流れる一番川と二番沢川、琵琶瀬川の眺めがいい。

ただ、ここの展望台は、霧多布湿原との間に道道123号線があり、反対側にも駐車場があって、写真を撮るにも景色を眺めるにも少し中途半端で残念な位置にある。

立地の際には色々制限もあったと思うが、道道123号線の北側に展望台があったほうが、霧多布湿原の眺望はもっとよかっただろうと思う。

霧多布湿原②
霧多布湿原②

霧多布湿原③
霧多布湿原③

駐車場の海側に少しだけ遊歩道のようなところがあるので、そこも歩いてみる。

12:25「琵琶瀬展望台」を出発。

北太平洋シーサイドライン

12:46 火散布(ひちりっぷ)に到着。パンを食べながら休憩する。火散布を出発し、トンネルを抜け、藻散布(もちりっぷ)川にかかる橋を通過する。

12:59 右手の藻散布沼にタンチョウが1羽いるのを発見。タンチョウを見かけるのはこの旅で3回目だが、距離は過去2回より近い。逃げないよう、あまり近づかないで写真を撮っておく。

藻散布沼のタンチョウ
藻散布沼のタンチョウ

13:18「涙岬」の駐車場を通過。「涙岬」へは500mのダート道を歩かないといけないらしいので当初からパス。

しばらく走ると森を抜けて草原地帯になり、海岸線のいい景色が見える。その後、再び森の中のアップダウンの続く道となり、淡々と走るだけになる。

道道123号線沿いの海岸線
道道123号線沿いの海岸線

13:56「原生花園あやめヶ原」の駐車場に到着。「あやめヶ原」は、駐車場からの距離が1km以上と遠いらしいが、草原には草花が咲き、岬からの眺めもいいらしいので行くつもりでいた。

が、駐車場には車やバイクは1台もおらず、人気は全くない。周辺の森は熊がいつ出てもおかしくない雰囲気で、駐車場から「あやめヶ原」へ向かう道の入口には「熊出没」の注意看板も立っている。霧が出てきたこともあり、「あやめヶ原」もパスする。

これで今日の予定は、厚岸のキャンプ場に向かうだけ。時間があれば、「別寒辺牛湿原」まで足を伸ばそうと思っているが、時間的に行けるだろうか?

14:19 長い下り坂を下りて道道955号線との交差点に到着。キャンプ場への道を確認する。もう少し先で左折のようだ。

厚岸の郊外に入ると、路肩が狭くなり交通量、特にトラックが増える。道道955号線に合流する前はほとんど見かなかったので、トラックは床潭方面から来るのだろう。

しばらく走ると、左側に広いパーキングがあるので、もう1度キャンプ場への道を確認する。次の信号で左折のようだ。

キャンプ場への交差点で左折し、ゆるい坂を上る。右カーブの途中で左折し、道なりに進む。

筑紫恋キャンプ場

次の交差点で左折、キャンプ場はこの先のはず。しばらく走ると右手前方にバンガローらしき建物がみえてきた。あれが多分、キャンプ場だろう。

14:42「筑紫恋キャンプ場」に到着。

道路側の周囲が木の柵で囲われている。熊か鹿でも入ってくるのだろうか。

広いキャンプ場は週末にもかからず、3,4組程度しかいない。なんでだろう。近くに温泉施設がないからだろうか。

受付で手続きする際に管理人さん聞いてみる。

自分   :「外の柵は熊か他の動物避けですか?」

管理人さん:「熊は出ないけど、鹿が入ってきて困っている」

自分   :「(キャンプ場は)空いているようですね」

管理人さん:「今日来ているのは、今のところ4組ですね」

自分   :「近くに温泉か入浴施設はありますか?」

管理人さん:「一番近い温泉は、霧多布の温泉です」

自分   :「キャンプ場のシャワーはいくらですか?」

管理人さん:「10分で320円です」

自分   :「10分でお湯も水も止まるのですか?」

管理人さん:「そういう自動で止まるものではなく、普通の家にあるシャワーと同じで手動で止める。10分という時間もあくまでも目安で、お客さんの裁量にお任せしている」

自分   :「わかりました。では、そのシャワーを使いたいのですが、どうしたらいいですか?」

管理人さん:「シャワー室はあそこの建物の中にあります。鍵がかかっているので、使うときは私(管理人さん)に声をかけてください。シャワー室の利用券を発行するので、その時に渡してください」

自分   :「シャワーは何時まで使えますか?」

管理人さん:「夜の8時までです」

キャンプ場の使用料210円と一緒に、シャワー室の利用券320円を支払う。

ついでに厚岸名物の年中食べられる「牡蠣」のことを聞く。

自分   :「厚岸で牡蠣を食べようとしたら、どこがオススメですか?」

管理人さんは、厚岸の手作り地図を出してくる。

管理人さん:「橋(厚岸大橋)を渡ったところにある漁協のお店か、その先の寿司屋かな。あとはちょっと離れているけど道の駅。どこの店も橋を渡らないといけないけどね」

自分   :「ありがとうございます」

管理人さんから、見せてくれた地図をいただく。第1候補は漁協、第2候補は道の駅あたりだろう。寿司屋さんは高そうなのでパスする。

まずはテントを張ることにする。テントサイトはかなり広く、空いているので好きなところに張れる状況だ。ただ、キャンプ場の中心にバンガローやバーベキュースペースが集中しているので、そこは避ける。

そして、いつものように、他のテントからも少し離れたところで、トイレや炊事場からあまり遠くないところを探す。

いろいろ迷った挙句、炊事場には近いが、トイレからは少し離れたキャンプ場の奥に張ることにする。

少し離れたところにテントが一張りあるが、人気がない。しばらくして、そのテントの横に車が乗り入れてくる。その人がテントの主だったが、ここはテントの横まで車の乗り入れができるようだ。

テントを張り終える。「別寒辺牛湿原」へ行くのは時間的に厳しそうなので、「牡蠣」食いと買い物に出かける。

厚岸

15:47 キャンプ場を出発。まずは中心部に行くため、「厚岸大橋」へ向かう。その途中に、セイコーマートを発見、ここがキャンプ場から一番近い店のようだ。

「厚岸大橋」に到着。歩道がなかったり、路肩が狭くないか懸念していたが、両側に自転車も通れる幅の歩道がついている。

欄干に海鳥(ウミネコかカモメ)がたくさんとまっていて、走って近づくと順番に飛び立っていく。

橋を降りると、左手に漁協の直売店(あとで調べると「エーウロコ」というらしい)を発見。まずはここを探索しようと思ったが、店の前の看板をみると、営業時間は16:00まで。

時計をみると16:08なので断念。第2候補の道の駅に向かうため、地図で場所を確認する。国道44号線と道道123号線の交差付近にあるようだ。

なるべく交通量の多い道道を避け、住宅街を走る。途中、道を間違って厚岸駅近くまで行ってしまう。引き返して踏切を渡り、道道123号線の高架に上がる。

道道123号線に上がると、すぐ右手に道の駅の入口を発見。入口から道の駅へさらに上る。

16:20「道の駅 厚岸グルメパーク」に到着、「コンキリエ」という施設に入る。ここはテレビでみたことがあり、確か食事処があったはず。

1階には売店しかないが、蒸し牡蠣が2個500円で売っている。2階に上がると、3軒ほどのお店がある。

ところが、店の入口に張り出されているメニューをみると、どこのお店も生牡蠣1個300円とかなりいい値段がする。コース料理などは自分にしてみれば天文学的な値段だ。

1年中食べられるとはいえ、さすがにこの時期の牡蠣は高いのだろう。

食事処での晩飯はやめて、1階の売店で「蒸し牡蠣2個500円」を買い、テーブル席で食う。他にもお客さんは結構いるのだが、他の方はソフトクリームを食べているぐらいで、牡蠣を食べているのは自分ぐらいだ。

気にせず、30秒もかからずに片付ける。久しぶりに食べたが、やはりうまい。

食後、外に出て周辺を眺める。道の駅は高台にあるので厚岸の街を見下ろせるようになっている。厚岸大橋や対岸もよく見える。

厚岸の街並み
厚岸の街並み

16:40 道の駅を出発。晩飯を食べなかったので、買い物をしてキャンプ場に戻ることにする。ここに来る時に厚岸大橋の袂でスーパー「フクハラ」を見つけていたので、そこに向かう。

スーパー「フクハラ」で晩飯を買い、外に出ると地元のおばちゃん方が口々に「暑い、暑い」と言っている。

自分は、まだ内地にいた頃の暑さになれているせいか(それとも年のせいか)、27, 28℃程度にまで下がった今の暑さは、暑いと感じない。が、いつもは夏でも25℃にいかない、ここら辺りにしては、かなり暑い日が続いていることは確かだ。

再度、厚岸大橋を渡り、晩酌を調達するため、来る時にみつけたセイコーマートに向かう。

厚岸大橋から見る厚岸湖
厚岸大橋から見る厚岸湖

セイコーマートの手前まで来ると、店の駐車場からリアのサイドバッグをつけ荷物満載の自転車が出てくる。間違いなくチャリダーだ。キャンプ場の方向に走っていく。

筑紫恋キャンプ場

セイコーマートで晩酌を調達し、キャンプ場に向かう。

17:34 キャンプ場に戻る。管理棟から自分のテントに向かう途中、セイコーマートで見かけたチャリダーが、自分のテントと車を乗り入れていたテントの間に、自転車を止め、座っている。あそこにテントを張るのだろう。

それとは別に、自分のテントのすぐ隣に車が止まっていて、その横に大きなテントが新たに張ってある。買い物に出ている間にやってきたようだ。しかもそのテントは、子供2人いる家族連れだ。

こんなに広いテントスペースがあるのに、よりによってなんですぐ隣にテントを張るのか理解できない。ソロのチャリダーやライダーなら騒ぐ事はまずないので問題ないが、子供がいる家族連れは、夜遅くまで騒がしいという話しをよく耳にする。心配だ。

いまさらテントを移動させる気もないので、騒がないことを願うだけだ。

テントに戻り、まずは炊事場で洗濯する。

その後、シャワーに向かう。シャワー室の鍵をもらいに管理棟に向かう途中、キャンプ場利用券の半券を拾ったので、管理人さんに届けておく。管理人さんが半券に印字した番号を確認すると、どうやら落としたのはもう一人のチャリダーのようだ。

シャワー室にはすでに先客がいて鍵は空いており、シャワー室も3つあるので入れるとのこと。管理人さんにシャワー室の使用券を渡し、シャワー室まで案内してもらう。

シャワー室のある建物に入ると、管理人さんが示したシャワー室のドアを開ける。すると、なんと裸のおっちゃんが目の前に立っている。

自分:「あっ、すいません」

と謝って、ドアを閉める。間違えて開けてしまった。

ところが、

管理人さん  :「ここ(今開けたドア)から入ってください。その中にシャワー室が別々に3つあります。ただ、脱衣所は共同なので、入ったところで着替えてください」

すると中からドアが開く。

中のおっちゃん:「どうぞ入ってください。ここが入り口ですから」

自分     :「突然開けてしまい、すみません」

中のおっちゃん:「イヤイヤいいんですよ。こんなおじさんなので、見られたところでなんでもないですよ」

自分     :「ノックぐらいしないといけなかったです。すみませんでした」

手早くシャワーを浴びる。シャワーからでると、さっきのおっちゃんが入っていた隣のシャワー室の照明がついていたので、一緒に消しておく。

着替えもいれても15分かからず、シャワーは終了。

テントに戻る途中で、セイコーマートで見かけたチャリダーは、テントも張らずに横になっている。

もうかなり暮れて暗くなっているのにテントを張らないつもりだろうか。それとも最初からテントを持っていないのだろうか。よくわからない。

テントに戻り、シャワーで着替えた下着類を炊事場で洗濯する。隣の家族連れはバーベキューを始めている。お父さんはせっせと肉や野菜を焼いていて、子供たちも大きな声で騒ぐことはなく、楽しんでいるようだ。

キャンプ場のお客さんは最初に来た時より、倍ぐらいに増えているが、テントサイトが広いので、まばらだ。

自転車のハンドルとリアキャリアの間に、走行中はリュックの固定に使っているゴムロープを張り、洗濯物を干しておく。今日も乾かないだろう。

テントで晩飯&晩酌をしながら、明日の予定を考える。まず眺望がよさそうな愛冠岬に行こう。その後、国道44号線に出て西へ走り、尾幌で難読地名ラインの道道142号線に入って、釧路に向かう。

尻羽(シレパ)岬に行きたいところだが、岬にたどり着くには、道道142号線から駐車場までのダート道4kmと、さらに駐車場から岬までの約1.5kmを歩かないといけないようだ。徒歩で往復すると3時間程度かかるので、今回はパスする。

釧路ではできるだけ市街地を避けて走り、ゴールの鶴居村のキャンプ場に向かう。その途中にある「釧路市湿原展望台」も寄ってみたいが、ツーリングマップルには「有料展望台」と書いてある。本当だろうか?

念のため寄ってみて、無料で湿原が見れそうなら、見てこようと思う。

ということで、明日の走行距離は100km程度だろう。

そんな事を考えながら、晩飯を食べていると、それまで静かだった隣のテントから子供たちの声が聞こえる。

「鹿だ。鹿だ。たくさんいる」

その声を聞き、テントから這い出してあたりを伺うと、なんと10頭ぐらいはいるであろう鹿の群れがキャンプ場に入ってきている。

その光景を見て、管理人さんが話していた「鹿がいっぱい入ってきて困っている」という言葉を思い出す。

「そうか、こういうことか」管理人さんの言葉の意味がわかり、その洗礼を浴びることになった。

鹿たちは、どうやら柵が切れている道路側から入ってきているようだ。

最初は暗くて目も慣れていないせいもあり、鹿は10頭ぐらいと思っていたが、目を凝らしてよく辺りを観察すると、10頭どころではなく、見える範囲だけで30頭はいるようだ。

テントから見えないところにもいるはずなので、多分もっといるだろう。

隣のテントの子供達が、鹿を脅かすように走って近づき、鹿が少し逃げていくのを面白がっている。

鹿たちは少しは逃げるが、人慣れしているので、悠然とキャンプ場に生えている草を食んでいる。最初は面白がっていた子供たちもだんだん飽きてきたようで、テントから出てこなくなり静かになった。

自分のテントは、鹿が入ってきたところに一番近いので、どこまでテントに近づいて来るのか少し気になる。でも人に危害を加えることはないだろう。

寝ることにするが、寝付くまで鹿の気配を感じる。


走行時間:4h47m25s 走行距離:68.44km
平均速度:14.2km/h 最高速度:38.9km/h

== 旅の費用 ========
キャンプ場代(筑紫恋):¥210
シャワー室代     :¥320
飲食代(蒸し牡蠣含む):¥1,856
ーーーーーーーーーーーーーーーー
合計         :¥2,386
================