5日目 2019年8月1日(木) -
今日も5時起き。今日は、納沙布岬経由霧多布までの110km超えなので少しハードな行程だ。昨日から感じ始めた左太もも裏の痛みが気になる。
まずは11:00には根室市街に戻って来ることが目標で、時間的に体力的にキツければ、根室にもう1泊しよう。
出発前、宿のご主人と話しを交わす。
宿のご主人:「今日はどちらまで」
自分 :「霧多布までです」
宿のご主人:「そうですか」
自分 :「納沙布岬に行ってから霧多布に行きます」
宿のご主人:「えっ、それはかなり遠いですよ。大変じゃないんですか?」
自分 :「そうですね。普通なら問題なく走れる距離なんですが、昨日から太ももの裏が少し痛いので、それが少し心配です」
宿のご主人:「筋肉痛?」
自分 :「いえ、そうではなく、張っている感じです。無理して力を入れると肉離れのような感じになりそうで、それが怖いです」
宿のご主人:「大丈夫ですか?」
自分 :「無理そうになったら、今晩もこちらにお世話になります」
宿のご主人:「今日も、今のところ空いているので、それは大丈夫ですよ」
7:02 宿を出発。今日も洗濯物を干しながら走る。
少し霧がかかっている中を根室半島を周回している道道35号線を時計回りで納沙布岬に向かう。交通量ほぼ皆無。
街を離れると、霧が晴れ、青空が広がる。アップダウンの続く道だが、綺麗な海岸線を眺めながら走れて気持ちがいい。
根室半島・北海岸線10kmも走らないうちに、左太もも裏が軽く痛み始める。
7:50 ノッカマップ岬の入口に到着。灯台に入る道はダートで、時間もあまりないので、道道から写真を撮るだけでパスする。国後も見えない。
8:02 北方原生花園のパーキングに到着。少し前に抜かれたキャンピングカーだけしか止まっていない。北方原生花園も時間がないのでパスする。
トーサムポロ沼を越えて上り坂を走っていると、バックミラーに自転車が写る。ロードバイクのようだ。あっという間に追いつかれたが、荷物はないので地元の方だろう。女性のようだ。
追い抜き際に声をかけられる。
女性ロードバイカー:「どちらからお越しですかー」
自分 :「◯◯◯ー!」
女性ロードバイカー:「◯◯◯なんですねー」
かなり速い。すぐに見えなくなった。
納沙布岬
8:44「オーロラタワー」に到着。が、まだ開いておらず。野良猫?が数匹、入口で佇んでいる。
大きなモニュメントがある向かいの望郷の岬公園へ向かう。大きなモニュメントは「四島の架け橋」というそうだ。北方館の横に自転車を止める。
四島の架け橋北方館・望郷の家の前の突端には「本土最東端・納沙布岬」の碑、そして路面には北方領土の地図や各島まで距離が記されている。一番近い貝殻島灯台まではわずか3.7kmだ。肉眼でも貝殻島灯台や近くの歯舞群島の島々も見える。
続いて「北方館・望郷の家」を見学する。戦前、戦中時の街の地図や写真が展示され、2階には望遠鏡が並んでいて北方領土を覗けるようになっている。時間がないので、ざっとみてまわる。9:00を過ぎたのでもう一度、オーロラタワーへ行ってみる。
9:07「オーロラタワー」再訪。今度は開館していた。入場料500円払い、エレベーターで地上96mの展望台へ。展望台は2つの階にあるが、当然上の階へ行く。
オーロラタワー展望台に到着。自分以外は誰もいない。
天気がいいこともあり、さすがに360°凄い眺めだ。ただ、太陽の反射かそれとも霞んでいるせいか、北方領土方向は遠くまで見えない。それでも高いところから見ているので、地上から見るより、貝殻島や水晶島、秋勇留島などの島影は確認できる。
納沙布岬、その先に貝殻島と秋勇留島水晶島方向の島影海側とは反対の根室半島側がよく見えて、牧草地帯が続く風景は圧巻だ。
根室半島①根室半島②しばらくじっくり眺めていたいところだが、既に9:15。予定では出発しなければならない時間だ。
しかし、「オーロラタワー」の他にもまだ「納沙布岬灯台」もあるし、最東端到達証明書ももらいに行かないといけない。時間が全然、足りない。
今日は天気がすごくいいので、眺めもいい。真夏の納沙布岬でこんな天気は珍しいはずだ。これで帰るのはもったいなさ過ぎる。
ということで、即座に今日の霧多布行きは諦めて根室にもう1泊し、じっくり納沙布岬を堪能することにする。
そう決めたので、まず最東端証明書がもらえる場所をネットで探してみる。納沙布岬では「根室市北方領土資料館」で貰えるようだ。
もう一度、下の階も含めて、じっくり周囲360°を観察してみる。納沙布岬の南の沖に船がたくさん出ている。昆布漁だろうか。
チラホラと展望台に上がってくる人も増えてきた。
9:30「オーロラタワー」を下りる。
9:33「根室市北方領土資料館」に到着。中に入ると展示物があるので、まずは一通り見学する。入場は無料。
そして受付のようなところで行き、「最東端到達証明書」をもらいに行く。
自分 :「最東端到達の証明書がほしいのですが?」
受付の人:「はい、どうぞ」
いただいた証明書をみると「日本本土四極」という文字が目に付き、最東端の証明書ではないように見えたので、受付の人に聞いてみた。
自分 :「最東端の証明書は別にあるのですか?」
受付の人:「こちらが最東端到達の証明書で、裏側が日本本土の四極(東西南北)証明書のうちの¼(最東端)部分になっていて、他三極の証明書を集めると1枚の日本本土の四極証明書になります」
確かに、よくみると「最東端出発・訪問・到達証明書」と書いてある。
自分 :「本土だけですか?」
受付の人:「本土だけで沖縄は入りません」
自分 :「他の三極にも行きましたが、日本本土四極の証明書はなかったのですが…」
受付の人:「四極証明書は最近、確か3年ぐらい前に発行し始めたので、それより前なら、なかったはずです」
本土に限定しているのは、日本全体にすると普通の民間人は最西端(与那国島・西崎)しか行けないからだろう。
日本全体の四極は、最北端が択捉島・カモイワッカ岬、最南端が沖ノ鳥島、最東端が南鳥島、最西端が与那国島・西崎になるが、最西端以外はまず行けない。
民間人が行ける範囲での四極となると、最北端が宗谷岬、最南端が波照間島・高那崎、最東端が納沙布岬、最西端が与那国島・西崎になる。
一方で北海道・本州・四国・九州の本土限定の四極とすると、最北端は宗谷岬、最南端は佐多岬、最東端は納沙布岬、最西端は神崎鼻になり、どこも民間人でも行ける。
これで自分は、民間人が行ける日本の四極も、本土の四極も全部行ったことになる。
「根室市北方領土資料館」を出て、証明書を折り曲げないよう、リュックに閉まっておく。
ここで、昨晩泊まった宿に予約の電話を入れる。
自分 :「昨晩泊まった◯◯ですか、今晩も泊まれますか?」
宿のご主人:「自転車の人だね。大丈夫泊まれるよ」
自分 :「では今日も素泊まりでお願いします」
あっさり、宿は取れたので、あとは納沙布岬や根室周辺をゆっくり周ることにする。
次に、ざっと見ただけだった「望郷の岬公園」と「北方館と望郷の家」をもう一度じっくり見学する。
1時間近く前に来た時より、格段に観光客が増えている。
「望郷の岬公園」では、全国から送られた石を敷き詰めた「希望の道」の前で、制服を着た女子高生や私服の大人たちの団体さんが説明を受けている。修学旅行ではなさそうだ。
説明するガイドさんの声が聞こえ、埼玉から来た団体さんのようだ。
「北方館と望郷の家」では、北方領土の面積と当時の人口を示す資料が目に引いた。北方領土は千葉県や福岡県とほぼ同じ面積で、北海道を除く46都府県のうち、北方領土より小さい都府県が19もあり、どれだけの大きさかよくわかる。
島の人口は、一番面積が小さい歯舞群島が一番多かったようで、ついで国後島。択捉島は島の大きさの割に人口は少なかったようだ。北海道から一番離れていることもあるのだろう。
次に、一番の目的地「納沙布岬灯台」へ向かう。
10:15「納沙布岬灯台」に到着。灯台の入口では、観光客の皆さんが順番に記念撮影をしている。宗谷岬のように行列ができるほどではない。
ライダーがバイクを持ってきて、灯台をバックにバイクと自分の写真を他の人にお願いしている。
自分は自転車を持ち込まず、人がいなくなった隙に灯台の写真を撮る。
納沙布岬灯台①左手から灯台の海側に周ろうとするが、柵があって進めない。岬の先の中間ライン近くを漁船が通っていく。近くに海上保安庁の巡視船もいて、中間ラインを越えないよう監視しているようにもみえる。
今度は灯台の右側に周ろうと、灯台の正面も戻るとカメラを構えている人がいるので急いで、灯台の影に入る。
右側に周ると、海側には野鳥の観察小屋がある。こちら側にも岬のほうへは柵があるが、柵の先にもたくさんの人が歩いたような道が付いている。柵を乗り越えていく人が多いのだろう。
灯台の入口で写真を撮ってもらっていたライダーがやってきて、慣れたような感じで柵を跨いでいく。そして、少し先の岩の上に小さい三脚を立て、カメラで写真か動画を撮り始める。あの小さい三脚は便利そうだ。帰ったら調べてみよう。
自分も近くまでいって、貝殻島方向の写真を撮る。
沖に貝殻島灯台灯台から離れると、駐車場脇の左手に海を見下ろせる芝生があって、ここからも灯台や岬周辺の写真を撮っておく。
納沙布岬灯台②「納沙布岬灯台」から「望郷の岬公園」へ戻る途中、ツーリングマップルに書いてある「鈴木食堂」を発見。
店の入口には「サンマ丼は、冷凍サンマを使っています。ご了承ください」との張り紙。名物のサンマ丼もサンマの不漁がかなり影響しているようだ。
「望郷の岬公園」周辺には数軒の食堂と土産物屋がある。ある食堂の壁際には「ここに自転車を止めるな」との注意書きがあるので、離れたところに止める。
駐車場の一角にも「納沙布岬」の碑が立っているので記念撮影する。すると灯台の入口で写真を撮ってもらっていたライダーが再びやってきて、今度は自分が写真撮影をお願いされ、快く応じる。
本土最東端・納沙布岬バイクのナンバーはやはり道外(尾張小牧?忘れた…)だ。デジカメで撮った後にスマホでもお願いされる。
その後「何か食べようかなぁ」と、食堂や土産物屋を見て周っていると、食堂の前に数台止まっている自転車が目に止まる。
最初はチャリダーが昼飯でも食べているのかと思ったが、この辺の食堂はライダーハウスを兼ねているので、ここに泊まっている人か店の人のものだろうと思う。
その止まっている自転車の中に、見覚えのある自転車を発見する。あれは確か宿に止まっていた自転車だ。その自転車はいわゆる「ルック車」だったので、チャリダーではないように思える。持ち主の姿は見えない。
どこの食堂もお高いのでここでの昼食はパスする。
これで納沙布岬での目的は果たせたので、根室市街に戻ることにする。
根室半島
10:46 納沙布岬を出発、道道35号線を南周りで根室市街へ向かう。次の目的地は日本最東端の駅「東根室駅」だ。
納沙布岬を出発すると、最初の集落が「珸瑤瑁(ごようまい)」。
11:04 日本最東端の郵便局、珸瑤瑁郵便局の写真を撮っておく。
珸瑤瑁郵便局しばらく走ると沖に小島(あとで調べると、ハボマイモシリ島とイソモシリ島)が見え、道の先には大きな集落が見え始める。歯舞の街だろう。
ハボマイモシリ島とイソモシリ島11:28 腹が減ったので、歯舞にある日本最東端のコンビニ「セイコーマート」でパン買って昼飯にする。地元の子供達が自転車で乗り付け、アイスを買って食べている。根室にしては暑すぎるだろう。
その後も根室市街に向けてひた走る。左手は太平洋と昆布干し、右手は牧草地帯と変わらない景色が続く。友知島とチトモシリ島が遠くに見える。
友知島とチトモシリ島霧多布行きは諦めたので時間はまだまだたっぷりある。左太もも裏の痛みは続いているが、悪化はしてない。
時折その痛みが消え、逆に右太もも裏が痛むこともあることが、それもいつの間にか消える。この後もゆっくり走ることにする。
根室半島・南海岸線そんな中、リアタイヤ辺りからたまに異音がすることに気づく。だが、しばらくすると音は聞こえなくなる。
そして、オンネ沼・タンネ沼辺りから根室市街の高台にあがる坂の途中で、また異音が聞こえる。ブレーキシューがタイヤに擦れるような音だ。
異音は上り坂でゆっくり走っている時に聞こえるので、平地や下り坂では風の音でかき消されて聞こえなかったのかもしれない。
自転車が降りて確かめてみる。ところが、ブレーキシューはタイヤに接触していない。
「おかしいなぁ」と思いつつ、他に原因がみつからないので、仕方なくそのまま坂をのぼる。その後、異音はまた聞こえなくなる。
東根室駅
12:42 根室高校の横に到着。地図で東根室駅への道を探す。この先のセブンイレブンのある交差点を左折し、光洋中学校のあたりを右に入ったところにあるらしい。
光洋中のところまでやってくると、「→日本最東端の駅・東根室駅」の小さい案内板を発見。右折して住宅街の坂を下りていく。
12:50「日本最東端の駅・東根室駅」に到着。駅舎はなく、「日本最東端の駅 ひがしねむろ」の碑があるのみ。
東根室駅①木造の階段が上がると、板張りの短いホームがある。2輌ぐらいしか止まれない長さだ。
ホームにも古くなった「日本最東端の駅」の碑が立っている。
東根室駅は、根室本線(花咲線)の終点・根室駅の一つ手前の駅。単線で列車本数も少ないのでホームも1面1線しかない。
「ルパン電車」でも来ないかと時刻表をみてみたが、しばらく列車が来ることはなさそうだ。ホームの写真を何枚か撮っておく。
東根室駅②12:59 東根室駅を出発。次の目的地は、花咲岬にある「車石」と「花咲ガニ」で有名な「花咲港」。
住宅街を南へ進み、踏切を渡り、道道310号線に出る。しばらく根室本線と並走して走るが、トラックが多いし、路肩も狭く、所々荒れていて走りづらい。
2kmほど走ると、道道310号線は左に折れ、跨線橋を渡り花咲港へ続く。自分も左折するが、トラックもほぼ全て花咲港方向へ左折していく。
跨線橋を越え、セイコーマートの先の分岐で左折して、花咲岬の「車石」に向かう。
住宅街だが、交通量はほとんどない。花咲港小学校を過ぎると、緩い下り坂になり、遮るものがなく、海に向かって下りていく。
花咲岬
13:27 花咲岬の駐車場に到着。広い駐車場だが、止まっているのは車2台とバイク1台だけ。
駐車場から岬の方向に遊歩道が延びていて、赤白の「花咲灯台」がみえる。灯台よりも岬の先にある巨大な防波堤が真っ先に目に入る。
遠くに、平たい「モユルリ島」と「ユルリ島」も見える。
花咲灯台 車石へ花咲岬、沖にモユルリ島・ユルリ島右手の背後には大きな港がある。あれが有名な「花咲港」だろう。
「車石」をみるため遊歩道を岬に向かっておりていく。岬周辺は草原地帯になっている。風が強くて木は育たないのだろう。
右手の灯台を見ながら下っていくと、野鳥の観察小屋?の前に軽トラが1台止まっている。ここで遊歩道は二手に別れているが、車石のある左側の階段をおりていく。
その先でまた二手に分かれるが、ここも左手の階段を下りていく。すると人の声が聞こえるので、下の方をみると写真を撮っている女性と掃除をしてる男性がいる。知り合いだろうか。
13:36「車石」に到着。階段を一番下まで下りると右手にそれはあった。岩の中から、円形の岩が上半分、顔を出しているように見える。
説明板を読むと、「車石」は放射状節理であることを知った。柱状節理や板状節理は聞いたことあるが、放射状節理は初めて聞いた。日本にはここ以外、あまりないらしく、そのためか、国の天然記念物に指定されている。
車石ここから見えるモユルリ島とユルリ島は重なっているので、一つの平べったい島のように見える。
モユルリ島とユルリ島元来た階段を上り、分岐していた西側の遊歩道も周って駐車場に戻る。掃除をしていた男性が軽トラで帰っていく。
駐車場に戻ると、バイクの横にカメラを持った女性が立っている。階段で写真を撮っていたのは、この女性ライダーのようだ。
「車石」と同じような形をしたトイレで用を済ませ、自転車まで戻るが、時間が有り余っている。
駐車場から花咲港を見下ろせる場所に行ってみる。港まで結構、標高差があり、あそこまで下りると帰りは結構上らされるだろう。
自転車まで戻ると、障害者施設?の車がやってきた。皆さん、遊歩道に下りて行ったので、散策に来たのだろう。少し暑いが、散策するにはいい天気だ。
14:10 駐車場を出発、花咲港に向かう。ゆるい上り坂をのぼっていくと、またリアタイヤから異音がする。そのまましばらく走る。
その途中、一人の男性が歩いて向こうからやってくる。すれ違うと、外国人の方だった。「車石」を見に行くのだろうか。
14:23 リアタイヤから異音だけではなく、今度は少し違和感を感じる。この感じからして、如何にも「パンク」だ。
自転車を降りてリアタイヤを指でつぶしてみると、完全には潰れないが、かなり空気が抜けている。スローパンクっぽい。
ここでようやく、異音がしていたのは、自転車に乗ると空気が抜けたタイヤが潰れてブレーキシューに接触したためということに気づく。
そうすると、歯舞から根室市街に向かっている途中にすでにスローパンクしていたことになる。
空気を入れてみると、タイヤは指定通りの空気圧まで上がった。これで少し走ってみる。しばらくは大丈夫そうだ。
ただ、パンクはしているようなので、花咲港は断念して根室市街の宿に戻ることにする。果たしてそこまで持つだろうか。段差はできるだけ避けて走るようにする。
14:32 道道310号線まで戻る。北向き(西側)の路肩は広く走りやすい。いつものスピードで走れるが、だんだんとあの違和感を少しずつ感じてくる。
14:41 道道310号線から東根室駅への分岐にあるパチンコ店の駐車場で、もう一度空気を入れ直す。
民宿たかの
15:03 なんとか宿にたどり着く。今日のお宿も昨日と同じ「民宿たかの」。
パンクしたことを宿のご主人に伝え、自転車と荷物を玄関先に置かせてもらう。チューブを交換する前に、まずは街(イオン)へ晩飯と晩酌の買い出しに歩いて出かける。
16:03 宿に戻り、チューブの交換に取り掛かる。宿のご主人からは、空気入れを使ってくださいと言われる。お礼を言って使わせてもらうことにする。
玄関先で作業をしていると、ご主人も外に出てきた。外の方が風があって涼しいので過ごしやすいと言っている。
昼は30℃ぐらいあるので、根室にしては暑いだろう。10年に何日しかないのではないかと思う。
ご主人も自転車が好きらしく、遠出もしたことがあるらしい。こちらも作業しながら、これまでの自転車旅でのトラブルを話す。
八甲田山中でパンクを繰り返し、最後は真夏の八甲田山から青森市内の自転車屋までの25kmぐらいを4,5時間歩いたことや、佐世保で走行中、自転車のフレームが折れたが、運良くバス停の近くだったので輪行して帰れたことなど。
他にいろいろ会話する。
自分 :「根室は自転車の旅人が多いので、「駆け込み寺」みたいな自転車屋さんがあると聞いたのですか?」
ご主人:「以前は確かにあったが、やめてしまい、もう根室に自転車屋さんはなくなった。あるのはホームセンターぐらい」
自分 :「そうですか。それは残念」
ご主人:「そういえば、昨日泊まった自転車の人がパンクしたので、うちの自転車を貸してほしいと言ったきたので、今朝、貸してあげた。納沙布岬に行くといって出発したが、まだ帰ってこない」
自分 :「確か、ここで昨日見たような自転車を納沙布岬で見かけましたよ。青いフレームの自転車ですか?」
ご主人:「そうです。青い自転車です」
自分 :「その近くに人はいなかったなぁ。ここを出発したのは、自分より前(7:00前)ですか?」
ご主人:「確かそうだった」
自分 :「トラブルが起こってないといいですね」
ご主人:「もし何かあったら、電話してくると思うので大丈夫だろう」
自分 :「確かにそうですね」
自分 :「自転車で長旅するなら、トラブルに備えて、比較的パーツが自転車屋さんに置いてある700cがいいかもしれないですけど、自分は折り畳やすく、すぐに輪行できる24インチにしている。もしツーリング途中で乗れなくなるトラブルが発生したら、最悪タクシーを呼ぼうと思っている」
ご主人:「24インチを折り畳んだら、車のトランクにギリギリはいるね。でも、この自転車はスポークの数が少なくて変わってるね」
ご主人:「もう1台、あそこに自転車があるんだけど、ペダルが壊れて乗れない」
自分 :「ペダルも交換できるし、着脱式のペダルもありますよ。この自転車もそうです」
チューブを交換するため、タイヤを外して内側を確認するが、やはりガラス片などの異物はない。チューブを確認すると、2箇所にパッチが貼ってあった。
パッチの貼ったチューブなら、隙間から空気が少しずつ漏れてスローパンクのようになったのかもしれない。宿のご主人も同意してくれた。
ただ、リムと接触するタイヤの内側に2箇所、対称的なキズがついている。少し気になるので、念のためパッチを貼っておく。
ご主人:「そんなところにもパッチを貼るんですか?」
自分 :「パッチはチューブに貼るために持っていますが、今回は念のため、これ以上タイヤのキズを大きくしないため貼っておきます。気休めかもしれないですが…」
そして、去年のキャンプ旅の途中で起こった、タイヤのキズが原因でそこだけチューブが異常に膨れてしまい、自転車旅を断念したことも話した。
その時も、運良く駅から5kmぐらいしか離れていなかったので歩いて移動できたことも。
チューブを交換していると、旅前に買い足しておいたパッチを持ってこなかったことに気づいた。イオンに行く前にわかっていたらで、買ってきたのだが…
ここのイオンも早朝から開店していたら、翌朝買いに行こう。
新しいチューブの交換作業は完了。いつの間にか、ご主人はいなくなっていた。
宿に入って、風呂に入り、洗濯をして、晩飯と晩酌。これまでなら、すぐに寝てしまうところだが、今日はパンクで早くツーリングを切り上げたせいか、あまり疲れもなく眠くもない。
それどころか、もう少し飲みたい気分で、まだ20時前なので、追加の買い出しに出かけることにする。買い出しついでに、キャンプ場に泊まっているかのように、飲食し終わったゴミも捨てに行く。
宿の階段を下りると、ご主人がお客さんと話している。どうやら、お客さんはロシア人らしく、身振りやパンフレットを見せながら話している。
「ロシア語、難しそうすね。ちょっと買い物に出かけてきます」と声をかけ出かける。
適当に晩酌とつまみを買って宿に戻る。酔っ払ってるせいか、パッチを買う事は頭の片隅にもなかった。
その後、晩酌の延長戦も終わり、寝る。
走行時間:4h32m31s 走行距離:63.55km
平均速度:13.9km/h 最高速度:39.7km/h
== 旅の費用 =========
入場料(オーロラタワー):¥500
宿泊代(民宿たかの) :¥4,000
飲食代 :¥2,126
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計 :¥6,626
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