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‘19 夏の根室・釧路・十勝 キャンプ旅⑩ 鶴居〜阿寒湖

2019年 自転車旅 北海道

9日目 2019年8月5日(月)       -

今朝は4時頃、目が覚めるが、もの凄く気だるいので、二度寝する。次に目が覚めたのは6時前で、浅い眠りだったが、さっきよりかなり体が楽になる。

トイレに行くと、その近くにいくつか大きなテントが並んでいることに気づく。テントの汚れ具合や荷物の多さからして、長期滞在に見える。これが「主」と言われている人達のテントだろうか。じろじろ見ずに通過する。

外は曇天だが、内陸のせいか霧は出ていない。

キャンプ場内の通路やトイレで、「長期滞在はご遠慮ください」や「ゴミはお持ち帰り下さい」などの注意書きを見かける。

ここのキャンプ場は、料金が無料なうえ、車の乗入れも可、トイレや炊事場はきれいだし、温泉やスーパーも近いので、夏場に長期滞在する人が出てくるのだろう。

1泊した限りでは、ゴミが散乱していることはなく、夜もそれほど騒がしくはなかった。

非常にいいキャンプ場なのかも知れないが、自分としては、人が多いので1泊で十分、長くいたいとは思わない。

6:45頃、朝飯の調達とゴミ捨てをかねてセイコーマートへ行く。半袖で自転車で走るとちょっと寒いぐらいだ。

キャンプ場に戻り、朝飯のパンを食べながら、今日を含めてこの旅をどうするか考える。

やはり体は少し疲れていて、旅を続けようとするモチベーションは高くない。

今日で終わらせて釧路に戻るにしても、昨日と逆のコースを走ると昼前には着いてしまうし、全然楽しくない。

別のコースで釧路に行こうとすると国道274号線で標茶経由にするしかない。そうなると1日ではキツいので、シラルトロ湖か塘路で1泊必要だ。

阿寒湖に比べたら、大したのぼりもないし、プラス1日ぐらいなら旅を続けてもいいかと、その辺のキャンプ場を調べてみる。

ところが、シラルトロ湖は休業中塘路元村は周辺に店や温泉がない。どうしたものか悩む。

これ以上考えても名案が浮かばないので、とりあえず当初の予定通り、まずは弟子屈に向けて出発し、体を動かしてみる。そして、国道274号線を北上し、弟子屈と標茶の分岐で、阿寒湖に行くか釧路に戻るか最終判断しよう。

トイレと水補給のついでに昨晩見当たらなかった帽子のクリップを探しに行くが、昨日歩いたキャンプ場内では見当たらない。

テントに戻り、ふと昨日、温泉で着替えて洗濯したズボンのポケットを探ってみる。するとクリップが出てきた。やれやれ…

7:45頃、テントの撤収を始めるが、他にテントを撤収している人はいない。やはり、連泊する人が多いのだろう。

つるいキャンプ場
つるいキャンプ場

鶴居から弟子屈へ

8:24 キャンプ場を出発。道道53号線を北上する。軽い登りだが、曇天で涼しい。交通量は少ないが、牧場地帯のためかトラックが多めだ。走り出すと、疲れや気だるさは感じない。

8:46 国道274号線に入る。国道に入っても交通量は相変わらず少ない。

9:02 中久著呂の集落を通過。牧草地帯の緩いアップダウン道が続く。

しばらく走ると、国道番号と共に「札幌から366km」と書かれた標識を見かける。「そうだ。国道274号線は札幌が起点で、標茶が終点だった」ということを思い出し(白糠と阿寒の間で途切れていて完全には繋がっていないが…)、まさか終点近くを走ることになるとは思ってもいなかった。

札幌から366km地点の国道274号線
札幌から366km地点の国道274号線

牧場が点在する国道274号線
牧場が点在する国道274号線

そろそろ弟子屈と標茶の分岐だろうと思い、地図で確認する。あと1キロ半ほどだ。特にここまで疲れもなく、太ももの軽い痛みもこれまでと変わりない。心身ともに問題ないので、弟子屈経由で阿寒湖へ行くことにする。

9:34 弟子屈と標茶の分岐を通過、弟子屈に続く道道53号線へ入る。ここから先、交通量は皆無になるだろうと想像していたが、意外にもほとんどの車も標茶ではなく、弟子屈へ向かう。とはいえ、交通量はかなり少ない。

曇天だった天気も晴れてきたので、景色を楽しみながら、牧草地帯をのんびり走ることにする。

10:39 弟子屈市街を経由せず国道241号線に抜けれるショートカット道との分岐に到着。ショートカット道を見てみると、直線ではあるが、予想通りアップダウンはそれなりにありそうだ。川を2本横切るためだろう。

時間に余裕がなければショートカットするが、時間は十分あるし、トイレや水と昼飯の補給をしたいので、弟子屈市街に向かう。

弟子屈の手前で、左手前方の山頂に電波塔が立っている山が目につく。何という山だろうか。地図で調べると、角度的に美羅尾山らしい。

10:56 弟子屈に到着。阿寒湖への分岐にあるセイコーマートでトイレ休憩、パンと炭酸水を補給する。

11:11 弟子屈を出発。阿寒湖温泉まであと38kmだ。すぐに国道241号線に合流、交通量は道道35号線ほどではないが、それでも少ない。

直線道路の向こうに遠く雄阿寒岳が顔を出している。阿寒湖はあの山の向こう側だ。

阿寒へ
阿寒へ

直線道路が終わると徐々に上り始める。勾配は最大8%らしいが、問題はそれがどれくらい続くかだ。

12:20 カーブが多い坂道になり、ほぼ5%超えで、時折8%ぐらいの勾配が続く。大型の観光バスはほとんど来ない。直射日光を受け続けるのでクソ暑い。

さらに上り続け、標高が500mぐらいになると、覆道が出てくる。日差しを避けられるので助かる。退避スペースや出入口で休憩する。

双岳台と双湖台

そんな一番キツい山道でキタキツネが対向車線を歩いている。が、すぐに逃げていく。

その後も上り坂が続き、何度か休憩する。体力がなくなったのか、それともやはり疲労が溜まっているのか、以前より休憩が多くなったように思う。

地図にはピークが書いていないが、双岳台か双湖台のあたりだろう。あともう少しだ。

13:27 双岳台に到着。この先、下り坂になっているのでここがピークのようだ。あとで調べるとここは峠ではないが、標高が747mもあって、やはり弟子屈から阿寒湖までのピークのようだ。

カーブの外側に10台程度止まれる駐車スペースがあるぐらいで、展望台やトイレはない。駐車スペースからは、目の前にど〜んと雄阿寒岳、そして樹海、圧巻の眺めだ。車で混んでいるので手早く写真を撮る。

双岳台から見る雄阿寒岳
双岳台から見る雄阿寒岳

13:29 双岳台を出発。下り坂に入る。しばらく走ると左側に広い駐車場とその奥の少し上ったところに建物が見える。

13:41 双湖台に到着。駐車場に自転車を止め、展望台に上がる。横にある建物は潰れたレストハウスのようだ。

ここは何と言っても、展望台から見えるペンケトウが北海道の形にみえるかだ。言われてみれば、そうみえないこともないが、言われなければそうは見えない。微妙…。パンケトウは樹海で見えない。

北海道に見える?ペンケトウ
北海道に見える?ペンケトウ

13:46 双湖台を出発。どんどん下りていく。阿寒湖まで下り基調かと思っていたが、比較的急な下り坂が長く続くので、このまま阿寒湖まで下りが続くとは思えない。

そういえばこの先、阿寒湖の手前で国道240号線に合流する。となると、この下り坂は国道240号線の合流地点までで、その先は上り坂になるだろうと想像する。

14:10 国道240号線に合流。予想通り、上り坂になるが、双岳台手前のようなキツい坂ではない。勾配はせいぜいキツいところで5%ぐらいだろう

と、ここでふと思う。鶴居から阿寒湖へ行くには、標高の高い双岳台を通る国道241号線より、国道240号線のほうが楽で時間がかからないのではないかと。

あとで地図を調べてみると、鶴居から道道1093号線と国道274号線を経由すると国道240号線に出られる。かなり南に迂回するが、距離的には国道241号線より少し短いし、標高も高くない。

でも今回は時間があったし、双岳台と双湖台に行きたかったので、このルートでよかったと思う。

14:30 阿寒湖温泉街に入る。キャンプ場は温泉街の西端にあるのでまだ少し距離がある。

途中のセイコーマートでアイスを買い、店の前で食べながら休憩する。ライダーも店の前でアイスを食べている。

店の隣りはバスターミナルだが、そんな建物には見えない。しかもバスターミナルには、なんと日帰り温泉もある。ここまで自転車で来て、バス輪行して帰るなら、一風呂浴びるのにベストな温泉だ。

アイスを食べながら、キャンプ場の場所を確認する。「アイヌシアターイコロ」の向かい辺りにキャンプ場の入り口があるようだ。

阿寒湖畔キャンプ場

14:45 キャンプ場に向かう。

14:50 阿寒湖畔キャンプ場に到着。まず管理棟へ行くと、先客のカップルが説明を受けているので待つ。その時、外から動物の鳴き声が聞こえてくる。

管理人さんが、狼の鳴き声と言っているが、どうやら向かいの「アイヌシアターイコロ」から聞こえてくるようだ。

自分の番になり、キャンプ場の説明を一通り受け、料金630円を払い、テントに下げる番号札をもらう。

管理人さんにいくつか質問する。

自分   :「自転車はテントサイトまで入れれますか?」

管理人さん:「いいですよ」

自分   :「食べ物や飲み物が買えるお店はコンビニくらいですか?」

管理人さん:「コンビニしかなく、あとはツルハぐらい」

自分   :「お薦めの日帰り温泉は?」

管理人さん:「公衆銭湯の『まりも湯』。ただ、お湯が熱いというお客さんが多い。ホテルでも日帰り温泉はやっているが、どこも夕方で終わり。他だとバスターミナルにある温泉で、大きくはないが、まりも湯より近い」

「まりも湯」は旅前に調べた時に候補にしていた温泉だ。銭湯なので休憩室はないだろう。ホテルの日帰り温泉が早く終わるのは、夕方以降、宿泊客専用にするためだろう。

管理人さん:「自転車なら、向かいのアイヌシアターから入って、温泉街を見ながら、温泉に行くといいですよ」

自分   :「そこ(管理棟内)のコインシャワーは何時まで使えますか?」

管理人さん:「18:00で管理棟を閉めるので、それまでに出てほしい。料金は6分100円です」

管理人さん:「あと、18:00までなら管理棟のコンセントで充電してもいいですよ」

自分   :「ありがとうございます」

管理棟を出て、テントを張る場所を探す。駐車場の奥にテントサイトがあり、手前側は芝生のスペースで、奥は森の中のスペースになっている。

森の中は、中標津のキャンプ場で酷く虫に刺された悪い印象しかないので、そこは避ける。

芝生スペースには、近くにトイレや炊事場、ベンチもあってここがベストだ。駐車場に近いが、夜中にうるさくなることはないだろう。ベンチの横にテントを張る。

温泉や買い物に出かけるには時間が早いし、キャンパーもまだ多くないので、今のうちに炊事場で洗濯をする。昨日できなかったので溜まっている。

炊事場は広く、分別用のゴミ箱も置いてある。洗濯物はベンチに干しておく。

しばらくすると、チャリダーの集団が4,5人やってきて、炊事場の近くにテントを張り始める。学生のようだが、サークルだろうか。

阿寒湖温泉

16:10 温泉と晩飯の調達に出かける。着替えと風呂道具を持っていくが、まだ温泉に行くかコインシャワーにするか迷っている。

キャンプ場を出て、向かいの「アイヌシアターイコロ」を入ろうとするが、車が止まっているだけで、その先にちゃんとした道はない。建物の脇から入れそうだが、それはやめて少し先の道から温泉街に入ることにする。

温泉街に入ると、アイヌコタンを模したお土産屋や食事処が急坂に並んでいる。

そこから先は普通のホテル街。観光客が多く、ここも外国人が多い。阿寒の温泉街には、20年ぐらい前に一度来たことがあるが、覚えているところがない。

遊覧船乗り場があったので行っている。阿寒湖周囲の宿に泊まらず、阿寒湖を見るには、遊覧船乗り場に来るしかない。ちなみに遊覧船乗り場は、温泉街の東側と西側に1箇所ずつある。

阿寒湖の遊覧船
阿寒湖の遊覧船

遊覧船乗り場で、阿寒湖や雄阿寒岳の写真を撮っておく。遊覧船を乗り降りするのも中華系の観光客ばかりだ。そんな中、乗り場の横の芝生に白人(ロシア人っぽい)の集団が5人ほど座っているが、会話をするでもなく、ただ湖を眺めている。

阿寒湖と雄阿寒岳
阿寒湖と雄阿寒岳

温泉街に戻り、「まりも湯」のある東へ進む。一番東端のホテルまで来るが「まりも湯」の場所がわからない。

来た道と違う脇道に入って、元来た方向に戻る。その途中、「確かこのあたり」と思ったところで自転車を止め、ネットで位置を確認しようとスマホを取り出す。すると如何にもお風呂帰りというおばちゃんに声をかけられる。

おばちゃん:「何探してる?」

自分   :「まりも湯」

おばちゃん:「それなら、そこを左に曲がって路地に入った先の左側にあるよ」

自分   :「ありがとうございます」

おばちゃんに教えてもらった通りに進む。

16:30「まりも湯」に到着。開いている窓から湯けむりが出ていて、温泉の匂いが漂っている。中から風呂桶の音も聞こえてくる。

だが、まだ外は暑く、今温泉に入っても出てきたらまた汗をかくだろう。風呂に入るには早過ぎるので、一旦「まりも湯」はパスする。

時間を潰すため、バスの予約をしようと思う。というのも、自転車旅は明後日の帯広がゴールで、帯広からバスで帰る予定にしている。もうバスを予約しておかないとまずい。

温泉街を戻りながら休憩できそうな場所を探すが見つからない。温泉街の路面は、レンガ状の凸凹になっているので、途中から自転車を押して歩く。

16:42 さっき来た遊覧船乗り場に戻る。

芝生に座っていたロシア人らしき集団はもういない。芝生の横に石があるので、そこに座って、バスの予約をしよう。石の近くに犬のフンが落ちているので気をつける。

まずバスの時刻を調べる。帯広には昼前に着けるから、13,14時くらいの便がいいだろう。

予約の電話を入れる。

自分  :「8月7日の帯広から札幌行きで、14:30の便は空いてますか?」

バス会社:「満席ですね」

自分  :「午後に空いている他の便は?」

バス会社:「12:30か15:30以降の便でわずかですが空いています」

自分  :「15:30の便にしたいのですが、トランクルームに折り畳み自転車は載せれますか?」

バス会社:「満席で他のお客さんの荷物もあるので載せれません」

自分  :「乗る前に運転手さんに聞いてOKなら載せられますよね?」

バス会社:「そもそも、折畳み自転車のような大きい荷物は載せれません」

自分  :「そうなんですか。札幌から釧路行きのバスを予約する時、運転手さんがOKなら載せられると聞きましたが?」

バス会社:「それは空いていたからじゃないですか」

自分  :「いえ、その時も残り1席でしたが…」

これ以上、話しても要領を得ないので、予約はせず一旦電話を切る。同じバス会社にもかかわらず、受付の人や場所で対応が違うようだ。JRも考えてみるが、やはり高すぎる。

事前にここのバス会社のホームページで「有料だが、折り畳み自転車は輪行袋に入れてあれば持ち込める」ことを確認している。多分、電話受付の人はそこまで詳しく知らないのであろう。

なので、トランクに空きがあれば大丈夫なはず。当日、他のお客さんの荷物が多くて運転手に断れればキャンセルしてJRに乗り換えよう。

再度、予約の電話をいれる。

自分  :「8月7日の帯広から札幌行きで、15:30の便はまだ空いてますか?」

バス会社:「空いています」

自分  :「予約したいのですが、当日切符購入後に、乗車前のキャンセルはできますか?」

バス会社:「できます。切符を帯広バスターミナルの窓口で購入して、キャンセルも窓口でしてください」

これで、バスの予約は完了。

ずいぶん時間を費やし、すっかり暮れかかってきた。もう一度、桟橋周辺で写真を撮る。

夕暮れの阿寒湖
夕暮れの阿寒湖

「まりも湯」に行くのはやめることにする。キャンプ場のコインシャワーを使えば節約になるし、温泉好きな訳でもないし、露天風呂があればまだしも公衆浴場なのでないだろう。

17:11 遊覧船乗り場を出発。シャワーの使用時間が18:00までなので、急いで晩飯を買ってキャンプ場に戻ることにする。

近くにコンビニが2軒あるが、中をのぞくと観光客がレジに並んでいる。弁当が売り切れていそうなので、温泉街から少し離れている、さっき行ったセイコーマートに向かう。

ところが、ここもおにぎり以外のご飯ものは全て売り切れ。仕方なく、腹持ちのよさそうな焼うどんやグラタンなどを晩酌と一緒に買う。

17:33 キャンプ場に戻る。急いで管理棟に行き、10分で出ると伝え、コインシャワーに入る。ここもシャワーが3室。コイン入れに一番近いシャワー室に入ろうとする。

ところが、石鹸をテントに忘れたことに気づく。「しまった、急いで取りに戻るしかない」と思っていたところ、目の前の洗面台に石鹸が2個置いてある。

誰もシャワーに入っていないし、閉まる時間も迫っているのでこれから来る人もいないだろう。1個、お借りし、使わせてもらう。

予定通り10分ほどで出て、テントに戻る。着替えたものを洗濯する。

晩飯&晩酌をしながら、明日の予定を確認する。

始めは足寄峠まで上りだが、スタート直後なので体力的には全然問題ないし、峠を越えれば足寄まで多分ずっと下り。足寄から上士幌までは、多少アップダウンがあるだろうが、峠越えではないのでたいしたことないだろう。距離も85kmぐらいなのでこのままだと楽勝だ。オンネトーにでも寄っていこうと思う。

明日に備えて寝る。


走行時間:6h17m20s 走行距離:86.57km
平均速度:13.7km/h 最高速度:38.6km/h

== 旅の費用 =========
キャンプ場代(阿寒湖畔):¥630
コインシャワー代    :¥100
飲食代         :¥1,575
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合計          :¥2,305
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