'22 南東北 晴れ待ち標高1000m越えツーリング⑫ 上山〜蔵王

2023年1月8日日曜日

2022年 自転車旅 東北

地蔵山山頂からの眺め② 11日目 2022年5月26日(木)

出発前に昨日予約した「ビジネスホテル松見」をキャンセルする。

明日は雨予報なので、買い物や飯を食いに行く以外は1日ホテルで過ごすことも想定している。けど、このホテルは国道13号線沿いの郊外にあるため、店があまりなくちょっと不便。それで山形駅前にある「ホテルニュー最上屋」をじゃらんで予約し直す。

8:36 宿を出発。

宿の前の「新湯通り」を直進して国道13号線方向に向かう。かかし橋を越えスーパーの手前で左折して、国道13号線は避ける。

住宅や学校、田んぼが続く道を進む。このまま県道12号線に出ようと思ったが、GPSをみるとその手前に国道13号線や高速道路をパスして県道12号線に続く道があるのでそこを通ろうと思う。

ちょっと行き過ぎだが、少し戻って国道13号線方向に進み、国道13号線と高速道路の高架下をくぐる。

9:00 県道12号線、蔵王エコーラインに到着。

蔵王エコーラインに入るとすぐに県道14号線へ左折する。

蔵王川を渡る。川の色が赤茶けていて、石っころも赤茶けている。上流にある火山(蔵王山)の影響だろうか。

蔵王川
蔵王川

ここから本格的に上り坂が始まる。

県道14号線に入ってもそれなりに交通量はあるが多くはない。GPSを見るとこの先にも脇道があるので集落もありそう。それで交通量がそれなりにあるのだろうと思う。

勾配がキツくなってくる。高度が上がってきてカーブでは上山の街が見えてくる。

ウネウネした坂を上っていき、たまに10%ぐらいの勾配も出てくるが、それほどキツく感じない。

左手にある森の木々が途中で切れているところがある。あそこには多分道路が走っているんだろうと思う。

小倉の集落で左に分岐する道があるので、森が途切れているのはその道のせいだろう。

ここまでは多少の緩急はあったものの勾配は5%ぐらいだろう。

小倉の集落を抜けてしばらく行くと、県道14号線に入って一番キツそうな坂が見えてくる。上り始めてみると勾配は10%ぐらいあるだろうと思う。それが400mぐらい続く。

そこを越えると勾配は少し緩む。そんな道を走りながら、集落や田畑を越えていく。民家や畑がなくなって、少し勾配がきつくなってくるが、交通量はぐっと減る。あとは坂を淡々と上っていく。

左にある山の上にロープウェイ乗り場のような建物が見える。多分、蔵王のスキー場だろう。

いつしか森の中の道になり、キツめの坂を上っていると前方に人影が見える。「なんだろう?」と思い近づいていくと、そこには「蔵王ペンション村」の看板。住人の方が何か作業をしているようだ。

県道53号線との分岐に到着。

県道53号線から合流してきた車で少しだけ交通量が増える。

蔵王温泉まではあと少し。10時半ぐらいに着けるかと思ったが、あと15分ぐらいかかりそう。

そしてホテルやホテルの看板が出始めてくる。

蔵王

10:42 県道53号線、蔵王ラインとの分岐に到着。

小倉の集落を抜けた後の県道14号線は、勾配が大体7,8%ぐらいだったと思う。前半よりも少しキツかった。

「よし、着いた」と思い左折すると、まだ急坂が続いている。

温泉街の中の急坂を上り、ロープウェイ乗り場に到着。ところが「運行休止中」との看板。

「あれっ」と一瞬思ったが、よくみるとここは「中央ロープウェイ」の乗り場だった。乗り場を間違えた。「中央ロープウェイ」が運行休止中である事は調べていたので知っている。

「蔵王ロープウェイ」乗り場はどこかと思い、近くに地図があるので確かめる。蔵王ラインへ少し入ったところにある。

スカイロープウェイの場所も書いてあったが、ここからかなり上ったところにあるらしく自転車で行くのはちょっと大変そうだ。

「蔵王ロープウェイ」乗り場に向かう。坂道を下りていくと左手に「蔵王ロープウェイ」の看板のある建物が見えてくる。駐車場には車がそこそこ止まっているのでそれなりにお客さんは来ているようだ。

10:47「蔵王ロープウェイ」蔵王山麓駅に到着。

自転車をどこに止めようかと駐車場をぐるっと周る。左手奥の柵があるところに止めることにする。

パンと飲み物、レインウェアを肩掛け袋に入れ、熊避けの鈴を持ってロープウェイ乗り場に向かう。とその時、ロープウェイ乗り場から職員のような方が走って来て、「自転車はパイプ柵のこちら側に止めてもらえませんか」と頼まれる。「パイプ柵の向こうは落石があるかもしれないので」と言われる。すぐに応じてパイプ柵のこちら側に自転車を止め直す。

ロープウェイに乗る前に、トイレに行っておく。

ロープウェイの蔵王山麓駅に入る。料金は一番上の地蔵山頂駅まで往復3,000円也。結構する。

チケット売場の方によると、途中の樹氷高原駅で乗り換えがあり、そこで一旦降りて周辺を周ることもできるそうだ。

「周辺の地図はないですか」と聞くと「そこにあるホテルのパンフレットに地図が書いてあります」と言われるので、窓口の横に置いてあるパンフレットを1枚もらう。

中を見ると大雑把な地図がある。これだとちょっとよくわからないがしょうがない。あらかじめスマホにダウンロードしておいた地図と合わせて見ながら行くことにしよう。

ロープウェイ乗り場へ向かっていくと、樹氷高原駅から上に登るリフトは休止中と書いてある。

11時発のロープウェイに乗ると、中には8人ほどのお客さんがいる。乗務員の方も2人乗り込んでくる。

11:00 蔵王山麓駅を出発。

女性の乗務員さんがロープウェイの案内をし始める。男性の乗務員さんが乗り込んできたのは安全上のためだろうか。よくわからない。

アナウンスが終わると、定番の観光案内が流れる。

11:06 樹氷高原駅に到着。乗車時間は6分ほどだった。

ここでは「いろは沼」の方へトレッキングに行こうと思っている。

駅を出て「いろは沼」と書いてある案内板に向かって歩いていく。リフトの横に「ユートピア 標高1,340m」の案内板があり、雪も少し残っている。結構、上に登ってきたみたいだ。そして右の方をみるとデカい椅子というかソファーが屋外に置いてあるのが見える。

なんだろうと思って行ってみると、そこからは眼下に絶景が広がっている。冬はゲレンデになるんだろうと思う。

ちょうどその斜面の上にソファーが置いてあって、座ってここから絶景が見下ろせるようになっている。寝そべったまま景色を見れるリクライニングシートもある。2つ並んだソファーが4組ぐらいあり、リクライニングシートも4,5台置いてある。

パンフレットによると、ここは「百万人テラス」というところのようだ。

しばらくそこで景色の写真を撮ったり、空いているソファーに座って絶景を眺める。まだ昼にはなっていないが、ついでにパンも食う。

百万人テラスからの眺め
百万人テラスからの眺め

で、そろそろ「いろは沼」の方に向かおうと思う。スマホの地図を見ながら「いろは沼」のある方を探すと、ゲレンデの上のほうにあるように見える。「こんなところを登っていくのかなぁ?」と思いつつ少し登ってみるが、他に登っている人の姿もないので一旦戻る。

そして周辺をいろいろ見回しているとリフトがある。動いてはいない。

ここで気づいた。ロープウェイ乗り場で「リフト休止中」と書いてあったのは、ここのリフトのことだった。

本来ならこのリフトに5分ほど乗って上に登り、「いろは沼」周辺をトレッキングできるはずなんだが、なぜかリフトは動いていない。まだシーズン前なのかと思ったりする。

今「いろは沼」行こうとするなら、このゲレンデを登らないといけないようだ。さすがにちょっとそれは辛いので「いろは沼」に行くのは諦める。

時間ができたのでもう一度、「百万人テラス」に戻り、少しゆっくりする。少し霞んでいるがやっぱり絶景だ。

しばらく見ていたが、そういえば天気予報は午後からだんだん曇ってくると言っていたことを思い出す。それならば早く頂上に行った方が良いだろうと思い、山頂線のロープウェイ乗り場へ向かう。

確かゴンドラは3分おきに出ていると言っていた。

乗り場に着くといるのは自分1人。山頂線のゴンドラは山麓線よりかなり小さく7,8人ぐらい乗れるサイズ。自分1人だけで乗り込む。

ゴンドラに入ってからドアが閉まらないので、「このまま開けっぱなしで上まで行くのか?」と思ったりする。ゴンドラが進み、乗り場を離れる手前のところで「ここでドアが閉まります」と言う表示がある。「ここで自動的に閉まるんだろう」と思っていたら、その通り閉まった。

11:38 樹氷高原駅を出発。

山麓線のゴンドラには他のお客さんがいたのでほとんど写真を撮ることはできなかったが、ここは1人なので場所を変えて周囲の写真を撮る。

山肌の森、斜面に残る雪を見ながら登る。「冬になるとこの辺の木々に樹氷ができるんだろうなぁ」と思ったりする。あるところから枯れ木が多くなってくる。標高が高くて、このあたりは特に気候が厳しいのだろうと想像する。

11:48 地蔵山頂駅に到着。

地蔵山頂駅の屋上に「山頂テラス」という展望所があるようなので、まずそこに行ってみる。

「山頂テラス」からの眺めは、下の方はゴンドラから見えた景色とあまり変わりはないが、場所が高くなった分だけ眺めは格段にいい。麓に小さな池が2つほど見える。手前の山肌には立ち枯れた木々が続いていて、その先に緑の森が続いている。そして麓の山形や上山の街も見える。

ただすぐ下にロープウェイの支柱があり、写真を撮るのにはちょっと邪魔になる。

山頂テラスからの眺め
山頂テラスからの眺め

「山頂テラス」には「恋人たちの聖地」と書いてあるプレートがある。どこにでもありがちなフレーズだ。あと、横になれるリクライニングシートがここにも置いてある。

山側が見える方に移動すると、遊歩道があって奥に赤い頭巾と前掛けをした大きなお地蔵さんが見える。そしてその向こう側から雲が迫ってきている。下から雲が這い上がってきているような感じだ。天気予報通り、曇ってくるかもしれない。

と思っていると下の方から鐘の音が聞こえる。なぜか知らないけど観光地にはよく鐘が置いてある。

「山頂テラス」を下りて遊歩道の方に行く。

地蔵山頂駅を出ると鐘がある。「開運の鐘」というらしい。興味ないのでパス。遊歩道の先にある大きなお地蔵さんの方に向かう。

右に山に続く登山道が見える。

大きな地図があるのでそれを見ると、その登山道は地蔵山に続く道のようだ。地蔵山からはさらに蔵王山の最高峰、熊野岳まで続いているようだ。

地蔵山までは10分か15分ぐらいで行けそうなので、あとで行ってみようと思う。さすがに熊野岳までは時間的にも装備的にもちょっとキツイだろう。

蔵王地蔵尊の前に来る。地蔵山があるだけにお地蔵さんというところだろうか?

蔵王地蔵尊と迫る雲
蔵王地蔵尊と迫る雲

左にもう一つ山があって案内板が出ている。そこは標高1,703mの三宝荒神山という山で、山頂までぐるっと一周して戻ってくる400mのコースになっている。15分ぐらいで周れそうなので、とりあえず登ってみる。

登ろうとすると、降りてくる年配の男女とすれ違う。

反時計回りに登っていく。また1人の女性とすれ違う。

12:06 三宝荒神山山頂に到着。

方向的に霞んでいるところが多くで、山形っぽい街の一部がギリギリ見えるかなっていう程度。どちらかというと周囲には山間の景色が広がっている。

三宝荒神山山頂
三宝荒神山山頂

山を下りる。ちょっと膝に違和感というか軽い痛みが出てきだした。昨日の山寺の1,000段超え石段上りに続いての山登りなので、ついに来たかという感じだ。でもまだ大丈夫。

下まで降りて、次は地蔵山に向かう。

東から雲が立ち込めてきている感じなので、雲で覆われる前に早めに行った方がいいだろう。

登山道を上り始めるとすぐに雪が残る斜面を登る。その前の登山道は雪解け水で少し水没しているので、端の少し高いところを登っていく。

雪の上を登っていくと多少靴が濡れる。この靴はどうも防水ではないようで、「また乾かさないといけないかな」とちょっとイヤな気分になる。

残雪を超えると階段になる。左膝に負担がかからないよう登っていく。

12:25 標高1,736mの地蔵山山頂に到着。

山頂を示す木の柱は斜めに横倒しになっていて、字も擦れていてよく読めない。多分風雪のせいだろう。

山頂付近は石ころだらけでかなり歩きづらいが、登山ならこれくらいが普通だろう。眺めは「山頂テラス」や三宝荒神山山頂よりもかなりいい。

山形市街のある山形盆地も霞んでいるが見えているし、反対(南東)側の蔵王山最高峰の熊野岳もよく見えていて、山側の景色もなかなかいい。登山中の人もよく見えるぐらいだ。

地蔵山山頂からの眺め①
地蔵山山頂からの眺め①

地蔵山山頂からの眺め②
地蔵山山頂からの眺め②

熊野岳
熊野岳

足場の悪い山頂周辺をぐるぐる周りながら景色を楽しむ。時間が全然あるのでゆっくりしていられる。

熊野岳の方から一人、男性の登山者がやってくる。山頂を示す木の柱の前で「ここは地蔵山標高1,736m…」と呟いている声が聞こえる。ボイスレコーダーに記録しているようだ。そして眺めのいいところで岩に腰掛け、タバコで一服し始める。

しばらくして、その人は下のロープウェイ乗り場の方に降りて行く。

自分もその眺めのいいところに座り、もう1個パンを食う。熊は出ないだろうとは思うが、匂いを出したいので少し周りが気になったりする。

その後も男女2人が熊野岳の方からやってきて下のロープウェイ乗り場の方に降りていく。

地蔵山を下山する。

石ころがあってしかも地面も凸凹だらけなので足をくじいて捻挫しないように、そして左膝に負担がかからないように慎重に降りていく。結構時間がかかる。やっぱり登りより降りの方が大変だ。

下から女性が1人、結構なスピードで登ってくる。服装からして登山者ではなく、自分と同じくロープウェイで登って来た観光客のような感じだ。少し離れて後から男性も1人登ってくる。

雪の残るところまで戻ってくる。若干滑るが、転ぶようなところではない。

遊歩道のところまで戻る。まだ時間があるので地図を見る。

「樹氷の碑」と言うものがあるようなのでそこに行ってみる。

それは三宝荒神山への上りのすぐ近くにある。写真を撮っていると、さっき地蔵山の上で会ったおじさんが三宝荒神山から降りてくる。

いよいよ行くところがなくなってきて、もう一度地図のところまで戻り、他に行けるところがないか探す。すると、そのおじさんもやってきて地図をちょっと見ていたが、また地蔵山へ登っていく。多分、熊野岳経由で刈田岳の方に戻っていくのだろう。

もう行くところがないので「山頂テラス」にもう一度行ってみる。その前にトイレに行こうと地階の方に下りていくとロープウェイのロープを引いている滑車が見学できるようになっている。

「山頂テラス」に上がる。だいぶ下の景色が霞んできた。

下のロープウェイ乗り場から背広を着たガイドさん風の男性と3人の年配の方が出てきて何か説明を受けている。そしてガイドさんが「鐘を鳴らしてみてください」と言っている。

おばさんが「開運の鐘」を鳴らそうとしているが、全然鳴らない。鐘が鳴らないので「運がないんじゃないですか」と冗談を言われている。

神社の鐘のように紐を横に振ればいいだけだと思うが、なぜかそのおばさんは紐をちょっとだけ前に振っているだけ。鐘の鳴らし方がよくわからないように見える。

後ろのちょっと離れたところから若い男の声が聞こえる。何だろうと思って地蔵山の登山道の方を見ていると。若い男性2人が降りてきて雪のところで滑って転んでいる。多分それでギャーギャーと声を出していたのだろう。慣れていないと転んでしまうような雪山だが、なんであんなに何度も豪快に転ぶのだろうと不思議に思う。わざとコケているように見える。

その若い男性2人も「山頂テラス」に登ってくる。見た感じ高校生か大学生のような感じだ。

自分はリクライニングシートに寝っ転がって空を眺めたりスマホを見たりする。するとその学生風の若い男性も少し離れたところにあるリクライニングシートにやってくる。「さやかが…」なんて言う話声が聞こえてくる。しばらくして下に降りていく。

もう一度「山頂テラス」から下の景色を眺めていると、その若い男性2人が乗ったゴンドラが下に降りていく。

右の方をみるとサンゲ坂を徒歩で降りていく二人連れがいる。それを見て自分も「歩いて降りてもいいかな」と思うが、左膝が心配なのでやっぱりやめておく。

そろそろ自分も降りようとロープウェイ乗り場に行く。今回も乗るのは自分1人だけ。最終のロープウェイが15時45分?(記憶が曖昧)と書いてある。今は13時半ぐらいなのでまだまだ時間がある。

13:41 地蔵山頂駅を出発。

出発してしばらく進むと突然ゴンドラが止まりそう感じになる。「なんだ?」と一瞬思ったがゴンドラは止まる事はなくスピードを落として降りていく。風が強くなっていたせいかもしれない。ゴンドラは換気のためか窓が開いていて、時折ピューという風音が聞こえてくる。ゴンドラはほんの少しだが横揺れしながら降りていく。

下から登ってくるゴンドラには時折人が乗っている。この時間に上に行くなら、ロープウェイの最終便の時刻があるので、自分と同じような山登りするにはギリギリだろう。多分、ちょっと見てすぐに降りてくるのだろうとは思う。

13:51 樹氷高原駅に到着。

「ブナの小径」という散策道があるのでそっちの方へ行ってみる。「百万人テラス」がある方向に道は続いているので、そこに出るのではないかと思う。小高くなった林を抜けると予想通り「百万人テラス」の近くに出てくる。何人かソファーに座っている。まだ時間があるのでここでもう少しのんびりすることにする。

最初は横になれるリクライニングシートに寝ていたが、角度的に空しか見えない。なので景色が眺められるソファーに移る。

景色を眺めたり天気を確認したり、明日以降のことを考えたりする。

斜め前のソファーに年配の夫婦のような人がやってきて、飛行機雲の写真を撮ったりしている。確かに見上げると飛行機雲が何本もかかっている。6,7本はかかっているように見える。「標高が高いのでよく見えるのか?」と思ったりするが、ここは特別飛行ルートの多いところでもないようにも思う。

飛行機雲
飛行機雲

斜め後ろのソファーでは若い20代後半か30代の男性2人が会話をしている。会社のことなのか内容はよくわからないが、「東京に帰る…」って言う話声も聞こえてくる。

14時半になるのでそろそろ戻ろうかと思ったが、眺めが一番いい、一番後ろのソファーが空いたのでそこに移動する。そこで少し景色を眺めているとふと横のほうに人の気配を感じたのでそっちを向くと若い女性が1人写真を撮っている。大学生っぽい感じ。

眼下の景色を眺めていると、山と山の間にある細い平地にずーっと街並みが続いている。「あれはどのへんだろう?」と思い、ツーリングマップルを見てみる。見ている方向は南西で、その方向には県道13号線が通っている。

ツーリングマップルによれば、このあたりの道は歴史国道羽州街道」というらしく保存整備もされていて、楢下宿という宿場もあるようだ。時間があれば行ってみようと思う。

そろそろ帰ろうとロープウェイ乗り場に向かう。途中でもう一度リフト乗り場にある地図を見てみるが、やはり「いろは沼」にはスキー場は登らないといけないらしい。

リフトの向かいにあるレストランの建物の横にリクライニングシートが置いてあって、2人の男女が横になっている。日陰なので寒くないのかと思ってしまう。

ロープウェイ乗り場に向かう。確か15分おきに出ているので次は15時ぐらいだろう。まだ少し時間があるのでロープウェイ乗り場周辺で景色を眺めたりする。サングラスをかけた男性は雪を眺めている。そんなことをしていると「百万人テラス」で見かけた若い女性もやってくる。どうやら皆さん下に降りるロープウェイを待っているようだ。

乗り場に行くとまだ改札は始まっていないので乗り場の中を見たりするが、馬そりが展示されているぐらいだ。

階段を降りて乗り場に行こうとしている女性が職員の方に「どうぞ、いいですよ」と言われている声が聞こえる。自分もしばらくして階段を降りる。

出発までまだ10分近くあるが、とりあえずゴンドラの席に座って出発を待つ。

しばらくして「百万人テラス」のソファーに座っていた若い男性二人も乗り込んでくる。その後にはあの若い女性1人も乗り込んできて空いている自分の隣りに座る。香水というか化粧のすごい匂いがしてくる。最初は「うわっ」と思ったが、じきになれる。

15:00 樹氷高原駅を出発。

空は霞み、だいぶ西日が差してきて少しまぶしい。景色を眺めながら降りていく。隣の女性はずっとスマホを見ている。話しかけられたくないオーラをかなり出している。1人で来ているのでそりゃそうだろうと思う。

15:07 蔵王山麓駅に到着。

「いろは沼」へのトレッキングを断念したので、まだ時間が余っている。山形市街までは1時間もあればいけるだろう。ちょっと温泉街でぶらぶらできるところはないかと思い、ロープウェイ乗り場近くにある地図を見る。わかりにくい地図なので場所はGoogleMapで確認する。

温泉街に滝、外れに小さな湖があるので、その辺に寄っていこう思う。

自転車に戻り、持っていた荷物を積む。

15:21「蔵王ロープウェイ」の蔵王山麓駅を出発。

県道21号線を北へ上っていく。高湯通りへ右折して少し上ると、右にベンチがあって少し広くなっているところがある。

15:27 どんどんびき(見返り滝)に到着。

デッキからすぐ近くに小さな滝が見える。硫黄の匂いが少しして、水が緑色をしているので、温泉が流れているのだろう。温泉街にあるので気をつけないと見逃してしまいそうだ。

どんどんびき(見返り滝)
どんどんびき(見返り滝)

次は湖へ行く。県道21号線に戻って北へ進む。

バスターミナルを過ぎたところで右折して急坂を上る。左に曲がって上っていくと前にそれらしいところが見えてくる。

15:31 盃湖に到着。

見た目的には湖というより池といった方がいいだろう。写真を撮ってすぐに来た道を戻る。

盃湖
盃湖

県道21号線に復帰して山形市街方向へ下りていく。

県道53号線との分岐で右折してこのまま県道21号線を下りていく。

再度、県道21号線と県道53号線と分岐に到着。案内標識は仙台になっているが、県道53号線へ右折する。

県道53号線に入ってまもなく、この先工事中で片側交互通行との表示が出てくる。しばらく走ると対向車線側だけの片側交互通行区間が始まる。少しだけ待たされてGO。

西蔵王トンネルの手前まで来ると、工事している左側車線で地面にエアか何かを吹き付けている。砂が舞い上がって前は見づらいし、埃っぽくて息もしづらくてマイる。こんなところを通る歩行者や自転車、バイクのことまで気遣ってはくれないだろうとは思うけど、下り坂なのでちょっと危ない。

トンネルの中も片側交互通行。慎重にトンネル内を走り抜け、出てしばらく行くと工事区間は終了。左側車線に戻る。

そのままずっーと下りていく。

左に丸い池が見えるところでちょっと休憩。二ツ沼というらしい。この道で間違いないか、道が新しくなっていないかGoogleMapで一応確認する。大丈夫そうだ。この先で県道167号線との分岐に出れば問題ない。出発する。

県道167号線との分岐に到着。左折して県道53号線へ進むが、片側一車線だった道が一気に狭くなって1.5車線の道になる。斜面に沿った道のようで、路面もかなり悪い。

慎重に道を下りていくとミラーに車が映る。路面が悪くカーブが多い狭い道なので、なるべく左に寄って早く車をいかせようとする。が、なぜか車は追い抜かない。「なんで抜かないんだ」と思いながらも左に寄ってしばらく走るが、それでも一向に抜かない。もう車に構わずに下りていくことにする。

後ろから車はずっとついてくる。ちらっとサイコンのスピードメーターを見ると30km/h程度で下りている。道路が広くなったところでようやく後ろの車が追い抜いていく。後ろから見ると運転席には女性、隣には男性が乗っているようだった。無理して追い抜かないようにしていたのだろう。

片側一車線の道に戻り、しばらく下りていくと山形市街が見えてくる。

住宅街の交差点で止まる。これからどこに行くか決めていなかったので、ネットで山形市街の観光地を探す。時間はまだ16時半にもなっていない。

山寺や山形城跡など既に行ったところばかりしか出てこない。そんな中、光禅寺と言う最上家の墓があるお寺が出てきた。他に行くところもないのでとりあえずそこに行くことにする。場所もこの県道53号線からそう遠くないところにある。

山形

市街地に入ると、意外にも左側に自転車専用の道があったりして路肩が広く少し走りやすい。国道285号線を越えて、住宅街へ左折する。そして見覚えのある山形中央高校の横の道を進む。

16:35 光禅寺に到着。

門を入り、駐車場の端に自転車を止める。

境内は草木が茂り、小さな川が流れていて石橋もかかっている。大きな鐘楼も見える。なかなか雰囲気のあるお寺だ。周りは住宅地で、隣には高校の校舎があり体育館からは部活をしている学生の声が聞こえる。

光禅寺の境内
光禅寺の境内

入口周辺に最上家の墓は見当たらない。

建物の1階部分が奥へ通り抜けられるようになっている部分がある。その先にお墓が少し見える。

奥に墓地があるようなので、最上家の墓もそこにあるのだろうと思う。あまり自分の家の墓地以外には入りたくはないのだが、しょうがないので中に入ってみる。

入っていくとそれらしい大きなお墓が見えてくる。「最上家三代之墓所」と書いてある石柱がある。見学してすぐに墓地を出る。

最上家三代の墓所
最上家三代の墓所

まだ17時前なので他には行くところがないか、もう一度ネットで探す。もうほとんどないが、「山形縣護國神社があるのでそこに向かうことにする。場所はお寺の前の道をずーっと真っ直ぐ進んでいって県道19号線を右に行ったところだ。道順としては非常にわかりやすい。

16:58 光禅寺を出発。

住宅街の細い道を北へ向かう。途中でクランクのような道があるのだが、見たような気がする。さらに進んでいくと広い道に出る。ここは完全に見た記憶がある。一昨日、山寺に行く時に通った道だ。

県道19号線に出て右折、神社へ向かう。確かこの辺だなぁと思い、止まってGoogleMapで確かめる。大体このあたりで左に神社あるはずだが、建物は見えない。

「入口はこっちじゃないのかな?」と思い、少し戻って脇道に入るが神社っぽい建物は見えない。さらに住宅街の道へ入っていくと、右側(神社がある方向)に公園が出るが、そこからも神社のほうに抜けられない。

さらに住宅街の道を進むと川沿いの道に出る。片側一車線だが、歩道はなく路肩も広くない。17時を過ぎて交通量も多いので走りづらいし、左側車線から右にある神社に入るのも難しいそうだ。

「どうやって神社に行くんだ?」と思い、来た道を戻る。行くのをやめようかと思ったが、もう一回さっきGoogleMapで確認した場所まで戻る。

そしてさらに先へ進んでみると、すぐ左に大きな鳥居が見えてくる。そして神社の入口に出る。

17:22「山形縣護國神社」前に到着。

なんとさっきGoogleMapで確かめていたところをほんの少しだけ進んだところに神社の入口があった。ずいぶんと遠回りしたものだ。GoogleMapで広い敷地の場所をみると、入口がどの道に接しているのかよくわからないことが多い。今回もそんな感じだった。

大きくてなかなか立派な神社だ。県内随一の神社だろうと思う。駐車場を過ぎて神社の前まで行くが、ゲートがもう閉まっていて中には入れない。ゲートの外から写真を撮っていると、巫女さんの姿が見える。

山形縣護國神社
山形縣護國神社

これにて今日の予定は終了。宿へ向かうことにする。

宿は山形駅前にある。なるべく道が広くて車の通らないところを行こうと思う。

また見覚えのあるところに出る。ここも昨日「文翔館」に行くときに立ち止まって道を確認したところだ。

17:42 宿の前に到着。今日のお宿は「ホテルニュー最上屋」。

フロントはエレベータを上った3階にある。宿のあるビルの入口に駐輪場はない。とりあえずビルの前に自転車を止めて、駐輪場の場所を受付に聞きにいこうと思う。

受付に到着し、チェックインは後にして駐輪場の場所を聞く。

すると道を挟んだ1本裏手に駐車場があるのでそこに止めてくださいと言う。さらに「車の邪魔にならないところに、邪魔にならないところに」と、繰り返し言うのでちょっとカチンとくる。「自転車は邪魔だ」と言わんばかりの話し方だ。まぁそういうつもりで言っているわけではないと思うが、もっと言い方があるだろうと思う。

あと、受付の女性の方が若干山形弁が混ざっているせいか、聞き取りにくいところがあり、そういうふうに聞こえたのかもしれない。

教えてもらった場所に自転車を置きに行く。あまりきれいな駐車場ではなく、外から丸見えなのでいたずらされたりしないかちょっと気になる。奥のギリギリ天井のある端にママチャリが置いてあるので、そこに自転車を止めておく。

荷物を持って再度ホテルに行きチェックインする。県民割を利用するための一連の手続きを行い、宿泊料は4,000円から2,000円になり、クーポンも2,000円分もらう。

部屋に行く。ツインルームを予約指定していたが、かなり広くて窓もデカい。こんなに広くて眺めもいいなら、明日1日部屋にいても快適に過ごせそうだ。

まずは晩飯を食いに行きたいので、クーポンが使える周辺の店を探す。昨日のような居酒屋は無駄にお金がかかるだけなので、普通の飯屋がいい。それがなかなか見つからない。

駅中にとんかつの店があったがちょっと高いのでパス。「駅前食堂」や「金彦魚店」は良さそうだが、どちらもクーポンが使える店ではなかった。結局、中華屋さんにする。中華屋さんが一番無難なような気がする。

あと買い物ができるスーパーを探す。大きな駅の周りにスーパーはあまり無いことが多いのだが、山形駅の東側には上山にもあった「ヤマザワ」、西側には「マックスバリュ」がある。今日は「マックスバリュ」に行くことにする。

19:11 宿を出る。

まずは中華屋さんへ晩飯を食いに行く。宿の近くで、店の名前は「山形五十番飯店」。

中に入るとそこそこのお客さん。とりあえずおかず1品でライスをつけようかと思ったが、おかずよりラーメンの方がボリュームがありそうなので五目ラーメンと半ちゃんライスにする。

これで1,000円ちょいでボリュームもちょうどいいし、クーポンも1,000円分使えて無駄がない。

五目ラーメンは塩味だったが、もうちょっとこってりしていたほうが今の自分にはよかった。

店を出てマックスバリュに向かう。駅中を通って西側に渡る。駅には高校生が結構多い。

マックスバリュでパンやお菓子、飲み物など多めに買い込み、明日雨で1日出なくてもいいようにしておく。

20:32 宿に戻る。

いつものようにシャワーを浴び、洗濯をして今日も終わり。

寝る。

=== 旅の費用 ======================
蔵王ロープウェイ乗車料   :¥3,000
宿泊費(ホテルニュー最上屋):¥2,000(県民割2,000円適用)
飲食代           :¥969(県民割クーポン1,000円使用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計            :¥5,969
===============================


走行時間:3h30m40s 走行距離:42.10km
平均速度:11.9km/h 最高速度:36.9km/h

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