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'22 南東北 晴れ待ち標高1000m越えツーリング⑪ 上山〜山形

2022年 自転車旅 東北

10日目 2022年5月25日(水)

今日は「宝珠山立石寺」に行く。「山寺」と言われているところだ。前から行ってみたいと思っていたところの一つで、山形に来たのは山寺が目的と言ってもいい。松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだお寺で、奥の細道にも収められている。

出発前に明日の宿をどうするか決めないといけない。昨日までは蔵王温泉に泊まろうと思っていた。が、明後日27日が確実に雨のようなのでその日は宿で過ごして連泊することになる。そこがちょっと引っかかっている。1日宿にいてもすることがないし、コンビニもないので買い物もできない。

蔵王温泉に泊まった翌日は、県道53号線を通って蔵王エコーラインに出て御釜周辺を少しトレッキングし、宮城の遠刈田(とおがった)温泉まで行こうと思っている。

蔵王を満喫するには蔵王温泉を経由して蔵王エコーラインに入るのがいいだろうとこのコースにした。

日程的にも1日目に蔵王温泉まである程度上って、2日目にピークまでの残りを上ることで、途中でトレッキングしたりしながら余裕を持って走れそうな気がする。

ただ27日は雨でほぼ確定的なので、蔵王温泉を経由せず26日に一気に蔵王エコーラインを抜けようかとも思い始める。

その場合、上山からどれくらいの高度を上るのかと思い調べてみると1,400mぐらいになる。「結構上るなぁ」と思い、蔵王温泉から上った場合と比較してみる。すると、その場合も上る高度は1,400mぐらいあってほとんど差がない。

「あれっ」と思い、もうちょっと調べる。蔵王温泉から蔵王エコーラインに抜ける県道53号線は、一旦上った後、その上った分のほとんどを下ってしまってから蔵王エコーラインに到達する。その無駄な上りがあるため、上山から上った場合の高度とほとんど差はないようだ。

ということで、蔵王温泉経由で蔵王エコーラインを抜けても体力的に余裕ができる訳でもなさそう。

そうなると、雨をやり過ごすために蔵王温泉に連泊する必要があるのか、一層疑問になってくる。

「あ~どうしよう、決められない」

時間が経つばかりなのでまた後で考える。

さて今日の行程だが、上山から山寺へは国道13号線や山形市内の幹線道路をなるべく避けて走ろうと思う。

今日はここに連泊するので必要ない荷物は部屋に置いて、身軽にして出ていく。

8:34 宿を出発。

まず宿を出て県道12号線で山形に向かう。途中から県道267号線、県道21号線、国道112号線を行くが、どこも道路が狭く交通量が多い。

痺れを切らして住宅街の道に逃げ込み、GPSの地図を見ながら走る。そして県道19号線に入ると少し道が広くなる。

9:47 馬見ヶ崎橋に到着。左にまだ雪がかなり残っている山が見える。多分、月山だろう。その左に見える山は朝日連峰だろうか。

馬見ヶ崎橋から見る月山
馬見ヶ崎橋からみる月山

再び、道が狭くなり、交通量もあって走りづらくなる。

県道174号線との分岐に到着。このまま直進したいのだが、交差点に信号はなく、交差する道は中央分離帯のある大きな道なので直進できない。左折した先に交差点があるのでそっちに行ってみる。

その交差点で県道172号線へ右折する。ところが今度は国道13号線の山形バイパスが前に立ちはだかり、県道19号線の方へ直進できない。

右折して少し戻り、山形バイパスの高架下を潜って迷路を脱出する。

後で調べると、最初の県道174号線との分岐で右折していれば、すんなりここに出られていた。

県道19号線に復帰、その後県道276号線へショートカットする。

山形市街からだいぶ郊外に出たので道が広くなる。だけど交通量もグッと少なくなりチグハグな感じがして「なんだかなぁ」と思う。

周囲ものどかな風景になってきて、だんだん山も近くなってくる。

大森トンネルは広い歩道があるし交通量も少ないので全然問題なし。大森赤石橋からも雪を被った月山が見える。

再度、県道19号線に復帰。

山寺駅前まで来て、どこに自転車を止めようか周辺を見回しながら走る。左に曲がって橋の手前の右側にトイレがあり、その奥に公園のようなところがあるのでその辺に止めようと思う。

山寺

10:40 山寺駅近くの公園に到着。

後で調べるとここは「立谷川河川公園山寺緑地」とちょっと長い名前の公園だった。

公園の東屋には先客がいるので、トイレの奥に自転車を止める。ここからは歩き。

リュックの中に昼飯用のパンを入れたままにしていく。カラスに荒らされないようにリュックを固定しているゴムロープでファスナーも開けられないようにしっかり固定しておく。今は周辺にカラスの姿は見えないが、2019年のキャンプ旅ではファスナーを開けて食べ物を漁るカラスがいるとの張り紙をみたので、念のため気をつけておく。

そして飲み物だけ持って山寺に向かう。山寺のある方向を見ると山肌に岩が露出しているところがある。「あの辺なのかな?」と思う。

山寺に向かう前に地図を手に入れたいところだ。観光案内所のようなところはないかと思い周囲を見回していたら、「⬅︎山寺観光案内所」の案内板が出ている。

橋の先の右角に観光案内所があるのでそこに向かう。

ところが観光案内所はなんと定休日。水曜が定休日らしい。しょうがないのでネットで見つけておいた地図をスマホで見れるようにして山寺に向かう。

土産物屋や飯屋が並ぶ通りを進んでいく。

10:47 山寺の入口に到着。

さぁここからは、延々と続く石段上りが始まる。段数は1,000を超えるという。2年前に痛めた膝が持つかちょっと不安。上りは大丈夫だろう。

平日なので参拝に訪れている人は年配の方ばかり。こんな石段が続く所によく来るものだと感心する。

まず、最初の石段を上って「立石寺根本中堂」、左へ進んで「日枝神社」と見ていく。

そして「山門」を抜けたところで山寺の巡拝料を払う。300円也。

山門
山門

そしてここから本格的な石段上りが始まる。石段沿いには大きな岩が剥き出しているところが多い。

どんどん上っていくと、途中で修学旅行かどうかはわからないが学生さんの団体がいる。ちょうど説明を受けていて立ち止まっているので、その隙に横をすり抜けて追い抜く。

石段の途中で上を見上げると露出した大きい岩肌が見える。せみ塚では岩の塊が見える。

岩肌に陰刻がある「弥陀洞」をちょっと見学。

「仁王門」を通過すると上に大きな建物が見えてくる。

「観明院」の横を通り、石段を上がっていくと左前方にパンフレットなんかで見たことのある景色が見えてくる。

石段を上り切ったところで下を見ると、山門からこの辺りまではかなり急な崖であることがわかる。

このあと二手に分かれているが、まずは右に進み一番高いところにある「奥之院」のほうへ進む。パンフレットでお馴染みの有名な場所は後にとっておく。

「性相院」、そして「金乗院」の前まで来る。ここでまたコースが2つに分かれるが、ここも右の石段を上っていく。

売店、そして「最上義光公御霊屋」と「中性院」を横を通り過ぎる。

11:15 一番上の「奥之院と大佛殿」に到着。

その前には大きな灯籠がある。後で調べると「金灯籠」というらしい。

石段を上って見学。皆んなここを目指して上ってきているので参拝者は多い。年配の方ばかりだ。

奥之院
奥之院

おばさん方は途中休憩しながら上っているせいかあまり息が上がっている人はいなかった。

一方で、おじさん方は「ゼーゼー」言いながら上っている人を何人も見かけた。「男はなんでああなるんだろう」と思ったりする。休憩したりもっとゆっくり上ればいいのに…と思ってしまう。それとも体力というか生命力がやっぱり女性より弱いのだろうか。よくわからない。自分もいずれその年代になるので気をつけないとと思う。

膝の方はここまで痛む事はなかった。問題は下りだろう。

石段を下りようとした時、ちょうど学生さんの団体が下から上がってきた。入れ替わるようにして「奥之院と大佛殿」の石段を下りる。

次は、さっきチラッと見えたパンフレットによく載っている崖の上にお寺の建物があるところへ向かう。

その前に「三重小塔」という案内板があるので右の方に行ってみる。奥までいくと「華蔵院」、その手前に「三重小塔」がある。

岩をくり抜いたか、元々凹んでいたところに「三重の小塔」がある。

道を戻り、石段を下る。

売店を通り過ぎると、石段の横に細い道があるのでそっちへ行ってみる。

「行啓 山寺記念殿」という建物があり、その先で行き止まり。景色はいい。戻っていると、おじさんに「この道、先に行けるんですか?」と聞かれ、「いえ、行き止まりです」と答える。

「金乗院」の前で石段は下りず、右の道に入る。多分、この先にあのパンフレットで見た景色のところに出るのだろう。

歩いていくと崖の上にある小さな建物が見えてきて、その横にある建物も見えてくる。パンフレットで見た景色だ。崖の上にあるのは「納経堂」で、その横が「開山堂」という。

少し離れたところから、「納経堂」と「開山堂」の写真を撮っていると、後から学生さん達が来たので追い抜いてもらう。

納経堂と開山堂
納経堂と開山堂

学生さん達は「開山堂」の奥にある石段を上がっていく。「あの奥にも何かあるのか?」と思うが、今、学生さん達が上がっていったばかりなのでしばらく待ってから行くことにする。

しばらく経って、「開山堂」の奥に向かう。石段を上っていくと、上から学生さん達が下りてきたので、途中で待って先に下りてもらう。他の参拝客も学生さん達を待っている。引率の教師らしい人も何人か下りてくるが、学生さん達と何か話しているだけで、待っている一般の参拝客に「すみません」の一言もなく通り過ぎていく。「なんだかなぁー」と思ってしまう。

ジャージを着ている学生さん達の胸には、”ISHIKAWA”とあと何かローマ字が書いてある。石川県なのかそれとも福島県の石川町なのかわからないが高校生っぽい。

石段を上り「五大堂」に到着。ここは道場とのことだが、今はもう展望台と言っていいだろう。下から崖伝いに続く山寺の建物、麓の街、周囲の山々、山間の集落が見えてなかなか眺めがいい。

五大堂からの眺め
五大堂からの眺め

「五大堂」から「開山堂」の方に下りる。

パンフレットでよく見るあの角度の写真が撮れないかといろいろ場所を変えてみる。多分、この辺だったかなぁと思う場所もあったが、逆光気味ということもありどれもイマイチ。どっちみち写真を撮るのは下手なのでそこそこにして切り上げる。

納経堂
納経堂

「性相院」までスロープを下り、そして石段を下りていく。

「仁王門」から「山門」まで下りる。

「山門」を出る。来た時は左から来たので、帰りは右の方に行ってみる。

その先に大きな建物がある。「立石寺 本坊」とのこと。

その前を通り過ぎて石段を下り、宿や飯屋などが並ぶ通りに出る。これで山寺登山は終了。若干左膝にきているが普通に歩いたり、自転車を漕ぐのは全然問題ない。

上り始めたところから随分と西側から出てきた。自転車を置いている公園に向かう。

12:11 公園に戻る。

トイレに行き、そして昼飯にパンでも食おうと思う。東屋のところにいたおじさんはいなくなっているが、手前のベンチでおじさんが1人寝ている。東屋でパンを食う。

食いながら、また色々考える。

次に行くのは「垂水遺跡」。大体の場所は把握しているが、もう一度確認しておく。ここからさっき通った山寺の入口まで行き、そのまま直進してJRの高架下をくぐる。左に曲がってその先にある「先手院」が「垂水遺跡」の入口だ。

あと天気予報も調べる。明日26日(木)はほぼ晴れとなる。27日(金)はやはり雨。28日(土)は曇りだったり曇り時々晴れだったりと天気予報サイトで少し違う。29日(日)はまず晴れ。30日(月)はサイトにより晴れだったり、雨だったりする。

やはり27日(金)は雨なので、明日蔵王温泉に行って泊まるのはちょっと避けたいと思う。昨日夜少し考えていた、長井のほうを周って山形市内に泊まろうかとか、蔵王温泉にはトレッキングだけしに行って山形に戻って泊まろうかとも考える。山形市内なら雨でもまぁ何とかなるだろう。

そんなことを考えつつ、そろそろ「垂水遺跡」へ出発しようと思う。

12:23 公園を出発。

山寺の入口を過ぎ、JRの高架下をくぐる。

その先の分岐で左の坂道に入る。しばらく上っていくと鳥居が見えてきて、車が数台止まっている。入口はあそこだろう。

鳥居の前には人がいて写真を撮っている。カップルのようだが、この2人は山寺でも見かけた。男性は年齢が自分と同じくらい(50歳前半)かもうちょっと上のような感じがする。女性は見た感じで30代ぐらいにしか見えない。

車が数台止まっているところの一番奥に自転車を止める。ここにきてかなり暑くなってきた。

鳥居を通り抜けようと思うが、その年の差カップルがまだ写真を撮っているのでちょっと待つ。

後で知ったが、ここの鳥居は「ついてる鳥居」というらしく、金運や恋愛運を良くしたい人は鳥居の柱に抱きついて「ついている」と10回唱えるといいらしい。そんなこともあって写真を撮るのに時間がかかっていたのかもしれない。

ついてる鳥居
ついてる鳥居

12:33「先手院」へ向かう。石段を上り線路を渡る。線路には踏切がないので列車が来ないことを確認する。こういう踏切のないところを渡ったのは、増毛の阿分稲荷神社に行って以来だ。

後からすぐにそのカップルもついてきたが、男性が「このまま遺跡に行くけど、何も持ってきてないけどいい?」と女性に聞いている。そして日除けになるものを何も持ってきていなかったらしく取りに戻っていく。

自分は案内板に従って「先手院」から「垂水遺跡」のほうに上っていく。こんなところには誰も来ていないと思うので、一応熊避けの鈴を鳴らしながら上っていく。

しばらく上ると前方に杖をついて歩いている年配のおじさんがいる。「杖をついていても行くんだ」と思いながら近づいていくと、その人に声をかけられる。

おじさん:「いや大変な道だね。どのぐらいかかるんかねぇ?」

自分  :「初めて来たのでわかんないですけど、そんなに遠くないはずですよ。ゆっくり来たらいいですよ」

おじさんを追い抜いて上っていく。しばらく行くと階段になり、右手の方から人の声が騒がしく聞こえる。誰もいないと思っていたが、どうやら先客がいるようだ。

12:43「垂水遺跡」に到着。

大きな岩が剥き出しになっていて、山寺と同じような感じ。

高いところにある蜂の巣状の穴だらけになった岩の凹みに鳥居、その横にも朱色の鳥居が見える。ここからは見えないが中に古峯神社、稲荷神社が祀られているそうだ。

古峯神社と稲荷神社
古峯神社と稲荷神社

その先には岩が縦に大きく割れているところがあり、この割れ目には不動明王が拝されているという。

更にその隣の岩には背丈ほどの高さのある凹みがあり、その前には「円仁宿跡」との案内板がある。ここで寝泊まりして修行していた場所なんだろうかと思う。

さらにそこから上っていくと「大日堂跡」がある。

自分以外の見学者というか参拝者は1組。高校生ぐらいの女の子とその両親らしい人、おじいちゃんらしい人がいる。

遺跡というのでどんなところかと思って来てみたが、もっと古い時代のものを想像していたので、思っていたのとかなり違った。これはこれで十分古い時代のもので貴重な遺跡なんだと思うが、ちょっと期待していたほどではなかった。

山を下りる。「(上りの途中で出会った)あのおじさんは結局上ってこなかったなぁ」と思いつつ下りていくと、左前方にそのおじさんが見える。

近づいていくとおじさんも自分に気づく。

おじさん:「大変良いところがあったみたいですね」

自分  :「ああ、そうですね」

おじさん:「上まで行ってきた女の人に遺跡の写真を貰いました」

おじさんの話しを聞くと、遺跡から下りてきた女性に「まだ結構上まで登りますよ」と言われたので上るのを諦めて、その女性から遺跡の写真をもらったそうだ。

その後はそのおじさんと話をしながら下の「先手院」まで降りる。

話しをすると言っても最初の方はおじさんがほとんど1人でしゃべっていて、自分は聞き役にまわる。おじさんはここ最近、軽自動車で色々とお寺や神社を回っているそうで、富山や新潟、青森、秋田なんかにも行ったと言う。自分も「神社やお寺ばっかり行くと階段ばかりで大変だったでしょう」と話したりする。

その後はいくつか質問される。

おじさん:「どこから来たんですか?」

自分  :「北海道です」

おじさん:「それはすごいね。カニのオブジェ見に行きましたよ」

自分  :「あ~、紋別ですね」

おじさん:「他にも小樽の方にも行きました。北海道からどうやって来たんですか?車ですか?」

自分  :「えーっと自転車を飛行機に載っけて来ました」

おじさん:「へーそれはすごい。どこまで行かれるんですか?」

自分  :「もう仙台の方へ出て飛行機で帰ろうと思っています」

そんな話をして「先手院」でおじさんと別れる。「先手院」にはおじさんが写真をもらったと思われる女性がいて、おじさんはその女性と話し始めている。

あの年の差カップルにはあれっきり会うことはなかった。

自転車に戻り、日焼け止めを塗り直す。

13:08「先手院」を出発。山形市内へ戻ることにする。

山寺駅前にある公園のトイレに寄っていく。

県道19号線を戻っていると、前方に富士山のような山が見える。来る時は逆向きだったのでみた記憶はない。富士山といってもかなり低い山だ。その遥か背後には雪を被った山も見える。

来た時と同じように県道19号線を離れ、県道276号線へ向かう。大森赤石橋からは雪を被った月山がまだよく見える。

その後も来た時と同じように県道276号線、県道19号線を走る。

そして来る時に通り抜けるのに苦労した県道19号線と国道13号線が立体交差付近は、国道13号線を潜って県道172号線に出られる道を見つけたので、そこを通っていく。

山形

次は山形県郷土館「文翔館」に行こうと思うので、県道172号線からときめき通りに入る。

ここから市街地になり、交通量は格段に多くなる。路肩は広くない。まぁ仕方ないだろう。

二口橋を渡り、左の一方通行の道に入る。

次の信号のある交差点を左折する。

県道22号線に入る。「文翔館」は確かこの辺だったと思うので、場所をGoogleMapで確かめる。次の交差点を左折したところにあるようだ。

14:10 山形県郷土館「文翔館」の前に到着。

若い男性が一眼レフカメラで「文翔館」の写真を撮っている。その人が写真を撮り終えたところで自分も写真を撮る。「文翔館」は西洋風の風格のある外観で、写真を撮りたくなるような建物だ。

文翔館
文翔館

門の中に入り駐輪場を探すと、すぐに案内板を見つける。自転車を押してながらが案内板に従って進み、駐輪場に自転車を止める。

正面玄関にまわり中に入る。事前に調べていた通り、入場は無料。

「文翔館」には山形県の風土や歴史、文化に関係するものを展示していて、特に明治以降のものが多い。元県庁だったこともあり歴代知事の展示もあったりする。

3階のバルコニーに出ると正面の門とその先に一直線に続く七日町通りが見える。展示物で「文翔館」ができた当時の写真ををみたが、今見ているのと同じ方向だったので約150年後の違いがよくわかる。

1階まで下りて中庭に出る。中庭と言っても庭はないんだが、赤レンガの外壁に囲まれているのでいい雰囲気を出している。テーブルと椅子が置いてあるので休憩もできそうだ。

文翔館の中庭
文翔館の中庭

最後に議場を見て見学終了。なかなか良かったと思う。展示物以外にも部屋や廊下、階段、内装、絵画、テーブルや椅子など復元されたものかはわからないが、当時の洒落れた雰囲気が感じられた。

それなりに見学者も来ていた。

出口に行こうと廊下を歩いていると窓の外がちょうど駐輪場で、自分の自転車が見える。そして、少し横に荷物満載の自転車も止まっている。その自転車のフレームには ”TREK” の文字。TREKの近くには持ち主と思われる人が立っている。大学生ぐらいだろうか。旅人であることに間違いない。

外に出る。TREKの旅人はベンチに座ってスマホを見ている。「文翔館」の中に入るようには見えない。

それにしても外は暑い。

TREKの旅人に声をかけることはせず、自分も次に行く山形城跡の場所をGoogleMapで確認する。「文翔館」の前の通りを西に行き、JRを越えて左に入ったところにあるようだ。

15:00「文翔館」を出発。

国道112号線に入り、JRを越える。山形城跡への案内板があるはずと思い、見逃さないように気をつけて走る。

「⬅︎霞状公園」の案内標識を発見。霞状公園は山形城跡がある公園なので、そこで左折する。

石垣を越えて城内に入ると、左折と直進の二叉路。とりあえず直進してみる。しばらく進むが何にもなく、GPSを見るとこのまま進んでも向こう側の出口に出てしまうだけ。なので来た道を戻り、もう一方の道へ入っていく。

こちらには何もなさそうだなぁと思っていたら、駐車場に地図があるので見にいく。すると、この先に「最上義光之像」と「二ノ丸東大手門」があるようなのでそこに行ってみる。

少し走ると左にまず「二ノ丸東大手門」のような建物が見え、そのあと馬に乗った武将の像も見えてくる。

「よし、ここら辺をちょっと見ていこう」と思う。

15:13「最上義光之像」の前に到着。

二ノ丸東大手門と最上義光之像
二ノ丸東大手門と最上義光之像

まず自転車を止めようと思うが、ちょっとこの辺に止めるのはどうかと思うので、東大手門の向こう側に行ってみる。その途中で、東大手門の中が期間限定で無料公開中との案内板を見つける。

東大手門を通り跨線橋を越えると左に公園があるのでそこに自転車を止めておく。

戻ってきて、まず無料公開されている「二ノ丸東大手門」に入ろうと思う。石段を上って中に入ると、受付で住所と氏名、電話番号を記帳させられる。多分これはコロナ感染者が出た時の対策だろう。

最初の方にある展示は、山形県の観光パンフレットや小学生の絵が展示されていたりと想像とはかなり違っていたが、先に進んでいくと城に関する展示が続いている。本丸を発掘調査していて今後整備していくらしい。

半分ぐらい見終わったところで外を見ると、「最上義光之像」の近くで大学生っぽい女性が何度もジャンプを繰り返している。そしてその姿を写真で撮っている大学生っぽい女性もいる。

見ていると城をバックに飛んでいる写真を撮っているようだが、思ったような写真を撮れないせいか何回もジャンプしているように見える。

展示物を一通り見て、観光パンフレットがあるところまで戻ってくる。パンフレットの中に明日以降行く予定の蔵王近辺のものもあるのでじっくり見てみる。

15:34「二ノ丸東大手門」を出る。

これで今日の予定は終わり。後は上山に戻るだけだが、時間はまだ16時前で今から戻るとだいぶ早く宿に着いてしまう。

今日は午後から山沿いでにわか雨があるかもしれないという天気予報だったが、山形市内は全然大丈夫のようだ。なので少し時間を潰すため城内をぶらぶらしようと思う。

城壁の上に遊歩道が北側に続いているのでそっちの方に行って写真を撮ったりする。

石段を下りて今度は南側の城壁に上る。南大手門跡の方へ歩いていく。城壁の上は散策路になっている。

途中でジョギングしている女性とすれ違う。そういえば北側の城壁で「城壁の上をジョギングしないでください」って言うような看板が見たような気がするが見間違いだろうか。

南大手門跡の手前のあたりで上からカラスが「カァッカァッカァッ」と鳴いている声が聞こえる。この木の上に巣があるかもしれない。今は子育てでいきり立っている時期なので「ヤバい、頭を蹴られないようにしないと」と思い、手を頭の上に伸ばしながらさっさと通り過ぎる。

城壁を下りて南大手門跡から東大手門に戻る。

高校生がたくさん歩いている。この辺には体育館や武道館があるのでそこを利用しているのだろう。

その体育館の前を過ぎ右に曲がると、左に土塀と石垣、その前には堀のようなものがある。さらに進んでいくと、門と堀にかかる橋がある。橋の正面に周ると案内板があるので見てみると、ここは本丸の一文字門で復元したものとのこと。

そういえば、東大手門を見学した時には本丸を整備する計画があるという説明を読んだし、公園内には工事区画があるので、もう少し復元が進むのかなと思う。

本丸一文字門
本丸一文字門

東大手門に戻る。写真を撮っていた大学生はまだ写真を色々と撮っている。

これで見学は終わりにして、上山に戻ることにする。

東大手門を出て自転車まで戻る。

16:06「二ノ丸東大手門」を出発。

霞状公園の中を通っていく。途中、外壁が少し赤っぽくてバルコニーの手摺が青い洋館風の古い建物が目に入る。調べると「山形県立博物館」とのこと。また時間が空いた時があれば見に来ようと思う。

南大手門跡から外に出る。

JRの西側の道を通って南へ向かう。街中は結構広い道もあったが、少し離れて住宅街に入ると途端に狭くなる。交通量もあるので、後続車に気をつけて走る。

跨線橋を越えて右折し、今度はJRの東側の道を走る。

上山

上山に入って県道51号線に出る。

やっと道が新しくて広くなり快適に走れる。

このまま行くと宿には17時過ぎには着いてしまい、日没まではまだ1時間半ぐらいあるので、近くにある上山城へ行ってみようと思う。

少し走ると朝も通ってきた狭い県道13号線に入る。

そして上山城の入口の前を到着。自転車をどこに止めようかと考えていたが、宿が近いので宿に置いておこうと思う。

17:09 宿に到着。

宿に戻ってきたが、ふと考える。上山城の後は晩飯は食いに行こうと思っているのだが、宿の近くで県民割クーポンが使える店は居酒屋ぐらいしかない。店は宿のすく先なので行ってみると確かに居酒屋はある。

けれど居酒屋ではちょっと高くつく。アルコールを飲みたいわけではなく飯を食いたいだけだ。

普通に飯を食えてクーポンが使える店は昨日行った中華屋さんが一番近く、後はちょっと遠くて自転車で行くかしかない。となると、一旦宿に自転車を取りに戻ってくるのは面倒臭い。なので、やっぱり上山城へは自転車で行こうと思う。

と言うことで上山城の入口まで自転車で行くことにする。

県道13号線から上っていく。右に曲がると急坂が始り、その左には駐車場がある。駐車場の脇に自転車を止めて、ここからは歩いていく。

坂道を上っていくと上山城が見えてくる。かなり立派な城だ。

もう17時を過ぎているので城の中を見学することはできないと思うが、城の写真を撮るだけでもまぁいいだろう。

17:18 上山城に到着。

城の入口には「本日定休日」の看板が出ている。山寺の観光案内所も定休日だったので、水曜日は定休日のところが多いのだろうかと思ったりする。

城内の見学は有料なので、ここに来る前は入らなくてもいいかと思っていたが、かなり立派な城で周りの景色も良さそうなので営業していたら入ってもいいかなと思う。

城の周りを一周する。

上山城
上山城

城の南西側にある駐車場の先に東屋があって、その横にベンチがある。ちょっと休憩しようと思う。東屋では男性が一人スマホをいじっているので、ちょっとまだ暑いがベンチのほうに座る。

そして明日以降の天気予報をもう1回確認する。朝や昼に見た時と大して変わりはない。この分なら明日は、蔵王温泉を往復するだけにして山形市内の宿に泊まろうと思う。

それから県民割クーポンが使える店を探す。すると、ここから県道13号線を西へ行ったところに2軒ある。第一候補を「中華料理 信」という店、第二候補をその手前にある「みそのそばや」にする。

早速、店に向かおうと思う。トイレに行ってから自転車まで下りる。

17:59 上山城前を出発。

県道13号線を走り、第一候補の「中華料理 信」の前に到着。ところが店にはまたしても「本日定休日」の看板が出ている。

仕方ないので第二候補の「みそのそばや」に向かう。ここに来る前に店の前を通って来ているはずだが、全然わからなかった。

見逃さないように走る。

少し走るとその店の駐車場の看板が目に入る。「ここだ」と思い、周りをみると少し戻ったところにそれらしい店がある。店の前まで来ると「みその」の看板があるのでようやくここが目的の店だとわかる。看板も小さくてあまり目立たない。

ところが、ここも「本日は終了しました」の看板が出ている。なんと2軒ともやっていない。となると、もう後は駅前にある「魚民」しかないのでそこに向かう。

それにしても今日は「本日定休日」とか「終了しました」の連続だった。山形は水曜日が定休日のところが多いのだろうかと思ってしまう。

上山温泉駅に寄る。普通の駅だった。

18:18「魚民」に到着。

中に入り、飯ものは何があるのかとメニューを見るとお茶漬けぐらいしかない。

アルコールを飲む気はないのでノンアルにしようと思うが、飲み放題はないとの事。「ホントか?」と思うが、仕方ないのでソフトドリンクの飲み放題にする。

あと食べ物は最初に唐揚げだとか卵焼きなんかを適当に頼み、最後にお茶漬けにする。

後で考えるとソフトドリンクなら飲み放題(¥500)にしなくてもよかった。

飯を食いながら、明日の宿を予約する。蔵王温泉に泊まるのはやめにして山形市内に泊まることにし、「楽天トラベル」で「ビジネスホテル松見」を予約する。

1時間ちょっといて店を出ることにする。会計は2,320円也。クーポンを2,000円分を使う。やっぱり居酒屋メニューでは値段の割に腹はいっぱいにならない。

店を出て昨日と同じスーパーで買い物して宿に戻る。

宿ではいつも通り、シャワーを浴びて洗濯をする。

サイコンに記録された今日の走行記録をメモろうとしたら、また途中で誤ってリセットボタンを押してしまった。サイコンの持ち方には本当に気をつけないといけない。

明日の予定を考える。

明日の天気は晴れ。県道14号線で蔵王温泉に行き、ロープウェイで上に登ってトレンキングする。ロープウェイは3ヶ所ある。調べると中央ロープウェイは点検か何かで運行していないし、スカイケーブルは乗り場がちょっと遠い。なので蔵王ロープウェイで上がろうと思う。

トレンキングした後は県道53号線で山形市内に戻ってきて泊まる。

やっと明日の予定を立てられた。寝る。

=== 旅の費用 ===================
立石寺入山料    :¥300
宿泊費(ホテル菊屋):¥2,000(県民割2,000円適用)
飲食代       :¥816(県民割クーポン2,000円使用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計        :¥3,116
============================

走行時間:4h19m49s 走行距離:67.37km
平均速度:?km/h   最高速度:?km/h

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