'22 南東北 晴れ待ち標高1000m越えツーリング⑩ 裏磐梯〜上山

2022年12月17日土曜日

2022年 自転車旅 東北

9日目 2022年5月24日(火)

朝4時半か5時ぐらいに車の音で目が覚める。多分、昨日隣の宿の駐車場にボードを牽引してきた車だろう。バス釣りに出かけたのだろうか。

6時頃、横になりながら天気予報を確認すると「晴れ、ところにより霧」となっている。起きて外を見ると確かに霧がかかっている。ちょっと心配だが山間は朝に霧が出ることがあるので時間が経てば消えるだろうと思う。

出発の準備をする。乾かしておいた洗濯物や靴は床暖房のおかげですっかり乾いている。

今日は白布(しらぶ)峠を越えて山形県に入る。福島県の県民割クーポンがまだ500円分残っているので、さっさと使い切ってしまおうと大体準備が終わったところでセブンイレブンへ行く。

パン3つと麦茶を買う。ざっと計算するとクーポン500円分にはちょっと足りていないかもしれない。釣りはいらないのでクーポンを使い切ってしまおうと思う。

レジに行くと497円也。500円分のクーポンで支払い、「おつり、いらないです」と言う。ところが3円のお釣りをなくすことができないらしく、レジで応対した店長さんっぽい人が、「え~っと、どうしよう」と周りを見回しながら困っている。

「あっそうかー、決済システム上そういうことはできないかー」と思っていると、店長さんが「ん~じゃ、このレジ袋1枚も」と言い、それを買って500円キッカリにする。レジ袋1枚は3円、店長さんの咄嗟のナイスアイデアだった。「すいません。迷惑をおかけして」と言って店を出る。

宿に戻り、買ってきたパンを1つ食べる。

8:15 宿を一旦出る。

リュックをキャリアに載せて、GPSをハンドルに取り付けていると、GPSのカーソルキーのカバーがついていないことに気づく。これまでもGPSをポケットに入れた後にカバーが外れていることが多々あったのでなくさないように気をつけていたが、ついに恐れていたことが起こってしまった。

実は、本来のカーソルキーのカバーは既に紛失していた。それで、それと同じくらいの大きさで似たような形状のゴムがたまたまあったので、それに穴を開けカーソルキーに捩じ込んで使っていた。カバーがないとカーソルキーが短くて操作できない。

ポケットを探っても見つからないので、部屋に探しに戻る。小さいので見つけるのは大変だろうと思っていたが、あっさりとベッドの上で見つかる。ラッキーだった。後で穴に接着剤を入れて外れないようにしようと思う。

8:25 宿を出発。

県道2号線を北上していると、前輪から何か擦れるような音が聞こえる。「なんだろう」と思い自転車を止めて色々と見てみるが、どこが擦れているのかよくわからない。ブレーキパッドだろうと思っていたが、ブレーキパッドとリムの間にはちゃんと隙間がある。

“Akabeko”という宿の前で自転車を止め、もう一度しっかり見てみる。前輪を回転させるとブレーキパッドが若干タイヤにかかり気味になっている箇所があるので、ブレーキパッドを少し下げてみる。それで走ってみると、擦れる音は消えてなくなった。

8:46「中瀬沼探勝路」の入口に到着。車が1台止まっている。

昨日もここに来たが、今日は快晴で霧もすっかり晴れているので、昨日より遥かに景色がいいだろう。そう思い、中瀬沼の展望台に行ってみる。

自転車を止めて急ぎ足で展望台に向かう。すぐに1人の男性とすれ違う。

展望台のある丘の下まで行くと、展望台に人がいるのが見える。展望台に上っていくと三脚に一眼レフカメラを構えた男性がいる。

で、磐梯山と中瀬沼の方向をみると絶景が広がっている。カメラを構えている男性に「いやー綺麗ですね」と声をかけると、「そうですね。綺麗ですよー」と答える。

「実は昨日も来たんですよ」と言うと、「昨日は雨で大変だったでしょう」と言われる。

カメラを構えた人は少し長居するようで、東屋のテーブルの上にはラジオやカメラのレンズなどが置かれている。

何枚も写真を撮り、しばらく絶景を眺めて展望台を降りる。

磐梯山と中瀬沼
磐梯山と中瀬沼

探勝路を戻っていくと、二人組の方とすれ違う。やはり天気がいいので展望台に行って写真を撮ろうと思っている人が多いようだ。

9:04 入口まで戻り、出発する。

桧原湖や磐梯山の写真を撮りながら県道2号線を進む。

西吾妻スカイバレー

9:33 西吾妻スカイバレーの入口に到着。

いよいよ白布峠への向かう。「米沢36km 白布温泉18km」。

最初はゆるい坂が続く。バイクが追い抜いて行く。

早稲沢の集落を抜けると勾配が少しキツくなるが全然問題ない。まだ5%もないだろう。

そして民家が途絶えると「標高900m」の標識が出てくる。白布峠は1,404mなので、あと500mほど上ることになる。

西吾妻スカイバレー標高900m付近
西吾妻スカイバレー標高900m付近

その後も標高が100m上がるごとに標識が出てくる。

「標高900m」を超えてくると、勾配も5%を超えてくる。

そして九十九折りの坂が始まる。

天気はいいが気温が低めなので、上ってる方が体があったまってちょうどイイ。

「標高1,000m」通過。交通量はほとんど皆無。

「標高1,100m」到着。GPSの高度計を見てみる。「1,096m」と表示されているので、そこそこ正確なようだ。

ここまで眺望は全くなかったが、木々の間から磐梯山が見える。

九十九折りの道が一旦終わる。左に雪が残る山がちょっとだけ見える。方向的に飯豊連峰だろうか。

再度、九十九折りの上り坂に入る。

「標高1,200m」通過。ヘアピンカーブの途中に標高の標識があるので見逃すところだった。ここまで来るとだいぶ眺望が開けてくる。磐梯山や桧原湖も見えるし、かなり遠くの雪を被った山々まで見える。

ヘアピンカーブを曲がり切ったところで先の方を見上げると、今いるところから10mぐらい高いところに人の姿が見える。

「(この道は)あそこに続いているだな。展望台でもあるんだろう」

と思いながら上っていく。

10:37「東鉢山七曲り」に到着。道路脇にある展望所で、車は2,3台しか止めれない。さっき人がいたのはここだろう。今は誰もいない。

なかなかの絶景。下から走ってくる途中に見えていた景色からある程度は想像していたが、それでも素晴らしい景色。磐梯山と桧原湖、周囲の山々、麓の集落の畑。天気がイイ日にきてよかったと思う。昨日までなら全然見えなかっただろう。

東鉢山七曲りから見る磐梯山と桧原湖
東鉢山七曲りから見る磐梯山と桧原湖

ベンチの上でパノラマ写真を撮っていると、下から車が1台やってきて展望所に入ってくる。車から降りてきた人も写真を撮り始める。

さらに車が1台やってきて、おばさま方3人が降りてくる。「あれ磐梯山?こんなに見えること今までなかったやろう」という話声が聞こえる。もしそうなら、この景色を見れてラッキーだ。

他にもおばさま方3人組は「なにこの黒い虫~」と言って騒いでいる。確かに羽虫のようなものが大量に飛んでいる。上ってくる途中にも飛んでいた。自転車で走ると虫は付き物なので、目、口、鼻に入らない限りあまり気にしなくなっている。

10:44「東鉢山七曲り」を出発。

ここはまだスカイバレーの最高地点ではなく標高も1,300mに達していない。まだまだ九十九折りの上りが続く。

「標高1,300m」通過。パーキングでスポーツカーっぽい車が二台が止まっていて、運転手らしい若い男性2人が何か話し込んでいる。ここも景色がいいので、その横で写真を撮らせてもらう。

「標高1,400m」通過。勾配がかなり緩くなり、眺望も一気に開ける。磐梯山や桧原湖を眺めながら走る。

しばらく走ると、後ろから抜いていった軽トラが数百m先で止まり、Uターンして戻ってくる。ちょうどUターンしていたところにパーキングがある。

標高が1,400mを超えているので「あそこが白布峠か?」と思う。パーキングに案内板があるので見にいくが、「白布峠」の名前はなく裏磐梯の地図が書いてあるだけ。その地図を見ると「白布峠」はもう少し先になっている。

GPSの地図でも確認すると、もう少し先にあるトイレマークのところらしい。

なのでもうちょい走る。

下り坂を少し降りると、左側に広い駐車場とトイレが現れる。ここで間違い無いだろう。

11:13 白布峠に到着。

向こう側から来たバイクが駐車場に入っていくが、すぐに出ていく。駐車場には他に車が1台止まっていて男性が一人いるだけ。

峠の山形側には「ようこそ山形県へ」という定番の看板も出ていて、雪が少し残っている。

駐車場に入ると「白布峠園地 標高1,404m」の案内標識があるので、そこに自転車を止めて記念撮影する。

標高1,404mの白布峠
標高1,404mの白布峠

西吾妻スカイバレーの最高地点である白布峠まで来たが、勾配は大体7,8%ぐらいな感じでヘアピンカーブなど所々それよりキツいところはあったものの、至って普通な坂道で何の問題もなく上れた。

トイレ休憩して、そろそろ出発しようかと思っていたところ、対向車線側にロードバイクの男性が一人いるのを見つける。身軽なので地元の人だろう。ロードバイクがいる対向車線側にも石碑のようなものがあるので、そっちに行ってみる。

石碑には「ひろすけ文学碑」と書いてあるが、学がないのでこれが何の石碑なのかは全然わからない。それ以外は特にこれといったものはない。

「ようこそ山形県へ」の看板の写真を撮って出発しようとするが、この辺は特に一段と羽虫が大量に飛んでいて、あっという間に服が羽虫だらけになってしまう。

手で払うと羽虫が潰れて汚れてしまうので、パンパンと服を弾いて落とす。

11:20 白布峠を出発。

峠の山形県側に入ると、福島県側では全然見なかった雪が山の斜面にまだ残っている。北側の斜面なのかなと思ったりする。眺望も福島県側のように開けておらず、山間を下りていくような感じ。

しばらく走り最初のヘアピンカーブのところで、遠くに街並みがかすかに見える。方向的にこれから向かう米沢だろう。

どんどん下りていくと、予想はしていたがちょっとだけ寒くなってくる。勾配がキツい急カーブが多いので慎重に下りていく。

ツーリングマップルによると、この先に2つの滝が見える展望台があるようなので、それを探しながら下りる。

すると右側に駐車場があるので「あれかな?」と思い、そこに入る。

水の音は聞こえるが滝は見えない。多分もっと奥に入らないと見えないのだろう。流石に人っ子一人おらず熊が出そうな山中に一人で入ろうとは思わない。代わりに「最上川源流」という石碑があるのでそこで記念撮影する。

駐車場から出ようとしていたとき、米沢方向から車が1台やってくる。自分の姿を見るとドライバーさんは「何かあんのかな?」という感じで車を減速させ辺りを見回している。そして結局そのまま白布峠の方に走り去っていく。

観光地で田舎道や山間の道で立ち止まっていると、通りがかったドライバーやライダーが「何かあんのかな?」と思って、こういう行動をすることはよくある。特に写真を撮っていたりすると「眺めがいいのかな?」と思って、確実にこういう行動をする。今まで数えきれないぐらい見てきた。

駐車場を出発すると、すぐ先に西吾妻トンネルがある。中を覗くともの凄く長い訳ではないが、路肩がなく、照明も全然弱くてかなり暗い。交通量がほとんどないとはいえリアライトをつけようと思う。

ライトのスイッチを入れていると、後からフルフェイスマスクの人が自転車で下りてくる。

さっき白布峠にいたロードバイクだろう。フルフェイスマスクをしているのは多分大量の羽虫が飛んでいるせいだと思う。地元の人のせいかそういう準備もしっかりしてきたみたいだ。

そして猛スピードでトンネル中に突入していく。自分もトンネルの中に入るが、トンネルの中は路面が凸凹でものすごく走りづらく、ほとんど真っ暗なので路肩がどこなのか全然見えない。

フロントライトをつけようと思った時、後ろから車の音が聞こえる。バックミラーを見てもその車のライトが見えず、どこら辺にまで迫っているのかよくわからない。

自分のフロントライトをつける。その後、車の音が近づいてきてライトも見えたので歩道に寄ってやり過ごす。

なんとかトンネルを抜ける。

トンネルを出て、最初のカーブのところに滝がある。後で調べると「芳沢不動滝」というらしい。

その先は右側が谷になっていて、谷底には雪が少し残っている。小さい滝のようなものも見える。

11:50 白布温泉に入る。

天元台高原へのロープウェイの案内板がある。旅前に天元台高原に行ってトレッキングすることも少し考えたが、ロープウェイの夏の営業が始まっていなかったので断念した。

温泉街を走っていると右に水車が見える。「水車かぁ」と思って写真を撮っていると、その横に「湯車」と書いてある大きな看板に気づく。温泉で回っているらしい。

白布温泉の湯車
白布温泉の湯車

そこから少し先でさっきのロードバイクの人が自転車を押して脇道へ入っていくのが見える。そこを通過するときに横を見るとその人は車に乗ろうとしている。どうやらここまで車に自転車を乗せて走りに来ていたようだ。

温泉街を過ぎると民家はなくなり、再び山の中の下り坂になる。

あとはひたすらを山を下りる。

天気がよく、ここまで下りてくると気温も上がってきたので快適なツーリングになってくる。路面の凸凹だけ気をつけて走る。

森を抜けてようやく田園地帯に入り、山形っぽい感じが少し出てくる。交通量は皆無。

小さい集落を抜け、路肩が赤く塗装され広くなっているところで一休みする。パンを1つ食べる。暖かくて気持ちがいい。

食べて終わって出発。まだまだ坂道を下りていく。

12:23 県道234号線との分岐に到着。

右折して県道2号線を行く。すぐに船坂トンネルが出てくるが、広い歩道があるので問題なし。

米沢

左に大きく曲がると前が一気に開けて米沢の街が見えてくる。

米沢では上杉神社などいくつか寄っていこうと思っているところがあるが、米沢の街に入る前にまず最初はどこに行ったらいいかGPSで調べる。このまま県道2号線を行くと「旧米澤高等工業学校」が一番近いようなので、そこを目標にする。

さらに下っていくとだんだん住宅街に入っていき、道も狭くなってきて交通量も増えてくる。

JRの踏切を越え、県道152号線へ左折。すぐ近くに山形大学の米沢キャンパスがあるので学生が多い。

12:50「旧米澤高等工業学校」に到着。

ここにはネットの観光パンフレットに出ていた古い洋式校舎の写真を見て来ようと思った。重要文化財にもなっているという。実際に見てみるとグリーンの洋風建築でなかなか洒落た校舎だと思う。

旧米澤高等工業学校
旧米澤高等工業学校

次は「上杉神社」へ向かう。

信号のない横断歩道を渡ろうと待っていると、車が止まってくれる。一礼して渡らせもらう。

住宅街の中の道を北上する。

また信号のない横断歩道の前に来ると、また車がちゃんと止まってくれる。

交通ルール上、車は止まらないといけないので当然といえば当然なのだが、北海道では止まってくれることはまずない。立て続けにこういうことがあったので米沢の人にはちょっと敬服する。そういえば裏磐梯でもそうだったように思う。

上杉博物館と上杉記念館の間の道を通り抜けると、堀が出てくる。「どこから入ればいいのかなぁ」と思っていたところ、この先で人が出入りしているところがあるのでそこへ向かう。

12:57「上杉神社」前に到着。

ここは「上杉神社」の東側にある舞鶴橋。「上杉神社」は米沢城跡にあるので周囲に堀がある。

ここからは自転車を押して入る。結構、それなりに人がいる。舞鶴橋を渡っていると、鳩の群れが一斉に飛び上がり、その音でびっくりしている女の人がいたりする。

「さて自転車をどこに止めようか?」と探しながら歩いて行き、車が止まっている建物の近くに止める。後で調べると、そこは観光案内所が入っている建物だった。

神社に行く前に近くのベンチで残りのパンを食べて、日焼け止めクリームを塗り直す。ここにきて暑くなってきた。

「上杉神社」の境内に行き、見学する。

上杉神社
上杉神社

自転車を止めたところまで戻ってきて、後は周辺をブラブラする。

「伊達政宗公生誕の地」という石碑がある。上杉神社に他の戦国武将の石碑があるなんて思ってもみなかった。

次に「上杉鷹山公之像」の右側に階段があるので、その先に行ってみる。階段を上がるとそこは広場になっていて「招魂碑」という大きな石碑と、上杉謙信の遺骸が明治時代の始めまで安置されていた「上杉謙信祠堂跡」と言う場所が残されている。

下に戻り「上杉謙信公之像」を見て、見学するところは大体こんなところだろうと思い、次に行くところを考える。

ちょっと戻ることになるが上杉家の菩提寺である「春日山林泉寺」に行くことにする。

舞鶴橋を渡り、最後にここからの写真を撮っておく。

13:28「上杉神社」前を出発。

「春日山林泉寺」は、ここにくる前に行った「旧米澤高等工業学校」の近くにあるので、来た道を戻る。

13:34「春日山林泉寺」に到着。

駐車場まで来たが、境内に入るには入場料がかかるようなので遠目から写真を撮るだけにする。

トイレ休憩して出発しようとしていた時、二人連れがやってきたがやはり境内には入ろうとはしない。

13:38「春日山林泉寺」を出発。次は「上杉家廟所」に向かう。

交通量の少なさそうな川沿いの道を進んでいく。米沢も城下町なので交通量の多い道でもかなり狭い。会津若松になんとなく似ている気がする。

県道233号線に出て西へ走る。「上杉家廟所 0.2km ➡︎」の案内標識があるので右折する。

13:47「上杉家廟所」に到着。

入口に拝観料金が出ている。ここも有料なので入口から写真を撮っただけで退散する。ここでも着いてから有料であることを知り、ちょっとリサーチ不足を感じる。

米沢市内の見学はこれで終了。次は高畠に向かう。

13:52「上杉家廟所」を出発。

住宅街の狭い道や県道153号線を経由して県道101号線に出る。県道101号線も狭くて走りづらい。

国道13号線と東北中央自動車道を越えて、最上川を渡るとようやく田園地帯に入る。

ここは盆地で周りは田んぼや畑なので、左手には遠くの雪の被った山まで見える。快適に走れてイイ感じ。

高畠

高畠には「まほろばの緑道」と「旧山形交通高畠駅」に寄って行こうと思っていたが、時間が少しあるので「亀岡文殊堂」にも行ってみようと思う。

まず一番近い「亀岡文殊堂」に向かう。「亀岡文殊堂」は県道101号線から県道155号線へ右折した先にある。

右からだんだん山が迫ってくる。

田んぼに映る青空と雲と山
田んぼに映る青空と雲と山

県道155号線へ右折。交差点から山の方をみるとそれっぽい建物が見える。

県道1号線を突っ切り、次の交差点で左折する。

14:55「亀岡文殊堂」の仁王門に到着。

まだ道は上に続いているが、この先は激坂だと思うのでここから歩いていこうと思う。

自転車は仁王門の近くに止めておく。仁王門から参道がずっと続いているので、そこを歩いていく。

だいぶ先の参道を上に向かって歩いている人が見える。途中に長い杉の木があったりする。

参道を上っていく途中で右に駐車場があるが、ここまで自転車で上ってくるのはやっぱりかなりキツそうだ。前を歩いている人は駐車場から参道に入ったのだろう。

さらに参道を上り、左にカーブする。

またさらに上り、最後に階段を上る。

15:04「亀岡文殊堂」に到着。

3人ほど参拝者の方がいる。

お堂の横に「知恵の水 利根水(りこんすい)」の案内板があるので行ってみる。

亀岡文殊堂
亀岡文殊堂

お堂の裏側に水汲み場がある。コロナのためかコップのようなものは置いないので、手ですくって3杯飲む。文殊様から知恵を授かることができるらしい。

「亀岡文殊堂」を後にする。

あまりゆっくりもしていられない時間になってきた。

この後はJR高畠駅と「旧山形交通高畠駅」間にある「まほろばの緑道」を走る予定。出発はJR高畠駅、ゴールは「旧山形交通高畠駅」にするつもりだったが、「亀岡文殊堂」から行くとなると遠回りになりそうなので逆向きにしようかと考える。

でも「まほろばの緑道」の後は上山に向かうので、どちら向きでも大して時間差はないような気がする。

ということで予定通りJR高畠駅に向かうことにする。

15:13「亀岡文殊堂」の仁王門を出発。

名も無いカントリーロードを走るが、遮るものがないのでずーっと遠くまで田んぼと畑が見える。

15:31 JR高畠駅に到着。

駅から2人出てくる。と思ったけど、後で調べると駅には温泉施設が併設されていたようなので、多分温泉から出てきたのだと思う。

駅の駐車場から「まほろばの緑道」に入る。ゴールの「旧山形交通高畠駅」まで約6km。ちょうど緑道に入ろうとしていたところで、マスクとサングラス姿のロードバイクの人が出て来きて頭を下げる。こちらも「こんにちは」と挨拶する。男性なのか女性なのかよくわからない。

並木道がずっと続いている。「まほろばの緑道」は所々で一般道を横切るのでそこは気をつけて渡る。それ以外はゆっくり周囲の景色を見ながら走る。

まほろばの緑道からの風景
まほろばの緑道からの風景

竹ノ森駅跡は公園になっていて子供達が遊んでいる。でも駅のホームだったようなところは残っている。

緑道の横には果樹園もある。山形なので「さくらんぼかなぁ」と思ったが、「ラ・フランス、りんご注文賜ります」みたいな看板があるので、さくらんぼではなさそうだ。

15:58 ゴールの「旧山形交通高畠駅」に到着。

石を切り出し、そしてキレイに積み上げて造ったと思われるなんとも重厚な駅舎。ノスタルジーを感じるなかなか貴重な建物だと思う。

旧山形交通高畠駅
旧山形交通高畠駅

駅舎の他に旧山形交通で使われていた機関車と幅の狭い客車が展示されている。これも歴史を感じる。機関車は横から見たら左右対称な形をしていてあまり見たことがない。

旧山形交通の機関車と客車
旧山形交通の機関車と客車

あまり観光地化されていないところだったが来てよかったと思う。

これにて今日立ち寄ろうと思っていたところは全て終了。時間があれば「まほろば古の里」の方にも行ってみようかと思ったが、時間切れなのでやめておく。

あとは宿のある上山温泉に向かうだけ。ここからは1時間半から2時間位だと思うのでちょうどいい時間に着くだろう。

16:12「旧山形交通高畠駅」を出発。

まずは南陽高畠ICの辺りまで屋代川の両岸を走っている道を通り、そこから上山へは国道13号線と並行に走る道や県道102号線を走ろうと思う。赤湯温泉から上山までは山間のようなのであまり道の選択肢はないが、できるだけ国道13号線は避けていく。

国道399号線から屋代川左岸に続く道へ左折する。ところがその手前でダート道になり、そこから先に行くのは断念する。

で、結局「まほろばの緑道」に戻ることになる。

しばらく緑道を走り、竹ノ森駅跡で緑道から離脱する。その後は国道113号線に入らないようにGPSで確認しながらカントリーロードを進む。

16:34 南陽高畠IC入口の深沼交差点に到着。

赤湯バイパスと南陽バイパスの間にある道に抜けたいのだが、その道が見当たらない。どうもこの交差点と繋がっていないようだ。

GPSを見てもわからないので、GoogleMapで確認する。やはりつながっていない。ただ南陽バイパスの横に側道のような道があって、その道を少し北上し南陽バイパスの下をくぐって行くと赤湯バイパスと南陽バイパスの間の道に出れることがわかる。

「よし、この道で行こう」

その通りに進み、赤湯バイパスと南陽バイパスの間の道に出る。

その後は国道113号線を経由して、予定通り県道102号線に出る。交通量が少し増えるが、街中なのでこれは止むを得ない。国道13号線よりはマシだろう。この県道102号線は国道13号線の南陽バイパスと並行に走っているので、旧国道ではないかと思う。

16:51 国道13号線に合流。

合流する直前に歩道に入る。車道より少し高いところを走らされるが、広いし車を気にしなくていいし歩行者もいないのでこの方が快適だ。

しばらく走っていくと、左にJR奥羽本線を潜るトンネルが出てくる。予定通りここで左折して国道13号線から離脱する。

国道13号と並行する住宅街の道を走って行き、国道13号線との交差点を突っ切って県道102号線に入る。

上山

17:28 県道51号線に入る。

道路の隣りには線路が並走している。走っている途中に山形新幹線が上り、下り両方通っていった。やはりミニ新幹線なのでフル規格の新幹線より速度は全然遅い。車両は新幹線だが、速度は普通の特急といった感じだ。

上山まですぐかと思っていたが、地図を見ながら走っていると意外に距離がある。

17:39 国道13号線に合流、右折する。

しばらく走って、案内標識の「市内川口」方面へ左折して国道13号線を離脱する。右側が開けてくる。

国道459号線に入る。すると右前方に突然タワーマンションが出現する。

「何あれ?」

周りは田んぼか戸建の民家しかないので、かなり目立つし異様な感じがする。そういえばテレビのニュースか何かで見たことがあるような気がする。

上山の市街地に入ってきて、道が狭くなってくる。

国道459号線を右折し、後はGoogleMapとGPSを頼りに宿へ向かう。細い路地を通り、小さな赤い橋を渡って上山温泉街に入る。

18:07 宿に到着。今日のお宿は「ホテル菊屋」。

最初に宿の前に着いた時、パッと見、もう営業していない宿かと思い、隣の大きな宿の方に行ってしまった。が、宿の名前が違っていたので「あっ、やっぱりさっきのところだな」と思い、戻ってきた。やっぱり安いのにはそれなりワケがありそうだ。

門から中に入ると車が数台止まっているのでそれなりにお客さんはいるようだ。入口横に自転車を止めて中に入る。受付の人は何か忙しそうにしている。一人で全部対応しているようだ。

ちょっと待っているとようやく対応してくれる。

自分  :「自転車あるんですけど、どこへ止めていいですか?」

受付の方:「屋根のあるところならどこでもいいですよ」

自分  :「ちょうど今、入口のところに止めたんですけど、あそこでもいいですか?」

受付の方:「いいですよ」

自分  :「ちょっと荷物とってきます」

自転車に戻り、荷物を外して持ってきて、もう一度受付をする。

宿帳を書いて、さらに県民割を使う旨の誓約書に住所や名前を書く。ワクチン接種の証明書と身分証明書を見せて、これで県民割適用になる。

ちょっと面倒だが、それがルールだし割引になるのでそれぐらいのことは全然OK。後ろで待っている人がいるのに気づく。自分の受付でかなり時間がかかっている。クーポンがようやく発行されて後は宿の説明を受ける。

その中で、温泉街にあるにもかかわらず、この宿にはなんと温泉がないと言う。部屋にシャワーがあるのみ。近くにある温泉施設を紹介されたが、入浴券はもらえないので別料金になる。温泉に入るこだわりは全然ないのでシャワーでいいかと思う。

後は部屋のキーは受付に預けなくていいこと、ゴミはドアの前に出していいこと、Wi-Fiが使えること等々、結局10分ぐらい受付に時間がかかった。その間、後で男の人がずっと待たされていて少し気の毒だった。受付の従業員は一人しかいないらしい。それも安い理由だろうと思う。

部屋はシングルルームだが普通のビジネスホテルより広い。中に入るといきなり横にシャワールームがある。しかも壁が透明なアクリルガラスなので外から丸見え。1人がやっと入れる程度の広さでカプセルのようだ。ラブホテルかと思った。

その一方トイレはかなり広く、シャワールームとのギャップが激しい。でもウォシュレットは故障していて使えない。

とりあえず飯でも食いに行こうと、クーポンが使える近くの店を山形県の県民割サイトで探す。

なかなか使いにくいサイトだ。店のマップが出てこないので、店の住所をいちいちGoogleMapに入力して検索し、宿の近くなのか確認しないといけないのだ。

宿の近くに2軒ほどクーポンが使える店があったが、1軒は焼肉屋なのかなんなのかよくわからない店なので、少し離れた中華屋さんに行くことにする。その店の営業時間は19:30までで、今は18:50。今から行けば間に合う。

そこがダメなら駅前にあるチェーン店の居酒屋に行くしかない。あと朝飯や菓子類を買うためにスーパーも探しておく。中華屋さんから南西方向に行ったところにスーパーがあるのでそこで買い物しようと思う。

18:52 宿を出発、中華屋さんに歩いて向かう。

18:57 中華屋さんに到着。お店の名前は「天竜飯店」。

中に入るとそれなりにお客さんがいる。念のため「まだやっていますか?」と聞くと「大丈夫ですよ」と言われ、テーブル席に案内される。メニュー表を持ってくるが、メニューはそう多くなく、味噌ラーメンやタンメン、焼きそばなどの麺類、中華丼や麻婆豆腐ご飯、餃子ぐらい。後は飲み物類。

選択肢が少なく辛い物は食べたくないので、もう食べるものは味噌ラーメンと餃子ぐらいしかない。味噌ラーメンだけでも良かったが950円なのでクーポン1,000円分にもなっていないので餃子600円も追加する。

これでも1,550円とクーポン使うにはかなり中途半端な額。後は飲み物ぐらいしかないのでビール600円を頼む。これで合計2,150円なので2,000円分のクーポンを使うにはちょうどいいだろう。これで頼む。

3人組のお客さんが店に入ってくる。コロナのためか相席はしていないようで席が空いていない。「少し待ってもらえますか」とお店の人がお客さんに頼んでいる。

その時、隣のテーブル席に座っていた女性が、「自分が移動するから、ここに座ってもらっていいですよ」と言って、10人近く座れて店の人が座っている大きな別のテーブル席に移っていく。その方はお店の人とよく会話しているので常連さんのように見える。後から来た3人のお客さんは自分の隣のテーブルに座る。

ビールが出てこないのでもう一度頼む。忘れていたようだ。「ビールは餃子と一緒に出しましょうか?」と言うので、「はい、それでお願いします」と答える。

注文したものが来るまで明日以降の天気を調べる。

明日25日は晴れで問題なし。26日(木)の天気も悪くなく降水確率20%、山形だけではなく宮城蔵王も20%。27日(金)は山形も宮城蔵王も雨、28日(土)の宮城蔵王は晴れで降水確率20%。

となれば、26日(木)に蔵王温泉に行きロープウェイで上に登ってトレッキングし泊まり、27日(金)は宿で1日過ごし、28日(土)に蔵王エコーラインを通って宮城側へ下りればいいだろうと思う。

一応、蔵王温泉の宿の目星はついているので、宿に戻ってから電話で県民割が使えるか、そしてネット(じゃらん)で予約できるか聞いてみようと思う。

しばらくして、ビールと餃子が運ばれ、それから少しして味噌ラーメンも運ばれてくる。味噌ラーメンは野菜たっぷりで肉も入っていてかなりボリュームがある。満足。

全部平らげて会計する。県民割クーポン2,000円分使い、残り150円は現金で払う。

19:40 店を出てスーパーへ向かう。

「ヤマザワ」というスーパーに行って、明日の朝飯とお菓子、飲み物を買う。

20:21 宿に戻る。

目星をつけていた蔵王温泉の宿「ZAOセンタープラザ」に電話すると、県民割もネット(じゃらん)予約も利用できるとの事。なので明日の朝、もう1回天気予報を確認してから予約しようと思う。

シャワーを浴びる準備をしていると、何か声が聞こえてくる。よく聞いてみるといびきだ。どうも隣の部屋から聞こえてくる。壁が薄いのだろう。

しかし時間はまだ20時過ぎ。そんな時間にいびきをかいて寝ているのは、これから夜勤なのだろうかと思ったりする。この部屋は1階にあるし、シャワールームは後からつけたような感じがするので、なんとなく従業員用の仮眠室ではないかと思ったりもする。

シャワーを浴びて、その狭いシャワー室の中で下着類を洗濯する。

後は菓子を食いながら過ごす。

23時ぐらいにはいびきも聞こえなくなった。起きたのか?

自分は寝る。

=== 旅の費用 ===================
宿泊費(ホテル菊屋):¥2,000(県民割2,000円適用)
飲食代       :¥1,047(県民割クーポン2,000円使用)
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合計        :¥3,047
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走行時間:6h41m29s 走行距離:100.93km
平均速度:15.0km/h 最高速度:37.0km/h

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