'23 日本から一番遠い日本 小笠原③ 東京〜おがさわら丸

2023年6月6日火曜日

2023年 関東 自転車旅

おがさわら丸

2日目 2023414日(金)

あんまり眠れず、5時半には起き上がる。すぐに飯を食う。

8時半頃、昨日夜にメールを入れておいたツアー会社の「カノープス母島」に電話入れる。

いろいろこちらのこと聞く割に最後は都合がつかないとのこと。「いろいろ聞いてきたのはなんだったんだー」

ちなみにこの通話中に電話が切れた。使っている電話サービスは「ブラステル」というIP電話で、事前に電話料金をチャージして使用するもの。

この電話の前に500円分の電話料金をチャージしていたが、たった数分の通話でチャージ分600円ぐらい)が全部ふっ飛んで、それで電話が切れたようだ。相手が携帯電話だったのでかなり高くついたみたいだ。1,000km離れた母島だし

「こんなに料金かかるのかよー」と嘆いていたら、向こうから折り返し電話かかってきた。助かった。けど、都合がつかないなら最初に言ってくれー。

小笠原の携帯電話に電話するものではないと悟る。

また1,000円分の電話料金をチャージして、別のツアー会社の「ウリハハジマ」に電話する。ここは固定電話。が、出ないのでメールをいれておく。留守電に2,3秒繋がっただけで20円ぐらいなくなった。

次に「茂木永楽園」に電話をいれるも出ないのでメールをいれる。さらに別の2つのツアー会社(フィールドエスコートhilolo、アイリーアイル)は連絡先がメールアドレスしか書いていないのでここにもメールをいれておく。これで4つのツアー会社からの連絡待ち。「どこか空いていてくれー」

9:20 部屋を出てチェックアウト。ホテルの前で自転車を組み立る。

9:33 ホテルを出発。

交通量の多い国道15号線から左折して都道481号線に入る。車は一気に減る。よしよし。

途中のマルエツプチで食料を追加で買おうかと思ったが、まだパンや菓子があるのでやめておく。

このまま都道481号線を進んでいけば竹芝客船ターミナルの前に出るはずだが、都道316号線を突き抜けられない。しょうがないので右折する。

次の交差点で竹芝みなと通りへ左折する。

竹芝客船ターミナル

竹芝客船ターミナルの前まで来ると「自転車乗り入れ不可」の標識がいっぱい。ターミナルの敷地の中もそう。自転車を乗って入るのがダメなのか、それとも押して入ってもダメなのかよくわからない。

桟橋の方を見ると建物の影の向こうに船の上っ面部分だけ見える。多分、おがさわら丸だろう。

「よし、おがさわら丸の前で EclipseX20 の写真を撮ろう。近くまで行けるか?」

自転車を押して入ることにする。ターミナルの横を通過。まだ乗船手続き終了まで1時間ぐらいあるのに、すでにターミナルの中や周辺は乗船客でいっぱい。

竹芝客船ターミナル
竹芝客船ターミナル

奥の見送り用のデッキ?みたいなところに行く。が、そこから桟橋には出られない。しょうがないのでここに自転車を止めておがさわら丸と一緒に写真を撮る。が、デッキは日陰で暗すぎて全然ダメ。自転車が真っ暗でほとんど見えない。

船の前にはトラックが止まっているので「あそこまで行けないか?」と思ったりするが、関係者以外立ち入り禁止のような気がする。

ターミナルの方に戻る。交番があるが来た時は気づかなかった。自転車を押しているので何か言われるかと思ったが、こちらに気づいていないのか何事もなく通過。

左折して船の前まで行ける道がないか探す。

次の交差点。桟橋のある左を見るとホテルの入口のような感じで先に進めそうにない。その次の交差点。ここは川崎重工の入口みたいな感じで入ってよさそうに見えない。どうもこちら側から桟橋の方に抜けられる道はなさそう。諦めてターミナルに戻る。

あとで調べると桟橋の北側にある竹芝水門の手前から桟橋へ続く道がある。ただ、一般車でも入れるのかはわからない。

おがさわら丸の前で EclipseX20 の写真を撮るのは諦めて、輪行バッグの写真で妥協することにする。

ターミナルの前まで戻り、乗り入れ禁止のある標識あたりで自転車を折り畳む。乗船開始のアナウンスが聞こえてくるが、別に急ぐことはない。まだ時間は十分ある。

折り畳んでターミナルの中に入る。

「乗船票記入台」という案内板があるので乗船票を探すが、それっぽい用紙がない。窓口に行って聞いてみる。

自分  :「乗船票って書くんですか?」

窓口の方:「いえ、必要ありません」

自分  :「ネットで予約してるんですが」

窓口の方:「搭乗券引換書を印刷した紙を提出してください」

そういえば予約後にきたメールにそんなことが書いてあった。けど、スマホの画面を見せればいいのだろうと思って印刷はしていない。

自分  :「スマホの画面でもいいんですよね?」

窓口の方:「いえ、印刷した紙が必要です」

「えっ?なんで?」と思っていると、

窓口の方:「それで5%のネット割引になります。印刷した紙がなければコンビニで印刷してきてください」

「印刷?紙?いつの時代の話しをしてるんだろう?どこの田舎の話し?ここ日本の首都・東京だよな?」とちょっと呆れてくる。

自分  :「割引してもらわなくてもいいので見せるだけで乗れないの?」

声がちょっと荒くなりかける。「いかんいかん、落ち着け落ち着け、大人気ない」

窓口の方:「いえ、紙が必要です」

なんなんだ一体。この旧態依然のやり方は面倒くさすぎる。こんなところで日本の遅れを実感してしまう。でもしようがない。コンビニに行って印刷してくるしかない。時間はまだ全然ある。

窓口のお姉さんが差した方向にいくとファミマがある。「さてコンビニでどうやって印刷するのか?」

今までコンビニでコピーをしたことは遠い昔にあるが、スマホから書類を印刷したことはない。

店員さんに聞けないだろうし、聞いてもわからんだろう。

コンビニに入るとコピー機の前に行列。自分と同じ人達のようだ。4, 5組が並んでいて、みんなスマホを見ているので印刷の仕方を調べているようだ。

自分もメールに添付された搭乗券引換書をまずダウンロードして、ファミマのHPで「マルチコピー機」の使い方を調べる。

その中の「プリントサービス」から「ネットワークプリント」で「会員登録なしでご利用」に進む。用紙サイズなどの印刷設定を指定して「ファイルを登録」する。

しばらくすると「ユーザー番号」が表示される。多分これをコピー機に入力するのだろう。

前にいる二人連れの方の順番が来たがやり方がわからないらしく、自分に順番を譲ってくれる。お礼をいってコピー機へ。

コピー機の画面でプリントサービス、ネットからと進んでいくと予想通り「ユーザー番号」の入力画面が出てきたので入力する。お金をいれて、白黒プリントを選択。

すると往路と復路の搭乗券引換書が印刷されて出てきた。2枚で40円也。初めてにしては何の問題もなくあっさりできた。「うまくいった。よかったよかった」

順番を譲ってくれた二人は「写真を撮ってプリントするか?」とか言っているので、まだやり方がわからないようだ。教えてあげたがったが、ターミナルに輪行バッグを置きっ放しにしているので早く戻らないとマズイ。長時間放っておくと不審物に間違われるかもしれない。急いでターミナルに戻る。申し訳ない

窓口に行って搭乗券引換書を出すとすぐに搭乗券を渡される。そして聞いてみる。

自分  :「これ(輪行バッグを指して)を預けなくてもいいですよね?」

窓口の方:「縦横高さ3辺の合計が2m以下、重さが30kg以下であれば預けなくてもいいです。その大きさなら多分大丈夫です」

あとで気づいたが、窓口でPCR検査の陰性証明書の確認がなかった。強制ではないからだろうと思う。

乗船する前にターミナル内の売店でパンを1個買っておく。

おがさわら丸

乗船口へ向かう。タラップへ進む前に輪行バッグとおがさわら丸の写真を撮る。これで1つ任務完了。よーし。

おがさわら丸と輪行バッグ
おがさわら丸と輪行バッグ

タラップを上るとフェリーの入口で搭乗券を確認され、自分の2等寝台は右奥(左舷後方)と教えてもらう。

右にずーっと進んでいくと廊下の左に大きな荷物置き場がある。が、下の段は全部埋まっているので反対の右舷側に回ってみる。下の段が空いているのでそこに輪行バッグを、船の揺れで倒れないように少し立て掛けるようにして置く。

2等寝台へ行く。自分の部屋番号は452で座席番号は41番。エコノミーベッドの造りは寝台電車の2段ベッドとおんなじような感じ。下の段だった。

向かいの下の段には40代ぐらいの男性がいる。

向かいの男性:「よろしくお願いします」

自分    :「ご迷惑お掛けします」

向かいの男性:「上の方がいいですね。広いですし、下は天井が低くて暗いです」

確かに言われた通り、下は天井が低くて壁で囲まれていて狭く感じる。そこは寝台電車とちょっと違う。上の段の方が断然いいし「なんでこれで同じ料金がなんだ?」とちょっと思う。

向かいの男性:「奥にライトがあるみたいです。誰も来なかったら(上に)移ろうかな」

自分    :「そうですね」

本当に自分もそうしようかなと思う。

ひとまず荷物を置いてデッキに出ようと思う。自分の2等寝台は船の4階部分にある。5階に上がるが、ここからはデッキに出られず、6,7階から出てくださいとの表示。もう一つ上がって6階からデッキに出る。船の後部にまわり、さらに階段で上に上がる。ここが一番上のようだ。

すでに結構な人がいる。周囲にはレインボーブリッジ、築地大橋、浜離宮庭園、ビル群、ビル群の向こうにスカイツリーが見える。おがさわら丸を含めて写真を撮る。

おがさわら丸
おがさわら丸

レインボーブリッジ
レインボーブリッジ

築地大橋、浜離宮庭園、スカイツリー
築地大橋、浜離宮庭園、スカイツリー

風が結構あるので、出港したらもっと強くなりそうだ。

ドラの音が鳴る。出港5分前とのアナウンス。「なんでドラ?」

朝メールを入れておいた「茂木永楽園」が返信がきている。他のお客さんがいるので対応できないとのこと。「うぅ~ん、ダメか。しょうがない」

あと3社からの回答待ちだが、東京湾を出ると圏外になると思うのでそれまでに連絡がくるか?

11:00 竹芝桟橋を出港。「いよいよ24時間の船旅の始まりぃ〜」

しばらくバックして進む。ビルの間から東京タワーが見える。近くのおばさんが「あれが東京タワー?」とちょっとがっかりといったような感じの声で話している。

東京タワーは周りの高いビルに埋もれかかっている。もう少しで札幌の時計台状態そこまでではないか

ビルに囲まれた東京タワー
ビルに囲まれた東京タワー

船は右後方にバックした後、左にターンしてレインボーブリッジ方向へ前進し始める。隣に一眼レフカメラを背中にさげた若い女性がひとりいる。でも写真はスマホでほとんど撮っている。「こんなところでまだ一眼レフは使わない」っていう感じがする。キレイな小笠原の景色を撮るのだろう。

予想通り風が強くなってきてちょっと寒い。

レインボーブリッジの下を通過。皆さん写真撮りまくり。

フジテレビがみえる。

隣を走る水産庁の船をゆっくり抜いていく。

水産庁の船
水産庁の船

東京ビックサイトの特徴的な建物もみえる。

飛行機がどんどんやたらといっぱい低空で飛んでくる。羽田空港も近い。

川のような狭い海を出ると、東京湾アクアラインの海ほたるが見えてくる。天気は曇りでどんどん霞んできて後ろのビル群は見えなくなる。「黄砂か」

確か今日は関東に黄砂がくるといっていた。

東京湾アクアラインの海ほたる
東京湾アクアラインの海ほたる

景色も全然見えなくなり風も強いし寒いので、いい加減、船の中に入る。

フェリーの中を探索しようと思うが、自由に座れるソファーがないか探す。ソファーに座ってタブレットで旅日記を書いたり、海を見ながらのんびり過ごしたい。2等寝台は座ると頭が天井にぶつかるし狭いし壁に囲まれているので、さすがにそんな空間にはずっといたくない。

6Fに売店「ショップドルフィン」、4Fにレストラン ‘Chichi-Jima’ 7Fに展望ラウンジ ‘Haha-Jima’ がある。

展望ラウンジはもう乗客で一杯。窓側の席はパーティションが一席ごとについていて海を眺めながら過ごせるようになっている。飲み物を飲んでいる人、食事をしている人がほとんどでパソコンを操作している人もいる。

ただ、ソファーがある席ではすでに酒盛りをしているグループもあってうるさくなっている。「まったく

自分も最初はここで過ごそうかとちょっと思ったが、うるさすぎるし何も頼まずにずっといるのも気が引けるのでやっぱり止めておく。

展望ラウンジ ‘Haha-Jima’
展望ラウンジ ‘Haha-Jima’

結局、他にソファー席はなかった。4Fの両舷と5Fの左舷に新聞がおいてあるスペースがあって、そこに椅子が10席ぐらいある。ソファーではない。

4Fには案内所、自販機や電子レンジがある給湯室、シャワー室、トイレ、キッズルームなどがあって、あと観光相談所みたいなところが開設されている。

案内板を見ると3Fに「ミニサロン南島」があるようなので、そこはどうかと思い行こうとするが場所がよくわからない。探すと中央の階段からは行けず、後方の階段でしか行けないところにあった。ここにはあまり乗客はおらず2, 3組。食事や飲み物の販売はなく、自販機とテーブルがあるだけ。椅子もないのでここもパス。

ついでに3Fにある2等和室エコノミーを見てくる。よくある感じのカーペット敷の雑魚寝席だった。「カーペット敷なのになんで和室エコノミーっていうんだ?」

2等寝台に戻り、タブレットや食べ物を持って4Fの椅子席へいく。そこでパンやクッキー食ったり、旅日記を書いたりして過ごす。

少し船が揺れてきた。東京湾を出て外海に出たのかもしれない。ネットも繋がらなくなってきた。

しばらくして、そろそろ伊豆諸島が見えてくる頃のはずと思う。デッキに出ようと思うが、寒いので一旦寝台に戻ってレインウェアの上だけを着る。

デッキに向かっていると、「14:30からレストランで小笠原についてのレクチャーを開催する」とのアナウンスが流れる。「そういえば旅前に読んだネットの記事でそんなこと書いてあったなぁー」と思い出す。「船内見学はないのか?」

そのあと「参加される方はPCR検査証明書を」と言っている。どんな証明書が必要なのかよくわからなかったので案内所で聞いてみる。結局、今持っているヤツでokとのこと。

その前に伊豆諸島を見るためデッキに出るが、曇っていて島影は全然見えない。近くを通っているはずなのだが黄砂か?

14:30 レクチャーに参加。観光案内っぽくて目新しい情報といえば、母島に薬局はないので酔い止めは父島で買うこと、父島は見学施設が多いのとクジラが見える丘があることぐらいだった。明日の朝も聟島の辺りを通過中にデッキでレクチャーを行うとのこと。時間は9時だったっけ?忘れた

船内見学はなかった。残念

レクチャー後、ちょっと眠いので寝台に戻って寝る。

18:20 八丈島を通過中とのアナウンスが流れたので、右のデッキへ行く。

曇っているし暗くなってきているので島なんて全然見えん。隣にいたおじさんが八丈島の方向を手を差して教えてくれる。が、自分には全然見えん。GPSも電波をなかなか捕捉しないので方向がわからん。

とりあえずスマホで写真を撮っておこうと、ズームにしておじさんが差した方向にむける。するとかなりうっすらだが北側にこんもりした山がある島影がみえる。「おっ、あれが八丈島で山は八丈富士か?」

揺れながらもなんとか写真を撮る。ちゃんと写っているのかよくわからない。さっきのおじさんに「見えますか?」と聞かれ「うっすら見えます」と答える。

うっすら八丈島
うっすら八丈島

寝台に戻る。

20:00 持ってきたパンを食べるため、また案内所の横にある椅子席へ行く。寝台では寝ながらか首をかがめないと食べられない。

椅子席でパンとクッキーを食べ、しばらく旅日記を書く。

横にあるモニターには船の現在地が示されている。父島まで残り600km、まだ半分も来ていない。

船の現在地
船の現在地

「売店は21:00で営業終了、明日7:00から営業開始。デッキも21:00で消灯」とのアナウンスが流れる。

20:52 寝台に戻る。

母島のパンフレット見ていると「田澤誠治」という個人ガイドさんの連絡先が載っている。石門のツアーも案内しているようだ。母島観光協会のサイトでは出ていなかったので知らなかった。メールをいれている3社から連絡はない。というか電波が届かないのでメールが読めない。その3社がダメなら、この個人ガイドさんに電話して聞いてみようと思う。

21:00 レストランを24時まで深夜開放するとのアナウンスが流れる。

全く行く気はない。どうせ酒盛りしているはずだし。シャワーにいつ入ろうか考えるが、また眠くなったのでとりあえず寝る。昨日あんまり寝てないせいだろう。

24時前に目を覚ます。シャワーに行こうかと思ったが、朝入ることにする。

で、しばらく眠れなくなる。

が、結局音楽聴きながら寝る。寝てばっかりになってきた船旅はそんなもん。

=== 旅の費用 ========
フェリー代(東京ー父島):¥29,820
飲食代         :¥120
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合計          :¥29,940
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走行時間:0h15m44s 走行距離:2.58km
平均速度:9.8km/h 最高速度:26.5km/h

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