2日目 2008年7月26日(土) -
目が覚めると、なんと8:40!
乗る予定にしていた7:20発のバスは完全にアウト。
札幌まで来て、寝坊で10日間の自転車ツーリングをキャンセルする?
なんてことなどできるはずがない。
で、慌ててJRの時刻を調べると、次は札幌発10:00の特急で、深川乗換で留萌着は12:04になる。
次に、7:20以降のバスを調べてみると、8:20, 9:10, 9:50がある。8:20発も完全にアウトだし、9:10発は時間的にちょっと厳しい。9:50発だと留萌着は12:25。
JRで行くとバスより20分ぐらい早く着けるが、特急なので運賃がバスより倍ぐらいかかるし、輪行バッグの置き場所に困りそうだ。
それより、12時過ぎに留萌に着いて羽幌まで行けるか考える。
自転車を組み立て、留萌を13:00頃に出発して寄り道しなければ、約50km離れた羽幌までには17:00ぐらいに着けるだろう。余裕があり、少しホッとする。
9:50発の高速バスで十分間に合うので、そのバスに乗ることにする。
とっとと朝飯を食ってホテルを出る。
札幌駅前バスターミナルに到着。意外と乗客が多いが、満席にはほど遠い。
他のお客さんがバスに乗り込んだ後、運転手さんに輪行バッグをトランクに入れてもらう。自分以外にトランクを使う人はいなかった。
最後にバスに乗っても席は十分空いている。進行方向左側の座席に陣取る。
9:50 札幌駅前バスターミナルを出発。ようやくホッとする。
札幌インターから道央道に入る。天気がすこぶるイイ。数日前まで、蝦夷梅雨のせいか天気があまり良くなかったようだが、天気予報によれば、今後しばらくは天気は良さそうだ。
深川で高速を降りて市街地に入る。深川十字街というバス停に停車。十字街と地名は北海道の街でよく聞く。
深川留萌道に入る。
留萌
自動車道を降りて、しばらくすると留萌市街に入る。
もう少しで終点というところで、前方に古くて狭い橋が現れる。いかにも「昔の鉄橋」という感じが出ていて、郷愁感でヤケに目に留まる。後で調べると「港栄橋」という橋だった。
留萌駅前に到着。ここで降りてもいいのだが、トランクの輪行バッグを出してもらうのに時間がかかり、他の乗客や運転手さんにちょっと迷惑っぽい。なので、駅からすぐ近くにある終点のバスターミナルまで行くことにする。
12:25 留萌のバスターミナルに到着。留萌もイイ天気。車庫も兼ねている広いターミナル出入口近くで自転車(MR 4F)を組み立てる。その途中、バスのおじさん運転手に話しかけられる。
「どこから来た?」、「これからどこまで行く?」というお決まりの質問。
「今日は羽幌まで」と答えると、「ほっ、そうか」と特に驚くような反応もなく、どちらかというと拍子抜けしたような反応。
多分、車での時間や距離感しかないので、大して遠くないと思ったのか、それとも自転車での感覚が全然わからなかったか、どちらかだろう。
MR 4Fを組み立て終わり、走行テストをして問題なし。
バスターミナルを出発。まずは留萌駅へ向かう。
留萌に来るのは小学校の低学年の頃に海水浴で来た以来だ。が、どこの海水浴場に行ったのか、他にどこに行ったのか全然覚えていない。
13:12 留萌駅に到着。駅舎は、昔よくみた比較的大きな2階建ての直方体型。羽幌線があった国鉄時代は、さぞかし栄えていたのだろうと想像がつく。駅舎内に留萌のローカルFM局もあるようだ。記念撮影。
トイレを済ませ、留萌駅を出発。
バスから見えた古い鉄橋近くまで戻り、右折する。狭くて砂っぽい裏道のような道だ。これが国道232号線に出る道なのか少々不安になる。
踏切を渡り、港沿いの道を進んで行くと、案内標識が見えてくる。
13:22 国道232号線に到着。左が稚内、羽幌方向だ。
いよいよオロロンラインの国道232号線へ左折する。しばらく走ると、左手に日本海がど〜んと広がる。天気がよく気持ちがいい。
小平
13:42 小平に入る。
13:46 臼谷海水浴場に到着。駐車場にある大きな温度計は20.1℃を示している。普通20℃ぐらいの中を、半袖、短パンという姿で自転車に乗ると、少し寒いはずだが、全く寒さは感じず、むしろ、ほとんど夏感覚。
太陽が降り注ぐ中、日陰が全然ないところを走り続けているせいかもしれないし、青空とキラキラ光っている海がそんな感覚にさせているのかもしれない。
というか、この辺ではもうこれが真夏の陽気なんだろう。海水浴場にもお客さんが結構いるし、海に入っている人もいる。
ひょっとしたら、小学生の頃に来たのはここだったかも知れないと思ったりもする(多分、ここではなく留萌市内だろう)。
臼谷海水浴場からは、左に日本海を見ながら快走する。
14:01 小平トンネルに到着。旅前に調べていた通り、トンネルはできたばかりで新しく、広い歩道もあり、走行に問題なし。
トンネルを抜けると、下り坂の向こうに海が見える。イイ景色でちょうど車もいなかったので写真を撮ろうとすると、運悪く前方のカーブからトラックが現れて、写真に映り込む。トラックをやり過ごした後に撮り直す。
その後はもう、左に日本海、右に丘陵地という風景が延々と続く。
交通量も少なく、後続車が対向車線を通ってスピードを落とすことなく、抜いていく。これも北海道ならではの光景。
しばらく、日本海沿いの直線道路を走っていると、前方の丘陵地に風車が連なっているのが見えてくる。
来た道を振り返ると、遠くに増毛山系が見える。
14:49 道の駅「おびら鰊番屋」に到着。
海側にある「三船遭難慰霊之碑」を見学。終戦後に樺太からの引き揚げ船3隻が留萌沖でソ連の潜水艦に攻撃されて沈没または大破し、1,700人あまりが犠牲。黙祷。
その向かいに立派な木造の「旧花田家番屋」がある。やっぱり番屋はデカイ。たくさんの人を雇い、寝泊まりしていただけある。
番屋の中に人影が見えるので、見学できそうだが、時間に余裕がないのでパスする。隣の道の駅もパス。
海側に戻ると、松浦武四郎さんの銅像とアーチ型のモニュメントがある。モニュメントは何を意味しているのはわからないが、とりあえず記念撮影だけして出発。あとで調べると、ここは「にしん文化歴史公園」というそうだ。
鬼鹿の集落を過ぎた先も、左に日本海の大海原、右に丘陵地が続き、景色はほとんど変わらない。ただ、陸側に所々それなりに住宅があったりする。
そんなところを走っていると、海岸線にある
「漁民以外が、あわび、うに、つぶ、わかめ、こんぶ、ひる貝、ほっき貝、なまこ、ぎんなん草などを取ると罰せられます」
という看板が目に入る。
ここまでの海岸線でもよく目にした注意看板だが、それにしても高級そうなものがいろいろ採れるようだ。
苫前
15:30 苫前の力昼に入る。が、景色は変わらない。
力昼漁港を過ぎると、前方の丘陵地にまた風車が連なっているのが見えてくる。ただ、さっき小平でみたものよりはるかに風車の数が多い。丘の陰でよく見えないものもある。
ツーリングマップルによると、あれは「上平グリーンヒルウィンドファーム」という風力発電所で、風車は全部で39基もあるらしい。国道232号線からなんとか見えるのは9基ぐらいだ。
風車の横の、沖合に岩礁があるところに退避スペースがあるので、少し休憩する。
風車を過ぎると、国道232号線は海岸線を離れ、少し内陸に入っていく。
16:07 国道239号線との分岐に到着。
ここを右折して国道239号線に入り、古丹別で更に右折して道道1049号線・通称ベアロードを行き止まりまで走れば、あの日本史上最悪の獣害事件があった「三毛別」に行ける。古丹別まではここから5kmで、ヒグマの剥製が展示されているところもあるらしい(定かではない)。
一応、旅前にそれも考えたが、時間的に厳しそうだし、それより何より今でもヒグマが出るらしく、怖いのでやめとく。
国道239号線の分岐を過ぎ、古丹別川を渡ると、いよいよアップダウンが始まる。苫前から先はアップダウンが続くことを、自転車ツーリングのブログなどを読んで知っていたので、「ついにきたか」という感じだ。
ここまでの国道232号線は、全くもって、ずっ〜と平らな道だったので、この旅最初のまともな上り坂で、途中で結構しんどくなり、坂の途中で休憩する。
とはいうものの、初日なのに、こんなに上れないのはちょっとおかしいなぁとも思う。
今日のゴール、羽幌はもう目の前ではあるが、昼飯抜きで走ってきて腹も減ったし、疲れたので、このあたりで何か食べて大休憩することにする。
なんとかガンバって苫前の街中まで走る。
16:31 苫前町役場前に到着。役場前にある「とままえだベアー」の看板を記念撮影。大正時代に起きた日本史上最悪の獣害事件は、100年近くたった平成の今となっては町の宣伝に使われている。
そして、役場の先にあるセイコーマートで休憩しようと思ったが、そのちょっと先に道の駅があるので、そこに行くことにする。道の駅だと食事処もあるだろうし、椅子に座ってゆっくり休憩もできるだろう。
道の駅「風W(ふわっと)とままえ」に到着。北海道にありがちなビミョーなネーミングだが、風力発電にかけているのだろう。かなり大きくて立派な建物だ。
飯が食べれると思ったが、食事処は既に営業終了。売店も土産ものばかりで、ご飯ものもパンもない。
こんなことならセイコーマートに行けば良かったと思うが、戻るのも面倒なので売店でクッキーなどお菓子をいくつか買って食べる。
椅子があるところで、お菓子を食べながら周囲を見回していると、この建物の中には日帰り温泉があることがわかる。というか、この道の駅は温泉が一緒になったようなところのようだ。
建物のある高台からは港が見下ろせ、港の広場にはいくつテントが張られ、揃いの衣装を着た子供たちが見える。今日はお祭りでもありそうな感じだ。
右手方向には白い断崖が続き、少し先に街が見える。あれが羽幌の街だろう。
17:02 道の駅を出発。ここからもアップダウンがあるが、さっきより全然走れるようになる。糖分補給と休憩が効いたようだ。
羽幌
17:23 オロロン鳥がカントリーサインの羽幌に入る。しばらくすると、国道の右手に立っているオロロン鳥の馬鹿デカいモニュメントが目に入る。
羽幌の街に入り、今日泊まる宿も見つかる。まだ少し時間に余裕があるので、明日行くフェリー乗り場の場所を確かめておくため、羽幌港に向かう。
17:35 羽幌港に到着。またしてもオロロン鳥の馬鹿デカいモニュメントがあるので、フェリー乗り場はすぐに見つかる。
フェリー乗り場はすぐに見つかる。夕暮れ時で、人はおらず、静かだ。もう今日の最終便は終わったのか、天売・焼尻を結ぶ高速船も港に係留されている。
セイコーマートで買い物をして宿に向かう。
宿に到着。今日のお宿は「佐渡屋旅館」。ちょうど外装工事の途中のようだ。自転車は玄関の中に入れさせてもらう。
部屋はバス・トイレ付きで、8畳の和室と広縁がある。2食付きで7,350円也。
それより部屋の前にも玄関のような引き戸があって、何かここだけは高そうな旅館に感じる。カギが掛けづらく少々面倒ではあるが…。
今日は20時から、サンセットビーチで花火大会があるようだ。これは運がイイ。宿から近いので、風呂に入って晩飯を食べた後、ビールとつまみを片手に歩いて海岸へ向かう。
海岸に向かって歩いていると、地元民がゾロゾロと集まってくる。港の周辺には車が路駐している。一応、警備の警察官もいるが、特にオトガメはないようだ。
花火が始まる。小さい街の花火大会とはいえ、それなりの大きさの花火が30分程上がった。集まった皆さん、特に子供たちは楽しんでいるようだ。
全然暑くもなく(むしろ半袖でビールは寒いかも)、人混みも全くなく、場所取りも必要なく、始める少し前に自宅からフラッと歩いてきて、飲みながら、食べながら、のんびり花火が眺められる。
大きな街の花火大会と違ってホントいい感じだ。それでいて花火の規模は大きな街に引けを取らない。
花火や夏祭りはこんな感じがいいなぁと実感する。いい夏の夜を過ごさせてもらった。
セイコーマートで買い物して宿に戻る。
宿に戻ると、友達から電話。その友達とは、お盆の連休に立山黒部アルペンルートを旅する予定(自転車なし)で、ちょっとその旅行の話しをしつつ、今、羽幌にいて明日から天売焼尻に行き、稚内までいく事なんかも話す。
さて、明日からはいよいよ島旅が始まる。8:30発のフェリーに乗り、まずは焼尻に向かう。焼尻着が9:30で、島をのんびり、じっくり周ろうと思う。
そのあと、焼尻発14:45の高速船か15:40のフェリーで天売に向かう。高速船は自転車を畳まないといけないので、多分フェリーで行くことになるだろう。そうなると、天売着が16:05になる。日没まで1時間半ぐらいあるので島を1周するぐらいはできるだろう。
明日も天気は良さそうなので楽しみだ。
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