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'08 オロロンライン北上⑩ 利尻島〜稚内

2008年 自転車旅 北海道

最終日 2008年8月2日(土) -

今日は旅の最終日。明日も日曜日で休みなのだが、1日余裕を持って帰る計画にしている。

朝飯後、話し好きの彼に、自分の連絡先などを書いたメモ書きを渡しに部屋へ行く。ドアが開いているので中を覗くと、もぬけの殻で荷物もない。そこで気づく。

「あっ、そういえば昨日、『明日は利尻山に登るので、朝4時に出発する』と言っていたー」

もうとっくに7時も過ぎている。すっかり忘れていた。アドレス交換できず、申し訳ないことをしたと反省。

今日の天気は予報通り、本降りの雨で風もある。天気は悪化していくとのこと。海が荒れてフェリーが欠航してしまうのが怖いので、朝イチの8:40発のフェリーで稚内に戻ることにする。

問題は、稚内に着いてからどうするかだ。予定では宗谷岬に行って、そして空港に向かうつもりだった。

稚内に着いて、雨が止んだいたり小雨程度なら、宗谷岬に行くが、本降りの雨が続いていても宗谷岬に行くか、それとも稚内市内で時間を潰すか、はてはもう空港に向かうか。悩みどころだが、稚内に着いて、天気を見てから決めることにする。

とりあえず、一番最悪な稚内港から稚内空港へのバス輪行も考えておく。バスを調べると、稚内港から空港行きのバスがそれなりに出ているが、次のフェリーが稚内港に到着してから次の空港行きバスまでの乗り換え時間が20分ぐらいしかない。自転車を折り畳むのにギリギリというか、バス停までの移動時間も考えるとかなりキツそうだ。

その後のバスは1時間以上あと。まー、飛行機の時間が夕方なので、それでも全然構わない。間に合わなかったら、そのバスにしようと思う。

レインウェアを着て、リュックにレインカバーをして、少し早めに宿を出発することにする。

受付で精算をしていると、受付の方に話しかけられる。

受付の方:「お連れさん、朝早くに出発しましたよ。利尻山に登ると言っていました」

自分  :「えっ、この雨でも行ったんですか…」

受付の方:「そうみたいです」

とやや首を傾げ、苦笑い気味に話す。結構な雨と風なので、山はもっと酷いはず。大丈夫だろうかと心配になる。受付の人も、同じように感じているようだ。続けて、

受付の方:「お客さんは、今日はどうされるのですか?」

自分  :「天気が悪いので朝イチのフェリーで稚内に戻ります」

受付の方:「それでしたら、フェリー乗り場まで車で送りますよ」

自分  :「あっ、でも自転車があるので、自転車で行きます」

受付の方:「えっ、雨と風、けっこう強いですよ」

自分  :「10分ぐらいなので大丈夫です」

受付の方:「いえ、車で送りますよ。ワゴンなので自転車も載せれますし」

てっきり、自転車は載せれないと思っていたので、そう言われると、車のほうがいい。車をお願いする。

外に出ると、結構な風雨だ。すぐに車を出して貰う。自転車は軒下に置いていたが、風が強いので雨でズブ濡れ。ワゴン車まで持っていき、運転手さんに車の中に入れてもらう。運転手さんが自転車を持ち上げると、

「かっるーっ」

と、MR 4Fの軽さに少々驚かれる。確かに、荷物を乗せていないので10kgぐらいしかないはず。

7:46 宿を出発、海は少々荒れている。

7:52 あっと言う間に鴛泊港フェリーターミナルに到着。自転車を下ろしてもらい、お礼を言って車を降りる。時間に余裕を持って宿を出発したので、まだ時間はある。

どうやら、フェリーは時間通りに動いているようだ。天気が回復することを期待して、自転車は折り畳まず、このままフェリーに載せることにする。

稚内までの運賃は2等で1,980円也、自転車の運賃は1,210円也。もう、そんなもんだろうという感覚。

8:40 利尻島・鴛泊港出港。この天気なのでデッキには出ず、2等のカーペット敷の雑魚寝部屋で過ごす。利尻も雨の影響で思っていたほど周れなかった。ここもまた来たいと思う。

あとは稚内に着く頃には、天気がよくなっていることを期待する。まー可能性は低いだろう。

稚内

10:20 稚内港に到着。

車両甲板で下船待ち(稚内港)
車両甲板で下船待ち(稚内港)

天気は一向に回復せず、相変わらず結構な雨が降っている。この天気だと宗谷岬はおろか稚内市内さえ周ろうという気が全然起きないし、そもそも自転車で走りたくない。

なので、最悪パターンの稚内港から空港行きのバスに輪行して、即、稚内空港に行くことにする。飛行機の時間まで6時間ぐらいあるが、空港でビールでも飲み、カメラの写真を見ながら旅の余韻に浸ろうと思う。

バス停の近くの屋根のあるところで自転車を折りたたむ。輪行バッグに入れ終わってもバスはまだ来ない。どうやら、1時間以上待つ必要なく、次のバスに乗れそうだ。

間もなく、空港行きのバスがやって来る。普通の路線バスなので、輪行バッグを持って乗り込む。幸い、乗客は少なく、輪行バッグで迷惑をかけることはなさそうだ。空港まで所要時間は約35分。

外は雨で、車窓からはあまり景色も見えない。海沿いの国道238号線から道道121号線に入ったのはわかる。

11:15頃、稚内空港に到着。なまら時間がある。当然、搭乗続きも始まっていない。

ビールでも飲もうと思っていたが、空港のレストランはかなりお高いし、飲み屋のように酒だけで何時間も居座るのは気が引ける。しかもレストランは1軒しかないので、店をハシゴすることもできない。

幸い、ロビーにテレビがあるので、とりあえず、それを見て時間を潰す。だが、テレビにはくだらないワイドショー的な番組がずっと映っていて、つまらな過ぎる。

外に行って空港の写真を撮ったり、携帯で音楽を聞いたりして過ごす。

稚内空港
稚内空港

稚内空港は、地方空港なので大した便数は飛んでいない。羽田、新千歳、関西、名古屋行きぐらいだ。関西、名古屋は夏季限定の季節便だろう。

ただ、天候調査中の便が多い。自分が乗る予定の便もそうなっているが、欠航することはないだろう。

14:30頃、天候調査中だった自分の便より一便前の名古屋行きが、搭乗手続きを開始するというアナウンスが流れ、軽く拍手がわく。

自分は、このくらいの天気で欠航するとは全然思ってもいなかったので、

「拍手するほどか?」

と思ったが、他のお客さんはそうではなかったようだ。

そして、自分も搭乗続きを行う。運賃は26,650円だが、50%OFFの株主優待券を購入しているので、実質2万円ちょっと。荷物も預けて身軽になる。

土産物屋で自分の土産物を買い、宅急便で自宅に送る。リュックを背負い、輪行バッグを持って歩くので、さすがに土産物袋まで持って歩けない。

出発2時間前ぐらいに、レストランに入り、一杯やる。箸袋に「ここまで来たらサハリンビール、林蔵ビール」と書いてあるので、1杯目のサッポロクラシックのあとはサハリンビールにする。カメラの写真を見ながら、1時間ほど旅の余韻に浸る。

サハリンビールで乾杯
サハリンビールで乾杯

旅の中盤までは、天気に恵まれて楽しいツーリングだったが、後半の礼文・利尻、稚内では、雨に降られて思い通りにいかなかった。特に「オロロンライン北上」を完結する宗谷岬に行けなかったことが、一番の残念であった。利尻・礼文もあまり周れなかったので、近い将来、この辺りを含めた自転車ツーリングをまた考えようと思う。

空港の外は雨が降り続いている。レストランの壁には、利尻島をモチーフにした小さな絵がいくつか飾られる。写真もいいが、絵画もいいなと思う。

レストランを出て、ちょっとだけ土産物を追加する。これは持って帰る。

やっとこ、飛行機に搭乗する。

16:30 ANA便で稚内空港を出発。

これにて「’08 オロロンライン北上」の自転車旅は終了。