サラリーマンをしていると税金や社会保険料は毎月、給料から源泉徴収されるので、いくら払っているかほとんど意識していない。
そして早期退職すると収入が激減するので、税金や社会保険料もほとんどかからないだろうと漠然と思っていた。
早期退職後の支出を試算したり確定申告したりすることを考えると、これではイカンので税金や保険料の計算方法を調べることにした。
今日は所得税。税額は以下のように計算する。
所得税=(所得ー所得控除)×税率−税額控除
まず「所得」とは、
所得=収入ー経費
「所得」=「収入」ではない。所得には以下の種類がある。
①利子、②配当、③事業、④不動産、⑤給与、⑥退職、⑦譲渡、⑧山林、⑨一時、⑩雑
更に課税方法には「総合課税制度」と「分離課税制度」がある。
総合課税制度は、各種の所得を合計して所得税を計算するもの。分離課税制度は、他の種類の所得と分離して所得税を計算するもので源泉分離と申告分離に分けられる。
早期退職後の収入源になりそうなのは、
①預貯金などの利子所得
②株や投資信託の配当所得
③,⑩ブログのアフィリエイトなどによる事業所得または雑所得
⑤バイトなどによる給与所得
⑥退職による退職所得
⑦土地や建物、株、投資信託の譲渡よる譲渡所得
このうち、①預貯金などの利子所得と⑥退職所得、⑦土地や建物、株、投資信託の譲渡よる譲渡所得は「分離課税」(ゴルフ会員権や営業権などの譲渡所得は総合課税だが、自分には無縁)。
①利子所得は、
利子所得=利子による総収入
これに15.315%の所得税と復興特別所得税(他に5%の住民税)が課税され、源泉徴収される。
⑥退職所得の税額は前回のブログに書いた通り。
⑦土地や株などの譲渡所得は、
譲渡所得=総収入ー必要経費(取得費や手数料など)
これに15.315%の所得税と復興特別所得税(他に5%の住民税)が課税される。
他の所得計算
②配当、③事業、⑤給与、⑩雑の所得の計算方法を以下の通り。
②配当所得は、総合課税または分離課税のどちらかを選択でき、以下の式で計算する。
配当所得=総収入ー株式などを取得するための借入金の利子
分離課税にすると配当所得に15.315%の所得税と復興特別所得税(他に5%の住民税)が課税され、上場株式などの譲渡損失が出た場合は損益通算することができる。
③事業所得と⑩雑所得は、総合課税で以下の式で計算する。
事業所得=総収入ー必要経費
雑所得=総収入ー必要経費
⑤給与所得は、総合課税で以下の式で計算する。
給与所得=給与等収入ー給与所得控除
「給与所得控除(平成29年分)」は下表から計算する。
給与等の収入 | 給与所得控除 |
65万円以下 | 65万円 |
65万円超180万円以下 | 収入×40% |
180万円超360万円以下 | 収入×30%+18万円 |
360万円超660万円以下 | 収入×20%+54万円 |
660万円超1000万円以下 | 収入×10%+120万円 |
1000万円超 | 220万円 |
給与等の収入 | 給与所得控除 |
162.5万円以下 | 55万円 |
162.5万円超180万円以下 | 収入×40%-10万円 |
180万円超360万円以下 | 収入×30%+8万円 |
360万円超660万円以下 | 収入×20%+44万円 |
660万円超850万円以下 | 収入×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円 |
ところが、国税庁のホームページによると『給与等の収入が660万円未満の場合はこの表によらず、「所得税法別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」により給与所得の金額を求める』となっている。
何のために給与所得控除の表が示されているのかと疑問に思ったが、上の表はあくまでも概算で正確に計算する場合は「所得税法別表第五」を参照するということらしい。
国税庁のデータベースから「所得税法」に入り、左側の目次で「別表第五 年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」をクリックすると表が見られる。
次回に続く。
公開日:2017年3月4日0時23分
更新日:2023年12月19日12時00分
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