頸椎ヘルニア予防のためアップライトになるSATORIステムを使ってみる

2022年4月8日金曜日

自転車装備

 頸椎の椎間板ヘルニアはほぼ完治したが、「前傾のキツい自転車に乗ると、また再発するだけだよ」と医者に言われている。

ということで、今乗っている自転車の前傾を緩くするため、去年からハンドルを上げようといろいろ考えている。

まず、24インチ自転車旅用の “tern Eclipse X20” はハンドルを上げることができるので、去年の秋にあっさり対策完了。

で、問題なのはいつも買い物など街歩きに使っているクロスバイクのLOUIS GARNEAU LGS-TR LITEだ。購入したのが20076月なので、今年でもう15年になる。いろいろとパーツを交換しながらしぶとく使っている。

ただ、ハンドルはこれ以上、上げることはできない。ステムやハンドルなどパーツを交換するか、思い切って新車を購入するしかない。

新車を購入したい気持ちはあるのだが、このTR LITEは買い物など街歩きに使っているので、街中や店の駐輪場に停める事が多い。なので、新車だと盗難やいたずら、ぶつけられたりして傷つけられる恐れがあるので、なるべくこの年季の入ったTR LITEを使っていきたいところだ。

ということで、TR LITEのステムかハンドルの交換を考える。

いろいろ調べると、ハンドルの高さをアップできるステムエクステンダーとかチューブエクステンダーとか呼ばれるものがある。これが良さそうだ。

ところがである。

TR LITEは会社員時代に雨の日にも通勤に使っていたので、トップキャップボルトの六角穴が腐食している。ボルトをレンチで緩めようとしたが、完全になめてしまって緩められない。なめた六角穴つきボルト用のレンチも購入して使ってみたが、全く効果なし。

さらにハンドルを留めているステムのボルトも同じように腐食しているので、レンチで緩めようとしても多分なめてしまうだろう。

これはもう手に負えない。「新車買う?」と思いつつ、冬の間どうするか考えることにした。

そして雪もだいぶ溶けてきた先月3月の下旬、なんとかステムとハンドルを外せないものか自転車店に相談に行くことにした。

最初に行った自宅から一番近い自転車店はまだ冬季休業中。で、次に近い店。ここは営業をしていたが、店のご主人が子供の卒業式に行っているので不在。翌日、再訪して事情を説明する。

結局グラインダーかなんかを使ってトップキャップボルトやハンドルを留めているステムのボルトをぶった切るしかないようだ。そうなるとステムも使えなくなるが、ある程度そうなるだろうとは思っていた。とりあえず、すぐにはできないので、2, 3日自転車を預けて帰宅する。

3日後に「できました」との連絡が来て、TR LITEを引き取りに行く。ステムもハンドルもこちらの希望通りに外れていたが、ステムにはぶった切ったボルトが刺さったままなのでやはり使えなくなっていた。

トップキャップとステムのボルトをぶった切る
トップキャップとステムのボルトをぶった切る

アップライトステム

一応、そういうことも考えて2つのパーツを考えていた。1つ目は上にも書いたが、今のステムが使えた場合のステムエクステンダー。2つ目は今のステムが使えなくなった場合のアップライトステム。

今のステムが使えなくなったので、アップライトステムを買うことにする。このステムは簡単にいうとステムエクステンダーとステムが合体したようなもので、ステムのコラム側にステムエクステンダーのような突出部がある。それでいてステム部分も今のものより最大角度が大きく、長さも長いのでかなりハンドル位置を高くできる。

ネットで最初に見つけたのが「BBBハイフィックスアジャスタブルステムBHS-34とか35」で価格は4,500円程度。これが良さそうだ。アマゾンなどではもう販売されおらず、ネット販売されていたのは「ちゃりんこ王国」の1軒だけ。送料が1,200円もかかるがやむを得ない。

ただアマゾンを含めて他の店では販売されていないので、ここも情報が更新されていないだけで注文すると「ありません」と言われそうな感じもする(過去にそういう経験はよくあった)。

そんなとき、「サイクルベースあさひ」のサイトをみていると似たようなステムが「SATORI」というメーカーから販売されていることを知る。「SATORI」というメーカーは初耳だが、台湾メーカーのようだ。

価格も4,180円でBBBとほぼ同じ、と思っていたら、その価格はハンドルクランプ径が31.8mmのタイプだった。TR LITEのハンドル径は25.4mmなので、クランプ径が25.4mmのステムを探す。まぁ、ハンドル径が違っても価格は同じだろうと思っていた。

が、それを見つけると価格がなんと8,127円。倍近い値段だ。

「なんでそんなに違う?」

ちょっと納得できず、変だなと思う。

で、ここまでステムのことを調べて3つ疑問が湧いてきた。

1. BBBステムをネットで買おうとすると送料がかかるので、自転車店で取り寄せてもらった方が安いのでは?

2. BBBステムはそもそも販売しているのか?

3. SATORIステムは店で取り寄せても8,127円もするのか?

この疑問を解決するべく、326日に最寄りの「サイクルベースあさひ」に出向いて聞いてみることにした。

話しは外れるが、最寄りの「サイクルベースあさひ」は、去年の6月に男性がヒグマに襲われた現場の近くだ。視聴者が撮影した動画がニュースに流れていたので記憶にある方もいると思う。

そこを通って「サイクルベースあさひ」に行く。

店に入ると家族連れで賑わっている。雪が溶けて自転車で走れるようになったし、土曜日ということもあるだろう。

一応、売り場にステムが売っていないか、あとMTBなんかを見てみる。MTBはサスペンションがついているし、ハンドル位置も高い方なので、頸椎ヘルニアの予防には一番いい自転車のように思う。

ステムは当然売っておらず、店員さんに聞いて調べてもらう。しばらく待つ。

で、回答は、

・BBBステムはもう販売されておらず、在庫もないとのこと。

・SATORIステムの在庫はあるが、価格はやはり8,127円という。ネット通販のハンドルクランプ径による価格差については、わからないとのこと。

まぁそうだろうとある程度予想通りの回答だった。お礼を言って店を出る。

家に帰って、とりあえずまだ販売されている「ちゃりんこ王国」でBBBのハイフィックスアジャスタブルステム(120mm, 25.4)を発注する。価格は4,461円で送料は1,200円。

翌々日の月曜日に早速、店から「生産完了品で入荷不可」との連絡が来る。想定通りの結果だったので「やっぱり」という感じ。というより、その時はもうそれを聞いて良かったという気持ちになっていた。

というのも、BBBステムを発注後、SATORIステムが他のサイトで安く販売されていないか探していたところ、あっさりアマゾン で販売されているのを見つけたからだ。価格は5,180円で送料無料。「ちゃりんこ王国」のBBBステムより送料込みだと500円ほど安く、「サイクルベースあさひ」のSATORIステムより3,000円も安い。

で、すぐにアマゾン SATORIステム(EZ3 AHS アジャスタブルステム25.4mm)を発注する。ステムの仕様は以下の通り。

・ハンドルクランプ径:25.4mm
・コラムサイズ:1x1/8インチ(28.6mm)
・ポスト高さ:41mm
・ステム長さ:110mm
・ステム角度:080
・重量:475g

SATORIステムの取り付け

3日後には届き、早速取り付けにかかる。

SATORI EZ3 AHS アジャスタブルステム
SATORI EZ3 AHS アジャスタブルステム

ハンドルクランプ径25.4、ステム長110

で、最初にちょっとした難点というかめんどくさいところが判明する。ハンドルをステムに取り付けるには、ハンドルを端からステムに挿入していかなければならず、そのためハンドルに取り付けているブレーキレバーやシフトレバーを外さないといけない。

このへんのパーツもボルトが錆び付いていたり、六角穴が若干腐食していたりするので、またなめないか少しヒヤヒヤしたが、問題なく外せた。

古いステムを外した状態
古いステムを外した状態

そして、いよいよステムの取り付けにかかる。

まずコラムにグリースを塗ってステムをコラムに挿入する。コラムはスペーサを外すと40mmぐらい出ているので、根元までステムを嵌め込めた。

ステムの横にある “PRESS & OPEN” と書かれた部分のボタンを押して、固定用のレバーを開く。

“PRESS & OPEN” ボタン
“PRESS & OPEN” ボタン

固定用レバーを開いた状態
固定用レバーを開いた状態

ヘッドの調整ボルトを締める。ボルトはここ↓の下にある。

ヘッド調整ボルト
ヘッド調整ボルト

ステムのサイドにあるボルトを締める。

で、次にステムの角度固定とハンドルの固定を行う。

ステム角度やハンドル位置を調整してしっかり固定されるよう、ここのボルトを締めつける。

ステムとハンドルの固定用ボルト
ステムとハンドルの固定用ボルト

固定用のレバーを閉じる。

これで基本的にSATORIステムの取り付けは完了。ステムの角度はとりえず60°にした。

結果、狙い通りハンドルの位置はサドルより高くなり、以前より10cm近く高くなったように思う。が、その分フロントのブレーキワイヤがキチキチになってしまった。というより若干短いのでブレーキレバーの位置を少し下げることにした。ブレーキングには問題ない。

SATORIステム取り付け完了
SATORIステム取り付け完了

しばらくの間、レンチを持参しながら試運転してみたがステムの角度は60°で良さそうな感じだ。

ところがある日、街中を走ってるとハンドルの右端に付けているミラーの角度がおかしくなり、ちゃんと後方が見えなくなった。あれっと思ったが、よくみるとハンドルがかなり下がっている。どうやら段差の多い道を走っていたので、振動でステムの角度がだんだん下がっていったようだ。それでハンドルにつけていたミラーの角度も変わったようだ。

一応ボルトはキツめに締めていたし、その前にも数日走ったが、そんなことは起きなかった。帰宅して一層強く締め付けた。段差の多い道は気をつけないといけない。

今後もしばらくはステムが下がったりしないか、ヘッドが緩まないか、気をつけて運転しようと思う。

走りとしては、やはりアップライトになるので強くペダルを踏み込めないような感じがする。でも街乗りとしてはこれでいいように思うし、何より頸椎のヘルニアが再発しないことが最優先だ。

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