‘08 春の秋田 斜め縦断の旅⑦ 大潟〜藤里

2020年5月10日日曜日

2008年 自転車旅 東北

6日目 200855日(月)

今日はこの旅はじめての雨予報。で、今日の行先は世界遺産・白神山地の麓にある藤里町。

「どっかで聞いたことがある町の名前だけどなんだっけなぁー?」

思い出せない。まぁいいか。

できれば白神山地のブナの森を体験したいところだけど、距離的にも天候的にも無理そう。とりあえず行けるところまで行こうと思う。

朝はまだ雨は降っていないが、完全な曇天。いつ降ってきてもいいようにリュックにレインカバーをつけておく。

8:25 宿を出発。まずは最初の目的地である石倉山に向かう。ツーリングマップルによると、石倉山からは「八郎潟の干拓地や男鹿半島を一望」できるらしいので行ってみることにした。

干拓地を東西に真っ直ぐ横切る県道54号線で、ひたすら東に向かう。新生大橋を渡り、干拓地を出る。さらば大潟。

八郎潟干拓地を貫く県道54号線
八郎潟干拓地を貫く県道54号線

9:07 国道7号線へ左折する。道路が狭く交通量も多いので、できれば走りたくない道だ。34km走ったところで何とか国道7号線から県道217号線へ逃げこむ。交通量が皆無になり、ホッとする。

石倉山

石倉山へ行くには、JR奥羽本線を越えた先で県道217号線から一般の道に右折しないといけない。

案内標識が出ていないか気をつけて進んでいくと、左カーブの途中に「石倉山公園➡︎」の案内標識を見つける。右折する。

その後も「石倉山公園」への案内標識があるので、それを頼りに次の丁字路を右折、その次の丁字路を左折していく。

ただ、案内標識だけに頼って走っていると前回の「早春の天草と通潤橋」の旅のように帰り道がわからなくなるかもしれないので、周囲の風景や右左折ポイントを頭に入れながら走る。

そして、いよいよ石倉山への上り坂が始まる。キャンプ場を通過、まだまだ急坂を上る。
右にカーブした先でようやく「石倉山公園頂上」の標識が出てくる。右の脇道に入る。

9:58石倉山公園」に到着。

自分以外は誰もいないみたいだ。車止めに自転車を止めて東屋の方へ歩いていく。

頂上にある東屋からは、ツーリングマップルに書いてある通り干拓地や男鹿半島の山々が見える。泊まったホテルもうっすら見える。

八郎潟干拓地と男鹿の山々
八郎潟干拓地と男鹿の山々

北側に目を向けると、雪が残る白神山地も見える。

雪が残る白神山地
雪が残る白神山地

晴れていればもっと景色がいいのだろうが、今日は曇天なので「まぁまぁいい景色」。雨が降っていないだけいいとしよう。

次は能代へ向かう。

急坂を下りていき、来る時に通った見覚えのある開けた場所に出る。案内標識を確認しながら来た道を戻る。

県道217号線に復帰し、まもなく県道4号線へ左折する。森岳の街を抜けるとバイパス道のようなきれいな道になるが、アップダウンが続く。「バイパス道は大体どこもアップダウンがあるな」

金光寺の交差点で左折し、県道210号線へ入る。JR奥羽本線を渡る。

10:49 右折して「能代山本広域農道」に入り、東能代へ向かう。少し遠回りしているが、道を間違えないようわかりやすいところで方向転換している。

能代

のどかな田園地帯を快走する。森に囲まれた田んぼがあったりして、田舎のイイ感じのする風景が続く。

能代山本広域農道(能代市中沢付近)
能代山本広域農道(能代市中沢付近)

山間を越えると前方が大きく開けて、高速道路と大きな街が見えてくる。「能代だー」

能代東インター近くの秋田自動車道の高架をくぐり、国道7号線に到着。ここまで迷うことなく順調に予定通りのコースを走ってこれた。「能代山本広域農道」は交通量が少なく、のどかでイイ道だった。

国道7号線の交差点を右折し、次の交差点ですぐに左折して県道64号線に入る。

JR奥羽本線を高架橋で越える。と、また前方に橋がある。

11:26 米代川にかかる米代新橋を渡る。結構デカい川。

朴瀬の交差点を右折して二ツ井方面に進む。東へ進路を取ると再び田園風景が広がり、快調に走る。よしよし、またいい感じになってきた。

しばらく走ると、右手の田んぼの中に大きくて新しそうな木造っぽい?建物が目に入る。

「あれはなんだ?」

あとで調べると常盤中学校だった。なかなか小洒落た校舎だ。

常盤中学校
常盤中学校

12:00 富根橋のたもとに到着。ここから県道64号線は道幅が所々狭くなるが、交通量も皆無なので全然問題なし。「むしろこういう道の方が好きだな」

今日は雨予報だったのでここまで早めに移動してきた。なのでまだ12時過ぎ。もう藤里までそんなに距離はないし雨もすぐには降りそうにないので、写真を撮りながらのんびり行くことにする。

米代川にかかるJRの鉄橋が見えてくる。そしてその下をくぐる。

12:26 県道317号線に到着。左折する。

二ツ井駅でトイレ休憩。駅の前では高校生がたむろしている。連休中なので部活だろう。

荷上場の交差点を左折して、いよいよ藤里町へ。

「藤里町

それにしても、なにかで聞いたことのある地名なんだが思い出せない。

「この先 変なカ~ブ スピード落とせ」の変な看板を通過。

「この先 変なカ~ブ スピード落とせ」の看板
「この先 変なカ~ブ スピード落とせ」の看板

藤里

川沿いの道や田園地帯を過ぎ、藤琴橋を渡って藤里の中心街に入る。今日の宿はもう少し先の「湯の沢温泉」近くにあるので、このまま県道317号線を進めばいい。ただ買い物できそうな店があるのはこの辺りまでだろう。

昼過ぎなのでまだ宿には行かないが、今のうちに買い物できるスーパーを確認しておこうと思う。役場のある街中へ左折する。

すると役場のすぐ近くにスーパーを発見。この先に店がなかったら、ここまで戻ってきて買い物することにしよう。

県道317号線に戻る。藤琴川に沿って走る。

藤琴川
藤琴川

13:40「白神山地世界遺産センター」の前に到着。世界遺産センターに入る前に、ここを右折した先にあるはずの今日の宿を確認しに行く。

しばらく走ると、それらしい建物が見えてくる。壁に大きく宿の名前が書いてあるので、すぐにそれとわかる。世界遺産センターへ戻る。

白神山地世界遺産センター(藤里館)」に到着。中に入り、見学する。入館料は無料。見学のついでに、この近くに白神山地を気軽に楽しめる場所はないかと展示物を見てまわる。

すると、すぐ近くに「銚子の滝」、少し先に「峨瓏の滝」、大分先に「太良峡」があることがわかる。とはいっても全部ツーリングマップルに載っているところで新たな発見はなかった。

とりあえず、次はこの先にある「峨瓏の滝」に行ってみる。

14:24峨瓏の滝」の前に到着。

県道のすぐ横に滝の沢神社があって、その向こうに滝が見える。あれが「峨瓏の滝」だろう。案内板によれば滝の高さは12mとのこと。滝の前まで遊歩道が続いているので行ってみる。

「峨瓏の滝」に到着。深い山中にある滝ではないのでもの凄く落差があるわけではないが、それでもそこそこ大きいように思う。

峨瓏の滝
峨瓏の滝

次に「峨瓏の滝」の奥にある「峨瓏峡」へ向かう。

県道317号線を少し戻り、川を渡ってすぐに左折する。林道ような急坂を上っていくと峨瓏峡隧道が現れる。そのトンネルを抜けると、その先は完全なダート道。「あぁ~」

MR 4Fの細身のタイヤでこれ以上進むのはパンクしそうでさすがに危ない。ここで引き返す。しょうがないが、熊が出そうな感じもするのでまぁいいだろう。

県道317号線まで戻り、これからどうしようか考える。時間はまだ15時前だ。ここら辺りで見どころらしいところは「太良峡」と宿の近くにある「銚子の滝」ぐらいしかない。「太良峡」はここから10km以上も先だ。

天気のほうもそろそろ雨が降り出しそうな感じになってきている。少し早いが今日のツーリングはこれで終わりにし、藤里の街へ買い出しに行って宿へ向かうことにする。その途中で「銚子の滝」を見にいこうと思う。

藤里の街へ戻る。その途中、ついに雨が降ってきた。「やっぱり来たかー」

「太良峡」に行かなくて正解だったし、事前にスーパーの場所も確認しておいてよかった。

スーパー(ITOKU藤琴店)で買い物を済まし、外に出るとなんと土砂降り。これはヤバい。土砂降りの中、宿へ向かう。

宿の近くにある「銚子の滝」のことはすっかり忘れる。とにかく早く宿に着きたいだけ。

なんとか宿に着いたが、レインウェアを着ていてもかなりのズブヌレ状態。

今日のお宿は「藤駒荘」(2019年現在は「湯元 和みの湯」)。12食で8,400円也。

中へ上がる前に「すいません、古新聞いただけませんか?」と宿のご主人にお願いする。靴の中を乾かしたり、濡れたレインウェア、リュックを床に置くために使うためだ。

宿のご主人から、古新聞をいただき、

「靴をボイラー室に置いておこうか?すぐに乾くよ」

と言われたので、お言葉に甘えてそうさせていただく。ありがたい。

自転車は入口横の屋根のある軒先に置かせてもらう。部屋は8畳の和室だが、窓際に4畳ほどの広縁もあってかなり広い。トイレとお風呂は共同。お風呂は温泉宿なので当然、温泉。

ひとっ風呂浴びてから、大広間で晩飯を食う。今日もだまっこ鍋。秋田の旅6泊中、晩飯にきりたんぽ鍋かだまっこ鍋が出たのは5回、鶏肉(比内鶏?)が出たのは6回。そんな晩飯も今日が最後だ。

他に1組のお客さん(ご夫婦のよう)がいるが、宿の方が同席して親しげに会話しているので知り合いのようだ。連休最終日のせいか、世界遺産の白神山地の近くの割に他にお客さんはいない。

宿のご主人が同席のお客さんに、

「◯◯からお越しになったお客さんです」

と、自分のことを紹介してもらう。挨拶を交わす。

そして、その直後なんの前触れもなく、あの事を思い出す。「藤里町どこかで聞いたことある名前

「そうだ。藤里町と言えば、あの事件があった街だ。数年前、ニュースやワイドショーをかなり騒がせた大きな事件

思い出したはいいが、ちょっとイヤな事件のことだった。そして、別にそのことを宿のご主人に話した訳でもないのに、なぜだか急に気まずい気持ちになってしまう

晩飯を食べ終わり、お礼を言って部屋に戻る。

明日は最終日。空港に向かうだけなのでもう特に考えることはない。雨が降らなければいいだけ。

外はまだ雨が降っている。濡れたレインウェアやレインカバーを干して、秋田の旅を振り返りながら晩酌する。

寝る。

走行時間:5h18m29s、走行距離:89.27km
平均速度:16.8km/h、最高速度:37.9km/h

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