去年は頚椎のヘルニアで自転車旅は断念したが、「今年は絶対に行ってやる」とフツフツと心を煮えたぎらせながら冬を越してきた。幸い、コロナもまん延防止が解除になった。
「よし、ゴールデンウィーク明けに行くぞ」っと決心する。
なんだが、行き先をどこにするか悩みに悩みに、二転三転、四転五転する。
行きたい場所は前々からいくつか持っている。一番は「小笠原」、二番は「沖縄」だ。
が、小笠原は厳しい坂が連続していることや島の大きさを考えると自転車が必要なのかと少々疑問を持ち始めていた。さらに、寒い冬場に長期で滞在してやろうかとかなり大胆な計画も浮上していた。なので今回、小笠原はパス。
あと、沖縄もゴールデンウィーク明けは確実に梅雨突入なのでこっちもパス。
じゃあ、次に行きたいところとなると「瀬戸内の方」になる。かなりアバウトだ。
何度か瀬戸内海の島々を旅しているが、自転車旅をするにはイイところばかりだった。これまでまだ行っていない瀬戸内の方といえば「小豆島、直島」あたりになる。「よし、ここだ。ここにしよう」
で、早速ルートを考える。「小豆島、直島」だけじゃ全然物足りないので、岡山の片鉄ロマン街道や津山、鷲羽山、倉敷周辺も加えたルートの計画を立てた。
「よし、これでOK」
ところが…だ。
ゴールデンウィーク後はいわゆる「県民割」というのが使えることを知る。そこでよく調べると我ら北海道民は、北海道と東北6県への旅が割引になることを知る。それもかなりの高額な割引だ。これは使わない手はない。
それにもう一つ、溜まっているANAのマイルやキャンペーンで当たったANAの旅行券も使いたい。マイルは使用期限が迫っていたがコロナ禍で延長につぐ延長でまだ使える。あまりマイル数は溜まっていないので近距離の東北がちょうどいいのではないかと思い浮かんでしまう。
ということで、やり直し!
ゴールデンウィーク中に東北の自転車旅ルートを急遽、いろいろ考え始める。
まず移動する飛行機。新千歳からだと青森、秋田なら溜まっているマイルで片道を賄えるし、仙台、福島なら3,000マイルほど追加すればいける。マイルを使い切ることを考えたら、行きか帰りのどちらかは秋田空港にした方がいい。青森はもう色々行っているので、もうあまり行きたいところがない。
そこで最初に旅先を秋田周辺で考える。ただ、秋田も自転車旅で2度行っているので、行ったことのある県北部は避けたい。あと、行きか帰りのどちらかを秋田空港にすればいいので、出発地か到着地は別のところにしよう。
となると、まだ行ったことのない山形県から秋田県南部あたりがよさそう。ただ、山形にはANAの直行便は飛んでいない。そうなると運賃が安い仙台がよさそうだ。
ということで、仙台空港を出発地として山形県を縦断して秋田空港を到着地とする自転車旅を考えた。
ただ、山形県や秋田県の皆さんには申し訳ないんですけど、ルート上に「ここに行ってみたいな」と思うところがあまりない。蔵王や山寺ぐらいか、あとはせいぜい飛島や鳥海山ぐらい。地図を見ていてもワクワク感が今ひとつ出てこない。申し訳ない。
で、今度はマイルや旅行券のことは考えずに、純粋に東北で一番行きたいところを考える。
それはもう間髪入れず「猪苗代湖と磐梯山周辺」だ。その次が蔵王や山寺あたりかな。
福島県や山形県は自転車旅はおろか、一度も足を踏み入れていない地だ。「これは行かないといけない」
と言うことで、福島の会津、猪苗代湖、裏磐梯から山形へ抜けるルートを考える。山形からは蔵王を通って仙台空港に抜けるとしよう。このルートだと移動する水平方向の距離は短いが、垂直方向の距離はかなり長くなる。おっさん(自分)の脚力に期待しよう。
そして行きは便数の多い仙台空港にしよう。仙台空港のホームページを見ると、仙台空港からは会津若松行きのバスが出ているし、山形にもバスが出ている。体調面や自転車にトラブルがあった場合にも役に立つ。
ところが…だ。
運行している会津バスや山交バスのホームページで時刻を調べると、なんとコロナ禍で会津若松や山形などの長距離便は全て運行休止になっている。「ガァーン」
ということで、行きは福島空港にする。福島便は夕方の1便しかないがしょうがない。福島空港からは会津若松行きのバスが出ている。帰りは仙台空港に自転車で自走しよう。何かトラブルがあれば電車輪行にする。
これで今回の自転車旅は「会津-裏磐梯-山形-蔵王-仙台空港」のルートで決定。やれやれ。
出発日はゴールデンウィーク明けの県民割が使える5月9日とする。
天気予報に揺れる出発日と行き先
福島空港行きだとマイルが足りないので、使い道が少なくなったTポイント6,500ポイントをANAマイル3,250マイルに交換する。交換に2,3日かかるというので少し早めに手続きだけしておく。
そして各県の県民割を色々調べてみた。
多少の違いはあるが、クーポンの有効期限はどこの県もチェックアウト日の24:00までなので、そこは注意しないといけない。
県民割が使える宿に泊まり、クーポンを使って飯を食うことを基本線にする。
以下に、我ら北海道民が受けられる割引額とクーポンの額を書いておこうと思う。県民割の期限は5月31日まで。
福島県:1泊5,000~9,999円で2,500円、1泊10,000~で5,000円の割引。クーポンはどちらも1泊につき2,000円分。1泊~4,999円は割引もクーポンもなし。宿を予約する前に ”STAYNAVI” で、宿泊施設の割引予算が残っているか確認。予約後に ”STAYNAVI” に予約情報を登録する。クーポンはほとんどのコンビニでも使えそう。
山形県:1泊4,000円以上で1,000円の支払い毎に500円の割引。5,000円割引が上限。クーポンは1泊につき2,000円分だがコンビニでは使えないので、飯は飲食店が中心になりそう。
宮城県:1泊10,000円未満で宿泊料の1/2が割引(1,000円未満切り捨て)、1泊10,000円以上で5,000円の割引。クーポンは宿泊料割引額が5,000円の場合2,000円分、宿泊料割引額が5,000円未満の場合1,000円分。クーポンはセブンイレブンでも使えそう。
まずは福島県の ”STAYNAVI” に会員登録、クーポンが使える店のリストを念のためダウンロードし、検索できるようにしておく。そしてワクチン接種証明書をスマホに保存しておく。
そんなこんなで出発準備をいろいろと進め、ゴールデンウィークも後半を迎える。
天気が気になる。気になって気になってしようがない。自転車旅の宿命である。
週間予報をみると初日の5月9日はなんと雨、最悪。その後一旦晴れるが13,14日も雨予報。
雨は旅のどこかで必ず遭遇するのでしようがない。ただ13,14日は磐梯山から裏磐梯の方に行く予定にしているので、雨中の山中の移動は避けたい。絶対に避けたい。これまでツラい経験をいろいろしているので…。
「延期した方がいいのか?」と思い2週間天気予報なるものを見たりするが、ほとんど雨の日がなくてどうも信用ならない。梅雨が迫っているので、やっぱり出発は延期したくはない。
梅雨を避けるのならなるべく北に行った方がいいのでは?とまたまたよからぬ考えが浮上してくる。
浮上してきたので考えてしまう。東北北部で行ってみたいところは八幡平と下北半島の尻屋崎ぐらいだ。
となると、秋田空港を出発して、玉川温泉、八幡平を通って岩手県に抜け八戸あたりに出る。そこから太平洋沿岸を北上して尻屋崎に行き、大間をゴールとする。
無理矢理繋いだルートだが、それなりのルートにはなった。ルート上に行ったことのある角館や田沢湖、大間があるが、まぁしょうがない。これぐらいはいいだろう自分に言い聞かせる。
この2案に絞る。あとは天気次第。
が、5月7日に天気予報を見ても5月9日の週はやっぱり宜しくない。しかも、5月13,14日は東日本、西日本は大雨の恐れとのこと。福島県は北日本に入るが、東日本に隣接しているのでちょっと危ない。雨になることは間違いなさそうだ。東北北部もそう変わりはない。
「どうする?どうする?どうする?迷う、迷う、迷う」。
迷った挙句、大雨予報が出ている5月13,14日以降に延期することにする。ただ、天気予報が変われば、その前に出発しようとも思う。結局迷ったまま…だ。
5月16日発、ルートは会津-裏磐梯-山形-蔵王-仙台空港で決まり
毎日毎日、何度も何度も天気予報を見ながら過ごす日々。結局、出発は1週間遅れの5月16日にしようと2日前の5月14日に決める。そして行き先も一番行きたい「会津-裏磐梯-山形-蔵王-仙台空港」のルートで腹を決める。
そうと決めたので、すぐさま出発から3日目までの宿をハピタス経由楽天トラベルで予約し、 “STAYNAVI” に登録。福島までの飛行機もマイルで予約する。
が、ここで嬉しい誤算。
新千歳から福島までの必要マイルはR(レギュラー)シーズンだと7,500マイルなのだが、5月25日までは4,500マイルで利用できる「今週のトクたびマイル」の対象になっていた。
「えっ、ありゃ」
「今週のトクたびマイル」を知らなかったのでラッキーなんだけど、事前に知っていれば、TポイントをANAマイルへ6,500ポイントも移行せず、最低限の500ポイントだけで賄えた…。
ちょっと後悔、また中途半端に3,000マイルが残ってしまった…。
3日目以降の宿や帰りの飛行機は、候補だけピックアップしておく。なんせ旅は天候次第。いつどこにいるのか、どこに泊まるのか、いつ帰るのかなんて決められない。
これは会社員だとできないね。へへっ。ただ、県民割が終了する5月31日までには旅を終わらせるつもり(旅の最中に県民割は6月30日まで延長されたけどね…)。
これでやっとこさ日程は決まった。
次にツーリング用の自転車だ。
いつもの “tern Eclipse X20” を使う。前回の「ぐるっと日高山脈一周キャンプ旅」との違いは、頚椎ヘルニアの再発を防止するためハンドルを少し高くしたことと、裾汚れ防止のためにチェーンリングの外側に付けていたカバーを金属製からプラスチック製に変えたことぐらい。
小さなところでは、今回のルートは山越えが多いので、減っていたリアのブレーキパッドを新品に交換しておいた。
GPSもかなりガタがきていたので、直前まで中古品でいいものがないか探していたが、なかなか見つからず、結局そのまま使うことにした。「壊れるなよ」
体調面では今回の自転車旅に向けて頚椎のヘルニアや左膝の痛みが再発しないよう、首の筋トレやジョギング、日帰りツーリングなどでケアしてきた。あとは痛みが出ないことを祈るばかり。体さん、よろしくお願いします。
いざ、出発ー。
広告
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメント欄